有価証券報告書-第3期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 14:04
【資料】
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【項目】
115項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営状態等の状況の概要
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景とした個人消費の持ち直しに加え、円安基調の下で拡大するインバウンド需要の影響により、緩やかな回復基調を示しました。国内航空業界においては、こうした経済環境を追い風に、旅客需要が新型コロナウイルス感染症拡大前の水準を超える勢いで増加しました。
一方で、原油価格や為替レートの変動、外注費及び人件費の上昇などにより、事業コストが増加しております。さらに、政府による各種支援施策の終了又は縮小も加わり、コスト負担の高まりが企業収益に大きな影響を与えました。航空運賃における価格競争が引き続き激化していることもあり、業界全体としてはコスト増加分を十分に価格へ転嫁できず、利益率の低下を余儀なくされております。
このような経営環境のもと、当社グループの株式会社AIRDO及び株式会社ソラシドエア(以下、「両社」)においては、需要動向に応じたきめ細かなイールド・マネジメントやマーケティング施策を展開し、両社ともに過去最高の旅客数及び営業収入を計上しました。一方で、両社とも営業費用が増収を上回るペースで大幅に増加したことから、両社並びに当社グループ連結ベースの各利益段階においては前年比で減益となりました。また、両社とも今後の経営環境を踏まえた業績予測の見直しにより繰延税金資産の一部を取り崩したこともあり当期純利益は減益となり、当社グループ連結ベースでは当期純損失を計上しました。
なお当連結会計年度においては、グループ内における協業体制の強化と両社の事業運営効率の向上を目的として、両社の整備機能を当社へ移管・集約いたしました。これに伴い、グループ内において「整備業務の管理の受委託契約」を締結し、2024年10月1日から当社にて新たに航空機の整備業務の管理の受託を開始しております。今後もグループ一体となって経営資源の最適化とシナジー創出を図り、航空事業会社としての企業価値の一層の向上に取り組んでまいります。
これらの結果、当連結会計年度における連結決算として、営業収入は105,278百万円(前年同期比3.7%増)となりました。一方、事業費は91,754百万円(同4.7%増)、販売費及び一般管理費は9,886百万円(同0.8%増)となりました。この結果、営業利益は3,638百万円(同12.1%減)、経常利益は3,421百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は523百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4,143百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、25,903百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は5,271百万円(前年同期は16,015百万円の増加)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益3,927百万円、減価償却費9,038百万円、航空機材整備引当金の減少額3,875百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は8,845百万円(前年同期は4,798百万円の減少)となりました。
これは、定期預金の預入による支出218百万円、有形固定資産の取得による支出14,962百万円、敷金及び保証金の差入による支出1,879百万円、定期預金の払戻による収入939百万円、敷金及び保証金の回収による収入8,145百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は6,316百万円(前年同期は7,831百万円の減少)となりました。
これは、長期借入金の返済による支出6,034百万円、リース債務の返済による支出2,894百万円、自己株式の取得による支出1,520百万円、長期借入れによる収入16,900百万円等を反映したものであります。
(2) 生産、受注及び販売の実績
①運航実績
当連結会計年度の運航実績は、次のとおりであります。
AIRDO
項目当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比 (%)
運航便数23,550便△0.7
飛行距離22,781,578km△0.7
飛行時間38,032時間△1.1

ソラシドエア
項目当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比 (%)
運航便数28,915便△0.6
飛行距離30,473,341km△0.7
飛行時間49,183時間△0.4

②輸送実績
当連結会計年度の輸送実績は、次のとおりであります。
AIRDO
項目当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比 (%)
旅客数2,540,945人+4.1
旅客キロ2,413,262千人キロ+3.8
座席キロ2,915,932千席キロ+0.6
座席利用率82.8%+2.6pt

(注) 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
なお、路線別の座席利用率は、次のとおりであります。
前連結会計年度当連結会計年度
「札 幌-東 京」線81.6%82.5%
「旭 川-東 京」線76.5%80.7%
「女満別-東 京」線78.8%84.1%
「釧 路-東 京」線79.8%84.9%
「帯 広-東 京」線79.3%83.2%
「函 館-東 京」線81.8%89.0%
「札 幌-仙 台」線72.1%75.9%
「札 幌-名古屋」線80.6%86.2%
「札 幌-神 戸」線81.7%81.1%
「札 幌-福 岡」線81.4%82.3%
「函 館-名古屋」線78.7%84.5%
路線の平均80.2%82.8%

(注)座席利用率は当該子会社販売分を表記しております。
ソラシドエア
項目当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
前年同期比 (%)
旅客数2,297,050人+6.7
旅客キロ2,580,425千人キロ+7.1
座席キロ3,378,475千席キロ△1.0
座席利用率76.4%+5.8pt

