有価証券報告書-第16期(2024/12/01-2025/11/30)

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2026/02/26 14:06
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
[経営環境]
当事業年度(2024年12月1日~2025年11月30日)における日本経済は、緩やかな回復基調を維持しています。2025年11月の景気DIは44.1となり、6か月連続で改善傾向が見られました。国内景気は、仕入単価の上昇が伸び悩む要因となったものの、観光産業や半導体需要の好調を受け、全体としては改善傾向が続きました。今後の国内経済については、一進一退を繰り返しつつも、緩やかな回復基調が継続すると見込まれます(出典:株式会社帝国データバンク「2025年11月の景気動向調査」)。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が全体の回復を下支えすることが期待されますが、米国の通商政策が国内経済に与える下振れリスクに対しては、引き続き、慎重な注視が必要です(参考:内閣府「月例経済報告(令和7年11月)」)。
金融分野においては、11 月に日経平均株価が過去最高値を更新するなど、市場の活況が続いています。また、「貯蓄から投資へ」という流れが一層進み、特に投資信託を活用したNISAやiDeCoの普及拡大に伴い、金融リテラシーの重要性が高まっています。こうした背景から、当社サービスへの需要も着実に増加しています。
保険業界においては、個人年金保険の新規契約件数が前年同期比で微減となりました(出典:一般社団法人生命保険協会「生命保険事業概況」月次統計 2025年9月)。一方で、2人以上世帯における医療保険の世帯加入率は95.1%と、医療系保障に対するニーズは非常に高い傾向です。また、死亡・医療・老後・介護への経済的備えについて「現在の備えでは不安」と回答する割合は6~7割に上り、今後増やしたい生活保障準備項目としては、世帯主や配偶者の老後生活資金や介護資金が高い割合を示しています(出典:公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」)。
当社においては、契約件数の伸びに停滞が見られるものの、お客さまの将来に対する不安の高まりを受け、資産形成や老後資金準備に関するご相談をはじめ、サービスへの需要は今後も継続するものと期待できます。
当事業年度における、各取組状況は次のとおりです。
a. 営業社員数と保険契約見込顧客数の拡大:採用強化と営業社員の定着率向上に向けた施策の推進
当社は全国47都道府県に拠点を展開し、地域密着のサービス体制の強化に取り組んでいます。当事業年度は、営業社員及び販売網の拡充を重点施策とし、新たに491名の営業社員を採用いたしました。その結果、2025年11月末時点の営業社員数は2,333名となり、前期末比で7.3%減(185名減)となりました。また、採用活動強化の一環として、入社希望者に当社への理解を深めていただくため、全国各地で採用セミナーを開催し、計190回、延べ698名にご参加いただきました。さらに、定着率向上を目的として表彰制度に関連する施策を実施するとともに、営業社員のスキル向上と営業体制の強化に努めております。
現在、保険契約の見込顧客数はやや低調に推移していますが、今後は営業社員数の拡充とあわせて、顧客基盤の拡大とサービス向上に向けた取組を一層強化し、お客さまに安心してご相談いただける環境の整備に引き続き努めてまいります。
b. 契約譲受ビジネス:保険業法改正を背景に、契約譲受ビジネスへの問い合わせが増加
2025年5月30日に成立した「保険業法の一部を改正する法律」の影響を受け、健全な代理店運営に求められるコンプライアンス対応の重要性が高まっています。2021年より開始した契約譲受ビジネスにおいては、代理店経営コストの上昇や後継者不足による代理店数の減少といった構造的な要因を背景とし、当社への問い合わせ件数が増加傾向にあります。同法は2026年5月末までに施行される予定であり、今後も同様の傾向が継続すると見込まれます。
当事業年度においては、合計14,620件の契約譲受移管について合意に達しました。このうち12,046件が生命保険契約であり、丁寧にアフターフォローを実施することで、既存契約の見直しを通じた新規契約の獲得が期待できます。また、非連結子会社であるプレステージ社については128,124件の契約を保有しております。
契約譲受ビジネスの拡大を見据え、新たな拠点として 「総合支社」を開設し、当社への参画を希望する営業社員の受け入れ体制を整備する等、来期以降の事業拡大に向けた基盤づくりを着実に進めております。今後も、当社の強みである全国展開及び担当FP制を活かし、より充実した顧客サポート体制を構築しながら、事業拡大に向けた取組を進めてまいります。
c. マネードクタープレミアビジネス:新規出店と「ライフプラン相談会」開催による顧客接点の創出
当社は、人生設計からお金の終活まで、お客さまのお金に関するあらゆることを、落ち着いたプライベート空間でファイナンシャルプランナーへご相談いただける、ワンランク上のお金の総合サービス「マネードクタープレミア」を全国主要都市に展開しております。お客さまからのご支持を受け、当事業年度においては、新たに6店舗(イオンモール橿原店、あまがさきキューズモール店、心斎橋パルコ店、イオンモール京都桂川店、イオンモール仙台上杉店、上大岡京急店)を開設いたしました。地域ごとの特性を活かした店舗コンセプトと、立地に即したイメージ戦略により、全国的に安定した集客増加を達成しております。
