有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/11/13 15:03
【資料】
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【項目】
143項目
(1) 経営成績等の状況の概要
第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の分析
第11期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度において、「Lancers」をはじめとした既存事業における継続的な取扱高増加に伴う売上高の拡大に加え、新規事業として、「Lancers」での外注体制構築のアドバイスやプロ人材の紹介を専属アドバイザーが行うサービスである「Lancers Pro」や、秘書・営業支援・Web制作・広報といった様々な業務を選び抜かれた優秀なフリーランスチームに一括で依頼していただけるサービスである「Lancers Assistant」等の開発を行ってまいりました。
また、市場構造変化に対応した経営の向上と経営資源の集中を目的として、デジタルマーケティング事業を展開しているクオント株式会社をグリー株式会社に株式譲渡いたしました。更に、コンテンツマーケティング事業の新規創出のために業務提携を目的として株式会社セガゲームスと設立したクロシードデジタル株式会社も業務提携を完了し、株式譲渡いたしました。
以上の取り組みの結果、当社グループの売上高は、2,522,476千円(前年同期比32.0%増)となりました。広告宣伝費をはじめとした販売費及び一般管理費は増大したものの、営業損失は202,441千円(前年同期は営業損失350,844千円)、経常損失は93,681千円(前年同期は経常損失351,693千円)となり、先行投資をかけながらも着実に利益体質への転換を図っております。結果として、親会社株主に帰属する当期純損失は17,629千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失354,393千円)となっております。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結累計期間において、「Lancers」をはじめとした既存事業における継続的な取扱高増加に伴う売上高の拡大に加え、多数のフリーランスを自社独自の要件に併せて発注管理したいという大企業のニーズにこたえた新サービスである「Lancers Enterprise」をリリースし、大企業に対する営業活動を積極的に実施するとともに、サービスの機能改善に努めてまいりました。
また、「Lancers Assistant」の成長を加速すべくシクロマーケティング株式会社を買収し、同サービスの事業規模拡大に注力いたしました。
更に、昨今の市場の変化の中で業界に対する注目度が急速に高まってきていることを背景に、当社グループの認知の獲得やブランドイメージの確立を目的として、新聞広告やTVCM等を含めた大規模プロモーションを実施いたしました。
以上の取り組みの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,547,954千円となり、上記の通り広告宣伝費による先行投資が増加したことに伴い、営業損失は214,849千円、経常損失は218,062千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は225,936千円となりました。

② 財政状態の分析
第11期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ179,992千円増加し、2,242,319千円となりました。これは、現金及び預金が139,852千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ213,134千円減少し、105,885千円となりました。これは主に、減損等によりのれんが206,138千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ15,536千円減少し、1,354,873千円となりました。これは主に、預り金が182,532千円、未払金が120,428千円それぞれ減少したものの、短期借入金が150,000千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ17,605千円減少し、993,331千円となりました。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産につきましては、前連結会計年度末と比較して703,515千円増加し、3,051,720千円となりました。これは主に流動資産において現金及び預金が403,231千円増加したこと、固定資産において、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得によりのれんが280,146千円増加したこと等によるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債につきましては、前連結会計年度末と比較して929,449千円増加し、2,284,323千円となりました。これは主に流動負債において短期借入金が904,444千円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して225,933千円減少し、767,397千円となりました。これは主に、当第2四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期純損失225,936千円を計上したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
第11期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,728,774千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、156,147千円の支出となりました。これは主に、預り金が182,532千円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、96,310千円の収入となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が216,603千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、150,000千円の収入となりました。これは、短期借入金が150,000千円増加したことによるものであります。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年9月30日)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ419,627千円増加し、2,148,401千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、337,216千円の支出となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失218,062千円の計上、未払金の減少37,907千円、未払消費税等の減少50,024千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、135,163千円の支出となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得133,583千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、892,036千円の収入となりました。これは主に、短期借入金が904,444千円増加したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間の販売実績は次のとおりであります。
(単位:千円)
事業の名称第11期連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)第12期第2四半期
連結累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
プラットフォーム事業2,522,476+32.01,547,954
合計2,522,476+32.01,547,954

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積もりは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 」に記載のとおりであります。
② 第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、当社グループのサービス経由で取引される金額の総額である流通総額と、クライアント及びランサーへ提供される付加価値を示す売上総利益の最大化を重視した経営を行っております。
流通総額の増加に向けた主要KPIとしては、クライアント数及びクライアント単価の増加が重要であると考えており、第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間においても、各KPIについては順調に増加しております。また、今後も同様に、KPIの拡大を通じた成長を図ってまいります。
売上総利益につきましては、第10期連結会計年度は、1,251,682千円、第11期連結会計年度は、1,485,967千円と順調に推移しております。
なお、当社グループの流通総額の推移は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。当社グループの第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間の経営成績等は、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要としては、事業の拡大に伴う人件費、外注費、クライアント獲得や認知度向上のための広告宣伝費に加え、M&A等の投資を実施する方針であります。当社グループは、財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。