有価証券報告書-第11期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/26 11:52
【資料】
PDFをみる
【項目】
100項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度につきましては、個人向け事業においては、前年に引き続きスタディング講座の新規開発や既存講座の改訂、及びサービス内容や品質の向上等に注力してまいりました。講座ラインナップにつきましては、新たに開講した「TOEIC®TEST」、「貸金業務取扱主任者」を加えた全27講座となり、従来までの講座カテゴリの充実に加え、新たに「語学」カテゴリを展開しております。また、2020年5月にはAI(機械学習)を活用し、個人別に最適化された学習プランを作成する機能「AI学習プラン機能(ベータ版)」を中小企業診断士講座においてリリースしました。同機能は、大量の受講者の学習履歴データを活用することで、受講者が最も試験の予測得点が高くなる学習プランを作成します。また、AIがレッスン毎に得点予測モデルを生成するため、従来より精度の高い学習計画を立てることが可能となりました。当社のKPIである累計有料会員数(ユニーク数)も順調に伸長しており、2020年11月には9万人を突破しました。累計有料会員数(ユニーク数)については順調に伸び続けており、現金ベース売上についても好調に推移し、今後の発生ベース売上となる前受金の積み上げに寄与することになりました。今後につきましても、サービス機能充実・新規講座のラインナップ拡大を実施していく方針です。
法人向け事業につきましても、社員教育クラウドサービス「エアコース」の拡販や動画制作等の新規案件の受注獲得に向けた営業活動を積極的に行ってまいりました。エアコースにおいては、リリースした主な新機能として、2020年4月に大規模企業向けにユーザ管理業務の効率化を実現する「組織階層機能」を、2020年8月には受講者の個々の考えを把握し、個別フィードバック・指導が可能となる「提出課題」機能をリリースしております。また、受け放題となる社員教育研修コース開発にも注力し、新たな動画研修講座のリリースを積極的に行い、2020年12月現在では151コースの動画研修講座が受け放題となりました。また、更なる事業の拡大に向け、積極的に人材採用を行い、法人事業の強化をはかってまいりました。
このような状況のなか、当事業年度の経営成績は、1,522,588千円(前年同期比82.3%増)となり、営業利益は172,473千円(前年同期は149,504千円の営業損失)、経常利益は158,700千円(前年同期は150,375千円の経常損失)、当期純利益は165,610千円(前年同期は150,665千円の当期純損失)となり、前年同期比で大幅な改善となりました。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は2,194,869千円となり、前事業年度末に比べ1,437,517千円増加いたしました。これは主に現金ベース売上増、および新規上場に伴う公募増資等による現金及び預金の増加1,319,464千円、2021年4月に予定している、本社移転に伴う敷金の支払いによる敷金及び保証金の増加70,860千円、新規システム開発に伴うソフトウエアの増加23,518千円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,215,780千円となり、前事業年度末に比べ528,940千円増加いたしました。これは主に短期借入金の返済に伴う減少30,000千円があったものの、現金ベース売上増に伴う前受金の増加377,337千円、広告宣伝費の増加等に伴う未払費用の増加40,372千円並びに未払金の増加28,260千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は979,088千円となり、前事業年度末に比べ908,576千円増加いたしました。これは、新規上場に伴う公募増資等により資本金及び資本準備金がそれぞれ371,483千円増加、及び当期純利益165,610千円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて1,319,464千円増加し、1,830,191千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は724,927千円(前年同期比744.0%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益158,700千円、現金ベース売上増に伴う前受金の増加額377,337千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は130,038千円(前事業年度は37,920千円の資金の使用)となりました。これは主に、2021年4月に予定している本社移転に伴う敷金及び保証金の差入による支出70,860千円、システム開発に伴う無形固定資産の取得による支出54,774千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は724,575千円(前年同期比1,166.2%増)となりました。これは主に、新規上場に伴う公募増資、オーバーアロットメントに伴う株式の発行による収入742,716千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
当事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前年同期比(%)
1,522,588千円182.3

