有価証券届出書(新規公開時)

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2019/03/22 15:00
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1)【コーポレート・ガバナンスの状況】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、経営目標の達成に向けて事業を推進していくと共に、株主をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会等の全てのステークホルダーの利益を重視した経営を行うことが当社の使命であると考えております。
そのためには、当社事業が安定的かつ永続的な発展を果たすことが不可欠であり、このような発展の基盤となる経営の健全性、透明性及び効率性が確保された体制の整備を進めてまいります。
また、当社代表取締役社長である加藤久統は、支配株主に該当いたします。
当社では、当該支配株主と取引等を検討する際には、取引の合理性(事業上の必要性)と取引条件の妥当性等の取引内容について取締役会に議案を上程し、独立役員、監査等委員会の見解を踏まえた上で取締役会において十分に審議した上で意思決定を行うこととしており、少数株主の利益を害することのないよう努めております。
①企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会の監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの強化を図るため、平成30年12月26日開催の定時株主総会の決議に基づき、「監査等委員会設置会社」へ移行いたしました。当社は、会社法に基づく機関として、株主総会、取締役会、監査等委員会及び会計監査人を設置しております。また、社内の統治体制の構築手段として、リスク・コンプライアンス委員会を設置しております。これらの機関が相互連携することによって、経営の健全性・効率性及び透明性が確保できるものと認識しているため、現状の企業統治体制を採用しております。
(当社の企業統治体制図)
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(a)取締役会
当社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名及び監査等委員である取締役3名の合計6名で構成され、当社の業務執行を決定し、取締役の職務の執行を監督する権限を有しております。取締役会については、原則として毎月1回の定期開催と、必要に応じて随時機動的に開催しております。取締役会では経営に関する重要事項についての意思決定を行うほか、取締役から業務執行の報告を適時受け、取締役の業務執行を監督しております。
(b)監査等委員会
当社の監査等委員会は、監査等委員3名(うち常勤監査等委員1名)で構成されており、策定した監査計画に基づき常勤監査等委員が監査を実施、月1回開催される監査等委員会にて報告、協議しております。
なお、常勤監査等委員である三津川康之は、株式会社ノリタケカンパニーリミテドで常勤監査役としての経験を有しております。保坂憲彦は公認会計士、平田伸男は弁護士であり、それぞれ財務及び会計、法務に関する相当程度の知見を有しております。
また、取締役の業務執行の監督機能の充実に努めており、内部監査室および会計監査人と随時情報交換や意見交換を行うほか、定期的に三者間によるミーティングを行うなど連携を密にし、監査機能の向上を図っております。
(c)会計監査人
当社は、監査法人A&Aパートナーズと監査契約を締結しております。
(d)内部監査室
当社では、監査を担当する部署として内部監査室を設置し、内部監査担当者が専任して、代表取締役社長の承認を得た内部監査計画書に基づき、当社各部署の業務全般を監査しております。内部監査結果については、内部監査終了後、被監査部門長へ事実確認を行い、その場で内部監査結果について被監査部門長へ報告した後、内部監査報告書を作成し、代表取締役社長に報告しております。改善点については、改善指示として、代表取締役社長名にて被監査部門へ監査結果及び改善事項を通知し、改善状況報告の提出を求め、業務改善を行っております。
(e)経営連絡会
経営連絡会とは、当社経営の執行機関であり、また経営に関する基本方針、戦略および経営執行に関する重要事項を協議する機関であります。なお、取締役会規程に基づく決議事項は、その協議の概要も含め取締役会に報告され取締役会にて承認します。
経営連絡会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)で構成されており、適宜関係部署担当者も参加しております。原則として月1回の開催でありますが、必要に応じて随時開催し、迅速かつ適切に対応しております。
なお、会議の運営は経営の根幹をなす業務執行に関わる重要な意思決定プロセスであるという性格を鑑み、監査等委員会による監査機能を強化するために常勤監査等委員が出席し、有効・適切な監査が行なわれるようにしております。
(f)リスク・コンプライアンス委員会
リスク・コンプライアンス委員会は、あらゆるリスクを想定し、それに対する管理体制を整備、構築することによって適切なリスク対応を図ります。
リスク・コンプライアンス委員会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び常勤監査等委員、内部監査担当者で構成されており、適宜関係部署担当者も参加しております。原則として四半期1回の開催でありますが、必要に応じて随時開催し、迅速かつ適切に対応しております。
ロ.当該体制を採用する理由
当社は、コーポレート・ガバナンス体制のより一層の強化を図るため、平成30年12月26日開催の定時株主総会の決議に基づき、「監査等委員会設置会社」へ移行いたしました。当社が同体制を採用した理由としましては、過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置く監査等委員会設置会社へ移行することにより、取締役会の監督機能の強化を図り、経営の透明性の確保と効率性の向上を図ることができると考えたためであります。
また、監査等委員会及び内部監査室等による監査体制を整え、内部統制システムの構築・運用状況を監視しております。重要な法律問題及びコンプライアンスに関する事項については、顧問弁護士等と適宜協議し指導を受けております。
ハ.その他の企業統治に関する事項