(注) 上記輸送実績には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
なお、路線別の座席利用率は、次のとおりであります。
前連結会計年度当連結会計年度
「宮 崎-東 京」線64.5%68.7%
「熊 本-東 京」線66.1%74.4%
「長 崎-東 京」線67.8%74.8%
「鹿児島-東 京」線84.6%88.7%
「大 分-東 京」線59.0%65.5%
「東 京-那 覇」線79.3%85.4%
「宮 崎-那 覇」線71.7%75.8%
「鹿児島-那 覇」線72.0%78.2%
「神 戸-那 覇」線73.1%78.9%
「名古屋-那 覇」線79.8%80.9%
「石 垣-那 覇」線67.5%75.5%
「福 岡-那 覇」線58.6%62.5%
「宮 崎-名古屋」線65.1%66.9%
「鹿児島-名古屋」線77.9%87.5%
路線の平均70.5%76.4%

(注)座席利用率は当該子会社販売分を表記しております。
③販売実績
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
AIRDO
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
全日本空輸株式会社金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
15,58230.217,25732.3

ソラシドエア
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
全日本空輸株式会社金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
16,81133.618,54135.6

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a. 営業収入、事業費及び営業総利益
営業収入は、新型コロナウイルス感染症の5類移行等に伴う旅客需要の大幅な回復を取り込むべく積極的なセールス・マーケティング活動を展開したこと等により、105,278百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
事業費総額は91,754百万円(同4.7%増)となり、この結果、営業総利益は13,524百万円(同2.9%減)となりました。
b. 販売費及び一般管理費、営業損益
販売費及び一般管理費は、販売手数料や業務委託費等を計上したこと等により、9,886百万円(同0.8%増)となり、営業利益は3,638百万円(同12.1%減)となりました。
c. 営業外損益、経常損益
営業外収益として、受取補償金266百万円、営業外費用として支払利息612百万円、シンジケートローン手数料135百万円等を計上したこと等により、経常利益は3,421百万円(同6.9%減)となりました。
d. 親会社株主に帰属する当期純損益
法人税、住民税及び事業税103百万円並びに法人税等調整額4,347百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は523百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益4,143百万円)となりました。
③財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
資産の部
資産については、現金及び預金25,903百万円、営業未収入金3,964百万円を計上したこと等により、流動資産は36,562百万円(前年同期比0.2%減)となりました。
また、敷金及び保証金10,404百万円、繰延税金資産8,103百万円、リース資産10,024百万円、工具、器具及び備品21,731百万円、航空機4,928百万円、企業結合によるのれん2,422百万円を計上したこと等により、固定資産は61,497百万円(同8.5%減)となりました。
この結果、資産総額は98,059百万円(同5.6%減)となりました。
負債の部
負債については、営業未払金9,652百万円、1年内返済予定の長期借入金6,725百万円、リース債務2,764百万円、短期借入金1,200百万円等を計上したこと等により、流動負債は29,700百万円(前年同期比11.8%減)となりました。
また、長期借入金29,140百万円、航空機材整備引当金7,049百万円、リース債務8,257百万円計上したこと等により、固定負債は48,359百万円(同5.2%増)となりました。
この結果、負債総額は78,060百万円(同2.0%減)となりました。
純資産の部
純資産については、親会社株主に帰属する当期純損失523百万円を計上したこと等により、株主資本は19,674百万円(前年同期比10.6%減)となりました。
また、主に原油スワップ及びクーポンスワップを活用したヘッジ取引に係る繰延ヘッジ損益242百万円を計上したこと等により、その他の包括利益累計額は325百万円(同85.3%減)となりました。
この結果、純資産合計は19,999百万円(同17.5%減)となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、日々の運航に必要な航空燃油費や、空港使用料など運航経費をはじめ、整備費や運送部門における業務委託費等の事業費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は航空機や航空機のエンジン等への設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と、資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は航空運送事業を中心とした収入金等の他、金融機関からの借入により調達を行っております。設備投資資金につきましてはキャッシュ・フローで賄いきれない分の調達を主とし、その調達手段は金融機関からの長期借入金やファイナンス・リースなど、市場動向や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債残高は、49,086百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は25,903百万円となっております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、事業等のリスクにおいて、為替レートや原油価格の変動による航行費の増加、航空法及び関連諸法令による規制、自然災害、人材確保等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため当社グループは、コストを安定させることを目的としたヘッジ取引の実施、安全管理体制の確立、災害発生時の事業継続計画の策定、人材養成体制の見直しや採用の強化等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、週次や月次で開催される各種会議体等を通じて、当社グループ会社の置かれた経営・事業環境や最新の事業運営状況を迅速に把握することに努めております。2022年10月の会社設立に際して策定した5ヶ年のグループ中期経営計画についても、グループ内のAIRDO及びソラシドエア各社のローリングプランに基づいて、当社自身の収支計画の見直しを適時行うとともに両社に対して協業計画の進捗管理や必要な支援を適時行っています。
当社グループを取り巻く環境は、原油価格や為替相場、パンデミックの発生状況などの様々な外的要因に起因して収支に大きな影響を与えます。このような環境下にあっても、今後もコスト耐性を高め、お客様への一層の付加価値を提供することでグループ各社の毀損した財務基盤を早期に回復・再生させることを最優先課題として位置付け、「北海道の翼」及び「九州・沖縄の翼」を擁するエアライン・グループとして地域社会の発展に貢献しながら持続的な成長を果たすべく、今後も効果的なグループ経営を推進してまいります。

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