有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/01/06 15:00
【資料】
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【項目】
151項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、「All Satisfaction~すべての人に満足を~」を経営理念として、顧客に価値ある住まいを提供することで、CS(顧客満足度)、ES(従業員満足度)の観点にて、バランスよく満足を創造することができ、CSR(企業の社会的責任)の観点から社会全体にも大きな利益をもたらすことができる社会貢献度の高い企業を目指しております。継続企業として収益を拡充し企業価値を向上させ、ステークホルダーの利益を最大化するために、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
具体的には、取締役会、監査役会、内部監査室、経営会議、リスク・コンプライアンス委員会を通じて、コンプライアンス体制の強化に努めております。代表取締役会長・代表取締役社長以下、取締役等が職責に基づいて適切な経営判断を行い、経営の効率性と迅速性を高め事業活動を通じて利益を追求すること、財務の健全性を確保しその信頼性を向上させること、事業活動における透明性及び客観性を確保すべく適時適切な情報開示を行うこと、実効性のある内部統制システムを構築すること、並びに監査役が独立性を保ち十分な監査機能を発揮すること等が重要であると考えております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、当社の事業に精通した取締役を中心とする取締役会が重要な経営事項の審議及び意思決定を行い、強い法的権限を有する監査役が独立した立場から取締役の職務執行を監査する体制を構築することで、互いの牽制機能を最大限に発揮させ、経営の効率性と健全性を確保することができると判断していることから、監査役会設置会社を採用しております。また、外部からの客観的かつ中立的な経営監視の機能を高めるべく、各方面で豊富な経験と高度な専門知識、幅広い見識を有している社外取締役及び社外監査役を選任しております。
a.会社の機関の基本説明
(a) 取締役会
当社の取締役会は、代表取締役会長 古賀祐介が議長を務め、代表取締役社長 梢政樹、取締役事業本部長 安藤彰敏、取締役管理本部長 舟橋和、取締役 安藤弘志(社外取締役)の5名で構成されております。
取締役会は、原則として毎月1回定期的に開催し、経営の最高意思決定機関として重要な経営事項の審議及び意思決定を行います。また、迅速な意思決定が必要な課題が生じた場合には、適宜、臨時取締役会を開催することとなっております。
また、取締役会にはすべての監査役が出席し、取締役の職務執行の状況を監査できる体制となっております。
(b) 監査役会
当社の監査役会は、常勤監査役 古田博(社外監査役)が議長を務め、監査役 松井知行(社外監査役)、監査役 川井信夫(社外監査役)の3名で構成されております。監査役会は、原則として毎月1回の定期的な開催に加え、重要な事項等が発生した場合には、必要に応じて臨時監査役会を開催しております。監査役は公認会計士、弁護士及び警察OBにより構成されており、職業倫理の観点からも経営監視を実施していくこととしております。
(c) 内部監査室
当社は、業務部門から独立した社長直属の内部監査室を設置しており、内部監査室長及び内部監査担当者の2名が経営目標の効率的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を評価し、業務改善に向けた助言・勧告を行っております。
(d) 経営会議
経営会議は、取締役会へ上程する議題、業績に関する進捗状況及び今後の業績見込み等について、協議、審議及び伝達を行っております。代表取締役社長 梢政樹が議長を務め、取締役事業本部長 安藤彰敏、取締役管理本部長 舟橋和、常勤監査役 古田博(社外監査役)、総務部長 栗本正貴、経営戦略部長 森川祐次、名古屋東支店長 富永潤一朗、名古屋西支店長 竹内淳二、注文設計部長 桒原辰哉、建設部長 村上和也、分譲企画部長 青山英利、東京支店長 水野貴之、不動産第一営業部長 山崎寛征、不動産第二営業部長 楯純二、内部監査室長 小栁龍介及び必要に応じて議長が指名する者により構成されており、原則として月1回の定期開催を行っております。
(e) リスク・コンプライアンス委員会
リスク・コンプライアンス委員会は、コンプライアンスに関する管理体制の強化及び遵守状況の確認、法令違反発生時の対応方針の決定、並びに各種リスクの発生事例及び発生原因の情報共有、再発防止策の策定等を行っております。代表取締役社長 梢政樹が委員長を務め、取締役事業本部長 安藤彰敏、取締役管理本部長 舟橋和、常勤監査役 古田博(社外監査役)、総務部長 栗本正貴、経営戦略部長 森川祐次、名古屋東支店長 富永潤一朗、名古屋西支店長 竹内淳二、注文設計部長 桒原辰哉、建設部長 村上和也、分譲企画部長 青山英利、東京支店長 水野貴之、不動産第一営業部長 山崎寛征、不動産第二営業部長 楯純二、内部監査室長 小栁龍介及び必要に応じて委員長が指名する者により構成されており、原則として年4回の定期的な開催に加え、重大なリスクが発生した場合にも開催することとしております。
また、必要に応じ弁護士等の外部専門家への相談も活用することとしており、法令違反及びリスク発生時の適切な対応方針の決定及び効果的な再発防止策の策定に努めております。
b.コーポレート・ガバナンス体制
