有価証券報告書-第19期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「企業価値の中に、未来を見つける。」というミッションのもと、「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを掲げております。主力サービスである中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」の普及と関連するサービスの提供により、中小企業の成長支援や新しい付加価値の創造、労働生産性の向上に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
「Big Advance」は金融機関より受領するサービス導入時の初期導入費用に加えて、毎月運用・保守費を受領しております。
運用・保守費はサブスクリプション型(継続課金型)であり、金融機関より月額固定形式で受領する収益、金融機関と会員企業との間の月額利用料に対するレベニューシェア方式を採用した収益により構成されていることから、導入金融機関数や会員企業数、会員企業の解約率(チャーンレート)を重要指標としております。
(3) 当社グループの強み
① 地域金融機関と協業したユニークで強固なビジネスモデル
「Big Advance」は、全国の地域金融機関とパートナーシップを結び展開する、日本で最も裾野の広い中小企業向け経営支援プラットフォームであると判断しております。地域金融機関には従来の貸出中心から企業への伴走型本業支援への転換が求められている中、中小企業の経営支援を実施する上で、金融機関の果たすべき役割の重要性が増しており、2023年版の小規模企業白書によると、中小企業の76.6%が相談する支援機関先として金融機関を挙げています。
「Big Advance」は、圧倒的な中小企業の顧客基盤を有する金融機関とパートナーシップを結び、金融機関のサービスとして提供することで、全国の中小企業へ効率的にサービスを届けることを可能にし、中小企業は安心して「Big Advance」の機能を活用でき、金融機関とのコミュニケーション増加により融資等の金融サービスもスムーズに享受できる可能性が高まります。
また海外金融機関とも提携し、海外ビジネスマッチングプラットフォーム「BIG ADVANCE GLOBAL」を展開するなど、その強固なネットワーク基盤を国内外へと拡張しています。
事業者が相談先として利用を検討する支援機関

資料:(株)東京商工リサーチ「中小企業が直面する経営課題に関する調査」
(注)1.ここでの回答割合は、ある事業者が「事業計画策定」、「販路開拓・マーケティング」、「生産設備増強、技術・研究開発」、「人材採用・育成」、「経営改善」、「企業再生」、「事業承継・M&A」、「海外展開」、「創業」、「専門家活用」の各経営課題について、利用を検討すると回答した支援機関をそれぞれ集計したもの。
2.複数回答のため、合計は必ずしも100%にはならない。
(出典:2023年版 小規模企業白書)
② 「テクノロジー」と「Face to Face」を融合し、様々な企業ニーズに対応
主力サービスである中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」は基本機能及びオプション機能を含め、中小企業のニーズに対応した13機能を有しております。
その内、主要機能でもあるビジネスマッチングにおいて、「Big Advance」導入金融機関の全ての取引先のマッチングニーズを企業自ら検索することができるため、これまで企業が金融機関にマッチングを依頼する際のマッチング候補先が制約されるという課題を解決し、地域や金融機関の枠を超えてマッチング候補先を効率的に見つけることを可能にしました。加えて、AIを活用したレコメンド等によりマッチングの効率化を進める一方、面談セッティングは金融機関が間に入ってコーディネートする仕組みとなっており、安心して商談を実施できる「Face to Face」の良さを両立しています。
また従来、企業と金融機関とのコンタクト方法は電話が中心でありコミュニケーションコストが非常に高かったところ、「Big Advance」のチャット機能を活用することにより、柔軟なコミュニケーションを実現し、経営課題の早期発見・早期解決にも効果を発揮しております。
さらに、近年高まる海外展開ニーズに応える「BIG ADVANCE GLOBAL」では、AI自動翻訳機能を備えたチャットやビデオ会議などを実装し、言語の壁を越えた企業の海外展開ニーズにも対応しております。
