4490 ビザスク

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有価証券届出書(新規公開時)

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2020/02/03 15:00
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対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「組織、世代、地域を超えて、知見を集めつなぐことで、世界のイノベーションに貢献する」というミッションを掲げ、1時間単位でピンポイントに知見提供を受けることができるスポットコンサルの設営等のサービスを通じて、各業界のアドバイザーの知見を、新規事業やイノベーション、業務改善といったビジネス課題の解決のヒントを求める企業や個人へつなぐ、ビジネス知見に特化した知見プラットフォーム事業を運営しております。
「世界中の知見をつなぐ」というビジョンの実現に向け、知見データベースと顧客基盤の双方を拡充し、テクノロジーの力を活用して効率性やUI/UX(注)を改善しつつ、様々な形態の知見提供取引を利用者が安心して活用できるプラットフォームを構築することを目指し、優秀な人材の確保・育成や組織体制の整備・拡充に注力して参ります。
(注)UI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーとサービスの接点であり、両者の間で情報をやり取りするための仕組みのことです。UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスを通じて受け取る体験やそれに伴う感情のことです。
(2)目標とする経営指標
当社は中長期的な企業価値の向上を達成するために、先ずは強固なプラットフォームを構築すべく、当社の知見プラットフォームの規模を示す指標である取扱高及び営業収益の成長を重視しており、世界に向けて拡大、成長を実現していくことを目標としております。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在わが国では、少子高齢化による就業人口の減少に直面する中、日本国政府は働き方改革を推し進めております。また同時に、人生100年時代を迎える中、個人の持つビジネス知見の見える化ニーズは益々高まっております。更に、テクノロジーの急速な進歩を背景に、変化の加速する事業環境において、イノベーションを実現するためのビジネス知見へのニーズは、起業を目指す個人から大企業まで広く浸透しつつあります。
このような経営環境を背景として、当社は高い事業成長を実現するべく、以下の経営戦略を実行して参ります。
① プラットフォーム価値の向上と高い顧客エンゲージメントの実現
当社は事業の拡大に伴い、データベースの拡充やマッチング効率の改善、サービス・ラインナップの拡充を進めており、その結果、プラットフォームの価値が向上し、高い顧客エンゲージメント(当社サービスの利用を通じた顧客との信頼関係の構築と、それに基づく継続的な取引関係)を実現することが可能なビジネスモデルとなっております。
法人クライアント口座数は、下表のとおり、これまで順調な成長を見せておりますが、プラットフォームの価値向上に伴い顧客エンゲージメントが高まった結果、1口座あたりスポットコンサル取扱高(取扱高のうち「ビザスクinterview」によるもの)は、2017年2月期の0.8百万円から、2019年2月期には2.5百万円と3期にわたって平均成長率で71.0%の成長を実現いたしました。
直近の3事業年度におけるフルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」の状況を下記の表において示しております。
スポットコンサル取扱高(注)1スポットコンサル件数
(注)1
法人クライアント口座数1口座あたりスポットコンサル取扱高
(注)2
2017年2月期129百万円2.0千件1530.8百万円
2018年2月期401百万円4.8千件2451.6百万円
2019年2月期811百万円8.6千件3292.5百万円

(注)1.「スポットコンサル取扱高」及び「スポットコンサル件数」は、各期末時点を起算日として過去12か月間を対象に集計した「ビザスクinterview」によるものであります。
2.「1口座あたりスポットコンサル取扱高」は、「スポットコンサル取扱高」を「法人クライアント口座数」で除したものであります。
また、2015年2月期、2016年2月期、2017年2月期の各期間において獲得した法人クライアントのスポットコンサル取扱高は、2017年2月期から2019年2月期の直近3期間において年平均で100%(※1)を超える成長率をみせております。各年度において新規に獲得した顧客が分母に含まれる1口座あたりスポットコンサル取扱高の同期間における年平均成長率は上述の通り71.0%となっておりますが、このような法人クライアント口座数の増加の影響を除くと、より明確に顧客エンゲージメントの高まりが見られております。
当社では引き続き、各クライアントからの更なる取扱高の拡大を目指し、プラットフォームの価値向上と高い顧客エンゲージメントの実現を進めて参ります。
