有価証券報告書-第22期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は553,458千円となり、前事業年度末と比較して289,897千円の増加となりました。これは主に、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う公募の際の新株発行等による現金及び預金の増加293,540千円、売上高増加に伴う売掛金の増加8,827千円及び流動資産のその他の減少14,607千円によるものであります。
固定資産は146,553千円となり、前事業年度末と比較して5,119千円の増加となりました。これは主に、有形固定資産の増加1,631千円、ソフトウエア仮勘定からの振替等によるソフトウエアの増加12,028千円、ソフトウエア仮勘定の減少10,683千円によるものであります。
この結果、総資産は、700,011千円となり、前事業年度末に比べ295,017千円の増加となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は138,357千円となり、前事業年度末と比較して33,531千円の増加となりました。これは主に、仕入の増加による買掛金の増加2,500千円、未払金の増加17,293千円、未払法人税等の増加7,942千円によるものであります。
固定負債は9,452千円となり、前事業年度末と比較して22,567千円の減少となりました。これは主に、借入金の返済による長期借入金の減少16,668千円によるものであります。
この結果、負債合計は147,809千円となり、前事業年度末に比べ10,963千円の増加となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は552,201千円となり、前事業年度末と比較して284,053千円の増加となりました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加76,083千円、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う新株発行等により、資本金及び資本準備金がそれぞれ103,985千円ずつ増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、同感染症に対する緊急事態宣言等を受け、外出自粛、イベントの中止、店舗等の営業時間の短縮等の影響により大きく停滞いたしました。同宣言の解除後は、政府の各種消費刺激策により、消費の持ち直し傾向が見られたものの、2020年10月以降は新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向に転じており、経済活動への影響は楽観を許さない状況が続きました。
当社の主たる顧客層である小売業・飲食業・サービス業においては、緊急事態宣言での休業・時短営業要請や消費者の外出自粛の影響を大きく受けた結果、大幅な業績悪化を余儀なくされています。
一方では当社が属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を受け企業活動に制限がかかった企業があった反面、政府の勧める働き方改革の基盤の一つでもあるテレワーク向けの製品やサービスの開発・販売に取り組んだ企業は、業績を向上させる状況も見受けられました。
このような環境の中、当社は経営理念である「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します」のもと、顧客管理及び販売促進活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するSaaS型CRMサービス「betrend」の事業を推進してまいりました。営業活動においては、当社サービスの導入事例を基にしたマーケティング活動により、外食産業、小売等の量販店等での当サービスの認知を得ることができました。また、流通業に取引先を多数保有している大手販売パートナー(販売代理店)との連携も進み、外食産業に加え、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の新型コロナウイルス感染症の影響下においても業績を伸ばしている業態での新規導入があり、更に、既存導入企業からの会員数増加による従量課金による売上、オプション利用や周辺サービス(その他サービス)による売上、及び新規導入時のカスタマイズ開発による売上も増加するなど、売上高全体としては順調に推移いたしました。
2020年12月には、事業の拡大、知名度や信用力及び資金調達力の向上を目的として、東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場し、人材の獲得、ビジネスの拡大に必要なサービスの新機能の追加、既存機能のバージョンアップ、運用システム・インフラの更なる冗長化対策に備えました。
労務環境に対しては、新型コロナウイルス感染拡大防止に係る政府見解を踏まえ、顧客及び従業員の安全確保のため、テレビ会議や在宅勤務等のリモートワーク及び、時差出勤等を励行しつつ、社内会議又はお客様との会議においてはWeb会議を励行するなど、十分な感染防止策を講じた上でお客様のご要望にお応えできるよう効率的な対応をいたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は857,152千円(前事業年度比14.8%増)、営業利益は110,524千円(同114.2%増)、経常利益は105,925千円(同97.7%増)、当期純利益は76,083千円(同101.2%増)となりました。なお、売上高のうち、655,077千円(売上高全体の76.4%)は、解約がされない限り翌事業年度以降も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社の安定的な収益基盤を構成しております。
当社の事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は次のとおりであります。
■CRMサービス
当サービスの課金形態は月額固定課金に加えて、会員数や通信料に応じた従量課金や、店舗毎課金等を組み合わせた年間契約を基本とする、いわゆるストック型ビジネスモデルであり、以下の2つの主要サービスで構成されています。
