有価証券報告書-第11期(2025/04/01-2026/03/31)
(4) 人的資本に関する取組み
当社グループは、燃料上流から発電に至る一連のバリューチェーンを持つことを強みとして、各地域・国に適合した最適なソリューションを提供することで、持続的な成長を目指している。このバリューチェーンを人的側面からより強化・高度化していくことが、HR部門に求められているミッションである。
このバリューチェーンの強化・高度化は各事業の成長と相互の連携により実現され、これは人財に支えられている。以上の認識のもと、当社グループは人財こそが成長の源泉であると位置付け、社員一人ひとりが成長し、幸せを感じることが会社の持続的な成長につながると考え、HR部門では「社員と家族を幸せにする世界トップクラスの会社」というポリシーを掲げている。このHRポリシーのもと、人財領域の“攻め”と“守り”の両面からグループの成長・企業価値創造を牽引している。
“攻め”とは、事業部門のビジネスパートナーとして人財の質と量をグループ全体で事業戦略に適合していくこと。事業戦略に必要な能力(Capability)を定義・把握のうえで柔軟かつ機動的に充足することで、人的資本を通じて戦略達成に貢献する。当社グループのビジネスは、各地域に根ざした事業がグローバルにつながっているものであり、それぞれを担う人財の充足により、国籍や経験等多様なバックグラウンドを持つ人財が集うことになる。一方、多様な人財が集うだけではその価値を十分に引き出すことはできない。社員一人ひとりがそれぞれの強みを発揮し持続的に成果を創出していくために、“守り”の人財戦略として、社員が安心・健康に働くことのできる環境を整備することにより、社員一人ひとりがその価値を最大限に発揮できる基盤づくりに取り組んでいる。
本ポリシー、および攻めと守りの人財戦略のもと、主に下表の取組みを進めてきた。
①魅力ある処遇基盤の構築
イ.戦略
事業戦略達成の確度を高める上で、必要なCapabilityを充足する優秀な人財を獲得することが不可欠である。事業環境がますます高度化・複雑化する中、グループグローバルで必要な人財を充足するため、事業を行う国や地域ごとにそれぞれの人財市場に連動した魅力ある処遇で採用することを基本としている。そのうえで、グループ内の人財流動性を高め、国や地域に限定されないボーダレスな活躍機会を提供していく。
とりわけ、日本においては、採用市場における高水準の競争力を維持・向上するため、Jobをベースとした採用・配置・評価・報酬の仕組み(Job型マネジメント)への変革を推進してきた。報酬決定においては、管理職・一般職に共通して以下3点を徹底している。
① 市場競争力の確保 ・・・ 社内外の人財を惹きつける魅力的な報酬水準を実現すること
(報酬水準の設定にあたっては、国内人材市場における競争力を確保する観点から、日系企業における上位水準をベンチマークとしている)
② 実力主義の徹底 ・・・ 実力に応じた昇格および報酬への反映
③ 成果の反映 ・・・ 会社および個人の成果に対し、メリハリをつけて報酬へ反映
管理職については、事業戦略と高価値人財の機動的なマッチングを目的として、各ポジションの職務の大きさと成果に応じた人事処遇の仕組みであるJob型人事制度(Pay for Job)を適用している。職責の大きさを定量的に評価したうえで、ポジション毎に市場水準を反映した報酬ターゲットを設定し、報酬ターゲットと本人のパフォーマンスを踏まえ、報酬額を決定する。
一般職については、当社のバリューチェーンビジネスを俯瞰的に学び、様々な経験を通じて視野の拡大と視座を高めるとともに、自身の適性を見極めるための成長期間と位置付けており、成果だけでなく能力の伸長などを含めて評価を行う仕組みがマッチしていると考え、メンバーシップ型(Pay for Person)を適用している。報酬は、等級および評価結果を基本とし、経験・能力や業績への貢献度等を評価項目として反映する形で決定する。
ロ.指標及び目標
上記考えのもと、以下を実行した。
(a)市場競争力確保に資する賃上げ:直近3年間で以下のとおり月例賃金の引上げを実施(定期昇給含む)
(b)住宅支援制度の改定:適正な市場水準の反映と競争力およびリテンション強化を目的に以下を実施
・借り上げ社宅として適用される住宅の家賃上限額引上げ
・住宅手当の増額
・持ち家手当の新設
(c)転勤支援の拡充:多様な赴任のケースへの対応拡充を目的に以下を実施
・赴任支度金の増額
②人財育成
イ.戦略
2020年3月に策定した「人財育成基本方針」に基づき、社員一人ひとりを重要な財産と考え、社員自身の自立的なキャリア開発をサポートする仕組みを導入している。これにより、各社員の自立的キャリア計画のもと、環境変化の中で必要なCapabilityを備える人財の育成へ繋げる。

