有価証券報告書-第19期(2023/03/01-2024/02/29)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,968,072千円となり、前連結会計年度末に比べ69,569千円増加いたしました。これは、流動資産が40,416千円、固定資産が29,153千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は主に、自己株式買付資金としての預け金が増加したことにより、預け金を含むその他流動資産が41,655千円増加したことによるものであります。固定資産の増加は主に、「メタノビ」開発費用に係るソフトウエアの減損等により無形固定資産が18,307千円減少した一方で、UT創業者の会投資事業有限責任組合及びCSP1号投資事業有限責任組合への出資により、投資有価証券46,107千円が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は529,131千円となり、前連結会計年度末に比べ3,251千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が15,477千円、未払消費税等が12,723千円減少した一方で、主に新卒採用に係る人材紹介手数料の増加により前受金が17,721千円増加したこと、及び当期末に開催した大型イベントに係る未払債務を計上したことなどにより、未払金が17,445千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,438,941千円となり、前連結会計年度末に比べ66,318千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益(純資産の増加)91,438千円を計上した一方で、利益剰余金の配当(純資産の減少)20,991千円を行ったことによる、利益剰余金の増加70,447千円によるものであります。また、財政状態や株価動向を鑑みて、総合的な株主還元及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、2024年1月12日開催の取締役会決議に基づき、自己株式の公開買付けによって、2024年1月15日から当連結会計年度末までに自己株式8,979千円の取得(純資産の減少)を実行いたしました。
この結果、自己資本比率は73.1%(前連結会計年度末は72.3%)となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、急速な円安の進行や物価上昇の影響を受けつつも、政府による新型コロナウイルス感染症の水際対策の撤廃などにより経済活動の正常化が進み、インバウンド需要が回復したこと、サービス関連を中心とした個人消費が増加したことなどにより景気は緩やかに回復いたしました。一方で、世界各地での紛争リスクや、金融政策の引き締め、制約的な金融環境、貿易や投資の低迷などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
人材関連ビジネス市場においては、オンライン化の進展により働く場所を問わない就業スタイルの浸透が進んだことや、オンラインでの採用活動が定着したこと等により、これまで時間的制約や地理的制約等から就業機会を失っていた求職者にとっては、新たな就業機会を獲得する契機となり、求人企業にとっても、より多くの人材獲得機会を得ることができるようになりました。また、コロナ禍で停滞した経済活動を正常化しようとする社会背景に伴って、人材関連サービスの需要は増加していくものと考えております。
当社グループの事業領域であるスタートアップ・ベンチャー企業をはじめとした新産業領域における人的資本を取り巻く環境では、政府が掲げる「新しい資本主義」において、スタートアップの育成及び人への投資の抜本的強化が重点戦略の中に位置づけられており、スタートアップの育成が日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会課題を解決する鍵であるとして、2022年11月に「スタートアップ育成5カ年計画」が発表されました。政府はその中の3本柱のひとつとして、「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」を掲げており、人的資本の重要性が高まっております。さらに、2022年3月に提言された経団連の「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」においても、5年後までに起業数10倍、成功レベル10倍(ユニコーン企業数約100社・デカコーン企業数2社以上)が成長目標に据えられ、そのために起こすべき7つの変化の一つが「人材の流動化、優秀人材をスタートアップエコシステムへ」とされております。このように、少子高齢化・人口減少による経済停滞という社会課題を解決するための重点投資領域として、「人」と「スタートアップ・ベンチャー企業」が位置づけられ、今後さらに取り組みが強化されていく中で、当社グループの事業機会もより拡大していくものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションを掲げ、新産業領域における人材の最適配置を中心として、人の持つ可能性に着目した「新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム」を提供してまいりました。
また、2022年11月16日の取締役会において、代表取締役及び取締役の異動による新経営体制への移行を決定し、2023年3月1日から新経営体制へ移行いたしました。本サクセッション(経営継承)により、第二創業期として「継続的な高収益・高成長を目指すための改革」を掲げ、重要指標とした一人当たり営業利益の向上を目指し、「組織・人材・カルチャー」「事業マネジメントシステム」を重要テーマとした取り組みを進めております。