③ 全国の中小企業が参加する独自のネットワークと生成AIを活用したデータ分析や還元
「Big Advance」は地域を超えた5万社以上の中小企業のネットワークで構築されており、「Big Advance」に蓄積されたデータを活用し、金融機関の取引先に対しての本業支援をサポートすることができます。また、生成AIを活用したホームページや商談ニーズ文言の自動作成機能等に加え、近年では複数のAI技術を組み合わせて自律的な意思決定や行動を支援する高度なシステム「AIエージェント」の実装を進めており、中小企業の更なる業務負担軽減や生産性向上に寄与しております。
④ 金融庁、財務局、第二地方銀行協会等からの認知
関東財務局東京財務事務所や第二地方銀行協会のセミナー等での講演活動や、「Big Advance」や地域金融機関との協業に関する講演活動を行うとともに、2019年8月に公表された金融庁「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」に地域金融機関との提携例の一つとして、「金融機関広域連携プラットフォームを提供する企業と連携し、地域企業のビジネスマッチングを支援」するサービスとして、当社事例が掲載されており、官公庁や第二地方銀行協会等に対する当社サービスの認知度は向上しているものと考えております。
また2023年7月には経済産業省が定める「スマートSMEサポーター(情報処理支援機関)」(注)に認定され、中小企業の生産性向上と経営基盤強化に貢献するIT導入支援者として行政機関からの一定の信頼を得ています。
(注) 経済産業省が創設した中小企業者等の生産性向上・経営基盤強化を目的に、ITツールを提供するITベンダー等のIT導入支援者を「情報処理支援機関(スマートSMEサポーター)」として認定する制度
⑤ 高い安定性を誇るBtoB・SaaSモデル
当社は、主に中小企業向けサービスをSaaSモデルで提供しており、損益分岐点を超える会員企業数を獲得できた後は、安定的に収益を計上できることから、外部環境の変化に強く、安定的かつ継続的な収益構造にあります。また、継続率の向上を目的としたAIを活用した機能改善の開発やカスタマーサクセス等に投資しております。「Big Advance」の会員企業の獲得は、導入金融機関の担当者が推進しており、会員企業は「Big Advance」登録後も活用方法などのサポートを金融機関の担当者から継続的に受けられます。
また活用のサポート活動を通して会員企業のニーズを収集し、すばやくサービスにフィードバックすることで、2025年4月~2026年3月の平均チャーンレート(注)は、1.53%で推移しております。

(注)当月解約企業数÷前月末有料会員企業数で算出したチャーンレートの四半期平均
⑥ 企業文化
当社では「Deep User In(ユーザーを知り尽くし、ユーザーの期待を超えよう)」「Commit myself(今、自分にできる最高の仕事をしよう)」「Big & Speedy(大胆な方針を立て、素早く実行しよう)」「Team is Great(一人ではできないことを成し遂げよう)」という4つの行動指針を共通の価値観として大切にしています。その結果、メンバーは高い自律性と専門性を発揮しながらも強いチームワークを持ち、AIを始めとする先進的なテクノロジーを追求しながら、利用企業が使いやすい温もりのあるサービスの開発・提供に取り組んでおります。
(4) 経営環境
国内経済環境としては、労働供給制約社会の到来に伴い人手不足のさらなる深刻化が懸念される中、中小企業が「稼ぐ力」を高めていくためには、AI等のテクノロジー活用(AX:AIトランスフォーメーション)による労働生産性の向上が急務とされています。このような状況下で、労働生産性向上に向けたソリューションへの期待は高まっており、当社が事業展開する「国内ソフトウエア市場」は継続的な成長を果たしております。さらに、当社の中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」の主力機能であるビジネスマッチングプラットフォームの市場規模は近年急激な拡大を続けており、今後も引き続き成長が見込まれる市場として注目を集めております。

(出典)デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「国内ビジネスマッチングプラットフォーム 市場の現状と展望[2023年版]」2023年12月13日発行(https://mic-r.co.jp/mr/02980/)
