有価証券報告書-第26期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/22 12:56
【資料】
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【項目】
169項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
我が国の光産業は、光技術の絶え間ない革新により、情報通信、ディスプレイ・照明、情報記録、情報入出力、レーザ・光加工、光エネルギー、センシング・計測等さまざまな産業分野に光技術の応用が広がり、出荷額ベースで約13兆円規模(一般財団法人光産業技術振興協会「光産業全出荷額、国内生産額調査結果について」2025年3月14日より)の一大産業に成長しております。ビッグデータ、半導体等の微細化、情報通信の大容量高速化など近年のイノベーションの進展は、電気から光の時代への移行を加速しております。光技術の絶え間ない革新に支えられ、今後も引き続き、大きく発展していくと見られる中で当社グループは、世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組み、グローバルニッチ分野での製品化/事業化に成功してまいりました。3つの経営理念、
「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」
「顧客へマテリアルソリューションを提供し、社会の発展に貢献する」
「単結晶を核とした製品を開発し、未来の市場機会を創造し続ける」
のもとに、光産業におけるオープンイノベーションパートナーとして、技術シーズと市場ニーズをマッチングさせ、新たな付加価値を創造するコーディネーターを担ってまいります。同時に、「世の中に無い、また敢えて他社ができないものに取り組む」ベンチャー精神を発揮し、世界でもユニークな光学技術で世界のイノベーションの拡大に貢献する企業をめざしてまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、上記の経営方針の下、光学分野の次世代製品開発、レーザ加工、レーザセンシングといった新領域の新製品開発とともに、コア技術である単結晶の高品質化開発といった基盤技術の研究開発を推進してまいります。こうした取り組みの例として、世界規模のテーマであるカーボンニュートラル実現への貢献が挙げられます。具体的にはデジタルインフラの省エネ化・高性能化のキーマテリアルであるパワー半導体向けのSiCウエハの超高品質化、大口径化の開発並びに家電パワーデバイス用途の低コストβ-Ga2O3基板の開発に注力してまいります。これらの開発については、取締役会、執行役員会等により議論され、随時進捗確認を行っております。
また、中長期的な経営の指針として、「光学技術の蓄積」、「光学分野における技術者集団の形成」、「市場における新たな需要の発掘」、「事業譲受のノウハウの集積」を図り、各市場において高付加価値製品の開発を実現し、それにより高いシェアを獲得することで収益性を高め、企業価値の増大を達成してまいります。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、①営業利益率、②EBITDAマージンを経営指標とし、それぞれ①10%、②20%を目指しております。
営業利益率の向上を目指す施策としては、より付加価値の高い製品の開発を進めてまいります。具体的には、研究開発活動を行っております、パワー半導体向材料、量子分野、シンチレータ向け単結晶、レーザの新規用途製品となります。
EBITDAマージンの向上を目指す施策としては、営業利益の向上に加え、設備投資の効率化、生産効率の改善及び業務の効率化を図ってまいります。
(4)経営環境
電気の20世紀から光の21世紀と言われる社会変革は、光通信技術による情報革命が主導してまいりました。1980年代の光ファイバ、インターネットの一般家庭への導入、データセンターの活用によるクラウドサービスの拡大、スマートフォンの普及、さらに5Gの導入と技術の進展はとどまるところを知りません。ただ、これでもまだ光の機能の一部を利用したにすぎません。具体的には、製造現場でのレーザ加工、医療分野での眼科やがんの診断及び治療、ディスプレイ、精密計測、農業利用などへの展開に向けた開発が進展しております。こうした光学分野の環境をもとに、それぞれの事業毎の経営環境は「第1 企業の概況 3 事業の内容」にも一部記載しておりますが、半導体事業及びヘルスケア事業の事業環境について以下に記載いたします。
世界の半導体産業は、元々先端技術の動向に影響を受けやすく、比較的変動の大きい市場と言われておりましたが、NoT(Network of Things)等にけん引される需要拡大により食品、電力、輸送に迫る重要な産業となっております。2022年には前年比で3.3%の成長を遂げましたが、2023年は世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの増大などの影響で個人投資や企業の設備投資が減少し、特にメモリ市場を中心に市場全体が9.4%縮小しました。しかし、生成AIの急速な普及によるロジックデバイスの需要増加や、メモリやマイクロデバイスの需要回復により、2023年後半には市場が回復傾向にあります。2024年には、生成AIやパワーディスクリートの需要が持続し、市場は前年比で13.1%の再拡大が見込まれております。(世界半導体市場統計2023年11月28日公表)。当社グループの半導体事業は、半導体ウエハの欠陥検査装置向けの単結晶とレーザで構成されておりますが、そうした市場全体の動向や世界的な半導体不足解消に向けた半導体メーカーの旺盛な設備投資意欲を背景に増勢で推移しております。