・内部統制システムの整備状況
当社の内部統制システムといたしましては、平成30年12月26日開催の取締役会で次のとおり「内部統制システムの整備に関する基本方針」について決議し、全社的な統制環境の一層の整備と統制活動の円滑な推進に努めております。
(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
Ⅰ 「取締役会規程」をはじめとする諸規程を整備し、役員・社員への周知徹底を行う。
Ⅱ 「コンプライアンス管理規程」を制定し、役員・社員への継続的な教育・研修を実施し、コンプライアンス遵守の意識の醸成を行う。
Ⅲ 「内部通報規程」を制定し、問題の早期発見に努める。
(b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
Ⅰ 「文書管理規程」を制定し、取締役会議事録、稟議書、契約書等の職務に係る重要書類を適切に保管・管理する。
Ⅱ 取締役及び監査等委員会は、これらの文書を常時閲覧できるものとする。
Ⅲ 各種法令及び証券取引所の適時開示規則に基づき、会社情報を適時適切に開示する。
Ⅳ 個人情報の不正な使用・開示・漏洩を防止し、個人情報を適切に取り扱うため、「個人情報保護規程」を明示させ、周知徹底する。
(c)損失の危機の管理に関する規程その他の体制
Ⅰ 「リスク管理規程」を制定し、事業に伴う様々なリスクの把握及び管理に努める。
Ⅱ リスク・コンプライアンス委員会において、当社の事業遂行に伴うリスクの見直しや発見及び対抗手段の検討等を行うほか、各部門責任者は、所管部門におけるリスク管理の遂行及び管理を行う。
Ⅲ 緊急事態発生の際には、代表取締役社長を本部長とする対策本部を設置し、情報の収集・分析、対応策・再発防止策の検討・実施等を行い、事態の早期解決に努める。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
Ⅰ 取締役会は、定款及び「取締役会規程」に基づいて運営し、毎月1回の定時開催に加え、必要に応じて適時臨時に開催する。
Ⅱ 「職務権限規程」、「業務分掌規程」、「稟議規程」を制定し、効率的に職務を遂行する。
(e)監査等委員がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制及びその使用人の取締役からの独立性に関する事項、並びに当該使用人に対する指示の実行性の確保に関する事項
Ⅰ 監査等委員が、監査等委員会における審議のうえ、その職務の補助をすべき使用人を要請する場合は、取締役会で協議のうえ、人数及び権限等を決定し、監査等委員の職務を補助するものとして任命する。この場合には当該使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性を確保することとし、業務の執行に係る役職を兼任しないこととする。
Ⅱ 当該使用人への人事評価・異動については、監査等委員会の同意を得るものとする。
(f)取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制、その他の監査等委員会への報告に関する体制
Ⅰ 当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人は業務又は業務に与える重要な事項については、遅滞なく監査等委員会に報告するものとする。前記にかかわらず、監査等委員はいつでも必要に応じて、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び使用人に対して報告を求めることができることとする。
Ⅱ 監査等委員は取締役会及びその他の重要な会議に出席し、必要事項の報告を求めることができる。
(g)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
Ⅰ 監査等委員会は、代表取締役社長と定期的に意見交換を行い、意思の疎通を図る。
Ⅱ 監査等委員会は、会計監査人、内部監査担当者と情報交換に努め、連携して当社の監査の実効性を確保するものとする。
・反社会的勢力排除に向けた体制
(a)反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は、以下の「反社会的勢力に対する基本方針」を定め、健全な会社運営のため、反社会的勢力とは決して関わりを持たせず、また不当な要求には断固としてこれを拒絶することを宣言しております。
Ⅰ 当社は、反社会的勢力との取引を含めた関係を遮断し、不当要求に対しては、断固として拒絶します。
Ⅱ 当社は、反社会的勢力による不当要求に対し、社員の安全を確保しつつ組織として対応し、迅速な問題解決に努めます。
Ⅲ 当社は、反社会的勢力に対して資金提供、不適切・異例な取引及び、便宜供与は行いません。
Ⅳ 当社は、反社会的勢力による不当請求に備えて、平素から警察、暴力追放運動推進センター、弁護士などの外部専門機関と緊密な連携関係を構築します。
Ⅴ 当社は、反社会的勢力による不当要求に対しては、民事と刑事の両面から、法的処置を講じる等、断固たる態度で対応します。
(b)反社会的勢力排除に向けた整備状況
Ⅰ 社内規程の整備
当社は、上記宣言の下、反社会的勢力排除に向けて、「反社会的勢力対策規程」、「反社会的勢力に対する対応マニュアル」を制定し、反社会的勢力との一切の接触を禁止しております。
Ⅱ 対応管轄部署及び不当要求防止責任者
当社は、反社会的勢力への対応管轄部署を人事総務部総務課と定めるとともに、不当要求防止責任者を選任しております。また、平素から外部専門機関と緊密な関係を構築しており、反社会的勢力による不当要求、組織暴力及び犯罪行為に対しては、直ちに対応管轄部署に報告・相談する体制を整備しております。
Ⅲ 反社会的勢力排除の対応方法
(1) 新規取引先について
原則として、民間の調査機関を通じて反社会的勢力との関係の有無を調査しております。取引の開始時には、各種契約書等には「反社会的勢力との関係がないこと」の保証や、「関係を持った場合」の暴力団排除条項を明記することとしております。
(2) 既取引先等について
通常必要と思われる注意を払うと共に、一定の範囲を対象として、調査・確認を実施しております。
(3) 既取引先等が反社会的勢力であると判明した場合や疑いが生じた場合