また、「国内AIシステム市場」では生成AIの商用化が急速に進み、企業の基幹業務における自動化や最適化需要から市場拡大が予想されます。AI台頭の当初から当社も積極的なAI活用モデルの作成やサービスへの実装を重ねており、今後は複数のAI技術を組み合わせて自律的にタスクを実行し、中小企業の伴走支援を行う高度な「AIエージェント」の実装を目指してまいります。
加えて、パートナーである金融業界においてもDX推進の必要性が一層高まっております。地域金融インフラの中心的存在である金融機関には、従来の貸出中心から取引企業への伴走型本業支援への転換が求められており、その実現には金融機関自身のDXが不可欠です。その中で当社グループでは、金融機関の業務効率化やセキュリティ強化を支援する金融機関向けビジネスマッチング管理サービス「BMポータル」、専門性AI FAQサービス「SAF(サフ)」、ファイル送受信・共有サービス「WebFile/GrpMail」等の提供を拡大しており、中小企業のみならず金融機関のデジタル支援も加速させていきます。
しかしながら、今後の状況によって、経済活動自体が減速することとなった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があり、今後の経営環境の変化を注視していく必要があるものと考えております。
(5) 中長期的な経営戦略
① 既存事業の磨き込み(AIエージェント戦略)
当社のビジネスモデルの大きな特徴ですが、「Big Advance」の会員企業獲得は、導入金融機関の各支店の担当者が推進しており、当社としては、担当者向け研修や同行訪問、情報交換の場である「BAカンファレンス」の開催等を通じて、会員獲得推進をサポートしております。
当社は「AIエージェント構想」を掲げ、AIに関する取り組みを積極的に行っており、既にビジネスマッチングやホームページ作成の既存機能に対して、AIを活用した文章自動生成機能をリリースし、業務負担の軽減や効率化に寄与しております。さらにAX(AIトランスフォーメーション)を推進すべく、当社ではこれまでの生成AI機能の実装からさらに進化させ、複数のAI技術を組み合わせて自律的に意思決定や行動を支援し、中小企業に伴走する高度なシステム「AIエージェント」の実装を進めております。
また、中小企業の福利厚生クーポンサイト「FUKURI」においてリロクラブとの業務提携による利用クーポンの拡充を行い、会員企業の退会抑止を促進するとともに新規会員の獲得の強化を目指します。
今後も隔週単位でのバージョンアップの実施やAIの活用による最適なUI/UX(注1)の実現により圧倒的な業務効率化や顧客満足度の向上を目指していくとともに、付加価値を提供できる新機能のリリースや既存機能の強化、金融機関とのリレーション強化等を通じたサービスの認知度向上により、新たな導入金融機関及び会員企業の開拓を図ってまいります。
② 新規事業の拡大(グローバル戦略及び金融DX戦略)
新たにリリースしたサービスの拡大やサービスの拡充により、収益力の飛躍的な向上を図ります。
グローバル戦略においては、近年円安等を背景に高まる中小企業の海外展開ニーズを捉え、2026年3月に海外ビジネスマッチングプラットフォーム「BIG ADVANCE GLOBAL」を日本とタイの両国において開始いたしました。同プラットフォームを通じて国内外の巨大な市場を開拓するとともに、従来のサブスクリプションモデルに加え、マッチングの成功報酬などトランザクションに応じた新たな収益構造への転換を図ることで、指数関数的なARPA(注2)拡大と持続的な成長を目指してまいります。
また、金融DX戦略においては、金融機関の伴走型本業支援への転換とDX推進を支援すべく、金融機関向けビジネスマッチング管理サービス「BMポータル」、専門性AI FAQサービス「SAF(サフ)」、厳格なセキュリティ要件に対応したファイル送受信・共有サービス「WebFile」等の提供・拡販を強化するとともに、補助金活用コンサルティングサービスを拡充しております。
これらを通じ、金融機関とのリレーションを強固にし、中小企業ならびに金融機関双方の生産性向上を推進してまいります。
③M&Aによる非連続な成長
これら既存事業及び新規事業のオーガニックな成長に加え、地域に根差した伴走型コンサルティングを展開する企業など、「地域密着ネットワーク」領域を中心に積極的なM&Aを推進することで、当社の非連続な成長と持続可能な地域経済循環モデルの創出を目指してまいります。