当連結会計年度においては、売上高は前年同期比3.6%の減少となりました。これは、キャリアサービス分野の売上高が前年同期比2.0%の減少となったこと及びメディア・SaaS分野の売上高が前年同期比9.3%の減少となったことによるものです。キャリアサービス分野では、社会人向けサービスの改善が進んだことにより求人企業への入社人数が増加し、売上高が前年同期比40.0%増加したものの、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年新卒入社に係る人材紹介手数料が減少したことなどにより、売上高が前年同期比5.6%減少となりました。また、メディア・SaaS分野では、主に「TeamUp」におけるシステム利用料の減少により、売上高は前年同期比9.3%の減少となりました。販売費及び一般管理費については、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に人員計画の見直しなどを行った結果、前年同期比1.2%の減少となりました。
この結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高1,418,396千円(前連結会計年度比3.6%減)、営業利益155,396千円(同25.5%減)、経常利益151,648千円(同27.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益91,438千円(同34.5%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,650,036千円となり、前連結会計年度末に比べ6,726千円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は115,716千円(前年同期は63,106千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上139,187千円、法人税等の支払額64,746千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は55,439千円(前年同期は82,862千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出50,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は67,003千円(前年同期は14,672千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出20,020千円、自己株式取得のための預け金が40,924千円増加したこと及び自己株式の取得による支出8,979千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
(注)1.上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、1,418,396千円(前期比96.4%)となりました。当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。
(注)上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。
当連結会計年度における売上高が1,418,396千円(前期比96.4%)となった主な要因は、メディア・SaaS分野の売上高が前年同期比9.3%の減少となったこと及びキャリアサービス分野の売上高が前年同期比2.0%の減少となったことによるものです。
「FastGrow」及び「TeamUp」で構成されるメディア・SaaS分野では、主に「TeamUp」におけるシステム利用料の減少により、売上高は前年同期比9.3%の減少となりました。キャリアサービス分野では、社会人向けサービスの改善が進み、求人企業への入社人数が増加し、売上高が前年同期比40.0%増加した一方で、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年新卒入社に係る人材紹介手数料が減少したことなどにより、売上高が前年同期比5.6%の減少となりました。なお、サービスモデルの詳細については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
当社グループの主力事業である学生向けサービス「Goodfind」においては、人材紹介一体型コンサルティングサービスの売上高は前期比13.2%増加したものの、2023年卒業、2024年卒業学生会員の利用率低下に伴い顧客と学生のマッチングが伸び悩み、成功報酬型人材紹介サービスの売上高が人材紹介一体型コンサルティングサービスの増加を上回って減少した結果、前期比2.0%の減少となりました。
学生向けサービスにおけるサービスモデル別売上高は次のとおりであります。
(単位:千円、%)
(注)上記サービスモデル別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における売上原価は、63,974千円(前期比129.6%)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症により減少していたオフラインイベントの販売を再開したことなどにより、オフラインイベントに係る費用が増加したことによるものであります。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,199,025千円(前期比98.8%)となりました。これは主に、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に人員計画の見直しなどを行ったことによるものであります。
この結果、営業利益は155,396千円(前期比74.5%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、1,185千円(前連結会計年度は4,436千円 3,251千円の減少)となりました。これは主に、持分法による投資利益1,110千円を計上したことによるものであります。営業外費用は、4,933千円(前連結会計年度は3,113千円 1,820千円の増加)となりました。これは主に、投資事業組合運用損4,931千円を計上したことによるものであります。
この結果、経常利益は151,648千円(前期比72.2%)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損失は、12,460千円(前連結会計年度は3,089千円 9,370千円の増加)となりました。これは、ソフトウエアの減損損失12,460千円を計上したことによるものであります。