a.スマートCRMサービス
お客様の属性情報・行動履歴情報に加え、ポイント・マイレージ・顧客ランク・電子スタンプなどの情報の一元管理及び、会員登録サービス・メール配信・空メール送信・アプリプッシュ通知・音声自動送受信(IVR)・LINE連携などのコミュニケーション手段を備えた本サービスにおいては、前事業年度に引き続き、導入企業の事例を基にしたマーケティング活動、販売パートナー(販売代理店)との連携を進めることで前事業年度の主要導入先であった外食産業に加え、新型コロナウイルス感染症の影響下でも比較的業績好調なスーパーマーケット、ドラッグストア等の量販店に新規導入していただくことができました。飲食などの既存導入企業からも会員数増加、オプション利用によるサービスの追加購入もあり、この結果、契約企業数148社(前事業年度比19.4%増)、利用会員数16,910千人(同12.4%増)、売上高374,026千円(同43.9%増)となりました。
b.メールマーケティングサービス
消費者のコミュニケーションの手段が多様化し、メールの役割が相対的に減少している中、顧客情報をベースとする各種情報配信機能のうち、メール配信機能及びDMの配信機能に限定した本サービスにおいても売上高は減少傾向にありますが、飲食店、小売店、金融機関、学校、官公庁・自治体等でメール機能を連絡事項の通知やマーケティング・広報に、確実に情報を伝達する手段としてのニーズも根強くあり、底堅い売上がありました。この結果、契約企業数481社(前事業年度比10.8%減)、売上高278,720千円(同8.7%減)となりました。
以上の結果、CRMサービス全体としては、売上高655,077千円(前事業年度比15.7%増)となりました。
■カスタマイズサービス
導入企業の既存業務システムとの連携、導入企業ごとのニーズに合わせたシステム構築などカスタマイズ開発を行う本サービスにおいては、新規導入企業から導入時に発生する新規開発に加え、既存導入企業より発生する追加開発の需要もありました。この結果、売上高163,521千円(前事業年度比9.8%増)となりました。
■その他サービス
CRMサービスの周辺サービスとして、DM(はがき等紙類)や会員カード等を印刷納品・郵送するサービス、ネット通販を支援するフルフィルメントサービス、商品・決済会社と接続連携するサービスや決済手数料関連で構成されるその他サービスは、新規導入企業及び既存導入企業からのニーズの高まりもあり順調に推移いたしました。この結果、売上高38,553千円(前事業年度比22.4%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ293,540千円増加し、440,777千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果獲得した資金は、169,771千円(前事業年度は91,231千円の獲得)となりました。これは主に、利益拡大により税引前当期純利益105,925千円、ソフトウエアの減価償却費58,478千円、売上高の増加による売上債権の増加8,827千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果支出した資金は、61,260千円(前事業年度は58,680千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出57,050千円、有形固定資産の取得による支出3,272千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果獲得した資金は、185,089千円(前事業年度は4,252千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入203,909千円、長期借入金の返済による支出18,478千円があったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお当社は、betrend事業の単一セグメントであるため、継続的サービスであるCRMサービスとCRMサービスを利用するために必要なシステム開発を提供するサービスであるカスタマイズサービスを区分して記載しております。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度における主要な販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(ⅰ)売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ110,328千円増加し857,152千円(前年同期比14.8%増)となりました。当事業年度におきましては、当社の経営理念である「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します。」の「顧客価値の創造」を実現すべく、前事業年度に引き続き外食サービス業や小売業などのいわゆるBtoC企業向けCRM(顧客管理)サービスである「スマートCRMサービス」の普及・浸透に力を注ぎました。
外食サービス業においては、スマートCRMサービス導入による「スマホ会員証アプリ」の成功事例が多数蓄積したことにより、他の飲食店チェーンへの同サービスの認知が進みました。
機能的には、ビッグデータの時代に対応するための導入企業による顧客情報の分析機能(ダッシュボード)や、消費者の多様なコミュニケーション手段に対応するマルチコンタクトチャネル機能にLINE株式会社のLINEと連携する機能を追加するなど、新しいオプションサービスをリリース致しました。
これらの施策により、スマートCRMの新規導入件数が当事業年度は24社増加し、2020年12月末時点の会員数は、16,910千人(前年度末比12.4%増)となり売上増加となりました。また、企業固有の機能を追加するカスタマイズ開発の需要が高まり、売上増加に寄与いたしました。