(注) 1. UI/UX:UIはユーザーインターフェイスのことで、ユーザーとの間に現れるサービスやプロダクトの外観を表します。UXはユーザーエクスペリエンスのことで、ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験を表します。
2. ARPA:Average Revenue per Account の頭文字をとったもので、1アカウントあたりの平均売上を示す指標のことです。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 情報管理体制の強化
当社グループが提供するサービスは、ビジネスの根幹となるインフラ機能であり、また機密性の高い情報を多く扱っているため、情報セキュリティの確保及び情報管理体制の継続的な強化が極めて重要であると認識しております。情報セキュリティの認証資格の取得に加え、社内教育・研修体制の整備を推進しておりますが、今後も自社による監視体制のみならず、外部専門業者によるシステムの脆弱性診断等を継続的に実施し、情報管理体制の整備、強化を行ってまいります。
② 優秀な人材の確保と育成
当社グループの持続的な成長のためには、優秀な人材を採用・育成し、開発体制、営業体制、管理体制等を強化していくことが重要であると捉えております。当社グループの経営理念や事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、働きやすい環境や制度の構築、研修体制の充実等に取り組んでまいります。
③ プロダクト・サービスの強化
当社グループの収益の中心は、サブスクリプション型のビジネスモデルであり、継続してサービスが利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルになります。引き続き顧客ニーズを的確に捉え、継続的なユーザビリティの向上や利用体験の改善、各種機能の強化に取り組むとともに、顧客サポートの品質向上にも注力し、サービスを使い続ける価値を顧客に感じていただけるように取り組んでまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、コンプライアンスをはじめとする内部管理体制の強化が不可欠であると認識しております。引き続き、内部統制システムの適切な運用及びリスク管理体制の高度化を図るとともに、従業員に対する継続的なコンプライアンス教育・啓発活動を通じて、健全で透明性の高い経営基盤の強化に取り組んでまいります。
(1) 経営方針
当社グループは「企業価値の中に、未来を見つける。」というミッションのもと、「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを掲げております。主力サービスである中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」の普及と関連するサービスの提供により、中小企業の成長支援や新しい付加価値の創造、労働生産性の向上に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
「Big Advance」は金融機関より受領するサービス導入時の初期導入費用に加えて、毎月運用・保守費を受領しております。
運用・保守費はサブスクリプション型(継続課金型)であり、金融機関より月額固定形式で受領する収益、金融機関と会員企業との間の月額利用料に対するレベニューシェア方式を採用した収益により構成されていることから、導入金融機関数や会員企業数、会員企業の解約率(チャーンレート)を重要指標としております。
(3) 当社グループの強み
① 地域金融機関と協業したユニークで強固なビジネスモデル
「Big Advance」は、全国の地域金融機関とパートナーシップを結び展開する、日本で最も裾野の広い中小企業向け経営支援プラットフォームであると判断しております。地域金融機関には従来の貸出中心から企業への伴走型本業支援への転換が求められている中、中小企業の経営支援を実施する上で、金融機関の果たすべき役割の重要性が増しており、2023年版の小規模企業白書によると、中小企業の76.6%が相談する支援機関先として金融機関を挙げています。
「Big Advance」は、圧倒的な中小企業の顧客基盤を有する金融機関とパートナーシップを結び、金融機関のサービスとして提供することで、全国の中小企業へ効率的にサービスを届けることを可能にし、中小企業は安心して「Big Advance」の機能を活用でき、金融機関とのコミュニケーション増加により融資等の金融サービスもスムーズに享受できる可能性が高まります。