法人税等合計は、47,748千円(前連結会計年度は67,270千円 19,521千円の減少)となりました。これは、課税所得が減少したこと及び法人税等調整額が減少したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は91,438千円(前期比65.5%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,650,036千円であり、本書提出日現在における資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円であります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標とする経営指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当連結会計年度は、売上高、営業利益及び営業利益率を客観的な指標として掲げております。なお、当連結会計年度の経営方針に則った通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、2023年10月11日に公表した各経営指標の予想値を修正し、2024年1月12日に改めて公表しました。
当連結会計年度の業績予想の達成状況は次のとおりであります。
2025年2月期においては、売上高1,450百万円(前期比2.2%増)、営業利益180百万円(前期比16.0%増)、営業利益率12.4%(前期比1.5ポイント増)を計画しております。なお、2024年4月12日に公表した「2024年2月期 決算短信[日本基準](連結)」における業績予想から変更はありません。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,968,072千円となり、前連結会計年度末に比べ69,569千円増加いたしました。これは、流動資産が40,416千円、固定資産が29,153千円増加したことによるものであります。流動資産の増加は主に、自己株式買付資金としての預け金が増加したことにより、預け金を含むその他流動資産が41,655千円増加したことによるものであります。固定資産の増加は主に、「メタノビ」開発費用に係るソフトウエアの減損等により無形固定資産が18,307千円減少した一方で、UT創業者の会投資事業有限責任組合及びCSP1号投資事業有限責任組合への出資により、投資有価証券46,107千円が増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は529,131千円となり、前連結会計年度末に比べ3,251千円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が15,477千円、未払消費税等が12,723千円減少した一方で、主に新卒採用に係る人材紹介手数料の増加により前受金が17,721千円増加したこと、及び当期末に開催した大型イベントに係る未払債務を計上したことなどにより、未払金が17,445千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,438,941千円となり、前連結会計年度末に比べ66,318千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益(純資産の増加)91,438千円を計上した一方で、利益剰余金の配当(純資産の減少)20,991千円を行ったことによる、利益剰余金の増加70,447千円によるものであります。また、財政状態や株価動向を鑑みて、総合的な株主還元及び資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能とするため、2024年1月12日開催の取締役会決議に基づき、自己株式の公開買付けによって、2024年1月15日から当連結会計年度末までに自己株式8,979千円の取得(純資産の減少)を実行いたしました。
この結果、自己資本比率は73.1%(前連結会計年度末は72.3%)となりました。
②経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、急速な円安の進行や物価上昇の影響を受けつつも、政府による新型コロナウイルス感染症の水際対策の撤廃などにより経済活動の正常化が進み、インバウンド需要が回復したこと、サービス関連を中心とした個人消費が増加したことなどにより景気は緩やかに回復いたしました。一方で、世界各地での紛争リスクや、金融政策の引き締め、制約的な金融環境、貿易や投資の低迷などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
人材関連ビジネス市場においては、オンライン化の進展により働く場所を問わない就業スタイルの浸透が進んだことや、オンラインでの採用活動が定着したこと等により、これまで時間的制約や地理的制約等から就業機会を失っていた求職者にとっては、新たな就業機会を獲得する契機となり、求人企業にとっても、より多くの人材獲得機会を得ることができるようになりました。また、コロナ禍で停滞した経済活動を正常化しようとする社会背景に伴って、人材関連サービスの需要は増加していくものと考えております。
当社グループの事業領域であるスタートアップ・ベンチャー企業をはじめとした新産業領域における人的資本を取り巻く環境では、政府が掲げる「新しい資本主義」において、スタートアップの育成及び人への投資の抜本的強化が重点戦略の中に位置づけられており、スタートアップの育成が日本経済のダイナミズムと成長を促し、社会課題を解決する鍵であるとして、2022年11月に「スタートアップ育成5カ年計画」が発表されました。政府はその中の3本柱のひとつとして、「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」を掲げており、人的資本の重要性が高まっております。さらに、2022年3月に提言された経団連の「スタートアップ躍進ビジョン~10X10Xを目指して~」においても、5年後までに起業数10倍、成功レベル10倍(ユニコーン企業数約100社・デカコーン企業数2社以上)が成長目標に据えられ、そのために起こすべき7つの変化の一つが「人材の流動化、優秀人材をスタートアップエコシステムへ」とされております。このように、少子高齢化・人口減少による経済停滞という社会課題を解決するための重点投資領域として、「人」と「スタートアップ・ベンチャー企業」が位置づけられ、今後さらに取り組みが強化されていく中で、当社グループの事業機会もより拡大していくものと考えております。