(注)1.当社は、e-learning・教育事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績については、個人向け資格取得事業は、2020年3月に「TOEIC®TEST」講座を、同7月には「貸金業務取扱主任者」講座をリリースし、全27講座のラインナップとなりました。累計有料会員数は2020年11月に9万人を達成し、前年同期比で92%増、現金ベース売上高についても前期比87%増となり、通期黒字化を達成し前年同期比で大幅な改善となりました。また、中小企業診断士講座においてAI(機械学習)を活用した学習プランを作成する機能として、「AI学習プラン機能」を新たにリリースしております。同機能は、当社スタディング講座受講者の学習履歴データを活用したAIによる学習支援モデルであり、受講者毎に個別最適化された学習プランを作成することが可能となりました。当社の事業モデルにおいては先行投資となるWeb広告への適切な出稿や告知により、無料会員を獲得しその中から講座を購入(有料会員へ移行)していただくことが重要です。それにより受講料の支払額の総額である現金ベース売上が積み上がり、現金ベース売上はその後、発生ベース売上として売上按分されることになるため、現金ベース売上の推移(貸借対照表上は前受金計上)はそのまま収益に影響を及ぼすことになります。Web広告はGoogleやYahoo!等が提供する検索連動型広告(リスティング広告)への出稿が主でありますが、リスティング広告はいわゆるオークション形式であり、キーワードの入札価格や広告としての品質によって順位付けられて表示されるため、適切な運用が重要です。Web広告では、広告が表示された回数、クリックされた回数、かかった費用、費用対効果などのデータ収集や効果測定が可能であるため、データを分析しながらより効果的な運用が可能となります。
一方で、広告効果を高めるには、Web広告の効果測定の分析結果から、費用対効果の見極めと、きめ細やかな運用をすることが不可欠となるため、当社では日時でデータをチェックし対応するための人的リソース確保や運用ノウハウの獲得を重視しております。また、集客をリスティング広告のみに依存した場合、運用結果次第では費用が予期せず増大するリスクがあるため、検索での流入を増やすSEO対策や、YouTubeによる動画広告への出稿等資格取得市場における認知度を高めるブランディング施策を展開することで、中長期的に自然流入による集客の増加を図ることを重視しております。したがって、個人向け資格取得事業においては、現金ベース売上を確保していくこと、そのベースとなる集客手段において、費用対効果の改善を含め、より収益性を高めていくことが重要な経営目標であると認識しております。
当社の売上高は現状では個人向け資格取得事業が大半を占めております。しかしながら中長期の経営戦略を考えたとき、収益源の多様化は重要な経営課題であると認識しております。個人向け資格取得事業における資格ごとの減衰や季節要因等のリスクを低減し、安定した収益を確保するためには、法人企業との取引が不可欠であると考えております。そのため、2018年7月に法人事業部を立ち上げ、法人向け事業を本格的に開始しております。法人事業部では、企業にニーズの高い社員教育クラウドサービス(エアコース)の販売や、社員教育動画制作サービス、個人向け資格取得事業で展開している資格対策講座の法人向け販売などを積極的に推進しており、主力のエアコースでは、社員教育の効率化を目的とした新機能のリリースや、受け放題となっている社員教育研修コースの開発に注力するとともに、法人事業部の人員強化を進めることにより、中長期的には法人事業の成長により収益源を多角化することで経営リスクを低減させていく方針です。
当社は、ITを駆使し、スマートフォンやタブレット、PCなどの情報端末を活用した学習方法を提供しております。それら情報端末の進化は著しく、また通信環境の改善により、ユーザーは動画を始めとするリッチコンテンツの閲覧や多様な情報の取得が可能となっております。したがってそれら技術革新を正しく理解し、品質の高いサービスの提供に向け高い技術力の確保が重要であると考えております。その実現のため、優秀な技術者の確保を加速するとともに、AIを含む最新の技術知識の獲得を加速させる方針です。
将来を見据えた人材の確保と育成も重要な経営課題です。当社の持続的な成長を支える優秀な人材の採用(特にエンジニア、講座開発等)を進めるとともに、既存社員の育成を行うことで、当社の事業基盤を支え、次世代を担うマネージャー、リーダー等の育成に注力してまいります。これらを始めとした今後も先行投資については、費用対効果を十分に検討・精査し適宜、実施していく方針です。
当事業年度において、当社の個人向け資格取得事業のサービス開始から12年、法人設立後10周年を迎えることができ、2018年12月にはブランド名称を従来の「通勤講座」から「スタディング」へと変更しました。これにより、「通勤」という従来のイメージから学生や主婦層等にもターゲットを広げ、生涯学び続けるという人生100年時代を見据えたブランドイメージとしました。来期以降の成長戦略としてブランド認知向上を実行していくことも、当社の重要な経営課題と認識しております。
新型コロナウイルスの対応と業績への影響については、主に緊急事態宣言が発令された第2四半期会計期間において、新型コロナウイルスのプラス要因による需要増が顕著に発生しました。当事業年度の後半はその影響は徐々に下がっているものの、一定の需要増がある状態は継続しており、リスク要因と想定していた、試験延期等による学習意欲低下や、競合との競争の増加、法人企業各社における研修予算の削減等については、これまでは大きな影響は出ていないものの、引き続き注意が必要と考えております。2021年12月期の計画においては、今後、新型コロナウイルスのプラス要因は徐々に収まっていくという前提を置き、プラス要因が収束した状況でも成長できるように、新規講座の開発、既存講座の強化、認知度向上のためのマス広告(テレビCM)等への投資、AIのさらなる活用やシステム開発によるサービス力の強化等、売上拡大につながるための施策を積極的に展開してまいります。事業運営については、一定の在宅勤務比率を継続しつつ、法人販売でのWeb商談、Web会議等による業務効率化、社内管理体制や法令順守、コンプライアンス体制等をより充実させてまいります。常に顧客目線を心掛け、「世界一『学びやすく、わかりやすく、続けやすい』学習手段を提供する」というビジョンのもと、顧客への提供価値および企業価値を高める方法を追求してまいります。そしてそれこそが、私たちのミッションである「学びを革新し、誰もが持っている無限の力を引き出す」を達成することにつながると考えております。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、広告宣伝費等の営業費用であり、これらに必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて最適な方法による資金調達を行う予定であります。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,830,191千円であり、有利子負債の残高は116,221千円であります。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。