有価証券報告書-第13期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げ、生鮮食品の流通プラットフォーム構築とDX推進を通じて、食産業の発展に貢献してまいります。特に、創業以来蓄積してきた生鮮流通のデータと現場の知見に、AIをはじめとする先端技術を掛け合わせることで模倣困難な競争優位性を確立し、持続的な企業価値の向上を目指します。
(2)経営環境
①市場動向について
食産業の中でも、当社グループが戦略的に重視する市場動向として、4つの領域を認識しております。
a.食品関連市場とそのEコマース化率
経済産業省の調査(注1)によると2014年における食品分野のEコマースの市場規模は1.2兆円、Eコマース化率は1.9%でしたが、2024年には同市場規模は3.1兆円、Eコマース化率は4.5%まで上昇し成長を続けております。一方で、他産業と比べると、例えば生活家電等のEコマース化率は同年で43.0%と食品分野と30%を超える大きな開きがあります。加えて、食品流通の合理化と生鮮食料品等の公正な取引環境の確保の促進(注2)を目的とした卸売市場法の改正(2020年)や違法に採捕された水産動植物の流通の防止を目的とした「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)」の施行(2021年12月)により、産地と市場内仲卸との直接的な取引解禁や、取引のデジタル化・記録保存の義務化が進んでおり、情報ネットワークが強みのEコマース事業者にとっては追い風の規制環境となっております。Eコマース化率の継続的な上昇余地を背景に、成長余地は依然として大きいものと期待しております。
b.労働力不足
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、飲食物調理従事者の有効求人倍率は2011年度の1.01倍から2025年3月には2.56倍まで上昇し、2026年3月時点では2.22倍となっております。前年同月比では低下したものの、依然として全産業平均(1.18倍)を大きく上回る水準にあります。生産者や中間流通を担う中小事業者、飲食店など食産業の現場では、少子高齢化と人口減少を背景に労働力不足が常態化しており、スポット雇用への依存度の上昇や、生産性向上に資するサービスへの需要が継続的に高まっております。
c.情報管理の複雑化
食品衛生法(2018年大改正、2021年HACCP完全義務化)、食品ロス削減推進法(2019年)、食品リコール届出義務化(2021年)、原料原産地表示の完全実施(2022年)、水産流通適正化法(2022年施行)など、過去10年で食品事業者が遵守すべき情報管理項目が大幅に増加しております。事業者は採捕・加工・流通の各段階で漁獲番号や取引記録の作成・保存等が求められ、情報管理の複雑性と関連コストが構造的に上昇しております。
d.業界運営コストの構造的上昇
自動車運転業務の時間外労働規制、最低賃金の継続的な引き上げ、エネルギーコストの上昇等により、食品流通業界の固定費は構造的に上昇しております。物流面では輸送能力の不足が業界横断で懸念されており、配送網の確保が事業継続上の重要課題となっております。
(注)1.経済産業省「平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市
場調査)」及び同「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」
2.農林水産省「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律の概要」
②競争優位性について
当社グループは創業から生鮮流通のプラットフォームを構築してまいりました。当社グループの構造的な競争優位は以下の4点であります。
a.巨大な未踏市場の捕捉
食品分野のEコマース化率は2024年時点で4.5%にとどまり、他産業(生活家電等は43.0%)と比較して大きな成長余地が残されております。当社グループは、生鮮品を中心とするBtoB Eコマースという、なお未踏領域が広範に残る市場に対し、創業以来一貫して事業基盤を構築してきており、市場の成長機会を捉えるポジションにあります。
b.規制と物理インフラによる参入障壁
当社グループは世界最大級の生鮮卸売市場である東京都中央卸売市場の商品調達力や物流機能と独自のEコマースシステムを接続しております。生鮮卸売市場は卸売市場法や各自治体の法律や条例に規制されており、新規参入者にとっては高い参入障壁になっており、当社グループは大田市場の仲卸営業許可と豊洲市場の買参権を有しております。加えて、大田市場内及び近郊のフルフィルメントセンターをはじめとする物理インフラへの継続的な投資により、出荷・加工・梱包の集約拠点を確保しており、自社配送網と全国の調達ネットワークを組み合わせた事業基盤を構築しております。これらの許認可と物理インフラ、ネットワークの組み合わせが、新規参入を構造的に困難にしております。