ロ.指標及び目標
具体的には人財育成方針のもと、主に以下を実行した(人財への投資額 約39万円/人)
(a) 自立的キャリア開発の推進
①キャリア目標設定→②キャリア開発計画の立案→③キャリア開発面談(目標と自身のGAP認識)→④GAPを埋める様々な研修・制度活用※1、という一連のプロセスにより、社員が成長できる環境を整備している。
※1_研修・制度の具体施策

(b) グローバル人財の育成
2035年のビジョン達成のためには人財のグローバル対応力の向上が必須と考えており、語学学習機会の提供や留学制度、海外拠点への短期駐在研修、新入社員向けグローバルスタートアップ研修等を積極的に提供している。グローバルスタートアップ研修は2024年から開始し、海外拠点のあるシンガポール、フィリピンを渡航先とし、2025年度は約130名が受講している。
(c) 経営人財の育成
事業環境変化の中で事業発展のためには、必要なCapabilityを備える経営人財を計画的に育成する必要がある。育成施策はサクセッションプラン及び、Future Talent Development System(以下、FTDS)の2階層で構成されている。FTDSでは、キャリア早期のタフアサインと個人特性に合わせた外部研修により、成長を促進させる。

③健康経営の推進
イ.戦略
当社は「社員の健康保持・増進の取組みが、将来的な企業価値向上に寄与する投資である」という考えのもと、「JERAグループ全ての社員が、健康で、安心して挑戦できる基盤づくり」に注力し、代表取締役社長CEO兼COOを最高責任者、CHROを執行責任者とした体制を組成の上、経営の重要課題の一つとして健康経営を推進している。

ロ.指標及び目標
具体的には衛生活動方針・計画のもと、主に以下を実行した。
(a) ワークライフバランスの推進
管理職へのワークライフバランス推進研修、労働時間の見える化、計画的連休取得の促進等により、総実労働時間*は160.6時間/月(前年度比1.8時間削減)となった。
*ワークライフバランスは時間外労働時間や年次有給休暇に限らず特別休暇も含め総合的に取り組むことから、2025年度より指標を総実労働時間に見直し。
(b) メンタルヘルスケア
全ての若手社員(新卒入社および39歳未満のキャリア採用2年目社員)への面談によるメンタルヘルスケア、新任管理職向けのラインケア研修の実施、ストレスチェックの結果に基づく高ストレス職場への改善支援等、メンタルヘルス不調の未然防止・早期発見・早期復帰に繋がる取組みを実施。
(c) 健康習慣の推進
新規にヘルスリテラシー研修の実施、社員の関心が高い健康問題への選択型研修(座りすぎによる弊害、肩こり・眼精疲労、腰痛)、ウェアラブル端末を活用したウォーキングイベント等を通じ、運動習慣(9,000歩以上/日)が30.8%(前年比11.1%増加)に向上。また、疾病の早期発見に向け、人間ドックを全員実施(実施率100%)
これらの取組みにより4年連続で「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されている。
④D&Iの推進
イ.戦略
当社は、多様な人財を活かしたイノベーション創出を重要な経営課題と位置づけ、これを推進している。当社がミッションの中で掲げる「最先端のソリューション」の提供には、「全く新しい商品、サービス、プロセスを創出」できるイノベーションが不可欠である。これに資するD&Iの取組みとして「多様性の受容」「個性の発揮」「フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成」を継続的に取組むことで、グローバルで多様な人財が集まる当社グループにおいて社員一人ひとりの能力が最大発揮され、イノベーションが生まれやすくなる状態を目指している。
また、当社グループ全体でD&Iを一体的に推進するため、2025年度にD&Iステートメント「FAIR」を策定した。FAIRを共通言語としたカルチャーの浸透を図ると共に、その浸透度を定量的に測定・把握し、課題に応じた施策を展開する。