(※1)2015年2月期、2016年2月期、2017年2月期の各期間において獲得した法人クライアントのスポットコンサル取扱高は、2017年2月期から2019年2月期までの3期間においてそれぞれ29百万円から119百万円、65百万円から284百万円、35百万円から217百万円まで増加しており、その年平均成長率を獲得期間ごとに計算しております。
② 個人のビジネス知見を束ねるデータベースの更なる拡充と登録者層の活性化
当社の保有するデータベースは、各アドバイザーの職歴に加え、個々人が有するビジネス知見の情報を保持するという特徴を有しております。加えて、当社が知見提供取引をマッチングする際の様々なやり取りがデータベースに保持されることから、当社事業の成長に合わせて、データベースの情報量と質が拡大・充実し、それが更なる依頼増につながっていくという好循環型のビジネスモデルとなっております(注)。
当社は、2020年1月末現在で約9万人の国内登録者を有する知見データベースを保持し、更に当社の知名度の向上に伴う登録者の自然流入やweb広告等を通じて、恒常的に登録者数を拡大しております。当社の2019年11月末の国内登録者数合計に占める、スポットコンサルの提供実績のある国内登録者数は約12.5%であり、創業以来、当該比率は順調に成長している一方、その活性化には大きな余地を残していると考えております。当社では、当社データベースに外部データベースから情報を追加することや、データベースの検索アルゴリズムの改良を通じた検索オペレーションの改善等により、データベース検索の精度及び効率性双方を向上することで、登録者層を更に活性化すると共に、スピーディーかつ顧客満足度の高いマッチングを実現して参ります。
(注)「データベースの情報量と質が拡大・充実する好循環型のビジネスモデル」についての参考図を下記の通り示します。
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③ 顧客基盤の拡充
当社は設立当初より、情報収集ニーズの特に高い大手のコンサルティングファームや金融機関といったプロフェッショナルファームの顧客を中心に事業を展開して参りました。その後、社内に事業法人の担当グループを設置し、国内の東証一部上場企業を中心に顧客基盤を広げ、2019年2月期における法人クライアント口座数は329口座、うち約半数が事業法人の顧客となっております。
上述のようなプロフェッショナルファームでは、新規開拓後、当社サービスの導入部署内での利用が広がり、更にそこから他部署に展開することで利用人数が徐々に拡大していくことが一般的ですが、それに加え、当社にてプラットフォームの価値向上を進め、利用者一人当たり利用額の増加を図ることで、事業の拡大を進めて参ります。
今後は、コンサルティングファームに対しては、特に顧客内の横展開を進め利用者の拡大を図り、金融機関に対しては、主に大手顧客の新規開拓を中心に営業活動を進めて参ります。
事業法人については、これまで研究開発費の大きい企業に対する営業活動を進めており、一定の顧客基盤を築きつつありますが、東洋経済オンラインが調べた研究開発費の多い上位300社(2017年4月7日付)のうち、「ビザスクinterview」を一部署でも利用している割合は約3割にとどまっており、これらの取引先における2019年2月期の年間取引額は100万円未満が太宗を占めるなど、同法人内における他部署への展開を含めた利用率、取引金額ともに拡大余地が大きいものと考えております。
また、事業法人の新規顧客獲得にあたっては、従前は事業法人専門の担当グループが、従来型の面談重視の営業活動を実施しておりましたが、今後は費用対比の効率性を注視しつつ、積極的な外部のイベント(展示会など)への当社サービスの展示ないし出店、動画広告の配信やオウンドメディアの運営による認知度向上施策を行うほか、MA(Marketing Automation)ツールの活用により潜在顧客層との接点を増加させる施策等も併せて行いリード獲得を強化いたします。このように、当社では従来は限定的であったマーケティング活動にもリソースを投下することで、成長を加速して参ります。
④ データベースを活用した新たな商材の開発と拡大
当社では現在、知見提供取引として、法人クライアントに対するスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」を主に提供しております。「ビザスクinterview」では、当社従業員が法人クライアントの依頼を受け、アドバイザー候補の選定やインタビューの設営等の一連のマッチングのプロセスを、全面的にサポートするサービスを提供しております。
一方、当社では様々な知見を有する登録者のデータベースを活用した他のサービスとして、代表的には以下のサービスを提供しております。
・インタビュー形式ではなくオンライン・アンケート形式で、多数のアドバイザーの知見を一度に収集することをサポートするサービス「ビザスクexpert survey」
・1時間単位のインタビューではなく、より長期的にアドバイザーが知見を提供する、業務委託形式のマッチング・サービス「ビザスク業務委託」
・顧客企業の新規事業社内提案制度において、当社のデータベースに登録するアドバイザーへのスポットコンサルやサーベイ「ビザスクexpert survey」をプロジェクトに組みこむことで、プロジェクト型で総合支援を行うサービス「ビザスクproject」
・当社のwebプラットフォーム上で、個人や主に中小規模の法人顧客がアドバイザー選定等のマッチングを自ら行い、スポットコンサルを実施するサービス「ビザスクlite」