また海外金融機関とも提携し、海外ビジネスマッチングプラットフォーム「BIG ADVANCE GLOBAL」を展開するなど、その強固なネットワーク基盤を国内外へと拡張しています。
事業者が相談先として利用を検討する支援機関

資料:(株)東京商工リサーチ「中小企業が直面する経営課題に関する調査」
(注)1.ここでの回答割合は、ある事業者が「事業計画策定」、「販路開拓・マーケティング」、「生産設備増強、技術・研究開発」、「人材採用・育成」、「経営改善」、「企業再生」、「事業承継・M&A」、「海外展開」、「創業」、「専門家活用」の各経営課題について、利用を検討すると回答した支援機関をそれぞれ集計したもの。
2.複数回答のため、合計は必ずしも100%にはならない。
(出典:2023年版 小規模企業白書)
② 「テクノロジー」と「Face to Face」を融合し、様々な企業ニーズに対応
主力サービスである中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」は基本機能及びオプション機能を含め、中小企業のニーズに対応した13機能を有しております。
その内、主要機能でもあるビジネスマッチングにおいて、「Big Advance」導入金融機関の全ての取引先のマッチングニーズを企業自ら検索することができるため、これまで企業が金融機関にマッチングを依頼する際のマッチング候補先が制約されるという課題を解決し、地域や金融機関の枠を超えてマッチング候補先を効率的に見つけることを可能にしました。加えて、AIを活用したレコメンド等によりマッチングの効率化を進める一方、面談セッティングは金融機関が間に入ってコーディネートする仕組みとなっており、安心して商談を実施できる「Face to Face」の良さを両立しています。
また従来、企業と金融機関とのコンタクト方法は電話が中心でありコミュニケーションコストが非常に高かったところ、「Big Advance」のチャット機能を活用することにより、柔軟なコミュニケーションを実現し、経営課題の早期発見・早期解決にも効果を発揮しております。
さらに、近年高まる海外展開ニーズに応える「BIG ADVANCE GLOBAL」では、AI自動翻訳機能を備えたチャットやビデオ会議などを実装し、言語の壁を越えた企業の海外展開ニーズにも対応しております。
③ 全国の中小企業が参加する独自のネットワークと生成AIを活用したデータ分析や還元
「Big Advance」は地域を超えた5万社以上の中小企業のネットワークで構築されており、「Big Advance」に蓄積されたデータを活用し、金融機関の取引先に対しての本業支援をサポートすることができます。また、生成AIを活用したホームページや商談ニーズ文言の自動作成機能等に加え、近年では複数のAI技術を組み合わせて自律的な意思決定や行動を支援する高度なシステム「AIエージェント」の実装を進めており、中小企業の更なる業務負担軽減や生産性向上に寄与しております。
④ 金融庁、財務局、第二地方銀行協会等からの認知
関東財務局東京財務事務所や第二地方銀行協会のセミナー等での講演活動や、「Big Advance」や地域金融機関との協業に関する講演活動を行うとともに、2019年8月に公表された金融庁「金融仲介機能の発揮に向けたプログレスレポート」に地域金融機関との提携例の一つとして、「金融機関広域連携プラットフォームを提供する企業と連携し、地域企業のビジネスマッチングを支援」するサービスとして、当社事例が掲載されており、官公庁や第二地方銀行協会等に対する当社サービスの認知度は向上しているものと考えております。
また2023年7月には経済産業省が定める「スマートSMEサポーター(情報処理支援機関)」(注)に認定され、中小企業の生産性向上と経営基盤強化に貢献するIT導入支援者として行政機関からの一定の信頼を得ています。
(注) 経済産業省が創設した中小企業者等の生産性向上・経営基盤強化を目的に、ITツールを提供するITベンダー等のIT導入支援者を「情報処理支援機関(スマートSMEサポーター)」として認定する制度
⑤ 高い安定性を誇るBtoB・SaaSモデル
当社は、主に中小企業向けサービスをSaaSモデルで提供しており、損益分岐点を超える会員企業数を獲得できた後は、安定的に収益を計上できることから、外部環境の変化に強く、安定的かつ継続的な収益構造にあります。また、継続率の向上を目的としたAIを活用した機能改善の開発やカスタマーサクセス等に投資しております。「Big Advance」の会員企業の獲得は、導入金融機関の担当者が推進しており、会員企業は「Big Advance」登録後も活用方法などのサポートを金融機関の担当者から継続的に受けられます。