D&Iステートメント

ロ.指標及び目標
上記戦略のもと、主に以下を実行した。
(a)フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成に関する取組み
・国内外拠点によるワークショップの実施:
JERAグループでのD&Iの取組みの推進や、海外拠点との相互理解等を目的に、国内外のメンバーが対面で集まりワークショップを開催。国や言語、役職等の壁を超え情報・意見交換を行いD&Iステートメント「FAIR」体現に向けたディスカッションを実施。
・D&Iステートメント「FAIR」実現に向けた普及・浸透活動:
全社員を対象に、D&Iステートメント理解促進を目的としたe-ラーニングを実施し、4,278名が受講。また、D&I推進啓発月間において「FAIR~皆で考える私たちの職場~」をテーマとした浸透活動を実施し、認知・理解・共感の促進に取り組んでいる。併せて、全発電所長を対象としたD&Iステートメント対話会を開催。
・サンクスデー(ファミリー参加イベント):
社員の家族やパートナーの会社理解を深め、JERAのファンになってもらうこと及び社員のエンゲージメントの向上を目的としたサンクスデーを開催し、2025年度は、東西エリア共に過去最大規模(東日本エリア525名、西日本エリア390名)の参加者となった。
(b)個性の発揮(社員がイキイキと働ける環境づくり)に関する取組み
・D&I提案ボックス:
D&Iに関する要望・改善案や各職場における取組みに関する提案など、社員の声を吸い上げる仕組みとしてD&I提案ボックスを導入。会社と社員間の意思や感情を交える双方向コミュニケーションの活性化を図っている。
(c)多様性の受容(多様な人財を受容する環境づくり)に関する取組み
・女性の活躍支援:
多様性推進の一環として女性比率向上に取り組んでいる。2025年度末における女性管理職比率は7.3%となり、同年度目標である8.5%に対して1.2Pt未達となった。女性リーダーのロールモデル不足を課題と捉え、キャリア形成上の悩みや不安の払しょくを目的に、社外女性メンターによるメンタリングプログラムの導入(2025年度は45名が参加)や、女性社員のキャリア形成に資する社外交流会を開催している。更に、女性社員を部下に持つ管理職を対象に、性別による成長機会の不均衡を是正することを目的としたアンコンシャス・バイアス研修を実施し、2025年度は38名が参加した。こうした取組みを通じて、新たな目標として、2030年度までに女性管理職比率10%を目指す。
女性管理職比率の推移

・障がい者雇用推進に関する取組み:
障がいの有無に関わらず、誰もが笑顔でイキイキと働き、社員一人ひとりが個々の能力を十分に発揮できる社会の実現を目指し、2021年4月にJERAミライフル※1を設立。様々な障がいがある社員57名が一人ひとりの特性に応じた業務に従事。同社がJERAの特例子会社として企業価値向上に貢献するため事業領域拡大を図るとともに、計画的に障がい者雇用を推進。
※1 JERA100%出資の特例子会社
・LGBTQ+への支援に関する取組み:
性的指向や性自認に関わらず、誰もが自分らしく働ける組織を目指し、社外当事者による講演会の開催や専用の外部相談窓口の設置、全社員向け啓発e-ラーニングの実施など、LGBTQ+理解及び支援に関する取組みを継続して推進している。
なお、社員のエンゲージメント向上及び企業価値向上の一助とすることを目的に、毎年社員満足度調査を実施している。会社(経営方針や戦略等)、働く環境(労働時間やチームワーク等)、能力向上(自身の達成感やスキルアップ等)に加え、2025年度よりカルチャー浸透度※2を定量的に測定・把握している。2030年度までに目指すべきカルチャー浸透の実現及び、グローバルトップ25※3を目指す。
※2 D&Iステートメント浸透度合いを指標化したもの
※3 qualtricsが保有するベンチマークGlobal Top25
(5) 安全に関する取組み
当社は「安全は、事業の基盤であるとともに企業価値の源泉であり、全ての事業活動において最優先とする」という「安全理念」を中核とする「JERAグループ安全基本方針」を掲げ、燃料上流から販売までの全てのサプライチェーンにおいて安全最優先を大前提として事業活動を展開するために様々な安全活動に取り組んでいる。
また、グローバルに事業を展開する中、国籍・人種・所属に関わらず、誰もが共通の言葉で当社が目指すべき「安全」を語ることができるようにするため、「JERA安全ビジョン」を定め、社員のみならずグループ会社や協力企業の皆さまと一体となった安全文化醸成活動を展開している。
イ.安全活動戦略
「JERAグループ安全基本方針」を実現するために中期の全社の「安全活動戦略」を策定するとともに、各部門において具体施策へ展開し、リーダーシップ、組織体制及び業務運営を軸とした安全活動を推進している。洋上風力等の再エネ発電事業の展開、アンモニア等の新燃料の導入等、新しい事業への展開においても、事業の特性を踏まえた安全対策を確実に行い、世界最高水準の安全を確保するグローバル企業を目指していく。
[安全ビジョン]

