有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/03/22 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
79項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「気持ちに勝るものはない」を経営理念として、中古車販売並びに安心・快適・楽しいカーライフの提供を通じて「すべての人に感謝・感動・感激を与え続ける伝道師でありたい」をミッションに掲げ、その具現化を目指し、SUV・4WDに特化した中古車販売及びその附帯事業を東海エリアにて展開してまいりました。
今後の方針としましては、顧客のニーズに的確に対応することはもとより、SUV・4WD販売の全国展開を将来的には進め、全国の顧客に当社のスローガンを伝えるとともに「SUVといえばグッドスピード」の認知度を向上させていきたいと考えており、顧客から信頼を得られる企業を目指してまいります。
(2)経営環境及び経営戦略
当社の主軸事業が属する自動車販売業界は、自動車普及率が進み、保有台数が高止まりとなっているうえ、乗用車の平均使用年数は長期化しており、徐々に縮小傾向にあると考えられます。一方で、足元の新車販売台数及び中古車登録台数は、エコカー減税基準厳格化、消費税増税、軽自動車税増税の影響が一巡したことで、回復傾向にあります。また当社の主力ラインナップであるSUVやミニバンの新車販売台数は、拡大基調が続いております。
中古車販売業界は多数乱戦業界であります。全国には約3万店舗の中古車販売店があると言われておりますが、業界大手でも、年間販売台数におけるそのシェアは5%程度であります。今後、大手販売店への集約が進むと予想されており、当社がそのシェアに入り込む余地は大きいと考えております。
このような環境下で当社においては、中期経営計画における中期経営目標として「SUV販売台数日本一」をスローガンに掲げ、その足掛かりを作るため以下の経営戦略の下、事業活動を進めております。
1.店舗数の拡大
引き続き、中古車販売店の店舗展開を積極的に進めることにより、業績の拡大を推進してまいります。
また、販売チャンネルを拡大するため、新規出店は地域特性や競合の状況、店舗の規模等を勘案し、現在展開しているSUV・4WD、ミニバン、輸入車以外の新しいジャンルの専門特化型店舗を展開してまいります。
2.カーライフサポートの拡充
需要が高まりつつあるマイカーリースの販売を本格的に展開し、中古車販売の拡大と同時に、リース契約期間終了後の高年式・低走行の良質な車両を仕入できる機会の増加につなげてまいります。
また、平成30年9月期より開始した出張査定の件数拡大を図るとともに、平成31年9月期に買取専門店を出店することにより、買取機能の強化を行い、買取台数の増加を図ってまいります。これにより、売上高・売上総粗利益の拡大と同時に、高年式・低走行の良質な車両を仕入できる機会の増加につなげてまいります。
現在も中古車の販売だけに留まらず、自動車保険、車検・整備やレンタカーなどお客様のカーライフをトータルサポートできる様々なサービス展開を行っておりますが、更に新しいサービスの拡充を図ってまいります。
3.来客数の増加
販売促進、広告宣伝の強化によって、既納顧客(当社販売車両を購入した顧客)への営業を強化してまいります。具体的には、平成30年9月期に一新したCRMシステム(顧客管理システム)の活用並びにコールセンターの体制強化を通じて、過去に販売した顧客の再来店(リピート率)を高めてまいります。
また、平成30年9月期にリニューアルした自社在庫検索ページの強化や、他社専門サイトの活用を通じて、ブランドの認知度向上を図ってまいります。
4.顧客当たりの単価の維持・拡大
カーナビゲーションやセキュリティなどの既存附帯品及び附帯サービスの商品構成の見直しや、新規戦略商品の投入による単価向上により、顧客当たりの価格向上を図ってまいります。
5.組織体制の強化
人材採用においては、特に新卒採用において積極的な採用活動を推進し、成果の高い実績を積んでおります。
今後も給与体系の見直し、福利厚生の充実、積極的な外国人登用や退職者の再雇用、M&Aなどを通じて採用の強化と離職率の抑制を図ってまいります。
また、主に店舗マニュアルの整備と浸透による店舗運営の標準化、ハイパフォーマー(営業成績優秀者)をロールモデルにした研修などにより、既存社員のスキル・レベルアップを図ってまいります。