(ⅱ)売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ42,924千円増加し、362,784千円(前年同期比13.4%増)となり売上高の増加に伴い増加いたしました。また当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べ67,403千円増加し、494,368千円(前年同期比15.8%増)となりました。売上原価の主な増加要因としては、外部仕入費用の増加、外注費の増加によるものです。当社ソフトウエアサービスのほとんどは自社仕様によるため、過年度及び当事業年度に積極的に行ったソフトウエア開発によるソフトウエア資産から発生する減価償却が増加しました。また、外部仕入費用の増加はCRMサービスの売上増加、カスタマイズサービスの増加に伴うライセンス費用等、一部外部仕入を要するものが増加いたしました。外注費は、当事業年度はソフトウエア開発を積極的に進めたこと及びカスタマイズ開発の増加に伴う開発工数を外注に委託したことによるものです。
(ⅲ)販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ8,488千円増加し、383,843千円(前年同期比2.3%増)となりました。また、当事業年度における営業利益は、前事業年度に比べ58,914千円増加し、110,524千円(前年同期比114.2%増)となりました。販売費及び一般管理費の主な増加要因は人件費の増加、及び支払報酬の増加によるものです。人件費につきましては、営業組織の拡充のため当事業年度に営業要員2名の採用を行いました。支払報酬の増加は主なものは監査法人に対する監査報酬の増加よるものです。
(iv)営業外損益、経常利益
当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ2,215円減少し、98千円となりました。営業外費用は、前事業年度に比べ4,347千円増加し4,697千円となりました。営業外費用のほとんどが上場関連費用に伴う費用で増加いたしました。
以上の結果、当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ52,351千円増加し、105,925千円(前年比97.7%増)となりました。
(v)特別損益、当期純利益
当事業年度の税引前当期純利益は52,351千円増加し、105,925千円(前年比97.7%増)となりました。また、法人税、住民税及び事業税31,060円、法人税等調整額を△1,218千円を計上した結果、当期純利益は前事業年度に比べ38,273千円増加し、76,083千円(前年同期比101.2%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費、その採用費、ほかサーバー増強などの設備投資資金となります。財政状態等を勘案しながら、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。
流動資産と流動負債のバランスを注視し、財政状態の健全性を評価しており、当事業年度末時点で健全な財務体制であると判断しております。なお、資金の短期流動性確保のため、金融機関と合計150,000千円の当座貸越契約を締結しております。
⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は553,458千円となり、前事業年度末と比較して289,897千円の増加となりました。これは主に、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う公募の際の新株発行等による現金及び預金の増加293,540千円、売上高増加に伴う売掛金の増加8,827千円及び流動資産のその他の減少14,607千円によるものであります。
固定資産は146,553千円となり、前事業年度末と比較して5,119千円の増加となりました。これは主に、有形固定資産の増加1,631千円、ソフトウエア仮勘定からの振替等によるソフトウエアの増加12,028千円、ソフトウエア仮勘定の減少10,683千円によるものであります。
この結果、総資産は、700,011千円となり、前事業年度末に比べ295,017千円の増加となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は138,357千円となり、前事業年度末と比較して33,531千円の増加となりました。これは主に、仕入の増加による買掛金の増加2,500千円、未払金の増加17,293千円、未払法人税等の増加7,942千円によるものであります。
固定負債は9,452千円となり、前事業年度末と比較して22,567千円の減少となりました。これは主に、借入金の返済による長期借入金の減少16,668千円によるものであります。
この結果、負債合計は147,809千円となり、前事業年度末に比べ10,963千円の増加となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は552,201千円となり、前事業年度末と比較して284,053千円の増加となりました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加76,083千円、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う新株発行等により、資本金及び資本準備金がそれぞれ103,985千円ずつ増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大し、同感染症に対する緊急事態宣言等を受け、外出自粛、イベントの中止、店舗等の営業時間の短縮等の影響により大きく停滞いたしました。同宣言の解除後は、政府の各種消費刺激策により、消費の持ち直し傾向が見られたものの、2020年10月以降は新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向に転じており、経済活動への影響は楽観を許さない状況が続きました。
当社の主たる顧客層である小売業・飲食業・サービス業においては、緊急事態宣言での休業・時短営業要請や消費者の外出自粛の影響を大きく受けた結果、大幅な業績悪化を余儀なくされています。
一方では当社が属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を受け企業活動に制限がかかった企業があった反面、政府の勧める働き方改革の基盤の一つでもあるテレワーク向けの製品やサービスの開発・販売に取り組んだ企業は、業績を向上させる状況も見受けられました。