当社のコーポレート・ガバナンスの状況を図示すると以下のとおりであります。

c.内部統制システムの整備状況
当社は業務の適正性を確保するための体制として、2017年11月14日の取締役会にて「内部統制システムの構築に関する基本方針」を決議しており、取締役会その他重要会議により職務の執行が効率的に行われ、法令及び定款に適合することを確保する体制作りに努めております。その他、監査役及び内部監査室が、随時必要な監査手続を実施することで役職員の職務執行状況を監視しております。
内部統制システムの整備状況の概要は、以下のとおりであります。
(内部統制システムの整備の状況)
(a) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・取締役及び使用人は、社会倫理、法令、定款及び規程類を遵守するとともに、「経営理念」に基づいた適正かつ健全な企業活動を行っております。
・取締役会は、「取締役会規程」、「職務権限規程」等の職務の執行に関する社内規程を整備し、使用人は定められた社内規程に従い業務を執行しております。
・当社は、代表取締役社長が率先してコンプライアンス推進を統括し、コンプライアンスに関する取組み及び体制の整備、教育・研修の実施を進めております。また、当社の取締役及び使用人がコンプライアンスに違反する行為を発見したときは直ちに上長に報告するものとしております。
・代表取締役社長直轄の内部監査室を設置し、各部門の業務執行及びコンプライアンス遵守状況等の監査を定期的に実施し、その結果を代表取締役社長及び監査役会に報告しております。また、法令違反その他法令上疑義のある行為等については、内部通報制度を構築し、取締役及び使用人が通報できる窓口を定め、適切に運用・対応を行っております。この場合、通報者の匿名性の保証と不利益が生じない体制を確保しております。
・監査役は、取締役の職務が適正に行われているか監査を実施し、内部監査室及び会計監査人と連携して助言・勧告を行っております。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・取締役の職務の執行に係る記録文書、稟議書、その他の重要な情報については、文書又は電磁的媒体に記録し、法令及び「文書管理規程」、「稟議規程」等に基づき、適切に保存及び管理しております。
・「機密情報管理規程」、「個人情報管理規程」、「特定個人情報管理規程」を定め、情報の流出・漏洩を防止しております。
・取締役及び監査役は、必要に応じてこれらの文書等を閲覧できるものとしております。
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・取締役会は、コンプライアンス、個人情報、品質、セキュリティ及びシステムトラブル等の様々なリスクに対処するため、社内規程を整備し、定期的に見直すものとしております。
・リスク情報等については会議体等を通じて各部門責任者より取締役及び監査役に対し報告を行っております。個別のリスクに対しては、それぞれの担当部署にて、研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行うものとし、組織横断的リスク状況の監視及び全社的対応は内部監査室が行うものとしております。
・不測の事態が発生した場合には、代表取締役社長指揮下のリスク・コンプライアンス委員会を開催し、必要に応じて顧問法律事務所等の外部専門機関とともに迅速かつ的確な対応を行い、損害の拡大を防止する体制を整えております。
・内部監査室は、各部門のリスク管理状況を監査し、その結果を代表取締役社長に報告するものとし、取締役会において定期的にリスク管理体制を見直し、問題点の把握と改善に努めております。
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するため、取締役会の運営に関する規程を定めるとともに、取締役会を原則として月1回開催する他、必要に応じて適宜臨時に開催しております。
・取締役会は、当社グループの財務、投資、コスト等の項目に関する目標を定め、目標達成に向けて実施すべき具体的方法を各部門に実行させ、取締役はその結果を定期的に検証し、評価、改善を行うことで全社的な業務の効率化を実現するものとしております。
・予算に基づき、予算期間における計数的目標を明示し、目標と責任を明確にするとともに、予算と実績の差異分析を通じて業績目標の達成を図っております。
(e) 当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・子会社の事業展開及び事業計画の進捗を把握・管理するため、当社が定める「関係会社管理規程」に基づき、特定の事項については、子会社より事前に報告させ、当社にて事前の承認を行う体制としております。
・当社の監査役及び内部監査室が子会社の監査を行い、子会社の業務が適正に行われているか確認・指導を行っております。
(f) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項並びにその使用人の取締役からの独立性に関する事項
・監査役は、管理本部の使用人に監査業務に必要な事項を指示することができます。指示を受けた使用人はその指示に関して、取締役、部門長等の指揮命令を受けないものとしております。
・取締役及び使用人は、監査役より監査業務に必要な指示を受けた管理本部の使用人に対し、監査役からの指示の実効性が確保されるように適切に対応するものとしております。
(g) 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
