有価証券報告書-第36期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて251百万円増加し、15,699百万円となりました。現金及び預金等の流動資産が1,558百万円減少した一方、のれん等の無形固定資産が1,410百万円増加したほか、投資有価証券等の投資その他の資産が258百万円増加したこと等が主な要因となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べて401百万円増加し、4,371百万円となりました。その他流動負債が90百万円減少、また買掛金が70百万円減少した一方、未払消費税等が529百万円増加したこと等が主な要因となっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて149百万円減少し、11,328百万円となりました。資本剰余金が69百万円増加、また自己株式の減少により68百万円増加した一方、利益剰余金が283百万円減少したこと等が主な要因となっております。
②経営成績の状況
当社グループを取巻く経済環境は、前連結会計年度より厳しいものとなりました。当社グループの主要顧客の属する自動車産業では、米国関税政策の動向、及び、その経済的影響について不透明な状態が継続し、景況感は悪化しました。自動車メーカー等の間では激しい開発競争が継続しているものの、主要顧客企業において開発費用の外部流出を抑制する動きに繋がりました。このような環境においても、当社グループは、グローバルに展開する顧客ニーズへの対応やグローバルでのリソースの確保に向けてカナダ及びタイ王国に拠点を設立しエンジニアリングサービスの提供を開始、技術分野においても新規の3Dプリンターメーカー 米Formlabs社やドライビングシミュレーションプロバイダー 独VI-grade社との提携等を推進して領域の拡大やサービスレベルの向上を進めて参りました。またソフトウエア開発領域での事業拡大を目的として独立系システム会社である株式会社フューレックスの全株式を取得、子会社化を行い、収益を拡大して参りました。
これらの結果、当社グループの連結売上高は25,779百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は85百万円(前年同期比81.2%減)、経常利益は82百万円(前年同期比80.3%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純利益は254百万円)となりました。
なお、第3四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等[注記事項](セグメント情報等)」をご参照ください。
(エンジニアリング・マニュファクチャリング事業)
エンジニアリング・マニュファクチャリング事業の市場環境は、自動車産業を中心とした主要顧客の当社グループに対する需要の拡大鈍化が期初の想定を超えて大きなものとなりました。このような環境の中、当社グループのエンジニアリング・マニュファクチャリング事業は、設計開発に係る受託、及び、エンジニア派遣サービスにおいて収益を拡大、試作品製造販売の分野においても高強度材料の造形が可能な新型3Dプリンターの生産能力を増強する施策等を推進し収益を拡大、インド現地法人 SOLIZE PARTNERS India Private Limitedにおいても3D CADのソフトウエア販売の受注を拡大して参りました。また、将来の収益拡大を目的としたエンジニアを増強したほか、営業及び管理の体制強化も進めたこと等により費用が増加いたしました。
これらの結果、エンジニアリング・マニュファクチャリング事業の売上高は18,828百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は435百万円(前年同期比35.9%減)となりました。
(コンサルティング・エンジニアリング事業)
コンサルティング・エンジニアリング事業の市場環境は、主要既存顧客の属する自動車産業において、期間中一時的に当社グループに対する需要が弱含む傾向となりましたが、通期では自動車産業を含め、重工業、プラント・建設業等概ね堅調な需要となりました。このような環境の中、当社グループのコンサルティング・エンジニアリング事業は、自動車産業等の主要顧客に対する変革コンサルティングサービスや、モデルベースシミュレーション等による解析サービス、サイバーセキュリティサービスの受注拡大、自然言語処理AIを用いた建設業向けの安全・品質管理を支援するクラウドサービスの展開を推進、これに関連するAI製品の開発、リリース等を進める一方、営業及び管理の体制強化も進めたこと等により費用が増加いたしました。
これらの結果、コンサルティング・エンジニアリング事業の売上高は4,617百万円(前年同期比20.1%増)、セグメント利益は305百万円(前年同期比57.5%減)となりました。
(ビジネスインキュベーション事業)
ビジネスインキュベーション事業の市場環境は、一部自動車産業に関連する顧客において当社グループに対する需要の鈍化が見られたものの、情報・通信産業や電機産業、防衛関連産業等に属する顧客からの受注は堅調に推移することとなりました。このような環境の中、既存顧客からの収益の増加に加えて、株式会社フューレックスを連結したことにより増収となった一方、営業及び管理の体制強化を図ったほか、のれん償却の開始等により費用が増加いたしました。
これらの結果、ビジネスインキュベーションの売上高は2,333百万円(前年同期比86.5%増)、セグメント損失は834百万円(前年同期のセグメント損失は942百万円)となりました。
(グループ全体)
営業外収益は、為替差益の増加等により前連結会計年度と比較して23百万円増加し42百万円となりました。また、営業外費用は、上場関連費用の減少等により11百万円減少し46百万円となりました。さらに、特別損失は、投資有価証券評価損の減少等により46百万円減少し38百万円となりました。