このような環境の中、当社は経営理念である「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します」のもと、顧客管理及び販売促進活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するSaaS型CRMサービス「betrend」の事業を推進してまいりました。営業活動においては、当社サービスの導入事例を基にしたマーケティング活動により、外食産業、小売等の量販店等での当サービスの認知を得ることができました。また、流通業に取引先を多数保有している大手販売パートナー(販売代理店)との連携も進み、外食産業に加え、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の新型コロナウイルス感染症の影響下においても業績を伸ばしている業態での新規導入があり、更に、既存導入企業からの会員数増加による従量課金による売上、オプション利用や周辺サービス(その他サービス)による売上、及び新規導入時のカスタマイズ開発による売上も増加するなど、売上高全体としては順調に推移いたしました。
2020年12月には、事業の拡大、知名度や信用力及び資金調達力の向上を目的として、東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場し、人材の獲得、ビジネスの拡大に必要なサービスの新機能の追加、既存機能のバージョンアップ、運用システム・インフラの更なる冗長化対策に備えました。
労務環境に対しては、新型コロナウイルス感染拡大防止に係る政府見解を踏まえ、顧客及び従業員の安全確保のため、テレビ会議や在宅勤務等のリモートワーク及び、時差出勤等を励行しつつ、社内会議又はお客様との会議においてはWeb会議を励行するなど、十分な感染防止策を講じた上でお客様のご要望にお応えできるよう効率的な対応をいたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は857,152千円(前事業年度比14.8%増)、営業利益は110,524千円(同114.2%増)、経常利益は105,925千円(同97.7%増)、当期純利益は76,083千円(同101.2%増)となりました。なお、売上高のうち、655,077千円(売上高全体の76.4%)は、解約がされない限り翌事業年度以降も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社の安定的な収益基盤を構成しております。
当社の事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は次のとおりであります。
■CRMサービス
当サービスの課金形態は月額固定課金に加えて、会員数や通信料に応じた従量課金や、店舗毎課金等を組み合わせた年間契約を基本とする、いわゆるストック型ビジネスモデルであり、以下の2つの主要サービスで構成されています。
a.スマートCRMサービス
お客様の属性情報・行動履歴情報に加え、ポイント・マイレージ・顧客ランク・電子スタンプなどの情報の一元管理及び、会員登録サービス・メール配信・空メール送信・アプリプッシュ通知・音声自動送受信(IVR)・LINE連携などのコミュニケーション手段を備えた本サービスにおいては、前事業年度に引き続き、導入企業の事例を基にしたマーケティング活動、販売パートナー(販売代理店)との連携を進めることで前事業年度の主要導入先であった外食産業に加え、新型コロナウイルス感染症の影響下でも比較的業績好調なスーパーマーケット、ドラッグストア等の量販店に新規導入していただくことができました。飲食などの既存導入企業からも会員数増加、オプション利用によるサービスの追加購入もあり、この結果、契約企業数148社(前事業年度比19.4%増)、利用会員数16,910千人(同12.4%増)、売上高374,026千円(同43.9%増)となりました。
b.メールマーケティングサービス
消費者のコミュニケーションの手段が多様化し、メールの役割が相対的に減少している中、顧客情報をベースとする各種情報配信機能のうち、メール配信機能及びDMの配信機能に限定した本サービスにおいても売上高は減少傾向にありますが、飲食店、小売店、金融機関、学校、官公庁・自治体等でメール機能を連絡事項の通知やマーケティング・広報に、確実に情報を伝達する手段としてのニーズも根強くあり、底堅い売上がありました。この結果、契約企業数481社(前事業年度比10.8%減)、売上高278,720千円(同8.7%減)となりました。
以上の結果、CRMサービス全体としては、売上高655,077千円(前事業年度比15.7%増)となりました。
■カスタマイズサービス
導入企業の既存業務システムとの連携、導入企業ごとのニーズに合わせたシステム構築などカスタマイズ開発を行う本サービスにおいては、新規導入企業から導入時に発生する新規開発に加え、既存導入企業より発生する追加開発の需要もありました。この結果、売上高163,521千円(前事業年度比9.8%増)となりました。
■その他サービス
CRMサービスの周辺サービスとして、DM(はがき等紙類)や会員カード等を印刷納品・郵送するサービス、ネット通販を支援するフルフィルメントサービス、商品・決済会社と接続連携するサービスや決済手数料関連で構成されるその他サービスは、新規導入企業及び既存導入企業からのニーズの高まりもあり順調に推移いたしました。この結果、売上高38,553千円(前事業年度比22.4%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ293,540千円増加し、440,777千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果獲得した資金は、169,771千円(前事業年度は91,231千円の獲得)となりました。これは主に、利益拡大により税引前当期純利益105,925千円、ソフトウエアの減価償却費58,478千円、売上高の増加による売上債権の増加8,827千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果支出した資金は、61,260千円(前事業年度は58,680千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出57,050千円、有形固定資産の取得による支出3,272千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果獲得した資金は、185,089千円(前事業年度は4,252千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入203,909千円、長期借入金の返済による支出18,478千円があったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお当社は、betrend事業の単一セグメントであるため、継続的サービスであるCRMサービスとCRMサービスを利用するために必要なシステム開発を提供するサービスであるカスタマイズサービスを区分して記載しております。
