有価証券報告書-第6期(2022/04/01-2023/03/31)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
給与計算業務のプロフェッショナルとして、「お客様に気持ちよくサービスを受けていただく」を第一に考え、専門性・安全性・確実性、さらに効率性を徹底的に追求し、開発した「サービス」を提供することで企業の存在基盤を支える「ソフトインフラ」としての役割を担ってまいります。さらに時代と経営環境の変化への対応とサービス精度向上の為に「サービス」を進化・成長させ、提供し続けることで企業社会の基盤を担う強固な「ソフトインフラ」としての使命を全うしてまいります。
(2)経営戦略等
給与計算業務のアウトソーシング市場は、クラウドサービスの進展に伴い今後も大きく発展すると見込んでおり、当社グループは、多くの顧客にサービス提供を行ってきた実務経験を集約した新基幹システム(P3)を用いております。最新のテクノロジーを利用したサービスを構築することによって、より専門性・安全性・確実性・効率性の高いサービスの提供、サービス範囲の拡大、ターゲット層拡大による新規顧客の開拓に注力し、“日本の給与計算”のスタンダードとなることを目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの収益・利益は、給与計算処理実績人数の増加に伴う運用売上高の増加により拡大するものであるため、給与計算運用受注高、給与計算処理実績人数、チャーンレート(月平均解約率)を重視しております。
また、給与計算処理実績人数の増加に伴う標準運用のスケールメリットにより、売上原価率の低下が見込まれることから、売上総利益率の向上についても重視しております。
(4)経営環境
当社グループが提供するBPO事業は、給与計算業務、年末調整補助業務、マイナンバー管理業務等をはじめとする人事関連業務のフルスコープ型アウトソーシングサービスを特色としており、大手企業を中心とした給与計算処理の導入実績もあることから、業界内において競争優位性を保っているものと認識しております。
現在、当社グループを取り巻く外部環境として、政府が進める「働き方改革」のもと、長時間労働の是正、労働生産性向上等の課題が各企業に求められておりますが、人材採用競争の激化は続くものと想定され、人員の増加により、これらの課題を解消することは困難となっております。
このような環境下で、企業が限られたリソースの選択と集中を行いながら、「働き方改革」という戦略的な業務を遂行していくために、人事部門によるアウトソーシングの活用がさらに活発化することが予想され、社会全体が転換期を迎えている状況にあります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界経済は、感染症のパンデミック(世界的大流行)や地政学的リスク、更には欧米を中心としたインフレに伴う景気減速のリスクを排除できず、引き続き世界景気の先行きは不透明な状況です。日本経済においても、世界経済と同様の状況になると予想しております。
このような経済状況のもと、当社グループの事業領域である給与計算アウトソーシング業界においては、各企業はDX対策やBCPへの対応の必要性からコア業務を優先させるための施策が進み、大企業を中心とした多くの企業が給与計算のアウトソーシングを検討し、需要は堅調に推移するものと予想しております。
また、当社グループでは、これまでのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を最大限に活かせる大規模企業(エンタープライズ企業)に加え、中小規模企業(SMB企業)への給与計算業務のサービスである「BPaaS 1.0」を2023年3月より販売開始したことで、これまで以上に顧客企業の基盤を支えるソフトインフラ企業としての成長を目指します。更に、2023年3月に公表した「給与デジタルマネー払い領域の参入」の先を見据えた、オンデマンドペイによる事業拡大の取組みを進めていきます。
① 中期経営計画への取組み
2022年5月に、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定いたしました。
中期経営計画最終年度である2025年3月期の売上収益117億円、営業利益24億円、EBITDA36億円を目標とし、中期経営計画で定めた経営戦略の実現により継続的な企業価値の向上に努めてまいります。
詳細は、2022年5月12日開示の『中期経営計画の策定に関するお知らせ』及び『2022年3月期決算説明補足資料および中期経営計画資料』をご覧ください。
② 新基幹システム(P3)の開発・移行
当社グループが提供する給与計算業務のアウトソーシングサービスは、クラウドサービスの進展に伴い今後も大きく発展すると見込んでおり、継続的な業務の効率化並びに品質向上を進めることは、収益の増加はもとより顧客満足度の向上に繋がり、ひいては当社グループの成長に繋がるものと認識しております。このため、当社グループは持続的かつ安定的な成長基盤を構築し、強固な経営基盤を確保するために新基幹システム(P3)の機能強化、旧基幹システム(SEP2000)の移行を継続しております。
③ 優秀な人材の採用・育成の強化、定着化