c.業界におけるDXトップランナー
当社グループは創業当初からECを前提とした業務構築・設備投資・ソフトウェア開発を行ってまいりました。生鮮食品のEコマースに必要な、毎日変動する商品情報の迅速なデータ化、販売データと物流の接続、ユーザー業務効率を高めるUX等を、独自のITシステムで実現しております。創業以来蓄積してきた取引・物流・販売の構造化データと、バイヤーや物流現場に根差した暗黙知を組み合わせ、生成AIを含む先端技術を継続的に取り込むことで、競合が短期に模倣することが困難なAI活用基盤を構築しております。
d.ストック型ビジネスモデル
BtoBコマースサービスは、ユーザーである飲食店に業務需要として高頻度で利用されるBtoB Eコマースの特性により、登録ユーザーが継続的に積み上がるストック性の高いビジネスモデルとなっております。BtoBコマースサービスの売上高に占める既存コホート(前会計年度以前に登録したユーザー)の売上高割合は2026年3月期で92%に達しており、新規ユーザーが毎期積み上がる構造と相まって、複利的な売上成長メカニズムを内包しております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループは、食産業に関わる方々に、生鮮流通のプラットフォームを提供することで、社会課題の解決を図ってまいります。BtoBコマースサービス中心の成長から、段階的に3サービスのシナジーを強化し、統合プラットフォーム化していくことで、食産業における中核的なポジションを確立することを目指します。
具体的には、当社の主力であるBtoBコマースサービスを軸として、ARPU・アクティブユーザー・顧客深耕の同時拡大を進めることで、新規ユーザーが毎期積み上がりながら既存ユーザーの利用が拡大する持続的な成長を目指します。これを実現するため、以下の3つの成長ドライバーと、それらを横断的に強化するAI活用基盤を整備してまいります。
①3つの成長ドライバー
a.顧客ロイヤリティ向上
CRM(注1)機能の強化と商品基盤の拡充により、発注頻度と発注単価の双方を引き上げます。具体的には、新規顧客のオンボーディング体験の向上、継続的な顧客営業、ユーザーの声に基づくプロダクト改善、水産品以外(青果・精肉・調味料等)や自社加工品の取扱カテゴリ拡大を進め、ARPUの向上を図ります。
b.新規顧客開拓
マーケットポテンシャルの最も高い首都圏でのシェア拡大に注力するとともに、ウェブマーケティングと営業体制の強化により、中規模法人・チェーン店等の新たな顧客セグメント、および首都圏以外のエリアへの拡張に取り組み、アクティブユーザーの拡大を図ります。
c.事業間シナジー
BtoBコマースサービスを中核として、BtoCコマースサービス、HRサービス(人材紹介・求人開拓)と連携し、飲食店経営を多層的に支援することで、顧客生涯価値の最大化を目指します。BtoCコマースサービスは、一般消費者向けに水産品の需要喚起や商品開発、テストマーケティング等の機能を担い、それらの機能をBtoBコマースサービスの商品開発やサービス改善に還元してまいります。また、HRサービスは、BtoBコマースサービスの顧客の飲食店に対して人材紹介等のHRサービスをクロスセルするとともに、BtoBコマースサービスの顧客基盤を活用してHRサービス側の求人開拓を進めるというシナジーが期待できます。
(注)1.CRM(Customer Relationship Management)は、ユーザーとの間に良好な関係を構築し、その維持及び向上を目指すための一連の取り組みをいいます。
2.アクティブユーザー数とは、各月で1回以上注文をした顧客数を指します。
②AI活用基盤
創業以来蓄積してきた生鮮流通にかかわる商品や物流、販売の一次データと、現場オペレーションに根差した暗黙知を、AIエンジニアリングを通じてサービスや業務に組み込みます。CRM、商品情報管理、需要予測、物流オペレーション等の領域で、顧客がサービスを使うほど精度が向上する模倣困難な差別化基盤の構築を進めます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
①サービス機能の拡充
急速な技術革新が進むインターネット業界において、持続的な競争優位性を確保するためには、サービスの質的向上が不可欠です。当社グループでは、顧客視点に立ったUI/UX(ユーザーエクスペリエンス)の継続的な改善やデータ利活用の推進に加え、生成AIをはじめとする最新のデジタル技術への投資を加速させます。これにより、既存サービスの高度化を図るとともに、顧客の課題解決に繋がる新たな価値の創出に取り組んでまいります。
