訂正有価証券報告書-第13期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「先進技術で、社会の未来を創造する」ことをミッションとし、通信技術とAI技術をコアとして、ゲーム産業で培った先進技術をあらゆる産業に展開し、サービス開発することを通じて、企業価値の最大化を図ります。
当社グループのXR技術は特定の産業に依存せず、既存の事業・サービスに限らず、まだXR技術の活用が始まっていない新たな産業分野においても適用可能であると考えております。現在は、XR技術とAIを組み合わせ、企業の業務自律化を支援する「産業AX」の確立を推進しており、今後もXR技術の優位性を最大限に活用し、既存事業・サービスで培った知見を取り入れ、国内外へ展開してまいります。
(2)経営戦略
当社グループでは5つの成長戦略を掲げ、中長期的な経営計画を実現していきます。
成長戦略1:「XR CLOUD」のパッケージ化推進・機能拡充
顧客の多様なニーズに対応するため、当社プラットフォームである「XR CLOUD」の基本機能やアバター、会場などのプリセットを追加開発し、顧客ごとに個別対応を進めていきます。個別対応で培った機能を汎用化し、パッケージ化することで、多様なイベントに対応出来るようになり、顧客基盤の拡大を目指します。
また、特定業界に特化した、専門メタバースを開発し、業界固有のニーズに深くフィットするサービスを展開していきます。直近では、不登校や日本語の指導が必要な児童・生徒を支援する3Dメタバース「DNP居場所づくりプラットフォーム」や、生活者が自治体の各種サービスをメタバース上で利用できる「メタバース役所」などのパッケージを提供開始いたしました。今後も、様々な業界に特化した固有のメタバースを開発し、サービスを拡充してまいります。
成長戦略2:提供するサービスの拡充
当社は、「XR CLOUD」を前提にしたメタバースサービスだけにこだわらず、AIと組み合わせた産業用メタバースを含むAR・MR・VRのXR全般で顧客の課題を解決するソリューションを提供し、また、2026年2月より独自AI基盤「monoAI Agent」を核としたビジネス向けAIエージェント「SuperCat」の提供も開始いたしました。
今後はとくに、ARとAIに力を入れ、「リアルビジネスで活用できるメタバース」および「AIによる業務自律化」を実現し、あらゆる業種・業態のDX推進をサポートしてまいります。
成長戦略3:アライアンス&マーケティング
新規顧客のリード獲得においては、拡大する市場ニーズを確実に取り込むため、組織的な営業・マーケティング体制の刷新を断行いたしました。従来はそれぞれの事業部ごとに営業活動を行っておりましたが、現在は各部門が全プロダクト・サービスを横断的に扱う体制へと移行し、組織横断的な連携によって取引規模の最大化に努めております。あわせて、SNSや動画等のデジタル媒体を活用した能動的なマーケティングアプローチを強化するとともに、メタバース開発需要のある当社ターゲット企業へ効率的にリーチできる体制を構築するため、オウンドメディア「メタバース相談室」を運営しております。
また、2024年12月期には、日本を代表するメタバースサービスを展開する4社が連携した、日本最大級のメタバースアライアンス「オープンメタバースネットワーク」の発足や、大日本印刷株式会社と資本業務提携契約の締結をしました。今後は、これらの戦略的なパートナーシップを通じた多角的な販路拡大を推進することで、各社と知見やリソースを共有し、顧客により高い価値を提供するとともに、トップラインの回復と安定的な案件受注の確立に努めてまいります。
成長戦略4:R&D
当社では、国内外のクライアント企業の様々なニーズに対し最適なソリューションを提供するため、研究開発を進めております。
2025年12月期は、次なる成長の核となる「XR×AI」基盤の開発に注力しました。特筆すべきは、独自開発の「monoAI Agent」の構築です。クライアントPCで動作する独自のマルチエージェントシステムを実装し、データ連携によって自律的に実務を完遂する「知能」を実現しました。
2026年12月期は、ARやAIの活用により、「リアルビジネスで活用できるメタバース」および産業AXを実現するための研究開発を進める方針です。当社は技術の最前線での革新を続け、顧客に対してより高い価値を提供することを目指しています。
成長戦略5:収益基盤の強化
2025年12月期は、将来の投資余力を生み出すため、コスト構造の見直しを断行しました。特に制作体制の内製化を徹底したことで、業務委託費を大幅に圧縮し、自社リソースを軸とした高効率な体制への転換を果たしました。販管費についても、不採算事業の整理や採用費の抑制により、成長投資を続けながらも総額を抑制しております。
今後も、コスト管理とプロセスの改善に努め、早期の黒字化を実現するために筋肉質な利益体制を構築してまいります。
(3)経営環境
当社グループを取り巻くメタバース環境は、一過性のブームを超え、AI技術との融合によって企業の生産性を抜本的に向上させる「産業実装フェーズ」へと移行しております。当社グループは、この市場の質的な変化を捉え、メタバースを内包するより広義な「国内DX」市場を新たなターゲットとして再定義いたしました。
このような状況を受け、当社グループは、メタバース・プラットフォーム「XR CLOUD」のさらなる進化に加え、独自AI技術による差別化を図り、多様なニーズに応えていく必要があると考えております。また、持続的な成長を支える組織体制の強化やコーポレート・ガバナンスの向上、さらには既存事業の黒字化を実現することで安定した収益基盤を確立することも重要な課題として認識しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、安定的な成長を図るため、成長性、収益性及び効率性を重視した経営が必要と認識しております。このため、当社グループでは、売上高、営業利益及び売上高営業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 開発体制の強化及び優秀な人材の確保
XR技術の開発は当社の競争力の源泉の一つであり、継続的な強化が不可欠です。今後も、国籍を問わず優れた能力を持つエンジニアの採用と育成に注力するとともに、AIによる開発工程の効率化を推進し、高付加価値なサービスを迅速に提供できる体制を維持・強化してまいります。また、エンジニアが働きやすい環境を整備することで、長期的なコミットメントを引き出すための投資を続け、次世代技術の社会実装を支える強固な組織基盤を構築してまいります。
② 既存事業の黒字化と新規事業の創出
当社のビジネスモデルは特定の産業に依存せず、独自性が高いものです。2025年12月期に実施した構造改革の成果を早期に収益化し、2026年12月期第4四半期での四半期黒字化、および2027年12月期での通期黒字化を必達目標として取り組んでまいります。安定した収益基盤を築くことで、さらなる成長の土台を強化するとともにXR技術の優位性を最大限に活用し、新たな産業分野への進出も図ります。必要に応じて他社との協業も視野に入れ、新規事業の展開を進めてまいります。
一例を挙げると、企業の生産性を抜本的に向上させる「産業AX」の確立に向け、独自開発のAIエージェント基盤「monoAI Agent」を核とした実用的なソリューションの外部販売を2026年12月期より開始いたしました。これは、単なる対話型のAIにとどまらず、企業の基幹システムと連携することで、仮想空間内での接客や案内、さらには在庫管理・発注等の実務代行を自律的に遂行するものです。このように、サービスを提供する過程で、当該サービスの周辺業務を含むより広範な事業単位へと価値提供を拡張することが可能と判断した場合には、当社のみならず他社との協業含め、新規事業として展開していきます。
③ 内部管理体制の強化
一層の事業拡大を見込み成長段階にある当社は、事業の拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。経営の公正性と透明性を確保するために、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築に努めてまいります。