また、資産形成への関心が一層高まる中、今期も「マネードクタープレミア」店舗スタッフによる「ライフプラン相談会」を各地域で開催し、新規顧客との接点を創出するとともに、ブランド認知度の向上と集客拡大及びファイナンシャルプランニングの普及に取り組んでまいりました。今後もより多くのお客さまにご満足いただけるよう、サービス提供体制の強化に注力してまいります。
d. 損害保険の業績拡大:プレステージ社の全株式取得による事業強化とシナジー醸成
当事業年度においては損害保険専任営業社員を17名増員いたしました。9月には、保険代理店であるプレステージ社の全株式取得に合意いたしました。これにより、損害保険事業の拡大と生命保険販売の強化が見込まれ、生損保両分野で高いシナジー効果が生まれるものと考えております。
また、当社は損害保険事業のさらなる成長を目指し、新規契約の獲得に加えて、損害保険代理店とのアライアンスによる事業拡大にも取り組んでおります。これらの取組により、損害保険事業の拡大を促進し、損害保険と生命保険のクロスセルを進めることで、売上高及び利益の増加を見込んでおります。
e. 新規事業領域:IFA事業の成長と金融教育の拡充
当事業年度においても、証券口座数、預かり資産残高ともに順調に増加し、今後のストック収入の拡大に向けた基盤を確立しております。教育事業では、企業従業員向け金融教育プログラム「MONEY SCHOOL(略称:マネスク)」の全国展開を推進し、当事業年度の導入企業数は、前期末の6社から3社増加し、9社となりました。また、サービス内容の一部改善により、マネスクの講師を務める「マネーティーチャー」との面談件数も増加傾向にあります。さらに、マネスクの受講を通じて金融商品にご関心をお持ちいただいたお客さまが、当社FPによるファイナンシャルプランニングをご希望され、実際に保険契約のお預かりにつながるケースが増えています。
今後もマネスクを活用した従業員金融教育の機会を継続的にご提供し、全国的な金融リテラシーの向上に貢献してまいります。
当社は今後も営業社員の採用強化、保険契約における見込顧客数の拡大及び業務の効率化に取り組んでまいります。また、全国に広がる当社のネットワークを最大限に活用し、地域社会に密着した営業基盤の強化を推進することで、業績向上を目指してまいります。どなたでも安心してファイナンシャルプランナーにご相談いただける環境の整備を整え、金融リテラシーの向上と資産形成の支援に取り組みます。これらの事業活動を通じて、社会的価値の向上に努めてまいります。
[当期の業績]
当事業年度の売上高は、営業社員数の純減、提携企業集客の減少等により、新規契約数が前期から減少し、32,104,060千円(前期比9.9%減)となりました。
売上原価は、売上高の減少に伴う外交員報酬の減少等により21,430,518千円(前期比8.7%減)となりました。販売費及び一般管理費は、業容拡大に伴う給料手当及び広告宣伝費の増加等により7,689,356千円(前期比12.8%増)となりました。
これにより営業利益は2,984,185千円(前期比44.0%減)、経常利益は3,153,767千円(前期比42.6%減)、当期純利益は2,042,386千円(前期比47.7%減)となりました。
なお、セグメントの業績につきましては、当社は保険代理業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
a.財政状態
当事業年度における財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当事業年度における総資産は、前事業年度と比べ124,078千円減少し18,401,644千円となりました。これは主に、配当金の支払により現金及び預金が1,235,731千円減少した一方で、固定資産の取得により土地が307,803千円、契約関連無形資産が179,466千円、関係会社株式が469,974千円増加したこと等によるものです。
(負債)
当事業年度における負債は、前事業年度と比べ112,834千円減少し6,580,220千円となりました。これは主に、課税所得の減少により未払法人税等が392,588千円、外交員報酬の減少に伴い買掛金が83,209千円、未払費用が129,333千円減少した一方で、借入により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が526,360千円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当事業年度における純資産は、前事業年度と比べ11,243千円減少し11,821,424千円となりました。これは主に、配当金の支払等により繰越利益剰余金が124,384千円、自己株式の処分により自己株式が47,600千円減少した一方で、新株予約権の行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ33,589千円増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は1,235,731千円減少し、7,519,355千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,260,252千円(前期は4,390,163千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額1,442,247千円により資金が減少した一方で、税引前当期純利益の計上3,101,341千円により資金が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,944,519千円(前期は2,433