これらの結果、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が287百万円減少し43百万円となり、法人税、住民税及び事業税が166百万円減少し59百万円となった一方、一部子会社において、税効果会計における会社分類を保守的に判定したこと等により法人税等調整額が169百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,592百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,597百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、208百万円の支出となりました。主な増加要因は減価償却費280百万円、主な減少要因は売上債権及び契約資産の増加額327百万円、未払費用や預り金の増減によるその他の主たる営業活動181百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは506百万円減少しました。主な増加要因は未払消費税等の増減額149百万円、棚卸資産の増減額137百万円、主な減少要因は税金等調整前当期純利益287百万円、仕入債務の増減額274百万円、賞与引当金の増減額200百万円となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,205百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、株式会社フューレックス社の買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得1,076百万円、ソフトウエア等無形固定資産の取得436百万円、オフィスの拡張や3Dプリンター等有形固定資産の取得281百万円、コーポレートベンチャーキャピタル等への出資による投資有価証券の取得179百万円、RACAR Canada社からの事業譲受による支出179百万円となっております。前連結会計年度との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは1,487百万円の支出増加となりました。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,029百万円増加、ソフトウエア等無形固定資産の取得による支出が369百万円増加したこと等が主な要因となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、181百万円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額246百万円、自己株式の処分による収入116百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは1,565百万円の収入減少となりました。自己株式の売却による収入が1,501百万円減少したことが主な要因となっております。
④生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しております。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.コンサルティング・エンジニアリング事業、ビジネスインキュベーション事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
当連結会計年度末の流動比率は267.3%となり引続き高い流動性を維持し、固定比率は40.8%となり安全性を維持しております。短期及び長期の借入債務はありません。
(経営成績)
当社グループの主要顧客の属する自動車産業は、引き続き自動運転や新規技術による自動車の設計開発に関する技術について激しい競争環境におかれ、各社先行的に研究開発や新規技術の開発を促進している状況にあります。当連結会計年度の事業環境は、米国関税政策の動向、及び、その経済的影響について不透明な状態が継続し、景況感は悪化しました。自動車メーカー等の間では激しい開発競争が継続しているものの、主要顧客企業において開発費用の外部流出を抑制する動きに繋がりました。このような環境においても、当社グループは、グローバルに展開する顧客ニーズへの対応やグローバルでのリソースの確保に向けてカナダ及びタイ王国に拠点を設立しエンジニアリングサービスの提供を開始、技術分野においても新規の3Dプリンターメーカー 伊Roboze社や米Formlabs社、ドライビングシミュレーションプロバイダー 独VI-grade社との提携等を推進して領域の拡大やサービスレベルの向上を進めて参りました。またソフトウエア開発領域での事業拡大を目的として独立系システム会社である株式会社フューレックスの全 株式を取得、子会社化を行い、収益を拡大して参りました。
これらの結果、グループ全体として前連結会計年度に比べて増収、売上総利益増益、営業減益の結果となりました。
また、当社グループは工業製品の設計開発の分野において、常に顧客よりも技術及び関連する知見について先行し、顧客サービスの品質向上とより広い顧客ニーズに応えるためのサービス分野の拡大を重要な戦略の一つとしております。そのため、このような技術及び知見の発展と蓄積、及び、実際にこれらを推進することのできるエンジニアやコンサルタントの人財開発を重点的に行い、将来のリターン獲得を目的として研究開発費以外に投資的費用604百万円を費用計上しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、自動車産業を中心とする製造事業者に対して、当社グループエンジニアによる製品開発・設計の請負サービス、及びエンジニア派遣サービスを提供、また3Dプリンター等の造形設備を利用した試作モデル製造販売及び少量多品種製品の製造販売を行っております。そのため当社グループには、エンジニアやコンサルタント等人財への投資、製品の設計開発を行う専用ハードウエア及びソフトウエア等のツールへの投資、3D造形設備への投資、及びその原材料費の支払や人件費等運転資金に対して資金の需要があります。当連結会計年度においては運転資金に充当する目的で特別当座貸越契約を締結し機動的に調達できる体制を整えましたが、基本的には上記の資金需要に対して自己資金を充当する方針としております。流動性について、当連結会計年度末において4,592百万円の現金及び現金同等物を保有し、当社グループの事業運営上十分な流動性を確保していると考えております。当連結会計年度末における自己資本比率は72.2%となっており今後も安全性の高い資本構成を継続する考えであります。2016年に実施したCSM Software Private Limited(現SOLIZE PARTNERS India Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)の買収時のように、一時的にまとまった資金需要が発生し、資金の流動性が低下するリスクがあるため、借入等機動的な資金調達ができる体制の構築を進めて参ります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の
とおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業区分に基づき資産のグルーピングをし、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フローを見積り、減損の要否を判定しております。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の
課税所得に関する予測は、中期経営計画等をもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため、当社グループでは売上高対前年増加率及び営業利益額を重視するとともに、売上高の大部分を占める構成要素である国内エンジニア数(含 コンサルタント)を客観的な指標としております。顧客ニーズに応えるため、提供するサービスのラインナップを拡充、グローバルにもサービス提供ができるキャパシティを確保することを目指し、売上高の成長率を重要な目標と考えております。また、当社グループサービスの本業による付加価値の拡大を目指し、営業利益の成長を重要な目標と考えております。
当連結会計年度においては、売上高対前年増加率13.5%、営業利益は85百万円となりました。また、国内エンジニア数(含 コンサルタント)は1,639名(対前年比250名増加)となりました。推移は以下のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて251百万円増加し、15,699百万円となりました。現金及び預金等の流動資産が1,558百万円減少した一方、のれん等の無形固定資産が1,410百万円増加したほか、投資有価証券等の投資その他の資産が258百万円増加したこと等が主な要因となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べて401百万円増加し、4,371百万円となりました。その他流動負債が90百万円減少、また買掛金が70百万円減少した一方、未払消費税等が529百万円増加したこと等が主な要因となっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて149百万円減少し、11,328百万円となりました。資本剰余金が69百万円増加、また自己株式の減少により68百万円増加した一方、利益剰余金が283百万円減少したこと等が主な要因となっております。
②経営成績の状況
当社グループを取巻く経済環境は、前連結会計年度より厳しいものとなりました。当社グループの主要顧客の属する自動車産業では、米国関税政策の動向、及び、その経済的影響について不透明な状態が継続し、景況感は悪化しました。自動車メーカー等の間では激しい開発競争が継続しているものの、主要顧客企業において開発費用の外部流出を抑制する動きに繋がりました。このような環境においても、当社グループは、グローバルに展開する顧客ニーズへの対応やグローバルでのリソースの確保に向けてカナダ及びタイ王国に拠点を設立しエンジニアリングサービスの提供を開始、技術分野においても新規の3Dプリンターメーカー 米Formlabs社やドライビングシミュレーションプロバイダー 独VI-grade社との提携等を推進して領域の拡大やサービスレベルの向上を進めて参りました。またソフトウエア開発領域での事業拡大を目的として独立系システム会社である株式会社フューレックスの全株式を取得、子会社化を行い、収益を拡大して参りました。
これらの結果、当社グループの連結売上高は25,779百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は85百万円(前年同期比81.2%減)、経常利益は82百万円(前年同期比80.3%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純利益は254百万円)となりました。
なお、第3四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等[注記事項](セグメント情報等)」をご参照ください。
(エンジニアリング・マニュファクチャリング事業)
エンジニアリング・マニュファクチャリング事業の市場環境は、自動車産業を中心とした主要顧客の当社グループに対する需要の拡大鈍化が期初の想定を超えて大きなものとなりました。このような環境の中、当社グループのエンジニアリング・マニュファクチャリング事業は、設計開発に係る受託、及び、エンジニア派遣サービスにおいて収益を拡大、試作品製造販売の分野においても高強度材料の造形が可能な新型3Dプリンターの生産能力を増強する施策等を推進し収益を拡大、インド現地法人 SOLIZE PARTNERS India Private Limitedにおいても3D CADのソフトウエア販売の受注を拡大して参りました。また、将来の収益拡大を目的としたエンジニアを増強したほか、営業及び管理の体制強化も進めたこと等により費用が増加いたしました。
これらの結果、エンジニアリング・マニュファクチャリング事業の売上高は18,828百万円(前年同期比6.9%増)、セグメント利益は435百万円(前年同期比35.9%減)となりました。
(コンサルティング・エンジニアリング事業)
