有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/08/24 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
142項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、経営の効率化を図るとともに、経営の健全性、透明性及びコンプライアンスを高めていくことが長期的に企業価値を向上させるとともに、株主をはじめとするステークホルダーの信頼を維持するものと考えております。そのためには、迅速な意思決定や適切な業務執行と共に、経営の健全性と透明性を高める公正な経営システムを構築し、実施・機能させることが極めて重要な経営課題と位置付け、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでいく所存であります。
② 企業統治の体制及び当該体制を採用する理由
a.企業統治の体制の概要
当社の企業統治の体制の模式図は以下のとおりであります。当社は監査役会制度を採用しており、取締役会及び監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築することで、取締役会の意思決定と取締役の業務執行を適正に監督及び監視しております。更に、監督及び監視を強化するため、3名の社外取締役及び3名の社外監査役を選任しております。また、監査役会、内部監査人及び会計監査人の連携により、監査体制をより強化しております。
0204010_001.png
b.会社の機関の内容
(取締役及び取締役会)
当社の取締役会は取締役7名(代表取締役清久健也、取締役小倉政人、取締役川本圭祐、取締役久野聡太、社外取締役澤博史、社外取締役清水幸明、社外取締役長山裕一)で構成されております。代表取締役清久健也が議長となり、監査役出席の下、経営上の意思決定機関として、「取締役会規程」に基づき重要事項を決議し、取締役の職務の執行を監督しております。社外取締役として、弁護士資格を有する者、証券会社や他社代表取締役の経験を有する人材を招聘し、幅広い視野に基づいた経営の意思決定及び社外からの経営監視を可能とする体制作りを推進しております。経営の意思決定を合理的かつ迅速に行う事を目的に、毎月1回の定例取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
(監査役及び監査役会)
当社の監査役会は、監査役3名(常勤社外監査役石橋慶太、社外監査役金重凱之、社外監査役橋本泰生)により構成されております。常勤社外監査役の石橋慶太が議長となり、毎月開催される定例監査役会に加えて、必要に応じて臨時監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況、監査結果等の検討等、監査役相互の情報共有を図っております。
なお、監査役は、取締役会及びその他重要な会議に出席し、必要に応じて意見を述べるほか、監査計画に基づき重要書類の閲覧、役職員への質問等を通じて、取締役の職務執行を監査しております。また、内部監査室及び会計監査人と緊密な連携をとり、監査の実効性と効率性の向上に努めております。社外監査役はそれぞれ、上場企業、大手会計事務所、警察庁出身者であり、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役会へ出席するとともに、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。
(内部監査室)
当社では内部監査室を設置しており、代表取締役の命を受けた内部監査担当者1名が、業務の有効性及び効率性を担保することを目的として、年間内部監査計画に基づいて内部監査を実施し、代表取締役に対してその監査結果を報告しており、加えて監査役や取締役会へも報告しております。代表取締役は、監査結果の報告に基づき、被監査部門に対して改善を指示し、その結果を報告させることで内部統制の維持改善を図っております。また、内部監査担当者と監査役、会計監査人が監査を有効かつ効率的に進めるため、適宜情報交換を行っており、効率的な監査に努めております。
(指名・報酬諮問委員会)
当社は、取締役の指名、報酬等に係る評価、決定プロセスの透明性及び客観性を担保することで、取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目的とし、取締役会の諮問機関として、任意の指名・報酬諮問委員会を設置しており、取締役の指名、報酬体系等に関する原案等についての諮問に対する答申を行っております。
(委員長:取締役久野聡太、委員:社外取締役澤博史、社外取締役長山裕一)
(リスク・コンプライアンス委員会)
当社は、経営におけるリスクおよびコンプライアンス関連の事項に総合的に対処・対応するためにリスク・コンプライアンス委員会を設けております。委員長には代表取締役が就き、常勤役員、社外監査役、内部監査室室長、その他委員長が指名した者を委員として組織されております。リスク・コンプライアンス委員会は原則として月に1回開催されるほか、必要に応じて機動的に臨時で開催され、リスク・コンプライアンスに関する問題を未然に防ぐための予防策の検討、それに伴う業務ルールの見直しや研修計画、リスクマネジメントに関して協議を行っております。
(経営会議)
経営会議は、議長である代表取締役、取締役(社外取締役を除く)、執行役員、各部長及び常勤監査役及び議長が必要と認めた者により構成され、原則として週に1回開催しております。重要な経営事項についての協議を通じ、迅速な経営判断を図るとともに、重要な経営事項についての事前審議、業務並びに組織運営に関する重要事項の共有や審議、協議を行っております。常勤監査役は、経営会議における意思決定プロセスの健全性、透明性の監査のため、参加しております。