・監査役は、重要な意思決定のプロセスや業務の執行状況を把握するため、取締役会等の重要な会議に出席し、必要に応じ稟議書等の重要な文書を閲覧し、取締役及び使用人に説明を求めることができるものとしております。
・取締役及び使用人は、監査役に対して、法定の事項に加え、業務又は業績に重大な影響を与える事項、内部監査の実施状況、内部通報制度による通報状況及びその内容を報告する体制を整備し、監査役の情報収集・交換が適切に行えるよう協力しております。
・取締役及び使用人が監査役に報告を行った場合には、当該報告を行ったことを理由として不利益な取り扱いを行わないこととしております。
(h) 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
・監査役がその職務の執行のために費用の前払又は償還等の請求をしたときは、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに処理するものとしております。
(i) 財務報告の信頼性を確保するための体制
・監査役は、内部監査室と連携を図り情報交換を行い、必要に応じて内部監査に立ち会うものとしております。
・監査役は、法律上の判断を必要とする場合は、随時顧問法律事務所等に専門的な立場からの助言を受け、会計監査については、会計監査人に意見を求める等必要な連携を図ることとしております。
(j) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査役は、会社の業績、課題及び今後の展望等を把握するため、代表取締役社長、取締役事業本部長及び取締役管理本部長とのディスカッションを年4回実施しております。
・監査役は、相互の監査計画の交換及びその説明・報告並びに各部門の監査で判明した問題点の共有を目的とし、内部監査室及び会計監査人とのディスカッションを年4回実施しております。
(k) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
・反社会的勢力とは一切の関係を持たないこと、不当要求については拒絶することを基本方針とし、これを規程類に明文化しております。また、取引先がこれらと関わる個人、企業、団体等であることが判明した場合には取引を解消することとしております。
・管理本部を反社会的勢力対応部署と位置付け、情報の一元管理・蓄積等を行っております。また、役員及び使用人が基本方針を遵守するよう教育体制を構築するとともに、反社会的勢力による被害を防止するための対応方法等を整備し、周知を図っております。
・反社会的勢力による不当要求が発生した場合には、警察及び顧問法律事務所等の外部専門機関と連携し、有事の際の協力体制を構築しております。
③ リスク管理体制の整備状況
当社では、委員長である代表取締役社長、各部門の管掌役員、常勤監査役、内部監査室長及び代表取締役社長が指名する者で構成するリスク・コンプライアンス委員会を設置し、原則として年4回の定期的な開催に加え、重大なリスクが発生した場合にも開催することとしております。リスク・コンプライアンス委員会においては、リスク管理に関する事項や新たなリスク要因の検討に加え、各種リスクの発生事例及び発生原因の情報共有、再発防止策の策定等を行っております。
また、必要に応じ弁護士等の外部専門家への相談も活用することとしており、リスク発生時の適切な対応方針の決定及び効果的な再発防止策の策定に努めております。
さらに、リスクに対する意識向上にかかる取組みを月1回の経営会議にて行い、リスクと認識される事項及びリスクの発生する恐れがある事項については、朝礼や全社員が出席する会議にて情報共有を行っております。
④ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとした事項
a.剰余金の配当
当社は、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款で定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能とするためであります。
b.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能にすることを目的とするものであります。
c.取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項の損害賠償責任を、善意でかつ重大な過失がない場合は、法令の定める限度額の範囲内において、取締役会の決議をもって免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できる環境を整備することを目的とするものであります。
⑤ 取締役の定数
当社の取締役の定数は、9名以内とする旨を定款で定めております。
⑥ 取締役の選任の決議要件
当社は取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑦ 責任限定契約の内容の概要
当社は会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役(常勤監査役を除く)との間に会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。ただし、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令が規定する最低責任限度額としております。
なお、責任限定契約が認められるのは、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。