コンサルティング・エンジニアリング事業の市場環境は、主要既存顧客の属する自動車産業において、期間中一時的に当社グループに対する需要が弱含む傾向となりましたが、通期では自動車産業を含め、重工業、プラント・建設業等概ね堅調な需要となりました。このような環境の中、当社グループのコンサルティング・エンジニアリング事業は、自動車産業等の主要顧客に対する変革コンサルティングサービスや、モデルベースシミュレーション等による解析サービス、サイバーセキュリティサービスの受注拡大、自然言語処理AIを用いた建設業向けの安全・品質管理を支援するクラウドサービスの展開を推進、これに関連するAI製品の開発、リリース等を進める一方、営業及び管理の体制強化も進めたこと等により費用が増加いたしました。
これらの結果、コンサルティング・エンジニアリング事業の売上高は4,617百万円(前年同期比20.1%増)、セグメント利益は305百万円(前年同期比57.5%減)となりました。
(ビジネスインキュベーション事業)
ビジネスインキュベーション事業の市場環境は、一部自動車産業に関連する顧客において当社グループに対する需要の鈍化が見られたものの、情報・通信産業や電機産業、防衛関連産業等に属する顧客からの受注は堅調に推移することとなりました。このような環境の中、既存顧客からの収益の増加に加えて、株式会社フューレックスを連結したことにより増収となった一方、営業及び管理の体制強化を図ったほか、のれん償却の開始等により費用が増加いたしました。
これらの結果、ビジネスインキュベーションの売上高は2,333百万円(前年同期比86.5%増)、セグメント損失は834百万円(前年同期のセグメント損失は942百万円)となりました。
(グループ全体)
営業外収益は、為替差益の増加等により前連結会計年度と比較して23百万円増加し42百万円となりました。また、営業外費用は、上場関連費用の減少等により11百万円減少し46百万円となりました。さらに、特別損失は、投資有価証券評価損の減少等により46百万円減少し38百万円となりました。
これらの結果、前連結会計年度と比較して税金等調整前当期純利益が287百万円減少し43百万円となり、法人税、住民税及び事業税が166百万円減少し59百万円となった一方、一部子会社において、税効果会計における会社分類を保守的に判定したこと等により法人税等調整額が169百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純損失は36百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,592百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,597百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と増減の要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、208百万円の支出となりました。主な増加要因は減価償却費280百万円、主な減少要因は売上債権及び契約資産の増加額327百万円、未払費用や預り金の増減によるその他の主たる営業活動181百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、営業活動によるキャッシュ・フローは506百万円減少しました。主な増加要因は未払消費税等の増減額149百万円、棚卸資産の増減額137百万円、主な減少要因は税金等調整前当期純利益287百万円、仕入債務の増減額274百万円、賞与引当金の増減額200百万円となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,205百万円の支出となりました。主な支出の内訳は、株式会社フューレックス社の買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得1,076百万円、ソフトウエア等無形固定資産の取得436百万円、オフィスの拡張や3Dプリンター等有形固定資産の取得281百万円、コーポレートベンチャーキャピタル等への出資による投資有価証券の取得179百万円、RACAR Canada社からの事業譲受による支出179百万円となっております。前連結会計年度との比較では、投資活動によるキャッシュ・フローは1,487百万円の支出増加となりました。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,029百万円増加、ソフトウエア等無形固定資産の取得による支出が369百万円増加したこと等が主な要因となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、181百万円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額246百万円、自己株式の処分による収入116百万円等となっております。前連結会計年度との比較では、財務活動によるキャッシュ・フローは1,565百万円の収入減少となりました。自己株式の売却による収入が1,501百万円減少したことが主な要因となっております。
④生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しているため、前期比については変更後のセグメント区分の数値と比較しております。報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| エンジニアリング・マニュファクチャリング | 10,137 | 107.9 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.コンサルティング・エンジニアリング事業、ビジネスインキュベーション事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |||
| 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
| エンジニアリング・マニュファクチャリング | 18,636 | 105.2 | 620 | 75.0 |
| コンサルティング・エンジニアリング | 4,681 | 122.2 | 222 | 141.0 |
| ビジネスインキュベーション | 2,364 | 189.1 | 30 | - |
| 合計 | 25,682 | 112.7 | 873 | 88.7 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| エンジニアリング・マニュファクチャリング | 18,828 | 106.9 |
