有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/05/16 15:00
【資料】
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【項目】
83項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「“無意味な常識”に囚われず“意味のある非常識”を追求し、価値ある社会活動を行う」を企業理念に掲げ、顧客のトータルサポートコンサルティングという観点で柔軟にサービスを展開しております。企業理念を実践するために“ピアズミッション”、“約束”、“ピアズイズム”を掲げ、革新的なサービスを生み出すために日々の従業員教育を行ってまいりました。この企業理念には、過去の成功体験に囚われず、顧客ニーズの変化に対応し、常に新しいソリューションサービスを生み出し続ける意味も含まれており、当社が対象とする通信業界において革新的な取り組みを模索し、積極的に様々な提案を行なっております。
(2)経営環境
現在、当社が事業の対象としている通信業界においては、移動体通信端末を中心に目まぐるしい大きな変化を遂げており、近年では、総務省のタスクフォースや規制の緩和に始まり、政府からの携帯電話料金や契約期間の見直し要請等の影響を受けるなど、今後さらなる変化が予想されます。変化の激しい業界であるからこそ、当社に期待される使命や役割はより一層大きなものとなると考えております。当社としては今後もこうした経済情勢や消費動向、又は競合他社の状況等の経営環境にも注意を配りながら、革新的なサービスを提案してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に経営の効率化を図っております。
目標とする経営指標として、成長率を示す売上高前年対比、利益効率を示す売上高経常利益率を重要な経営指標として位置づけ、積極的かつ戦略的投資ができる体制の強化に取り組んでまいります。
(4)対処すべき課題
当社は変化の激しい通信業界において、常に新しいソリューションサービスを生み出し続けること等によって、着実に成長を続けてまいりました。当社は、現状に留まることなく「“無意味な常識”に囚われず“意味のある非常識”を追求し、価値ある社会活動を行う」という企業理念の実現に向け、以下の課題に重点的に対処してまいります。
① 人財採用・育成
当社が行っている事業の領域は、労働集約型の側面をもち、労働力に対する依存が高いと言えます。当社は、それらの労働力の源泉である人材を「人財」と定義して当社における最も重要な経営資源として位置付けており、当然のことながら提供するサービスもそれらの人財に大きな影響を受けるため、人事政策においては、優秀な人財の確保や育成を重大な課題と捉え、取り組んでまいります。
人財の確保においては、当社の将来を担う若手人財の確保のために新卒者採用のほか、併せて全国規模における顧客ニーズに柔軟に対応するため、各地域における中途採用の強化にも取り組んでおります。また、人財の育成については、各人の担当業務に関するOJTを実施し、且つ様々な研修機会の提供を通じた自己成長の推進に注力しており、当社の強みの源泉でもある理念や価値観を共有し、将来的に当社を牽引していく人財の育成も強化してまいります。
また、紹介予定派遣(労働者派遣事業及び有料職業紹介事業の許可を持つ事業者のみ行うことができる、有料職業紹介を予定して行う労働者派遣)は今後、ますます高まることが予想されるインバウンド需要に対応するためのバイリンガル人材の雇用の創出としての価値を提供するものであると当社は考えており、当社が培ってきた販売ノウハウやナレッジを基に研修を行うことで優秀な人財の育成も強化してまいります。
② 業界の適正化の流れに対応した新業態の開発
今後も継続的な成長を見込むためには、新たな収益の柱の開発が非常に重要であると考えております。通信業界において政府からの要請や総務省のタスクフォース及び規制の緩和等の影響により、キャリアショップでは利用者のニーズや利用実態に則した適正な販売方法が求められております。そのような中で、「光コラボレーションモデル(注)」を皮切りにキャリアショップにおいて、移動体通信端末やサービスコンテンツ以外にも、様々な商材やサービスの取り扱いが進んでおります。特に、「電力」や「保険」等の生活インフラの取り扱いが順次進んでいるため、当社もそのような新たに取り扱うサービスの販売方法等に係る研修等の開発にも取り組んでいく必要があります。また、今後一層、サービスコンテンツにおけるこのような業種の垣根そのものがなくなっていくことが予想されるため、通信業界で培った販売ノウハウやナレッジを基に他業界の販売代理店に展開する新業態を開発するための専門チームを設置することで、新たなサービス企画の立ち上げも試験的に実行しております。
(注)「光コラボレーションモデル」とは、「光アクセスサービス等の提供を受けた事業者が、自社サービスと光アクセスサービス等を組み合わせて、エンドユーザー(消費者)へサービスを提供するビジネスモデル」をいいます。
③ 本部機能の強化
今後の事業規模の拡大、業態の多様化において、本部機能の強化・充実を図ることが持続的な成長には重要であると考えております。今後一層、フロント部門と管理部門の連携を図り、収益力の向上、業務効率の向上及びコンプライアンスの意識の向上を徹底することで、組織全体の強化に取り組んでまいります。
④ 社会的デジタルデバイドへの対応
移動体通信端末の利用度の高まりや情報技術の発展に伴い、その恩恵を受けられない格差(デジタルデバイド)が社会的な問題となっており、通信業界向けのサービスを提供している当社だからこそ、より多くのエンドユーザー(消費者)にその「価値」や「便利さ」を届けることが最大の責務でもあると考えております。そのためには、適切な情報はもとより、キャリアショップにおいて移動体通信端末の利便性等の利用価値を追求した販売方法を広め、エンドユーザー(消費者)におけるデジタルデバイドの是正を図ることで、通信キャリアから提供されるサービスを通じてより多くのエンドユーザー(消費者)の生活を便利で充実したものとなるように努めてまいります。