訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/12/13 15:00
【資料】
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【項目】
131項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第15期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は468,985千円となり、前事業年度末に比べ59,505千円増加いたしました。
流動資産は、前事業年度末に比べ30,704千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が34,840千円増加
したことによるものであります。
固定資産は、前事業年度末に比べ28,801千円増加いたしました。これは主に新オフィス移転に伴う有形固定
資産25,660千円及び新オフィス入居に伴う敷金27,106千円の増加に対し、繰延税金資産の取崩24,946千円に
よるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は378,118千円となり、前事業年度末に比べ12,090千円増加いたしました。
流動負債は、前事業年度末に比べ3,988千円減少いたしました。これは主に未払金17,224千円、預り金3,244
千円及び未払法人税等2,848千円の増加に対し、買掛金23,481千円及び未払消費税等5,154千円減少によるもの
であります。
固定負債は、前事業年度末に比べ16,079千円増加いたしました。これは長期借入金が7,620千円及び新オフ
ィス入居に伴う資産除去債務が8,459千円増加したことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は90,866千円となり、前事業年度末に比べ47,414千円増加いたしました。
これは当期純利益47,414千円計上したことによるものです。
この結果、自己資本比率は19.4%(前事業年度末は10.6%)となりました。
第16期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は612,716千円となり、前事業年度末に比べ143,731千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が102,700千円、売掛金が45,810千円増加したことによるものです。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は434,547千円となり、前事業年度末に比べ56,429千円増加いたしました。これは主に買掛金23,431千円、未払法人税等38,147千円、未払消費税等12,635千円の増加に対し、長期借入金18,495千円が減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は178,169千円となり、前事業年度末に比べ87,302千円増加いたしました。これは四半期純利益87,302千円の計上によるものです。
②経営成績の状況
第15期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン接種の対象が拡大され、政
府、自治体による緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置は2021年9月30日を以てすべて解除となりましたが、オミクロン株による感染拡大など、引き続き経済の先行きは不透明な状況が続いております。
一方で、当社が展開するサービスを取り巻く環境は、オフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速しており、広告業界のプラットフォーム「メディアレーダー」およびクチコミマーケティングのプラットフォーム「トラミー」の需要は引続き拡大傾向に有り、堅調な成長を続けております。
サービス別の主な取り組みについては下記の通りとなります。
(メディアレーダー)
メディアレーダーにおいては、資料ダウンロード売上の向上を目的とし、「リード入札機能」によるリード単価の向上およびメディアレーダー主催の「セミナーイベント」の開催による売上獲得を目的とした対策を実施してまいりました。なお、メディアレーダー売上の96.3%がリカーリング売上(注1)となっております。
(注1)リカーリング売上、メディアレーダーの新規取引を除く既存取引(継続およびリピート)の売上となります。
(トラミー)
トラミーにおいては、案件数の増加を目的とした既存顧客および新規顧客への営業活動を実施しております。
また、顧問弁護士監修のもと、独自の関連法令チェックツールの開発を行い、通常の投稿内容の審査に加えて、関連法令に対する審査が行える体制を整備いたしました。
これらの結果、当事業年度の売上高は605,424千円(前事業年度比32.8%増)となりました。営業利益は上場
準備に伴う管理体制の強化による人員及び管理費用並びに広告宣伝費の増加から75,829千円(前事業年度比
36.9%減)となりました。経常利益は75,506千円(前事業年度比37.7%減)、当期純利益は47,414千円(前事業
年度比39.3%減)となりました。
なお、当社はプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しておりま
す。
第16期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当第3四半期累計期間における日本経済は、新型コロナウィルス感染症対策としてワクチン接種の対象が拡大され、政府、自治体による緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置は2022年3月21日を以てすべて解除となりましたが、オミクロン株による感染拡大リスクは続いており、原油価格や原材料価格の上昇が及ぼす企業業績や個人消費への影響、ウクライナ情勢など、経済の先行きは不透明な状況が続いております。
一方で、当社が展開するサービスを取り巻く環境は、オフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速しており、広告・マーケティングサービスに特化した見込み顧客獲得サービス「メディアレーダー」およびソーシャルメディアの利用者を自社会員組織としたマーケティング支援サービス「トラミー」の需要は引続き拡大傾向に有り、堅調な成長を続けております。
サービス別の主な取り組みについては下記の通りとなります。
(メディアレーダー)
メディアレーダーにおいては、資料ダウンロードによる売上の拡大およびセミナーイベントの開催による売上の拡大を目的とした対策を実施してまいりました。
その結果、当第3四半期累計期間における資料ダウンロードによる売上は238,384千円、セミナーイベントによる売上は37,950千円となり、リカーリング売上が96.6%となりました。
(トラミー)
トラミーにおいては、既存クライアントに対するリピート案件の獲得および新規クライアントに対する案件の獲得を目的としたリード獲得、1案件あたりの取引単価の向上を目的とした営業教育を実施してまいりました。その結果、当第3四半期累計期間における案件数は554案件(前年比+62案件)、案件単価は528千円(前年比+114千円)となりました。
これらの結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高636,802千円、営業利益133,480千円、経常利益130,612千円、四半期純利益は87,302千円となりました。
なお、当社はプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
第15期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は245,858千円となり、前事業年度末に
比べ34,840千円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は74,010千円(前年同期は104,765千円の資金の獲得)となりました。これは主
に増加要因として売上債権の増加額22千円(前年同期比26,932千円減少)、立替金の減少額9,867千円(前年同
期は立替金の増加額10,330千円)、法人税等の支払額69千円(前年同期比23,504千円減少)等があった一方で、減少要因として、税引前当期純利益75,279千円(前年同期比44,480千円減少)、仕入債務の減少額23,481千円