ヘルスケア市場は、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年の一時的な需要減少後、従来の堅調な需要が回復しましたが、中国経済の減速や米中摩擦の昂進から、2024年はやや軟調と見られております。当社グループのヘルスケア事業は、これまではがんの診断装置(PET、Positron Emission Tomography)に搭載されるシンチレータ単結晶が主体でしたが、頭部PET検査装置用シンチレータ単結晶の売上実績も出てきており、両方を合わせた市場全体の成長が期待されております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
① 各種研究開発の促進
当社グループが推進する光技術の応用範囲は、世界規模で拡大しており、半導体分野における高集積化・高性能化の進展、医療・分析機器の高度化等を背景として、当社グループの製品に対する需要は、中長期的に底堅く推移するものと見込んでおります。近年では、従来の半導体分野に加え、量子技術分野においても光源や光学材料に対する要求が高まっております。一方、次世代パワー半導体材料として期待が高まるSiC単結晶においては、高品質かつ大口径の結晶開発が求められており、当社グループにおいても溶液法を用いたSiC単結晶開発を推進しております。また、量子技術や先端半導体分野においては、産業用途を見据えた高出力・高安定なレーザ光源及び関連技術の開発が重要な課題となっております。こうした新領域・新用途への対応にあたっては、研究開発段階から将来的な製品化・事業化を見据えた技術検討を進める必要があり、当社グループの独自性、技術的な優位性を維持しつつ、的確かつスピーディーな研究開発体制の構築が引き続き重要となっております。当社グループでは、社内の人的及び資金的資源を有効に活用するとともに、大学や研究機関との連携や、政府機関による研究開発支援制度等の活用を通じて、研究開発の促進及び技術基盤の強化に努めております。
② 優秀な人材の採用・育成
当社グループ製品への需要増や開発促進に対応するため、当社グループでは即戦力の技術者の採用とともに優秀な若手技術者の採用や人材開発が大きな経営課題になっていると認識しております。新卒採用については、国内外の大学や研究室、並びに国内の高等専門学校と継続的に連携し、学生の履修状況に応じた実体験型インターンシップ等を通じて卒業生の採用につなげ、採用環境が厳しい中でも計画に沿った実績を重ねております。当社における過去3年の新卒採用の実績は、2024年4月25名、2025年4月8名、2026年4月5名となっております。中でも、事業継承、研究開発の進展、研究の深化を担う人材を確保するため、博士課程修了者の採用については継続的に取り組み、実績を有しております。中途採用については、優秀人材の獲得競争が年々激化する中、人材紹介会社を通じて当社グループの魅力や市場における製品優位性を効果的に発信し、業務拡大に対応可能な即戦力の確保に成果を上げております。当社における過去3年の正社員の中途採用実績は、2024年2月期24名、2025年2月期13名、2026年2月期12名となっており、即戦人財の充足が進んでおります。また、優秀な社員が能力を最大限発揮できる環境の整備に向け、創業25周年を機に「行動指針」を制定しました。企業の理念を具現化し、社員が日々の業務で取るべき行動や判断基準として全社に展開し、社員への浸透を進めております。さらに、外部研修の積極活用に加え、階層別研修(新入社員・若手・チームリーダー・管理職)や専門別研修を体系化し、社員一人ひとりの成長目標とスキルギャップに応じた学習の機会を提供することで、能力発揮と生産性の向上を図ってまいります。加えて、将来の経営を担う幹部人材のサクセッションプランを進め、タレントマネジメントの強化を通じて、持続的な企業価値向上に資する人材基盤の確立に努めてまいります。
③ 財務体質の健全化
当社グループは、当社グループ製品の需要増に対応するためには、既存設備の増強と継続的な研究開発が必要と考えております。一方で、これら設備投資又は研究開発投資を支える財務基盤の確保も重要な課題の一つと認識しております。具体的には、自己資本比率等の指標及び各種キャッシュ・フローの水準により財務体質の健全性を確認しながら、各投資のタイミングと投資額について検討しております。
④ 資材調達体制の強化
当社グループは、様々な原材料や光学部品等を購入して使用しております。その中には特殊な原材料や部品も含まれており、重要な原材料・部品については複数ベンダーによる購買や在庫積み増し等の対策を講じ、安定的な製造及び供給に努めておりますが、一部代替が利かないものも存在します。特に、ヘルスケア事業においてシンチレータ単結晶の製造に使用する酸化ルテチウムの主な産出国は中国、オーストラリア等に限られており、当社グループは中国から調達しております。このため、複数ベンダーによる購買、商社等を通じた調達市場動向の早期把握、在庫水準の適切な管理等を通じて、供給リスクの低減に取り組んでおります。また、半導体事業の主要製品であるレーザの一部部材については、当社グループが求める品質の部材を製造できる企業は国内外でも限られていることから、仕入先との綿密な調整等連携強化を図るとともに、調達仕様の見直しや仕入状況の定期的なモニタリングを実施することにより、サプライチェーンの安定的な確保に向けた取り組みを推進しております。

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