(執行役員制度)
当社は、業務執行機能の強化を図るため、執行役員制度を導入しております。執行役員は、取締役会によって選任され、所管業務の執行を行っております。また、取締役会の決定事項に基づいて迅速に業務執行を行うため、原則としてオブザーバーとして取締役会に出席し、また必要に応じて担当部門の業務執行状況について報告を行うこととしております。
c.当該体制を採用する理由
当社は、経営の最高意思決定機関である取締役会に業務執行の権限・責任を集中させ、業務執行及び取締役会から独立した監査役及び監査役会に取締役会に対する監査機能を担わせることで、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質な企業統治体制が確立できると判断し、監査役会設置会社制を採用しております。
代表取締役の直轄機関である内部監査室は、内部統制の運用状況の調査を行い、監査役会と連携して定期的に業務執行部署への内部監査を実施し、各部署の所管業務が法令、規制、定款及び社内諸規程等を遵守し、適正かつ有効に運営されているか否かを調査しております。
内部監査、監査役監査及び会計監査の相互連携としては、定期的に三様監査の意見交換を実施しているほか、内部監査の監査現場に監査役が立ち会う等して連携強化に努めております。
③ 内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、その他会社の業務の適正を確保するための体制を整備するため、以下のとおり、内部統制システム構築の基本方針を定めております。
a.当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制並びに当社の業務の適正を確保するために必要な体制
・当社の取締役の職務の執行が法令及び定款に適合すること並びに当社の業務の適正を確保するため、「コンプライアンス規程」等を定める。
・当社は、リスク・コンプライアンス委員会等において定期的に実施されるコンプライアンス遵守状況の報告等を通じ、当社におけるコンプライアンス遵守の状況を適時に把握、管理する。
・当社の取締役は、当社に関し重大な法令違反、コンプライアンス違反その他重要な事実を発見した場合、速やかに取締役会に報告する。
・当社の監査役は、「監査役監査基準」に基づき、取締役の職務執行について監査を行う。
・当社は、法令、定款及び社内諸規則等に違反する行為が行われ、又は行われようとしている場合の報告体制として「内部通報規程」を定め、社内外の通報窓口を設置する。当社は、当該通報を行った者に対して、解雇その他いかなる不利益な取り扱いも行わない。
・当社は取締役会の諮問機関として、委員の過半数が社外取締役で構成される「指名・報酬諮問委員会」を設置する。「指名・報酬諮問委員会」は、取締役の選任基準、指名、並びに報酬・賞与の体系・水準等に関する検討を行い、その結果を取締役会に答申する。
b.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・当社の取締役の職務執行に係る文書その他重要な情報については、法令、定款及び「文書管理規程」ほか社内諸規則等に則り作成、保存、管理する。取締役は、必要に応じてこれらの情報を閲覧することができるものとする。
・当社は、「個人情報保護基本規程」等の社内諸規則等に基づき、情報の保存及び管理に関する体制を整備する。
c.当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社は、リスク管理の基礎として定める「リスク管理規程」に基づき、当社のリスクを横断的に管理するリスク管理組織を設置し、リスクマネジメント活動を推進する。
・当社は、経営会議及びリスク・コンプライアンス委員会等において定期的に実施される業務執行状況及びインシデントの報告等を通じ、当社におけるリスクの状況を適時に把握、管理する。
・当社の内部監査部門は、「内部監査規程」に基づき、当社におけるリスク管理の実施状況について監査を行う。
d.当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社は、取締役会を毎月1回以上開催し、重要事項の決定並びに取締役の業務の執行状況について報告を行い、当社の取締役の職務の執行について監視・監督を行う。
・当社は、取締役会の決定に基づく業務執行については、「業務分掌規程」「職務権限規程」において、それぞれの分担を明確にして、職務の執行が効率的に行われることを確保する。
・当社は、職務の執行が効率的に行われることを補完するため、経営に関する重要事項について協議する経営会議を毎月1回以上開催する。
e.当社の使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
・当社の取締役会は、「取締役会規程」に基づき重要事項について決定するとともに、役員及び従業員に業務の執行状況を報告させ、法令、定款及び社内諸規則等の遵守状況を把握する。
・当社は、「コンプライアンス規程」を、職務を遂行するにあたり遵守すべき行動基準とし、全ての役員及び従業員に対し周知徹底を図る。
・当社は、リスク・コンプライアンス委員会等において定期的に実施されるコンプライアンス遵守状況の報告等を通じ、当社におけるコンプライアンス遵守の状況を適時に把握、管理する。
・当社は、「内部通報規程」に基づき社内外の通報窓口を設置し、不祥事の未然防止を図る。
・当社の内部監査部門は、社内諸規程等に基づき内部監査を実施し、当社の使用人の職務における法令、定款及び社内諸規則等の遵守状況並びにその他業務の遂行状況を検証する。