②優秀な人材の採用と組織体制の強化
当社グループは、今後の事業拡大のためには、優秀な人材の採用とそれらの人材がモチベーション高く働ける組織体制の整備が重要であると考えております。当社グループの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期で働きやすい環境の整備や社員の能力向上を目的とした育成の仕組化の強化等の人事制度の構築を実施してまいります。
③コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のためのコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公平性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
④利益及びキャッシュ・フローの定常的な創出
当社のBtoBコマースサービスは、継続利用によって収益が積み上がるストック型モデルであり、現在は設備投資等を通じて段階的な規模拡大を図っております。今後は、拡充した物流拠点などの投資効果を最大限に発揮させ、売上の拡大を加速させます。同時に、売上に対する広告宣伝費や人件費の比率を抑えることで収益性を向上させ、持続的な利益とキャッシュ・フローの創出体制をより強固なものにしてまいります。
⑤健全な財務基盤の構築
当社グループは、これまで事業拡大のための資金として自己資金及び金融機関からの借入を行い充当してまいりました。今後も必要資金のリスクプロファイルに応じて、自己資金と借入を柔軟に選択し、充当していくことを基本方針としており、資金調達方法の多様化と機動力を保つために、引き続き金融機関と良好な関係を維持してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは持続的な成長に向けて、売上高、売上総利益及び営業利益を重視しており、毎期その向上に努めることで、中長期的に成長させていくことを目指します。また全社の売上高に対して比率の高いBtoBコマースサービスの売上高の成長が収益性の向上に繋がるため、BtoBコマースサービスのアクティブユーザー数及びARPUについては、中長期的に成長させていくことを重視しております。
なお、BtoBコマースサービスの過年度のアクティブユーザー数及びARPUの推移は以下のとおりであります。
(注)1.上記の数字には社内取引等は含まれておりません。
(1)経営方針
当社グループは、「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げ、生鮮食品の流通プラットフォーム構築とDX推進を通じて、食産業の発展に貢献してまいります。特に、創業以来蓄積してきた生鮮流通のデータと現場の知見に、AIをはじめとする先端技術を掛け合わせることで模倣困難な競争優位性を確立し、持続的な企業価値の向上を目指します。
(2)経営環境
①市場動向について
食産業の中でも、当社グループが戦略的に重視する市場動向として、4つの領域を認識しております。
a.食品関連市場とそのEコマース化率
経済産業省の調査(注1)によると2014年における食品分野のEコマースの市場規模は1.2兆円、Eコマース化率は1.9%でしたが、2024年には同市場規模は3.1兆円、Eコマース化率は4.5%まで上昇し成長を続けております。一方で、他産業と比べると、例えば生活家電等のEコマース化率は同年で43.0%と食品分野と30%を超える大きな開きがあります。加えて、食品流通の合理化と生鮮食料品等の公正な取引環境の確保の促進(注2)を目的とした卸売市場法の改正(2020年)や違法に採捕された水産動植物の流通の防止を目的とした「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)」の施行(2021年12月)により、産地と市場内仲卸との直接的な取引解禁や、取引のデジタル化・記録保存の義務化が進んでおり、情報ネットワークが強みのEコマース事業者にとっては追い風の規制環境となっております。Eコマース化率の継続的な上昇余地を背景に、成長余地は依然として大きいものと期待しております。
b.労働力不足
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、飲食物調理従事者の有効求人倍率は2011年度の1.01倍から2025年3月には2.56倍まで上昇し、2026年3月時点では2.22倍となっております。前年同月比では低下したものの、依然として全産業平均(1.18倍)を大きく上回る水準にあります。生産者や中間流通を担う中小事業者、飲食店など食産業の現場では、少子高齢化と人口減少を背景に労働力不足が常態化しており、スポット雇用への依存度の上昇や、生産性向上に資するサービスへの需要が継続的に高まっております。