ロ.安全推進体制
当社は、社長CEO兼COOが主査となり、各部門のCXOが参加する「安全責任者会議」を設置し、2ヶ月に1回の頻度でJERAの安全に関わる事項について議論を行い、そのもとで各部門において安全活動を行うことにより会社全体で一体となった安全活動を展開している。
当社グループは、燃料上流から発電に至る一連のバリューチェーンを持つことを強みとして、各地域・国に適合した最適なソリューションを提供することで、持続的な成長を目指している。このバリューチェーンを人的側面からより強化・高度化していくことが、HR部門に求められているミッションである。
このバリューチェーンの強化・高度化は各事業の成長と相互の連携により実現され、これは人財に支えられている。以上の認識のもと、当社グループは人財こそが成長の源泉であると位置付け、社員一人ひとりが成長し、幸せを感じることが会社の持続的な成長につながると考え、HR部門では「社員と家族を幸せにする世界トップクラスの会社」というポリシーを掲げている。このHRポリシーのもと、人財領域の“攻め”と“守り”の両面からグループの成長・企業価値創造を牽引している。
“攻め”とは、事業部門のビジネスパートナーとして人財の質と量をグループ全体で事業戦略に適合していくこと。事業戦略に必要な能力(Capability)を定義・把握のうえで柔軟かつ機動的に充足することで、人的資本を通じて戦略達成に貢献する。当社グループのビジネスは、各地域に根ざした事業がグローバルにつながっているものであり、それぞれを担う人財の充足により、国籍や経験等多様なバックグラウンドを持つ人財が集うことになる。一方、多様な人財が集うだけではその価値を十分に引き出すことはできない。社員一人ひとりがそれぞれの強みを発揮し持続的に成果を創出していくために、“守り”の人財戦略として、社員が安心・健康に働くことのできる環境を整備することにより、社員一人ひとりがその価値を最大限に発揮できる基盤づくりに取り組んでいる。
本ポリシー、および攻めと守りの人財戦略のもと、主に下表の取組みを進めてきた。
| 項目 | 実績 | |
| ① | 魅力ある処遇基盤 の構築 | ・市場競争力確保に資する賃上げの実施(2026年春季労使交渉) ・住宅支援制度の拡充 ・転勤支援の拡充 |
| ② | 人財育成 | ・自立的キャリア開発の推進 ・グローバル人財の育成 ・経営人財の計画的な育成 |
| ③ | 健康経営推進 | ・ワークライフバランスの推進(総実労働時間の削減) ・メンタルヘルスケア ・健康習慣の推進等による疾病予防 |
| ④ | D&Iの推進 | ・フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成に関する取組み ・個性の発揮(社員がイキイキと働ける環境づくり)に関する取組み ・多様性の受容(多様な人財を受容する環境づくり)に関する取組み |
①魅力ある処遇基盤の構築
イ.戦略
事業戦略達成の確度を高める上で、必要なCapabilityを充足する優秀な人財を獲得することが不可欠である。事業環境がますます高度化・複雑化する中、グループグローバルで必要な人財を充足するため、事業を行う国や地域ごとにそれぞれの人財市場に連動した魅力ある処遇で採用することを基本としている。そのうえで、グループ内の人財流動性を高め、国や地域に限定されないボーダレスな活躍機会を提供していく。
とりわけ、日本においては、採用市場における高水準の競争力を維持・向上するため、Jobをベースとした採用・配置・評価・報酬の仕組み(Job型マネジメント)への変革を推進してきた。報酬決定においては、管理職・一般職に共通して以下3点を徹底している。
① 市場競争力の確保 ・・・ 社内外の人財を惹きつける魅力的な報酬水準を実現すること
(報酬水準の設定にあたっては、国内人材市場における競争力を確保する観点から、日系企業における上位水準をベンチマークとしている)
② 実力主義の徹底 ・・・ 実力に応じた昇格および報酬への反映
③ 成果の反映 ・・・ 会社および個人の成果に対し、メリハリをつけて報酬へ反映
管理職については、事業戦略と高価値人財の機動的なマッチングを目的として、各ポジションの職務の大きさと成果に応じた人事処遇の仕組みであるJob型人事制度(Pay for Job)を適用している。職責の大きさを定量的に評価したうえで、ポジション毎に市場水準を反映した報酬ターゲットを設定し、報酬ターゲットと本人のパフォーマンスを踏まえ、報酬額を決定する。
一般職については、当社のバリューチェーンビジネスを俯瞰的に学び、様々な経験を通じて視野の拡大と視座を高めるとともに、自身の適性を見極めるための成長期間と位置付けており、成果だけでなく能力の伸長などを含めて評価を行う仕組みがマッチしていると考え、メンバーシップ型(Pay for Person)を適用している。報酬は、等級および評価結果を基本とし、経験・能力や業績への貢献度等を評価項目として反映する形で決定する。
ロ.指標及び目標
上記考えのもと、以下を実行した。
(a)市場競争力確保に資する賃上げ:直近3年間で以下のとおり月例賃金の引上げを実施(定期昇給含む)
| 年度 | 2024 | 2025 | 2026 |
| 賃上げ率(平均) | 9.2% | 6.0% | 6.6% |
(b)住宅支援制度の改定:適正な市場水準の反映と競争力およびリテンション強化を目的に以下を実施
・借り上げ社宅として適用される住宅の家賃上限額引上げ
・住宅手当の増額
・持ち家手当の新設
(c)転勤支援の拡充:多様な赴任のケースへの対応拡充を目的に以下を実施
・赴任支度金の増額
②人財育成
イ.戦略
2020年3月に策定した「人財育成基本方針」に基づき、社員一人ひとりを重要な財産と考え、社員自身の自立的なキャリア開発をサポートする仕組みを導入している。これにより、各社員の自立的キャリア計画のもと、環境変化の中で必要なCapabilityを備える人財の育成へ繋げる。

