有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/06 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
132項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「われわれは 知恵と汗を礎にして 社会に貢献する」を社是とし「柔軟な発想と技術で、環境にやさしい空調製品の開発に努め、あらゆる用途・空間に最適な空調を提供していくこと」を経営方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社は、顧客の分野別に需要をとらえ、直膨式エアハンや工場用ゾーン空調機などの付加価値の高い製品を分野別に供給することで販売及び収益につなげる経営戦略を掲げており、売上高営業利益率を主要経営指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
業務用空調においては、温度に加えて湿度・清浄度・気流などを用途に応じて最適にコントロールすることが求められます。
当社は、工場などの「産業分野」、病院、学校などの「保健分野」、オフィスビル、ショッピングセンターなどの「商業分野」の3つに類別し、「分野別最適空調」を推進しています。
・産業分野においては、生産される製品や取り扱う資材に応じた空気質の管理を行うことで、製品の信頼性の向上及び品質の維持に貢献します。
・保健分野においては適切な温熱環境を保つことで、健康増進と知的生産性の向上に貢献します。
・商業分野においては、省エネ、省コストによって競争力を高めていくことで、建築物の付加価値向上に貢献します。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社の事業に関連の深い建築・空調業界におきましては、オリンピック関連事業を始めとした公共建築投資が堅調に推移し、民間設備投資も企業の潤沢なキャッシュ・フローを背景に底堅い需要が続きましたが、技術者・労働者不足や熾烈な受注競争等、依然として厳しい経営環境が継続しました。
今後のわが国経済は、首都圏をはじめとする大規模再開発や、インバウンド需要を背景としたホテル・食品関連施設等への設備投資が全国的に拡がるものと予想されます。一方、国内外の政治的リスク、人手不足や採用難による工期遅延、資材調達価格の上昇など不安定要因が散在しています。
このような情勢のもと、当社は次の重点課題に取り組んでまいります。
①競争力のある製品の開発
・空調機器単体ではなく、制御や熱源も含めた空調システム機器として、顧客に提案できる製品開発を加速させ、総合的な売上拡大と利益率改善を推進します。
・工事の簡略化、省エネをはじめとする環境にやさしい空調機器など、業界の課題解決のための製品作りを推進します。
②営業体制の充実
・営業推進本部の充実を図り、新製品企画、展示会運営、インターネットやメディアの活用、販促資料の作成などで販売を促進します。
・空冷直膨式製品の需要の高まりから、空調工事部門を充実し、「分野別最適空調」を推進します。
③生産能力の増強・更新
・生産効率化施策として受注状況を反映し生産の最適化を図るための基幹システムの更新や生産プロセスの改善に取り組むことにより効率の向上を推進します。
・生産量増強施策として生産設備増強・更新や人員増員を図ります。
④第73期は「企業体質強化3ヶ年計画」の3年目にあたり、内部統制体制を更に強化するとともに、リスク・コンプライアンス委員会を通して、経営リスクへの対応とコンプライアンスの遵守体制を強化します。
また、当社の財務上の課題としては、自己資本の充実が今後改善していくべき課題と認識しています。収益性に関しては、販売管理費率にやや改善の余地があるものの、特段の問題なく推移していると考えますが、今後、継続的な利益の確保など自己資本の改善に取り組んでまいります。