当社グループは、給与計算業務アウトソーシングサービスの効率的かつ安定的な品質をもったサービスを提供するため、全国にある各センター及び東京本社において業務の効率化を図っております。今後もより効率的に業務を行う体制を整備するため、社内の組織体制の見直しやジョブローテーションを通じ、業務を最適化することが必要であります。
加えて、今後の新規顧客の獲得や新サービス開始による事業規模拡大に伴い、給与計算処理実績人数が増加する中でも、安定的かつ高品質のサービスを提供できる体制を構築するため、人材の採用・育成に努めてまいります。
また、優秀な人材の確保も課題であり、多様な採用チャネルを通じて採用を推進するとともに、優秀な社員の流出を防ぐため、教育・研修・評価制度の充実化を図り、社員のキャリアアップを促進してまいります。
住民税改定業務及び年末調整補助業務の時期には、業務が集中的に発生し、給与計算処理実績人数の増加に伴い業務量も増加するため、パートタイマーの採用が重要な課題となります。このため、パートタイマーにとっても働きがいのある環境を整備することに努めてまいります。
④ 財務体質の強化
当社グループの内、当社は、借入額の資産合計に占める割合が高くなっております。今後は、運転資金、各種投資のための資金確保の必要もあることから、有利子負債とのバランスを勘案しつつ自己資本の拡充を図ってまいります。
また、当社グループの内、当社は、旧株式会社ペイロールの買収に伴い、資産合計に占めるのれんの割合が高くなっております。これらは、事業の収益力を高め、負債の削減に努めることで、財務体質の強化に努めてまいります。
⑤ 新たな顧客群の獲得
当社グループは、給与計算業務アウトソーシングサービスを提供するため、法改正への対応、雇用・勤怠形態の多様化への対応等、複雑化する日本の給与計算業務に対応可能な体制を整えてまいりました。その結果、当社グループは、給与計算業務が複雑な大規模企業(従業員数1,000人以上を目安)から受注を積み重ね、順調に業績を伸長させてまいりました。
一方で、中期的に当社グループの対象顧客を増加させることを目的として、従業員数100人~1,000人程度の小・中規模企業にも当社サービスの展開を予定しております。そのためには、新基幹システム(P3)の定着や中規模企業向けのサービスの確立等が必要となります。当社グループは今後、中期経営計画を着実に実行し、BPaaS(※)の浸透によるシェアの拡大を目指してまいります。
(※)Business Process as a Serviceの略であり、SaaS(クラウド)とBPOを組み合わせたサービス。お客様の要件に合わせたソフトウェアサービスを提供するとともに、事務処理を行う人的リソースにおいても、必要に応じてお客様と当社側でいつでも切り替えができるBPOのオンデマンド化に対応したサービス内容。
(1)経営方針
給与計算業務のプロフェッショナルとして、「お客様に気持ちよくサービスを受けていただく」を第一に考え、専門性・安全性・確実性、さらに効率性を徹底的に追求し、開発した「サービス」を提供することで企業の存在基盤を支える「ソフトインフラ」としての役割を担ってまいります。さらに時代と経営環境の変化への対応とサービス精度向上の為に「サービス」を進化・成長させ、提供し続けることで企業社会の基盤を担う強固な「ソフトインフラ」としての使命を全うしてまいります。
(2)経営戦略等
給与計算業務のアウトソーシング市場は、クラウドサービスの進展に伴い今後も大きく発展すると見込んでおり、当社グループは、多くの顧客にサービス提供を行ってきた実務経験を集約した新基幹システム(P3)を用いております。最新のテクノロジーを利用したサービスを構築することによって、より専門性・安全性・確実性・効率性の高いサービスの提供、サービス範囲の拡大、ターゲット層拡大による新規顧客の開拓に注力し、“日本の給与計算”のスタンダードとなることを目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの収益・利益は、給与計算処理実績人数の増加に伴う運用売上高の増加により拡大するものであるため、給与計算運用受注高、給与計算処理実績人数、チャーンレート(月平均解約率)を重視しております。
また、給与計算処理実績人数の増加に伴う標準運用のスケールメリットにより、売上原価率の低下が見込まれることから、売上総利益率の向上についても重視しております。
(4)経営環境
当社グループが提供するBPO事業は、給与計算業務、年末調整補助業務、マイナンバー管理業務等をはじめとする人事関連業務のフルスコープ型アウトソーシングサービスを特色としており、大手企業を中心とした給与計算処理の導入実績もあることから、業界内において競争優位性を保っているものと認識しております。
現在、当社グループを取り巻く外部環境として、政府が進める「働き方改革」のもと、長時間労働の是正、労働生産性向上等の課題が各企業に求められておりますが、人材採用競争の激化は続くものと想定され、人員の増加により、これらの課題を解消することは困難となっております。
このような環境下で、企業が限られたリソースの選択と集中を行いながら、「働き方改革」という戦略的な業務を遂行していくために、人事部門によるアウトソーシングの活用がさらに活発化することが予想され、社会全体が転換期を迎えている状況にあります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界経済は、感染症のパンデミック(世界的大流行)や地政学的リスク、更には欧米を中心としたインフレに伴う景気減速のリスクを排除できず、引き続き世界景気の先行きは不透明な状況です。日本経済においても、世界経済と同様の状況になると予想しております。