速やかに取引関係等を解消する体制を取っております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社のリスク管理体制は、リスクの洗い出し、評価、予防を行い、またリスクが顕在化した場合は迅速かつ的確に対応することにより被害を最小限に食い止め、再発を防止し当社の企業価値を保全することと、法令を遵守することを目的に「リスク管理規程」、「コンプライアンス管理規程」を制定し、リスク・コンプライアンス委員会を設置して四半期に1回以上開催を行い、具体的な検討事項を各部門にて対応しております。当社に大きな影響を及ぼすリスクに対しては、リスク・コンプライアンス委員会及び取締役会主導の下、適切な対応を図るべく、組織体制整備の充実に努めております。
ニ.責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。
非業務執行取締役が職務を行うとき善意でかつ重大な過失がない場合の当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令に定める額としております。
②内部監査及び監査等委員会監査の状況
内部監査につきましては、内部監査室(人員1名)を設置して臨店調査を主体に各部門における経理および財産保全の適否の監査等を含む会計監査、そして組織、制度および業務運営の適否の監査を含む業務監査を実施し、規程遵守状況を確認しております。
当社は、監査等委員会設置会社であり、月1回又は必要に応じて監査等委員会を開催し、監査等に関する重要な事項についての報告、協議又は決議を行っております。また、常勤監査等委員は、取締役会及び重要な会議に随時出席する他、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び重要な使用人からの報告等の聴取を行っております。
また、監査等委員、内部監査室並びに会計監査人は必要に応じ随時情報交換を行い、相互の連携を高め、会社業務の適法性・妥当性の確保に万全を期しております。
③社外取締役
当社は、監査等委員会設置会社における監査等委員として、社外取締役3名を選任しております。社外取締役を選任するために独立性に関する基準又は方針として明確に定めたものはありませんが、選任にあたっては、会社法及び株式会社東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準を参考にしており、経歴や当社との関係を踏まえて、当社経営陣から独立した立場で社外取締役としての職務を遂行できる十分な独立性が確保できることを前提に判断しております。取締役の三津川康之は、他社において監査役及び顧問を歴任し、その幅広い知見と経験に基づき経営全般の監視・監督を行っております。取締役の保坂憲彦は、公認会計士として、会計及び会社経営に関する専門知識と豊富な経験を有しており、これまでの経験に基づき経営全般の監視・監督を行っております。取締役の平田伸男は、弁護士としての専門的見地から、当社の経営を監視・監督を行っております。
監査等委員会監査と内部監査及び会計監査との相互連携により、情報の共有を積極的に実施し、互いの監査の実効性と効率性の向上を目指しております。なお、当社と社外取締役との間に、人的・資本的関係、取引関係及びその他利害関係はありません。
④役員報酬等
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬賞与退職慰労金
取締役82,45077,0505,4004
社外役員7,5007,5003

(注)1.取締役の人数および支給額には、平成29年12月27日に退任した取締役1名が含まれております。
2.当社は、平成30年12月26日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。
3.社外役員3名は監査役であります。
ロ.使用人兼務役員の使用人分給与のうち重要なもの
総額(千円)対象となる役員の員数(人)内容
10,6403使用人としての給与であります。

※総額および役員の員数には、平成29年12月27日に退任した取締役1名が含まれております。
ハ.役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
当社の役員報酬の額については、株主総会の決議により、取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び監査等委員それぞれの報酬等の限度額を決めております。各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬額は、役割、貢献度及び業績等を勘案し取締役会で決定しております。各監査等委員の報酬額は常勤及び非常勤の別、監査業務を勘案し監査等委員会で決定しております。
⑤株式の保有状況
該当事項はありません。
⑥会計監査の状況
当社は、監査法人A&Aパートナーズと監査契約を締結し、会計監査を受けております。当社と同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員との間には、特別な利害関係はありません。
業務を執行した公認会計士の氏名及び監査業務に係る補助者の構成は、次のとおりであります。
1.業務を執行した公認会計士の氏名
業務執行社員 公認会計士 齋藤 晃一
業務執行社員 公認会計士 寺田 聡司
継続年数については、両名とも7年以内であるため、記載を省略しております。
2.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 7名 その他 2名
⑦取締役会で決議できる株主総会決議事項
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、株主総会の決議によらず取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる旨を定款に定めております。なお、剰余金の配当の基準日は、期末配当は9月30日、中間配当は3月31日とする旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
また、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
⑧取締役の定数
当社の取締役(監査等委員であるものは除く。)は6名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。
⑨取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもっておこなう旨、また、取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。