ロ.指標及び目標
具体的には人財育成方針のもと、主に以下を実行した(人財への投資額 約39万円/人)
(a) 自立的キャリア開発の推進
①キャリア目標設定→②キャリア開発計画の立案→③キャリア開発面談(目標と自身のGAP認識)→④GAPを埋める様々な研修・制度活用※1、という一連のプロセスにより、社員が成長できる環境を整備している。
※1_研修・制度の具体施策
| 項目 | 具体施策 | |
| 自己学習 | ビジネススキル | eラーニング、書籍要約サービス、著名人講演、外部講師LIVEセミナー |
| 語学スキル | オンライン英会話、英語力の把握機会、日本語研修(外国籍社員向け) | |
| 自己啓発・資格取得サポート | 自己啓発ポイント(75,000円/人)、業務上受験 | |
| 新たな 成長機会 | 本業+αの実務経験 | 社内インターン、社外副業 |
| 社外にて高度な知識・スキル習得 | 国内外大学院留学制度、若手イノベーション研修 | |
| キャリア デザイン | キャリアの深化 | キャリア相談窓口、キャリア開発面談、キャリアライフデザイン研修(45歳対象) |
| 事業理解 | JERA社員として必要な知識 | 発電所研修 |

(b) グローバル人財の育成
2035年のビジョン達成のためには人財のグローバル対応力の向上が必須と考えており、語学学習機会の提供や留学制度、海外拠点への短期駐在研修、新入社員向けグローバルスタートアップ研修等を積極的に提供している。グローバルスタートアップ研修は2024年から開始し、海外拠点のあるシンガポール、フィリピンを渡航先とし、2025年度は約130名が受講している。
(c) 経営人財の育成
事業環境変化の中で事業発展のためには、必要なCapabilityを備える経営人財を計画的に育成する必要がある。育成施策はサクセッションプラン及び、Future Talent Development System(以下、FTDS)の2階層で構成されている。FTDSでは、キャリア早期のタフアサインと個人特性に合わせた外部研修により、成長を促進させる。