c.情報管理の複雑化
食品衛生法(2018年大改正、2021年HACCP完全義務化)、食品ロス削減推進法(2019年)、食品リコール届出義務化(2021年)、原料原産地表示の完全実施(2022年)、水産流通適正化法(2022年施行)など、過去10年で食品事業者が遵守すべき情報管理項目が大幅に増加しております。事業者は採捕・加工・流通の各段階で漁獲番号や取引記録の作成・保存等が求められ、情報管理の複雑性と関連コストが構造的に上昇しております。
d.業界運営コストの構造的上昇
自動車運転業務の時間外労働規制、最低賃金の継続的な引き上げ、エネルギーコストの上昇等により、食品流通業界の固定費は構造的に上昇しております。物流面では輸送能力の不足が業界横断で懸念されており、配送網の確保が事業継続上の重要課題となっております。
(注)1.経済産業省「平成 26 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市
場調査)」及び同「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」
2.農林水産省「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律の概要」
②競争優位性について
当社グループは創業から生鮮流通のプラットフォームを構築してまいりました。当社グループの構造的な競争優位は以下の4点であります。
a.巨大な未踏市場の捕捉
食品分野のEコマース化率は2024年時点で4.5%にとどまり、他産業(生活家電等は43.0%)と比較して大きな成長余地が残されております。当社グループは、生鮮品を中心とするBtoB Eコマースという、なお未踏領域が広範に残る市場に対し、創業以来一貫して事業基盤を構築してきており、市場の成長機会を捉えるポジションにあります。
b.規制と物理インフラによる参入障壁
当社グループは世界最大級の生鮮卸売市場である東京都中央卸売市場の商品調達力や物流機能と独自のEコマースシステムを接続しております。生鮮卸売市場は卸売市場法や各自治体の法律や条例に規制されており、新規参入者にとっては高い参入障壁になっており、当社グループは大田市場の仲卸営業許可と豊洲市場の買参権を有しております。加えて、大田市場内及び近郊のフルフィルメントセンターをはじめとする物理インフラへの継続的な投資により、出荷・加工・梱包の集約拠点を確保しており、自社配送網と全国の調達ネットワークを組み合わせた事業基盤を構築しております。これらの許認可と物理インフラ、ネットワークの組み合わせが、新規参入を構造的に困難にしております。
c.業界におけるDXトップランナー
当社グループは創業当初からECを前提とした業務構築・設備投資・ソフトウェア開発を行ってまいりました。生鮮食品のEコマースに必要な、毎日変動する商品情報の迅速なデータ化、販売データと物流の接続、ユーザー業務効率を高めるUX等を、独自のITシステムで実現しております。創業以来蓄積してきた取引・物流・販売の構造化データと、バイヤーや物流現場に根差した暗黙知を組み合わせ、生成AIを含む先端技術を継続的に取り込むことで、競合が短期に模倣することが困難なAI活用基盤を構築しております。
d.ストック型ビジネスモデル
BtoBコマースサービスは、ユーザーである飲食店に業務需要として高頻度で利用されるBtoB Eコマースの特性により、登録ユーザーが継続的に積み上がるストック性の高いビジネスモデルとなっております。BtoBコマースサービスの売上高に占める既存コホート(前会計年度以前に登録したユーザー)の売上高割合は2026年3月期で92%に達しており、新規ユーザーが毎期積み上がる構造と相まって、複利的な売上成長メカニズムを内包しております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループは、食産業に関わる方々に、生鮮流通のプラットフォームを提供することで、社会課題の解決を図ってまいります。BtoBコマースサービス中心の成長から、段階的に3サービスのシナジーを強化し、統合プラットフォーム化していくことで、食産業における中核的なポジションを確立することを目指します。
具体的には、当社の主力であるBtoBコマースサービスを軸として、ARPU・アクティブユーザー・顧客深耕の同時拡大を進めることで、新規ユーザーが毎期積み上がりながら既存ユーザーの利用が拡大する持続的な成長を目指します。これを実現するため、以下の3つの成長ドライバーと、それらを横断的に強化するAI活用基盤を整備してまいります。