・当社の監査役及び監査役会は、当社の法令、定款及び社内諸規則等の遵守状況に問題があると認められた場合は、改善策を講ずるよう取締役会に要求する。
f.当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
・監査役が監査役補助者の登用を求めた場合、当社の使用人から監査役補助者を任命することができるものとする。
・監査役補助者の任命、解任、人事異動、賃金等の改定については、監査役会の同意を得たうえで、取締役会で決定することとし、取締役からの独立性を確保する。
・監査役補助者は業務の執行に係る役職を兼務しないものとする。
g.当社の取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
・当社の取締役及び使用人は、法令に違反する事実、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見したときには、当社の監査役に対して、当該事実に関する事項を速やかに報告しなければならない。また、当社の監査役から業務執行に関する事項の報告を求められた場合においても、速やかに報告を行わなければならない。
・当社は、前項により当社の監査役に対して報告した者が当該報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けないことを確保するための体制を構築する。
h.当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に関する方針に関する事項
・当社は、当社の監査役の職務の執行に協力し監査の実効性を担保するために、監査費用のための予算を確保する。
i.その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・当社の監査役は、当社の取締役会、経営会議その他経営に関する重要な会議に出席し、経営において重要な意思決定及び業務の執行状況を把握するとともに、意見を述べることができる。
・当社の代表取締役は、当社の監査役と定期的に意見交換を行う。
・当社の監査役は、内部監査部門の実施する内部監査に係る年次計画について事前に説明を受け、その修正等を求めることができる。また、内部監査の実施状況について適宜報告を受け、必要があると認めるときは、追加監査の実施、業務改善策の策定等を求めることができる。
・当社の監査役は、会計監査人から必要に応じて会計の内容につき説明を受けるとともに意見交換を行い、効率的な監査のために連携を図る。
j.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方・措置
・当社は、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である反社会的勢力による被害を防止するため、「反社会的勢力排除規程」を定める。
・反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で臨み、反社会的勢力との一切の関係を遮断、排除するとともに、不当な要求を断固として拒否することを基本方針とする。
・反社会的勢力に対しては、警察、暴力追放運動推進センター及び弁護士等の外部専門機関と連携して組織的な対応を図るものとし、平素より情報収集に努め、速やかに対処できる体制を整備する。
④ リスク管理体制の整備状況
当社では、リスクマネジメントに関する基本的事項を定め、事業をとりまく様々なリスクに対して、危機の事前の回避、危機が発生した場合の会社被害の最小化、会社財産の保全、事業継続、役職員の生命身体の安全確保を実践するため、的確な管理を可能とすることを目的として「リスク管理規程」を制定しております。
また、リスク管理及びコンプライアンスの統括を目的としたリスク・コンプライアンス委員会を設置し、原則として月に1回開催し、全社的なリスク管理体制の強化を図っております。
⑤ 取締役の定数
当社の取締役は9名以内とする旨を定款に定めております。
⑥ 取締役の選任の決議要件
当社では、取締役の選任決議は、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑦ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和する事により、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
⑧ 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により取締役会の決議によって毎年6月30日を基準日として、中間配当をすることができる旨を定款に定めております。これは株主への機動的な利益還元を可能とするためであります。
⑨ 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得できる旨を定款に定めております。これは、経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を可能にするためであります。
⑩ 責任限定契約の内容と概要
当社は、定款に取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役の責任限定契約に関する規定を設けており、当該定款及び会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を、社外取締役及び社外監査役と締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該業務執行取締役等でない取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。