このような経済状況のもと、当社グループの事業領域である給与計算アウトソーシング業界においては、各企業はDX対策やBCPへの対応の必要性からコア業務を優先させるための施策が進み、大企業を中心とした多くの企業が給与計算のアウトソーシングを検討し、需要は堅調に推移するものと予想しております。
また、当社グループでは、これまでのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を最大限に活かせる大規模企業(エンタープライズ企業)に加え、中小規模企業(SMB企業)への給与計算業務のサービスである「BPaaS 1.0」を2023年3月より販売開始したことで、これまで以上に顧客企業の基盤を支えるソフトインフラ企業としての成長を目指します。更に、2023年3月に公表した「給与デジタルマネー払い領域の参入」の先を見据えた、オンデマンドペイによる事業拡大の取組みを進めていきます。
① 中期経営計画への取組み
2022年5月に、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定いたしました。
中期経営計画最終年度である2025年3月期の売上収益117億円、営業利益24億円、EBITDA36億円を目標とし、中期経営計画で定めた経営戦略の実現により継続的な企業価値の向上に努めてまいります。
詳細は、2022年5月12日開示の『中期経営計画の策定に関するお知らせ』及び『2022年3月期決算説明補足資料および中期経営計画資料』をご覧ください。
② 新基幹システム(P3)の開発・移行
当社グループが提供する給与計算業務のアウトソーシングサービスは、クラウドサービスの進展に伴い今後も大きく発展すると見込んでおり、継続的な業務の効率化並びに品質向上を進めることは、収益の増加はもとより顧客満足度の向上に繋がり、ひいては当社グループの成長に繋がるものと認識しております。このため、当社グループは持続的かつ安定的な成長基盤を構築し、強固な経営基盤を確保するために新基幹システム(P3)の機能強化、旧基幹システム(SEP2000)の移行を継続しております。
③ 優秀な人材の採用・育成の強化、定着化
当社グループは、給与計算業務アウトソーシングサービスの効率的かつ安定的な品質をもったサービスを提供するため、全国にある各センター及び東京本社において業務の効率化を図っております。今後もより効率的に業務を行う体制を整備するため、社内の組織体制の見直しやジョブローテーションを通じ、業務を最適化することが必要であります。
加えて、今後の新規顧客の獲得や新サービス開始による事業規模拡大に伴い、給与計算処理実績人数が増加する中でも、安定的かつ高品質のサービスを提供できる体制を構築するため、人材の採用・育成に努めてまいります。
また、優秀な人材の確保も課題であり、多様な採用チャネルを通じて採用を推進するとともに、優秀な社員の流出を防ぐため、教育・研修・評価制度の充実化を図り、社員のキャリアアップを促進してまいります。
住民税改定業務及び年末調整補助業務の時期には、業務が集中的に発生し、給与計算処理実績人数の増加に伴い業務量も増加するため、パートタイマーの採用が重要な課題となります。このため、パートタイマーにとっても働きがいのある環境を整備することに努めてまいります。
④ 財務体質の強化
当社グループの内、当社は、借入額の資産合計に占める割合が高くなっております。今後は、運転資金、各種投資のための資金確保の必要もあることから、有利子負債とのバランスを勘案しつつ自己資本の拡充を図ってまいります。
また、当社グループの内、当社は、旧株式会社ペイロールの買収に伴い、資産合計に占めるのれんの割合が高くなっております。これらは、事業の収益力を高め、負債の削減に努めることで、財務体質の強化に努めてまいります。
⑤ 新たな顧客群の獲得
当社グループは、給与計算業務アウトソーシングサービスを提供するため、法改正への対応、雇用・勤怠形態の多様化への対応等、複雑化する日本の給与計算業務に対応可能な体制を整えてまいりました。その結果、当社グループは、給与計算業務が複雑な大規模企業(従業員数1,000人以上を目安)から受注を積み重ね、順調に業績を伸長させてまいりました。
一方で、中期的に当社グループの対象顧客を増加させることを目的として、従業員数100人~1,000人程度の小・中規模企業にも当社サービスの展開を予定しております。そのためには、新基幹システム(P3)の定着や中規模企業向けのサービスの確立等が必要となります。当社グループは今後、中期経営計画を着実に実行し、BPaaS(※)の浸透によるシェアの拡大を目指してまいります。
(※)Business Process as a Serviceの略であり、SaaS(クラウド)とBPOを組み合わせたサービス。お客様の要件に合わせたソフトウェアサービスを提供するとともに、事務処理を行う人的リソースにおいても、必要に応じてお客様と当社側でいつでも切り替えができるBPOのオンデマンド化に対応したサービス内容。