③健康経営の推進
イ.戦略
当社は「社員の健康保持・増進の取組みが、将来的な企業価値向上に寄与する投資である」という考えのもと、「JERAグループ全ての社員が、健康で、安心して挑戦できる基盤づくり」に注力し、代表取締役社長CEO兼COOを最高責任者、CHROを執行責任者とした体制を組成の上、経営の重要課題の一つとして健康経営を推進している。

ロ.指標及び目標
具体的には衛生活動方針・計画のもと、主に以下を実行した。
(a) ワークライフバランスの推進
管理職へのワークライフバランス推進研修、労働時間の見える化、計画的連休取得の促進等により、総実労働時間*は160.6時間/月(前年度比1.8時間削減)となった。
*ワークライフバランスは時間外労働時間や年次有給休暇に限らず特別休暇も含め総合的に取り組むことから、2025年度より指標を総実労働時間に見直し。
(b) メンタルヘルスケア
全ての若手社員(新卒入社および39歳未満のキャリア採用2年目社員)への面談によるメンタルヘルスケア、新任管理職向けのラインケア研修の実施、ストレスチェックの結果に基づく高ストレス職場への改善支援等、メンタルヘルス不調の未然防止・早期発見・早期復帰に繋がる取組みを実施。
(c) 健康習慣の推進
新規にヘルスリテラシー研修の実施、社員の関心が高い健康問題への選択型研修(座りすぎによる弊害、肩こり・眼精疲労、腰痛)、ウェアラブル端末を活用したウォーキングイベント等を通じ、運動習慣(9,000歩以上/日)が30.8%(前年比11.1%増加)に向上。また、疾病の早期発見に向け、人間ドックを全員実施(実施率100%)
これらの取組みにより4年連続で「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に認定されている。
④D&Iの推進
イ.戦略
当社は、多様な人財を活かしたイノベーション創出を重要な経営課題と位置づけ、これを推進している。当社がミッションの中で掲げる「最先端のソリューション」の提供には、「全く新しい商品、サービス、プロセスを創出」できるイノベーションが不可欠である。これに資するD&Iの取組みとして「多様性の受容」「個性の発揮」「フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成」を継続的に取組むことで、グローバルで多様な人財が集まる当社グループにおいて社員一人ひとりの能力が最大発揮され、イノベーションが生まれやすくなる状態を目指している。
また、当社グループ全体でD&Iを一体的に推進するため、2025年度にD&Iステートメント「FAIR」を策定した。FAIRを共通言語としたカルチャーの浸透を図ると共に、その浸透度を定量的に測定・把握し、課題に応じた施策を展開する。

D&Iステートメント

ロ.指標及び目標
上記戦略のもと、主に以下を実行した。
(a)フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成に関する取組み
・国内外拠点によるワークショップの実施:
JERAグループでのD&Iの取組みの推進や、海外拠点との相互理解等を目的に、国内外のメンバーが対面で集まりワークショップを開催。国や言語、役職等の壁を超え情報・意見交換を行いD&Iステートメント「FAIR」体現に向けたディスカッションを実施。
・D&Iステートメント「FAIR」実現に向けた普及・浸透活動:
全社員を対象に、D&Iステートメント理解促進を目的としたe-ラーニングを実施し、4,278名が受講。また、D&I推進啓発月間において「FAIR~皆で考える私たちの職場~」をテーマとした浸透活動を実施し、認知・理解・共感の促進に取り組んでいる。併せて、全発電所長を対象としたD&Iステートメント対話会を開催。
・サンクスデー(ファミリー参加イベント):
社員の家族やパートナーの会社理解を深め、JERAのファンになってもらうこと及び社員のエンゲージメントの向上を目的としたサンクスデーを開催し、2025年度は、東西エリア共に過去最大規模(東日本エリア525名、西日本エリア390名)の参加者となった。
(b)個性の発揮(社員がイキイキと働ける環境づくり)に関する取組み
・D&I提案ボックス:
D&Iに関する要望・改善案や各職場における取組みに関する提案など、社員の声を吸い上げる仕組みとしてD&I提案ボックスを導入。会社と社員間の意思や感情を交える双方向コミュニケーションの活性化を図っている。
(c)多様性の受容(多様な人財を受容する環境づくり)に関する取組み
・女性の活躍支援:
多様性推進の一環として女性比率向上に取り組んでいる。2025年度末における女性管理職比率は7.3%となり、同年度目標である8.5%に対して1.2Pt未達となった。女性リーダーのロールモデル不足を課題と捉え、キャリア形成上の悩みや不安の払しょくを目的に、社外女性メンターによるメンタリングプログラムの導入(2025年度は45名が参加)や、女性社員のキャリア形成に資する社外交流会を開催している。更に、女性社員を部下に持つ管理職を対象に、性別による成長機会の不均衡を是正することを目的としたアンコンシャス・バイアス研修を実施し、2025年度は38名が参加した。こうした取組みを通じて、新たな目標として、2030年度までに女性管理職比率10%を目指す。
女性管理職比率の推移

