有価証券報告書-第19期(2024/10/01-2025/09/30)

【提出】
2025/12/25 15:30
【資料】
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【項目】
173項目
② 戦略
当社グループは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)、が公表するRCP8.5℃シナリオ(緩和策を取らず産業革命の前と比べて平均気温が4℃前後上昇するシナリオ)、RCP2.6℃シナリオ(2100年までの平均気温上昇が2℃未満に抑えられている世界)に基づき、気候変動のリスク及び機会による組織のビジネス戦略や財務計画への影響を把握するよう努めております。そのうえで、識別したリスクと機会に対する対策を講じる体制を整えることで気候変動に対する強靭性を高めてまいります。
a.短期・中期・長期における気候関連リスク及び機会と組織に与える影響
気候変動に関するリスクには大別して移行リスクと物理リスクがあります。移行リスクとは気候変動に順応するうえで生じるリスクであり、現行の規制に伴うリスク、新たな規制に伴うリスク、法規制に伴うリスク、技術リスク、市場リスク、評判リスクがあります。また、物理リスクは、文字どおり物理的に生じるリスクをいい、急性リスクと慢性リスクに分けることができます。反対に、機会は気候変動によって生じる正の影響であり、市場、レジリエンス、資源の効率性、エネルギー源、製品・サービスに分類することができます。当社グループでは、これらの分類ごとに、当社グループの調達と売上に対する短期(1年未満)、中期(1~3年)、長期(3~10年)の財務的影響を定性的に評価・分析しております。2024年度の分析結果は以下のとおりであります。
<2℃シナリオ>移行リスク
気温が2℃上昇するシナリオにおいては、カーボンプライシング制度(炭素税やGX-ETSなど)の導入・強化や、温室効果ガスを多く排出する産業・エネルギー源に対する規制の一層の厳格化、さらには技術革新や新エネルギーへの転換が加速することが想定されます。こうした移行リスクは、すでに国内外で議論や制度設計が進んでいることから、今後確実に事業環境へ影響を及ぼすと考えられます。
特に、弊社グループの調達先となる業界、なかでも電力使用量の大きい通信・放送分野では、カーボンプライシングの負担増や技術投資の失敗、あるいは低炭素化対応の遅れなどにより、長期的に大きな構造変化が生じる可能性があります。その結果、弊社グループが調達する商品・サービスのコスト増加が懸念されます。
さらに長期的には、こうした市場価格の変動が顧客企業の事業運営にも波及し、ひいては弊社グループの収益性や財務状況に対するリスクとして顕在化する可能性も否定できないと考えております。
その他の懸念点としては、GX-ETSの本格始動により、弊社に向けられるステークホルダーのESG対応への期待がより一層高まると見られ、不十分と判断された場合、調達・売上ともに影響が出る可能性がありますが、GX-ETSが本格始動することによる規制リスクに関しては、弊社は排出量が例年低いため、影響度は低いと考えております。
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機会
気温が2℃上昇するシナリオでの機会では、今後GX化が進むにつれ、弊社の製品(特にタレントパレット)において、GX関連のデータ分析が可能になれば、競合他社と比べて優位に立てる可能性は大いにあると判断し、影響度を「高」に設定しております。また、重ねて「製品・サービス」に関しても同様の要因で調達・売上ともに「高」と想定されます。気候変動への適応に向けた新たな技術や再生可能エネルギーの活用が進展することで、環境負荷の小さい製品・サービスの開発が加速することが見込まれます。こうした動きは国際的な脱炭素の潮流や国内でのGX政策の推進とも合致しており、調達面においてはコスト削減効果をもたらす可能性があります。さらに、これらの技術革新やエネルギー転換は弊社グループの製品・サービスの競争力強化につながり、売上面にも好影響を与えることが期待されます。結果として、長期的には財務面においてもプラスの効果が大きいと分析し、持続的な成長に資する重要な機会であると認識しております。
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<4℃シナリオ>物理的リスク
4℃シナリオにおいては、物理的リスクとして自然災害の激甚化や気温上昇の影響が顕著に現れることが想定されます。近年、国内外で大規模災害や異常気象が頻発している現状を踏まえると、これらの影響は今後さらに強まる可能性が高いと考えられます。
弊社グループの調達先においても、災害対応に伴う各種経費の高騰や、通信インフラ障害に起因するコスト増加などが長期的に生じるリスクが想定されます。特に急性の影響については長期にわたり高いリスクが見込まれるほか、慢性的な影響についても中期・長期の双方において中程度のリスクが継続的に発生する可能性があります。
さらに、売上面においても、気候変動が続く場合には自然災害や気温上昇の影響が長期に及ぶことにより、事業環境に対するリスクが恒常的に存在し得ると認識しています。こうした状況は、近年の気候変動リスクに関する国際的な警鐘や、国内での災害対応コスト増の実例とも整合しており、今後の事業運営における重要な留意点であると考えられます。
異常気象(台風、豪雨、熱波、山火事等)の環境要因により、従業員の出社不可による生産性低下、または、データセンターのダウンによるシステムの停止が考えうる急性リスクであり、その他空調費用の増加、感染症リスクに伴う海外出張規制、これらすべてを踏まえての業績悪化による求人の減少が今後予想される慢性リスクです。
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b.組織戦略のレジリエンス
当社グループでは、気候変動に関する移行リスク及び物理的リスクの分析結果を踏まえ、リスク低減と機会最大化の観点から、組織戦略を柔軟に見直し対応する体制及びプロセスを整備しております。サステナビリティ委員会は、リスク・コンプライアンス管理委員会並びに事業部門と連携し、気候関連リスクと機会を特定・評価したうえで、財務的影響を考慮した活動計画を協議・決定いたします。とりわけ当社は、直接排出量が比較的少ない一方で、外部ステークホルダーからのESG対応への期待が高まっていること、さらに調達先である電力多消費産業(通信・放送等)における構造変化が当社のコストや供給安定性に波及し得ることを踏まえ、社内リソースの配分を見直し、レジリエンスの確保に努めております。
当社グループでは、このような組織に対するリスクと機会の分析結果を踏まえ、気候関連リスクの低減と機会の最大化の観点から、組織戦略を柔軟に見直し、対応する体制及びプロセスを整備しております。先述のとおり、サステナビリティ委員会はリスク・コンプライアンス管理委員会と連携し、気候変動に伴うリスクと機会を識別のうえ財務への影響度を評価し、組織目標や具体策を盛り込んだ活動計画を協議・決定しております。特に、上記のリスクと機会のうち、気候変動に伴う規制、新たな技術・製品、並びに市場ニーズは変化が激しく、財務的インパクトも大きいことから、組織戦略においてこれら新技術や主要機材の導入、社内リソースの配分見直しを行い、レジリエンスの確保に努めております。
具体的には、2℃シナリオにおける気候変動リスクに対し、購入製品のCO2排出量を把握し、影響を受けやすい製品の特定と代替品の検討を進めていく予定としております。顧客についても、業種別に気候変動の影響を分析し、負の影響がより小さい業種・企業への営業努力を行う予定であります。加えて、気候変動による正の影響については、新たな技術・製品・市場の把握に努め、当社グループの調達コストの低減につなげてまいります。4℃シナリオにおけるリスクに対しては、自然災害の影響による調達コスト増大に備え、代替製品の検討を行う予定であります。このように、当社グループでは、シナリオ分析の結果を組織のレジリエンス強化に活用しております。

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