,290千円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出1,306,442千円、非連結子会社株式の取得による支出606,123千円により資金が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,557,862千円(前期は5,161,978千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額2,149,762千円により資金が減少した一方で、長期借入れによる収入600,000千円により資金が増加したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当社は保険代理業の単一セグメントであるため、事業ごとの販売実績を記載いたします。
サービスの名称販売高(千円)前期比(%)
生命保険代理店業30,413,60089.4
損害保険代理店業1,363,679118.4
その他の事業326,78075.5
合計32,104,06090.1

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
相手先前事業年度
(自 2023年12月1日
至 2024年11月30日)
当事業年度
(自 2024年12月1日
至 2025年11月30日)
売上高(千円)割合(%)売上高(千円)割合(%)
アクサ生命保険株式会社8,199,30023.08,032,85625.0
マニュライフ生命保険株式会社4,710,32213.23,334,31910.4
東京海上日動あんしん生命保険株式会社4,633,15513.03,184,0679.9
メットライフ生命保険株式会社3,677,97310.32,867,7948.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の翌事業年度の財務諸表に与える影響は、翌事業年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当社の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、営業社員数の純減、提携企業集客の減少等により、新規契約数が前期から減少し、32,104,060千円(前期比9.9%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の売上原価は、売上高の減少に伴う外交員報酬の減少等により21,430,518千円(前期比8.7%減)となりました。また、当事業年度の販売費及び一般管理費は、業容拡大に伴う給料手当及び広告宣伝費の増加等により7,689,356千円(前期比12.8%増)となりました。
この結果、当事業年度の営業利益は、2,984,185千円(前期比44.0%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ41,948千円減少し、190,094千円(前期比18.1%減)となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ48,336千円減少し、20,512千円(前期比70.2%減)となりました。
この結果、当事業年度の経常利益は、3,153,767千円(前期比42.6%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別損失は、抱合せ株式消滅差損の計上により52,426千円(前期発生なし)となりました。
また、当事業年度の法人税等(法人税等調整額を含む)は1,058,954千円(前期比33.4%減)となりました。
この結果、当事業年度の当期純利益は、2,042,386千円(前期比47.7%減)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当社のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要につきましては、外交員報酬、リーズ取得関連費等の売上原価並びに広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
運転資金につきましては、保険手数料収入等の営業活動により獲得した資金にて対応しております。
今後も収益構造の強化と成長性の維持のため継続的な設備投資が必要となりますので、安定的な自己資金の確保を目指してまいります。また、主に設備投資等の突発的な資金需要に対しても機動的に資金を調達できるよう、金融機関との間で総額30億円の当座貸越契約を締結しており、流動性リスクに備えております。
e.経営戦略の現状と見通し
当社が今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。
f.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
g.目標とする経営指標
当社は売上高及び営業利益を重要な指標としております。それぞれの経営指標は、月次でPDCAサイクルを回して進捗状況を報告し、毎月15日までの取締役会にて月次業績報告書として分析結果を報告しております。当事業年度の売上高及び営業利益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」をご参照ください。
h.経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

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