・障がい者雇用推進に関する取組み:
障がいの有無に関わらず、誰もが笑顔でイキイキと働き、社員一人ひとりが個々の能力を十分に発揮できる社会の実現を目指し、2021年4月にJERAミライフル※1を設立。様々な障がいがある社員57名が一人ひとりの特性に応じた業務に従事。同社がJERAの特例子会社として企業価値向上に貢献するため事業領域拡大を図るとともに、計画的に障がい者雇用を推進。
※1 JERA100%出資の特例子会社
・LGBTQ+への支援に関する取組み:
性的指向や性自認に関わらず、誰もが自分らしく働ける組織を目指し、社外当事者による講演会の開催や専用の外部相談窓口の設置、全社員向け啓発e-ラーニングの実施など、LGBTQ+理解及び支援に関する取組みを継続して推進している。
なお、社員のエンゲージメント向上及び企業価値向上の一助とすることを目的に、毎年社員満足度調査を実施している。会社(経営方針や戦略等)、働く環境(労働時間やチームワーク等)、能力向上(自身の達成感やスキルアップ等)に加え、2025年度よりカルチャー浸透度※2を定量的に測定・把握している。2030年度までに目指すべきカルチャー浸透の実現及び、グローバルトップ25※3を目指す。
※2 D&Iステートメント浸透度合いを指標化したもの
※3 qualtricsが保有するベンチマークGlobal Top25
| 年度 | 2024 | 2025 |
| 満足度調査総合ポイント | 65.1% | 67.5% |
(5) 安全に関する取組み
当社は「安全は、事業の基盤であるとともに企業価値の源泉であり、全ての事業活動において最優先とする」という「安全理念」を中核とする「JERAグループ安全基本方針」を掲げ、燃料上流から販売までの全てのサプライチェーンにおいて安全最優先を大前提として事業活動を展開するために様々な安全活動に取り組んでいる。
また、グローバルに事業を展開する中、国籍・人種・所属に関わらず、誰もが共通の言葉で当社が目指すべき「安全」を語ることができるようにするため、「JERA安全ビジョン」を定め、社員のみならずグループ会社や協力企業の皆さまと一体となった安全文化醸成活動を展開している。
イ.安全活動戦略
「JERAグループ安全基本方針」を実現するために中期の全社の「安全活動戦略」を策定するとともに、各部門において具体施策へ展開し、リーダーシップ、組織体制及び業務運営を軸とした安全活動を推進している。洋上風力等の再エネ発電事業の展開、アンモニア等の新燃料の導入等、新しい事業への展開においても、事業の特性を踏まえた安全対策を確実に行い、世界最高水準の安全を確保するグローバル企業を目指していく。
[安全ビジョン]

| 2026年度-2028年度 安全活動戦略 | |
| [リーダーシップ] | 経営層と各職場トップによる安全リーダーシップの発揮 ・経営層の継続的な安全コミットメント ・職場トップの安全活動の率先垂範 |
| [安全意識・スキル] | JERA事業に関わる全ての人を守るための安全意識・スキル向上 ・安全を自分事として判断・行動できる人材の育成 ・仲間の安全を守ることができる「安全のプロ」の育成 |
| [システム] | リスクベースアプローチを基盤とした安全管理システムの定着 ・3線モデルによる安全管理システムの運用 ・システム化した各種施策の実効性を担保するためのモニタリング |
ロ.安全推進体制
当社は、社長CEO兼COOが主査となり、各部門のCXOが参加する「安全責任者会議」を設置し、2ヶ月に1回の頻度でJERAの安全に関わる事項について議論を行い、そのもとで各部門において安全活動を行うことにより会社全体で一体となった安全活動を展開している。