また活用のサポート活動を通して会員企業のニーズを収集し、すばやくサービスにフィードバックすることで、2025年4月~2026年3月の平均チャーンレート(注)は、1.53%で推移しております。

(注)当月解約企業数÷前月末有料会員企業数で算出したチャーンレートの四半期平均
⑥ 企業文化
当社では「Deep User In(ユーザーを知り尽くし、ユーザーの期待を超えよう)」「Commit myself(今、自分にできる最高の仕事をしよう)」「Big & Speedy(大胆な方針を立て、素早く実行しよう)」「Team is Great(一人ではできないことを成し遂げよう)」という4つの行動指針を共通の価値観として大切にしています。その結果、メンバーは高い自律性と専門性を発揮しながらも強いチームワークを持ち、AIを始めとする先進的なテクノロジーを追求しながら、利用企業が使いやすい温もりのあるサービスの開発・提供に取り組んでおります。
(4) 経営環境
国内経済環境としては、労働供給制約社会の到来に伴い人手不足のさらなる深刻化が懸念される中、中小企業が「稼ぐ力」を高めていくためには、AI等のテクノロジー活用(AX:AIトランスフォーメーション)による労働生産性の向上が急務とされています。このような状況下で、労働生産性向上に向けたソリューションへの期待は高まっており、当社が事業展開する「国内ソフトウエア市場」は継続的な成長を果たしております。さらに、当社の中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」の主力機能であるビジネスマッチングプラットフォームの市場規模は近年急激な拡大を続けており、今後も引き続き成長が見込まれる市場として注目を集めております。

(出典)デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「国内ビジネスマッチングプラットフォーム 市場の現状と展望[2023年版]」2023年12月13日発行(https://mic-r.co.jp/mr/02980/)
また、「国内AIシステム市場」では生成AIの商用化が急速に進み、企業の基幹業務における自動化や最適化需要から市場拡大が予想されます。AI台頭の当初から当社も積極的なAI活用モデルの作成やサービスへの実装を重ねており、今後は複数のAI技術を組み合わせて自律的にタスクを実行し、中小企業の伴走支援を行う高度な「AIエージェント」の実装を目指してまいります。
加えて、パートナーである金融業界においてもDX推進の必要性が一層高まっております。地域金融インフラの中心的存在である金融機関には、従来の貸出中心から取引企業への伴走型本業支援への転換が求められており、その実現には金融機関自身のDXが不可欠です。その中で当社グループでは、金融機関の業務効率化やセキュリティ強化を支援する金融機関向けビジネスマッチング管理サービス「BMポータル」、専門性AI FAQサービス「SAF(サフ)」、ファイル送受信・共有サービス「WebFile/GrpMail」等の提供を拡大しており、中小企業のみならず金融機関のデジタル支援も加速させていきます。
しかしながら、今後の状況によって、経済活動自体が減速することとなった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があり、今後の経営環境の変化を注視していく必要があるものと考えております。
(5) 中長期的な経営戦略
① 既存事業の磨き込み(AIエージェント戦略)
当社のビジネスモデルの大きな特徴ですが、「Big Advance」の会員企業獲得は、導入金融機関の各支店の担当者が推進しており、当社としては、担当者向け研修や同行訪問、情報交換の場である「BAカンファレンス」の開催等を通じて、会員獲得推進をサポートしております。
当社は「AIエージェント構想」を掲げ、AIに関する取り組みを積極的に行っており、既にビジネスマッチングやホームページ作成の既存機能に対して、AIを活用した文章自動生成機能をリリースし、業務負担の軽減や効率化に寄与しております。さらにAX(AIトランスフォーメーション)を推進すべく、当社ではこれまでの生成AI機能の実装からさらに進化させ、複数のAI技術を組み合わせて自律的に意思決定や行動を支援し、中小企業に伴走する高度なシステム「AIエージェント」の実装を進めております。