このような経営環境の中、当社グループは、「人の可能性を引き出し 才能を最適に配置することで 新産業を創出し続ける。」というミッションを掲げ、新産業領域における人材の最適配置を中心として、人の持つ可能性に着目した「新産業領域における才能の最適配置を目指すプラットフォーム」を提供してまいりました。
また、2022年11月16日の取締役会において、代表取締役及び取締役の異動による新経営体制への移行を決定し、2023年3月1日から新経営体制へ移行いたしました。本サクセッション(経営継承)により、第二創業期として「継続的な高収益・高成長を目指すための改革」を掲げ、重要指標とした一人当たり営業利益の向上を目指し、「組織・人材・カルチャー」「事業マネジメントシステム」を重要テーマとした取り組みを進めております。
当連結会計年度においては、売上高は前年同期比3.6%の減少となりました。これは、キャリアサービス分野の売上高が前年同期比2.0%の減少となったこと及びメディア・SaaS分野の売上高が前年同期比9.3%の減少となったことによるものです。キャリアサービス分野では、社会人向けサービスの改善が進んだことにより求人企業への入社人数が増加し、売上高が前年同期比40.0%増加したものの、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年新卒入社に係る人材紹介手数料が減少したことなどにより、売上高が前年同期比5.6%減少となりました。また、メディア・SaaS分野では、主に「TeamUp」におけるシステム利用料の減少により、売上高は前年同期比9.3%の減少となりました。販売費及び一般管理費については、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に人員計画の見直しなどを行った結果、前年同期比1.2%の減少となりました。
この結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、売上高1,418,396千円(前連結会計年度比3.6%減)、営業利益155,396千円(同25.5%減)、経常利益151,648千円(同27.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益91,438千円(同34.5%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,650,036千円となり、前連結会計年度末に比べ6,726千円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は115,716千円(前年同期は63,106千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上139,187千円、法人税等の支払額64,746千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は55,439千円(前年同期は82,862千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出50,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は67,003千円(前年同期は14,672千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出20,020千円、自己株式取得のための預け金が40,924千円増加したこと及び自己株式の取得による支出8,979千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
| 事業部門 | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | ||
| 金額(千円) | 前期比(%) | ||
| キャリアサービス分野 | 1,129,676 | 98.0 | |
| 学生向けサービス | 1,004,125 | 94.4 | |
| 社会人向けサービス | 125,550 | 140.0 | |
| メディア・SaaS分野 | 288,719 | 90.7 | |
| 合計 | 1,418,396 | 96.4 | |
(注)1.上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、1,418,396千円(前期比96.4%)となりました。当社グループは、新産業領域における人材創出事業の単一の報告セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、売上高については、キャリアサービス分野及びメディア・SaaS分野を事業部門として区分し、さらに、キャリアサービス分野は、学生向けサービス及び社会人向けサービスに細分化して分析しております。
| 事業部門 | 前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | |||
| 金額(千円) | 前期比(%) | 金額(千円) | 前期比(%) | ||
| キャリアサービス分野 | 1,153,201 | 96.3 | 1,129,676 | 98.0 | |
| 学生向けサービス | 1,063,490 | 101.6 | 1,004,125 | 94.4 | |
| 社会人向けサービス | 89,711 | 59.7 | 125,550 | 140.0 | |
| メディア・SaaS分野 | 318,388 | 143.8 | 288,719 | 90.7 | |
| 合計 | 1,471,590 | 103.8 | 1,418,396 | 96.4 | |
(注)上記事業部門別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。
当連結会計年度における売上高が1,418,396千円(前期比96.4%)となった主な要因は、メディア・SaaS分野の売上高が前年同期比9.3%の減少となったこと及びキャリアサービス分野の売上高が前年同期比2.0%の減少となったことによるものです。