加えて、プロモーション・販売促進機能、商品開発機能、資材調達・購買機能、出店戦略機能の強化を図り、業績向上につなげてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社が展開する中古車販売事業においては、小売車両の販売台数を拡充していくことが重要であると認識しております。
(4)事業上の対処すべき課題
1.既存店の収益性向上
当社は国内の中古車販売市場が伸び悩む中、上記「(2)経営環境及び経営戦略」に記載の経営戦略を推進し、着実に販売台数を拡大してきておりますが、競争が激化するなかで今後も収益を確保し続けるためには、販売シェアを拡大していくことが必要であると認識しております。引き続き車両販売のみならず、附帯商品及びサービスの販売、自動車保険、車検・整備やレンタカーなど、顧客のカーライフをトータルサポートできるサービスの充実を図ることで、既存店の収益性向上に努めてまいります。
2.新規出店戦略
当社の持続的成長のためには、前記の既存店の収益性向上に加え、新規出店は必要不可欠であります。
新規出店につきましては、マーケティングの強化を行い、今後も計画的に出店を進めていく方針であります。計画的な出店を実現するため、ビジネスモデルを確立・洗練するための取り組みを積極的に行い、また滞りなく出店するための資金を確保するため、金融市場及び金融機関からの資金調達・借入を考えており、中期事業計画に沿って資金計画を綿密に策定し、金融機関とは良好な関係性を維持しつつ実行していく方針であります。将来を踏まえた中古車販売店のモデルとしては、商品保証・整備や商品の品質強化など、同業他社との差別化を図るうえで、顧客に対してのサービスコストはより上昇していくものと考えております。
そのため、既存店で培った当社の強みを活かしつつ、現在展開しているSUV・4WD、ミニバン、輸入車以外の新しい専門店特化型店舗展開の試みも検討に入れながら、全社としてより収益性が高まるよう、店舗開発のローコスト化などに取り組み、収益アップに努める考えであります。
3.仕入ルートの開拓
当社は、仕入の大半をオートオークション会場からの仕入に依存しております。一般的な中古車流通市場は、新車ディーラーや中古車買取専門店及び中古車買取販売店が消費者から買取をした中古車をオートオークションへ出品します。そのオークションに出品された中古車を中古車小売販売店が落札し、落札できた中古車を消費者へ販売します。当社は、独自の評価基準を充たした車両のみ応札するほか、落札した車両に対しては第三者機関による鑑定を受けることで、良質な車両の確保に努めております。但し、今後販売台数を増やしていく中で、品質及び数量の双方で十分な仕入を確保することが課題と認識しており、オートオークションに依存しない仕入ルートの開拓を検討しております。
4.人材確保と育成
当社の成長を支える重要な要素として、人材確保と育成は不可欠であります。当社は代表取締役社長が採用活動に積極的に参加し、新卒説明会は可能な限り出席しております。また退職防止のため給与体系・評価制度の見直し、労働環境改善、福利厚生の充実に向けた取り組みなどを積極的に進めております。
CS(顧客満足度)やブランド力向上のためには、商品知識・コミュニケーション能力・営業力を備えた従業員の育成が必要不可欠であります。当社では人材育成にあたって、現場の先輩社員から直接指導を得る実践型の人材教育(OJT)を重視するとともに、授業形式の従業員研修も導入しています。実施研修を重ねることにより、社員が自身の業務内容を把握し、会社の方針を理解した上で、自己成長目標が設定できることを狙いとしています。専門店展開をしていることも、販売スタッフの専門性向上につながっております。
5.販売後のサポート体制を含めた顧客管理体制の整備
当社は、顧客へのアンケートの実施、専門オペレーターを配属させたコールセンターの体制強化、更に顧客満足度のより高いサービス提供に繋げられるよう、集約した顧客情報を分析する専門部署を設けることにより、顧客との関係性強化を図っております。当社が提供する保証商品は保証期間を1年間から3年間より顧客に選択して頂いており、故障等の車両の受入は当社及び最寄整備工場で受付可能な体制を採っております。またサービス内容は、エンジンやミッション、ブレーキ機構、パワーステアリング機構、エアコン機構など300部位以上の充実した保証体制を整備しております。常に顧客目線でのサービス提供ができるよう、顧客の意見を参考にし、当社で販売する保証商品のサービス内容に磨きをかけるとともに、販売後のサポート体制を充実させることを今後の課題と考えております。