また、中小企業の福利厚生クーポンサイト「FUKURI」においてリロクラブとの業務提携による利用クーポンの拡充を行い、会員企業の退会抑止を促進するとともに新規会員の獲得の強化を目指します。
今後も隔週単位でのバージョンアップの実施やAIの活用による最適なUI/UX(注1)の実現により圧倒的な業務効率化や顧客満足度の向上を目指していくとともに、付加価値を提供できる新機能のリリースや既存機能の強化、金融機関とのリレーション強化等を通じたサービスの認知度向上により、新たな導入金融機関及び会員企業の開拓を図ってまいります。
② 新規事業の拡大(グローバル戦略及び金融DX戦略)
新たにリリースしたサービスの拡大やサービスの拡充により、収益力の飛躍的な向上を図ります。
グローバル戦略においては、近年円安等を背景に高まる中小企業の海外展開ニーズを捉え、2026年3月に海外ビジネスマッチングプラットフォーム「BIG ADVANCE GLOBAL」を日本とタイの両国において開始いたしました。同プラットフォームを通じて国内外の巨大な市場を開拓するとともに、従来のサブスクリプションモデルに加え、マッチングの成功報酬などトランザクションに応じた新たな収益構造への転換を図ることで、指数関数的なARPA(注2)拡大と持続的な成長を目指してまいります。
また、金融DX戦略においては、金融機関の伴走型本業支援への転換とDX推進を支援すべく、金融機関向けビジネスマッチング管理サービス「BMポータル」、専門性AI FAQサービス「SAF(サフ)」、厳格なセキュリティ要件に対応したファイル送受信・共有サービス「WebFile」等の提供・拡販を強化するとともに、補助金活用コンサルティングサービスを拡充しております。
これらを通じ、金融機関とのリレーションを強固にし、中小企業ならびに金融機関双方の生産性向上を推進してまいります。
③M&Aによる非連続な成長
これら既存事業及び新規事業のオーガニックな成長に加え、地域に根差した伴走型コンサルティングを展開する企業など、「地域密着ネットワーク」領域を中心に積極的なM&Aを推進することで、当社の非連続な成長と持続可能な地域経済循環モデルの創出を目指してまいります。
(注) 1. UI/UX:UIはユーザーインターフェイスのことで、ユーザーとの間に現れるサービスやプロダクトの外観を表します。UXはユーザーエクスペリエンスのことで、ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験を表します。
2. ARPA:Average Revenue per Account の頭文字をとったもので、1アカウントあたりの平均売上を示す指標のことです。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 情報管理体制の強化
当社グループが提供するサービスは、ビジネスの根幹となるインフラ機能であり、また機密性の高い情報を多く扱っているため、情報セキュリティの確保及び情報管理体制の継続的な強化が極めて重要であると認識しております。情報セキュリティの認証資格の取得に加え、社内教育・研修体制の整備を推進しておりますが、今後も自社による監視体制のみならず、外部専門業者によるシステムの脆弱性診断等を継続的に実施し、情報管理体制の整備、強化を行ってまいります。
② 優秀な人材の確保と育成
当社グループの持続的な成長のためには、優秀な人材を採用・育成し、開発体制、営業体制、管理体制等を強化していくことが重要であると捉えております。当社グループの経営理念や事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、働きやすい環境や制度の構築、研修体制の充実等に取り組んでまいります。
③ プロダクト・サービスの強化
当社グループの収益の中心は、サブスクリプション型のビジネスモデルであり、継続してサービスが利用されることで収益が積み上がるストック型の収益モデルになります。引き続き顧客ニーズを的確に捉え、継続的なユーザビリティの向上や利用体験の改善、各種機能の強化に取り組むとともに、顧客サポートの品質向上にも注力し、サービスを使い続ける価値を顧客に感じていただけるように取り組んでまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、コンプライアンスをはじめとする内部管理体制の強化が不可欠であると認識しております。引き続き、内部統制システムの適切な運用及びリスク管理体制の高度化を図るとともに、従業員に対する継続的なコンプライアンス教育・啓発活動を通じて、健全で透明性の高い経営基盤の強化に取り組んでまいります。