法人クライアントに対するフルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」は着実な成長を見せておりますが、それ以外のサービスも高い成長をみせており(※)、2019年2月期において全社取扱高に占める割合は19.0%まで増加しております。当社では今後も幅広い業界・職域をカバーした知見データベースを活用し、新たなサービスを開発、拡大することで、全社の事業成長を実現して参ります。
(※)「取扱高」(「第1 企業の概況 3 事業の内容」)から「スポットコンサル取扱高(「ビザスクinterview」)」(「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」)を控除することで算出される「ビザスクinterview」以外のサービスの取扱高は2017年2月期の37百万円から2019年2月期には189百万円まで増加しております。
⑤ グローバル展開
当社は2020年1月末現在、1.1万人を超える海外登録者をデータベース上に有し、30か国以上の海外登録者とのマッチング実績があります。また、2019年2月期には機関投資家を中心に約20社の海外法人クライアントが当社サービスを活用しております。
国内法人クライアントからの海外アドバイザーの知見を求めるニーズは益々高まっており、これに対応するため、海外拠点の設立等により海外アドバイザーの獲得力を更に強化して参ります。その皮切りとして、当社では2019年12月にシンガポールに駐在員事務所を設立し、当該拠点の責任者として、東南アジアにおいて当社と同種の事業の経営に参画した経歴を持つ人材を採用致しました。
更に、東南アジアを中心に海外法人クライアントへのマーケティングを拡大し、国内の知見を提供することで事業拡大を進めて参ります。そして、国内の知見のマッチング、国内と海外の知見のマッチングのみならず、海外法人クライアントのニーズを海外アドバイザーにマッチングし、「世界中の知見をつなぐ」ビジョンを実現して参ります。
⑥ 事業成長と事業効率改善
継続的な自社開発システムの改善およびオペレーションの効率化によりマッチングの効率改善が進む一方、登録者数と法人クライアント基盤双方の順調な拡大により知見に関する需給の一致が進むこととなり、当社の取扱高は国内登録者数や法人クライアント口座数の増加を上回るペースで増加しております。それに伴い、当社の事業効率も改善し、例えば、当社全従業員1人あたりの1か月あたり取扱高は、2015年2月期の11万円から2019年2月期には158万円まで増加しております。フルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」に限れば、2019年2月期第4四半期における1人あたりの1か月あたり取扱高は約3百万円(注)であり、当社では、今後も「ビザスクinterview」における更なるマッチング効率の向上を進めると共に、「ビザスクinterview」以外の知見提供取引についての事業成長投資を進め、先行投資と事業効率改善のバランスに注視しつつ、中期的な全社成長と事業効率改善を達成して参ります。
(注)2019年2月期第4四半期のフルサポート形式のスポットコンサル設営サービス「ビザスクinterview」取扱高218百万円を、当該期間において「ビザスクinterview」に従事した従業員数(エンジニアを除く)73人月で除した数値。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 人材獲得及び人材育成
人材の確保は当社の成長の礎であり、優秀な経営陣及び従業員の獲得及び在籍しているメンバーのスキル向上は、重要な課題の一つであります。スタートアップにおける採用市場は、近年逼迫しておりますが、知人紹介や人材紹介会社等の多様な採用チャネルを活用し、従業員の獲得を推進して参ります。また、人員の拡大とともに組織化を進め、リーダー人材を育成すると共に、教育制度等を拡充し、メンバーの成長をサポートして参ります。
② 業務プロセスの改善と、これによる収益性の向上
当社の各業務は、プロセス・ルールの標準化やシステム開発を進めることにより、効率化できる余地があると考えております。今後、開発エンジニアの採用、情報システムへの投資による各業務システムの機能向上と共に、内部統制を具備した業務の標準化を推進することで、各業務の効率化を進め、当社事業の収益性の向上を図って参ります。
③ 個人情報保護の対応
Facebookに代表されるプラットフォーム事業者の個人情報の取り扱いと保護に対し、近年世界中で高い関心が寄せられています。当社は、情報そのものの保護の観点から情報セキュリティ・システムを強化するとともに、欧州GDPR(注)に代表される各国の個人情報保護に対する法体制の整備に留意し、個人情報保護の社内体制整備を進めて参ります。
(注)「欧州GDPR」とは、EU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation:GDPR)のことであり、これは欧州連合(EU)における新しい個人情報保護の枠組みであり、個人データ(personal data)の処理と移転に関するルールを定めた規則です。
④ 海外展開の対応
当社は、「世界中の知見をつなぐ」というビジョンの実現に向け、今後投資効率を意識しつつ、積極的に海外展開を図っていく方針であります。海外展開にあたっては、当社が国内で培ったオペレーションやシステム等のノウハウを活かしつつ、各地域の文化や法規制等を踏まえてサービスをカスタマイズし、事業の拡大を図って参ります。