(前年同期は仕入債務の増加額30,222千円)等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は50,198千円(前年同期は1,000千円の支出)となりました。これは主に、敷金
の回収による収入9,843千円があったものの、新オフィス入居に伴う賃貸借契約により発生した敷金の差入によ
る支出37,835千円、有形固定資産の取得による支出19,489千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は11,028千円(前年同期は12,295千円の資金の獲得)となりました。これは長期
借入れによる収入30,000千円(前年同期比94,456千円減少)、長期借入金の返済による支出18,972千円(前年同期比93,189千円減少)があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
第15期事業年度及び第16期3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。なお、当社はプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
サービスの名称第15期事業年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第16期第3四半期累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
メディアレーダー284,513147.8298,103
トラミー270,906130.2293,112
その他50,00490.645,586
合計605,424132.8636,802

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合がいずれも100分の10未満であるため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
第15期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
(資産)
総資産468,985千円(前期末比59,505千円増)のうち、現金及び預金が245,858千円(前期末比34,840千円増)と52.4%を占めております。受取手形及び売掛金は120,067千円(前期末比23千円増)で総資産の25.6%となっており、高い流動性を確保しております。
当社の事業はプラットフォーム事業であり、既存顧客からの継続的なサービスの利用に伴う売上代金回収期間と外注費の支払期間の差が少ないことから、営業キャッシュ・フローは利益に比例して増減いたします。
(負債)
負債のうち、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)180,066千円(前期末比11,028千円増)の有利子負債があり、負債・純資産合計額の38.4%を占めております。これは新型コロナウィルス感染症による先行き不透明感が増した2020年11月に調達した資金でありますが、その後の事業が順調に推移した結果、余裕資金として保有することができております。
(純資産)
純資産額の変動は、当期純利益の計上による増加のみで構成されております。
(売上高)
売上高は605,424千円と前年同期比に比べ149,619千円(32.8%)増加しました。これはコロナ禍においてオフラインでのマーケティング活動が制限されたこと等により、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが加速したことに加え、メディアレーダーにおいては、資料ダウンロード売上の向上を目的とし、「リード入札機能」によるリード単価の向上およびメディアレーダー主催の「セミナーイベント」の開催による売上獲得を目的とした対策を実施し、トラミーにおいては、案件数の増加を目的とした既存顧客および新規顧客への営業活動を実施した結果、売上高が伸長したものです。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、67,037千円と前年同期比に比べ14,634千円(27.9%)増加しました。メディアレーダーの売上が順調に推移したことから全体の売上原価率が前年同期の11.5%から11.1%と改善し、売上総利益は538,386千円と前年同期に比べて134,984千円(33.5%)増加しました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は462,557千円と前年同期と比べて179,412千円(63.4%)増加しました。これは、上場準備に伴う管理体制の強化による人員及び管理費用並びに広告宣伝費が増加したことによるものです。この結果、営業利益は75,829千円と前年同期と比べ44,428千円(36.9%)減少しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は1,308千円と前年同期に比べて2,549千円(66.1%)減少しました。これは前年において補助金収入があったためであり、営業外収益の主な内訳はポイント失効に伴うポイント失効戻入益によるものです。営業外費用は1,630千円と前年同期に比べて1,275千円(43.9%)減少しました。営業外費用の内訳は支払利息であります。この結果、経常利益は75,506千円と前年同期と比べて45,701千円(37.7%)減少しました。
(法人税等合計及び当期純利益)
法人税等合計は27,864千円と前年同期に比べて13,820千円(33.2%)減少しました。この結果、当期純利益は47,414千円と前年同期に比べて30,660千円(39.3%)減少しました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、当社主力サービスのメディアレーダー及びトラミーの強化があります。
メディアレーダーにおいては、今後も会員となる広告主、広告代理店のニーズを満たす資料、動画、セミナー情報の拡充を行い、機能充実、利便性の向上、セミナーイベントの規模拡大を図ることで、「広告業界のインフラへ」というビジョンの実現にむけて成長スピードを加速させていくことが重要と考えております。
またトラミーにおいては、主要代理店取引を伸ばしつつ、クライアントへ直接販売する販売ルートを強化するとともに、現状のクライアントの多くが属するコスメ業界に加え、様々な業界に属するクライアントと幅広く取引できるよう案件の拡大および取引単価の向上が重要と考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社のビジネスモデルの特性から、利益額と営業キャッシュ・フローは比例的に増減します。当事業年度においては、新オフィスの移転に伴う有形固定資産の取得による支出及び新オフィス入居に伴う敷金の差入に伴う支出等から、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて50,198千円の支出がありました。また、財務活動によるキャッシュ・フローにおいては長期借入金による収入もあり、11,028千円の収入となりました。これらの要因から現金及び現金同等物の期末残高は245,858千円(34,840千円増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主に外注費、広告宣伝費及び人件費の支払いが中心となり、設備資金については無いことから、売上代金の入金に至る期間までの運転資金が資金需要となります。また、今後の会社規模の拡大に合わせた組織体制の確立及び優秀な人材の確保に向けて、今後も積極的に採用活動を進める方針です。
当社ではこれら運転資金に対応した資金調達は、自己資金及び金融機関からの借入を中心に検討を行い、必要に応じて社債発行及び新株発行等による資金調達も検討していく方針としております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その
作成には経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える
見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務
諸表の作成に当たり会計上の見積りに用いた仮定のうち重要なものはないため、重要な会計上の見積りに該当す
る項目はないと判断しております。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況
1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。