「FastGrow」及び「TeamUp」で構成されるメディア・SaaS分野では、主に「TeamUp」におけるシステム利用料の減少により、売上高は前年同期比9.3%の減少となりました。キャリアサービス分野では、社会人向けサービスの改善が進み、求人企業への入社人数が増加し、売上高が前年同期比40.0%増加した一方で、当社グループの主力サービスである新卒学生向け厳選就活プラットフォーム「Goodfind」を含む学生向けサービスにおいて、2023年新卒入社に係る人材紹介手数料が減少したことなどにより、売上高が前年同期比5.6%の減少となりました。なお、サービスモデルの詳細については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
当社グループの主力事業である学生向けサービス「Goodfind」においては、人材紹介一体型コンサルティングサービスの売上高は前期比13.2%増加したものの、2023年卒業、2024年卒業学生会員の利用率低下に伴い顧客と学生のマッチングが伸び悩み、成功報酬型人材紹介サービスの売上高が人材紹介一体型コンサルティングサービスの増加を上回って減少した結果、前期比2.0%の減少となりました。
学生向けサービスにおけるサービスモデル別売上高は次のとおりであります。
(単位:千円、%)
| サービスモデル | 前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | ||||
| 金額 | 構成比 | 前期比 | 金額 | 構成比 | 前期比 | |
| 成功報酬型 人材紹介サービス | 253,100 | 23.8 | 100.0 | 173,470 | 17.3 | 68.5 |
| 人材紹介一体型 コンサルティングサービス | 327,099 | 30.8 | 109.2 | 370,291 | 36.9 | 113.2 |
| メディアサービス | 483,291 | 45.4 | 97.8 | 460,364 | 45.8 | 95.3 |
| 合計 | 1,063,490 | 100.0 | 101.6 | 1,004,125 | 100.0 | 94.4 |
(注)上記サービスモデル別の売上高は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づくEY新日本有限責任監査法人の監査は受けておりません。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における売上原価は、63,974千円(前期比129.6%)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症により減少していたオフラインイベントの販売を再開したことなどにより、オフラインイベントに係る費用が増加したことによるものであります。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,199,025千円(前期比98.8%)となりました。これは主に、一人当たり営業利益の向上及び収益性改善を目指し、主に人員計画の見直しなどを行ったことによるものであります。
この結果、営業利益は155,396千円(前期比74.5%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、1,185千円(前連結会計年度は4,436千円 3,251千円の減少)となりました。これは主に、持分法による投資利益1,110千円を計上したことによるものであります。営業外費用は、4,933千円(前連結会計年度は3,113千円 1,820千円の増加)となりました。これは主に、投資事業組合運用損4,931千円を計上したことによるものであります。
この結果、経常利益は151,648千円(前期比72.2%)となりました。
(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損失は、12,460千円(前連結会計年度は3,089千円 9,370千円の増加)となりました。これは、ソフトウエアの減損損失12,460千円を計上したことによるものであります。
法人税等合計は、47,748千円(前連結会計年度は67,270千円 19,521千円の減少)となりました。これは、課税所得が減少したこと及び法人税等調整額が減少したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は91,438千円(前期比65.5%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費、新規顧客企業獲得や求職者獲得のための広告宣伝費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,650,036千円であり、本書提出日現在における資金需要に対して必要な資金は確保されております。なお、当社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越極度額及び借入未実行残高は100,000千円であります。金融・資本市場の流動性が低下した状況下においては、当該当座貸越極度額を使用することによって流動性を確保いたします。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標とする経営指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当連結会計年度は、売上高、営業利益及び営業利益率を客観的な指標として掲げております。なお、当連結会計年度の経営方針に則った通期業績予想について、業績動向等を踏まえ、2023年10月11日に公表した各経営指標の予想値を修正し、2024年1月12日に改めて公表しました。
当連結会計年度の業績予想の達成状況は次のとおりであります。
| 指標 | 業績予想 | 実績 | 予想比 |
| 売上高(百万円) | 1,428 | 1,418 | 99.3% |
| 営業利益(百万円) | 140 | 155 | 110.6% |
| 営業利益率 | 9.8% | 11.0% | +1.1ポイント |
2025年2月期においては、売上高1,450百万円(前期比2.2%増)、営業利益180百万円(前期比16.0%増)、営業利益率12.4%(前期比1.5ポイント増)を計画しております。なお、2024年4月12日に公表した「2024年2月期 決算短信[日本基準](連結)」における業績予想から変更はありません。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。