| サービスの名称 | 当事業年度 (自2020年1月1日 至2020年12月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| CRMサービス | 655,077 | 115.7 |
| カスタマイズサービス | 163,521 | 109.8 |
| その他サービス | 38,553 | 122.4 |
| 合計 | 857,152 | 114.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度における主要な販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(ⅰ)売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ110,328千円増加し857,152千円(前年同期比14.8%増)となりました。当事業年度におきましては、当社の経営理念である「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します。」の「顧客価値の創造」を実現すべく、前事業年度に引き続き外食サービス業や小売業などのいわゆるBtoC企業向けCRM(顧客管理)サービスである「スマートCRMサービス」の普及・浸透に力を注ぎました。
外食サービス業においては、スマートCRMサービス導入による「スマホ会員証アプリ」の成功事例が多数蓄積したことにより、他の飲食店チェーンへの同サービスの認知が進みました。
機能的には、ビッグデータの時代に対応するための導入企業による顧客情報の分析機能(ダッシュボード)や、消費者の多様なコミュニケーション手段に対応するマルチコンタクトチャネル機能にLINE株式会社のLINEと連携する機能を追加するなど、新しいオプションサービスをリリース致しました。
これらの施策により、スマートCRMの新規導入件数が当事業年度は24社増加し、2020年12月末時点の会員数は、16,910千人(前年度末比12.4%増)となり売上増加となりました。また、企業固有の機能を追加するカスタマイズ開発の需要が高まり、売上増加に寄与いたしました。
(ⅱ)売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ42,924千円増加し、362,784千円(前年同期比13.4%増)となり売上高の増加に伴い増加いたしました。また当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べ67,403千円増加し、494,368千円(前年同期比15.8%増)となりました。売上原価の主な増加要因としては、外部仕入費用の増加、外注費の増加によるものです。当社ソフトウエアサービスのほとんどは自社仕様によるため、過年度及び当事業年度に積極的に行ったソフトウエア開発によるソフトウエア資産から発生する減価償却が増加しました。また、外部仕入費用の増加はCRMサービスの売上増加、カスタマイズサービスの増加に伴うライセンス費用等、一部外部仕入を要するものが増加いたしました。外注費は、当事業年度はソフトウエア開発を積極的に進めたこと及びカスタマイズ開発の増加に伴う開発工数を外注に委託したことによるものです。
(ⅲ)販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ8,488千円増加し、383,843千円(前年同期比2.3%増)となりました。また、当事業年度における営業利益は、前事業年度に比べ58,914千円増加し、110,524千円(前年同期比114.2%増)となりました。販売費及び一般管理費の主な増加要因は人件費の増加、及び支払報酬の増加によるものです。人件費につきましては、営業組織の拡充のため当事業年度に営業要員2名の採用を行いました。支払報酬の増加は主なものは監査法人に対する監査報酬の増加よるものです。
(iv)営業外損益、経常利益
当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ2,215円減少し、98千円となりました。営業外費用は、前事業年度に比べ4,347千円増加し4,697千円となりました。営業外費用のほとんどが上場関連費用に伴う費用で増加いたしました。
以上の結果、当事業年度における経常利益は、前事業年度に比べ52,351千円増加し、105,925千円(前年比97.7%増)となりました。
(v)特別損益、当期純利益
当事業年度の税引前当期純利益は52,351千円増加し、105,925千円(前年比97.7%増)となりました。また、法人税、住民税及び事業税31,060円、法人税等調整額を△1,218千円を計上した結果、当期純利益は前事業年度に比べ38,273千円増加し、76,083千円(前年同期比101.2%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費、その採用費、ほかサーバー増強などの設備投資資金となります。財政状態等を勘案しながら、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。
流動資産と流動負債のバランスを注視し、財政状態の健全性を評価しており、当事業年度末時点で健全な財務体制であると判断しております。なお、資金の短期流動性確保のため、金融機関と合計150,000千円の当座貸越契約を締結しております。
⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。