| コンサルティング・エンジニアリング | 4,617 | 120.1 |
| ビジネスインキュベーション | 2,333 | 186.5 |
| 合計 | 25,779 | 113.5 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 本田技研工業株式会社 | 6,512 | 28.7 | 6,982 | 27.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
当連結会計年度末の流動比率は267.3%となり引続き高い流動性を維持し、固定比率は40.8%となり安全性を維持しております。短期及び長期の借入債務はありません。
(経営成績)
当社グループの主要顧客の属する自動車産業は、引き続き自動運転や新規技術による自動車の設計開発に関する技術について激しい競争環境におかれ、各社先行的に研究開発や新規技術の開発を促進している状況にあります。当連結会計年度の事業環境は、米国関税政策の動向、及び、その経済的影響について不透明な状態が継続し、景況感は悪化しました。自動車メーカー等の間では激しい開発競争が継続しているものの、主要顧客企業において開発費用の外部流出を抑制する動きに繋がりました。このような環境においても、当社グループは、グローバルに展開する顧客ニーズへの対応やグローバルでのリソースの確保に向けてカナダ及びタイ王国に拠点を設立しエンジニアリングサービスの提供を開始、技術分野においても新規の3Dプリンターメーカー 伊Roboze社や米Formlabs社、ドライビングシミュレーションプロバイダー 独VI-grade社との提携等を推進して領域の拡大やサービスレベルの向上を進めて参りました。またソフトウエア開発領域での事業拡大を目的として独立系システム会社である株式会社フューレックスの全 株式を取得、子会社化を行い、収益を拡大して参りました。
これらの結果、グループ全体として前連結会計年度に比べて増収、売上総利益増益、営業減益の結果となりました。
また、当社グループは工業製品の設計開発の分野において、常に顧客よりも技術及び関連する知見について先行し、顧客サービスの品質向上とより広い顧客ニーズに応えるためのサービス分野の拡大を重要な戦略の一つとしております。そのため、このような技術及び知見の発展と蓄積、及び、実際にこれらを推進することのできるエンジニアやコンサルタントの人財開発を重点的に行い、将来のリターン獲得を目的として研究開発費以外に投資的費用604百万円を費用計上しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、自動車産業を中心とする製造事業者に対して、当社グループエンジニアによる製品開発・設計の請負サービス、及びエンジニア派遣サービスを提供、また3Dプリンター等の造形設備を利用した試作モデル製造販売及び少量多品種製品の製造販売を行っております。そのため当社グループには、エンジニアやコンサルタント等人財への投資、製品の設計開発を行う専用ハードウエア及びソフトウエア等のツールへの投資、3D造形設備への投資、及びその原材料費の支払や人件費等運転資金に対して資金の需要があります。当連結会計年度においては運転資金に充当する目的で特別当座貸越契約を締結し機動的に調達できる体制を整えましたが、基本的には上記の資金需要に対して自己資金を充当する方針としております。流動性について、当連結会計年度末において4,592百万円の現金及び現金同等物を保有し、当社グループの事業運営上十分な流動性を確保していると考えております。当連結会計年度末における自己資本比率は72.2%となっており今後も安全性の高い資本構成を継続する考えであります。2016年に実施したCSM Software Private Limited(現SOLIZE PARTNERS India Private Limited)及びCSM Software USA,LLC(現SOLIZE USA Corporation)の買収時のように、一時的にまとまった資金需要が発生し、資金の流動性が低下するリスクがあるため、借入等機動的な資金調達ができる体制の構築を進めて参ります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表[注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の
とおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の事業区分に基づき資産のグルーピングをし、減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候があった場合、将来キャッシュ・フローを見積り、減損の要否を判定しております。判定の結果、減損が必要と判断された資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の
課税所得に関する予測は、中期経営計画等をもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するため、当社グループでは売上高対前年増加率及び営業利益額を重視するとともに、売上高の大部分を占める構成要素である国内エンジニア数(含 コンサルタント)を客観的な指標としております。顧客ニーズに応えるため、提供するサービスのラインナップを拡充、グローバルにもサービス提供ができるキャパシティを確保することを目指し、売上高の成長率を重要な目標と考えております。また、当社グループサービスの本業による付加価値の拡大を目指し、営業利益の成長を重要な目標と考えております。
当連結会計年度においては、売上高対前年増加率13.5%、営業利益は85百万円となりました。また、国内エンジニア数(含 コンサルタント)は1,639名(対前年比250名増加)となりました。推移は以下のとおりです。
| 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | |
| 国内エンジニア数(人) | 1,101 | 1,205 | 1,283 | 1,389 | 1,639 |