①3つの成長ドライバー
a.顧客ロイヤリティ向上
CRM(注1)機能の強化と商品基盤の拡充により、発注頻度と発注単価の双方を引き上げます。具体的には、新規顧客のオンボーディング体験の向上、継続的な顧客営業、ユーザーの声に基づくプロダクト改善、水産品以外(青果・精肉・調味料等)や自社加工品の取扱カテゴリ拡大を進め、ARPUの向上を図ります。
b.新規顧客開拓
マーケットポテンシャルの最も高い首都圏でのシェア拡大に注力するとともに、ウェブマーケティングと営業体制の強化により、中規模法人・チェーン店等の新たな顧客セグメント、および首都圏以外のエリアへの拡張に取り組み、アクティブユーザーの拡大を図ります。
c.事業間シナジー
BtoBコマースサービスを中核として、BtoCコマースサービス、HRサービス(人材紹介・求人開拓)と連携し、飲食店経営を多層的に支援することで、顧客生涯価値の最大化を目指します。BtoCコマースサービスは、一般消費者向けに水産品の需要喚起や商品開発、テストマーケティング等の機能を担い、それらの機能をBtoBコマースサービスの商品開発やサービス改善に還元してまいります。また、HRサービスは、BtoBコマースサービスの顧客の飲食店に対して人材紹介等のHRサービスをクロスセルするとともに、BtoBコマースサービスの顧客基盤を活用してHRサービス側の求人開拓を進めるというシナジーが期待できます。
(注)1.CRM(Customer Relationship Management)は、ユーザーとの間に良好な関係を構築し、その維持及び向上を目指すための一連の取り組みをいいます。
2.アクティブユーザー数とは、各月で1回以上注文をした顧客数を指します。
②AI活用基盤
創業以来蓄積してきた生鮮流通にかかわる商品や物流、販売の一次データと、現場オペレーションに根差した暗黙知を、AIエンジニアリングを通じてサービスや業務に組み込みます。CRM、商品情報管理、需要予測、物流オペレーション等の領域で、顧客がサービスを使うほど精度が向上する模倣困難な差別化基盤の構築を進めます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
①サービス機能の拡充
急速な技術革新が進むインターネット業界において、持続的な競争優位性を確保するためには、サービスの質的向上が不可欠です。当社グループでは、顧客視点に立ったUI/UX(ユーザーエクスペリエンス)の継続的な改善やデータ利活用の推進に加え、生成AIをはじめとする最新のデジタル技術への投資を加速させます。これにより、既存サービスの高度化を図るとともに、顧客の課題解決に繋がる新たな価値の創出に取り組んでまいります。
②優秀な人材の採用と組織体制の強化
当社グループは、今後の事業拡大のためには、優秀な人材の採用とそれらの人材がモチベーション高く働ける組織体制の整備が重要であると考えております。当社グループの理念に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員が中長期で働きやすい環境の整備や社員の能力向上を目的とした育成の仕組化の強化等の人事制度の構築を実施してまいります。
③コーポレート・ガバナンス体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のためのコーポレート・ガバナンスの強化が重要な課題であると考えております。このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公平性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
④利益及びキャッシュ・フローの定常的な創出
当社のBtoBコマースサービスは、継続利用によって収益が積み上がるストック型モデルであり、現在は設備投資等を通じて段階的な規模拡大を図っております。今後は、拡充した物流拠点などの投資効果を最大限に発揮させ、売上の拡大を加速させます。同時に、売上に対する広告宣伝費や人件費の比率を抑えることで収益性を向上させ、持続的な利益とキャッシュ・フローの創出体制をより強固なものにしてまいります。
⑤健全な財務基盤の構築
当社グループは、これまで事業拡大のための資金として自己資金及び金融機関からの借入を行い充当してまいりました。今後も必要資金のリスクプロファイルに応じて、自己資金と借入を柔軟に選択し、充当していくことを基本方針としており、資金調達方法の多様化と機動力を保つために、引き続き金融機関と良好な関係を維持してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは持続的な成長に向けて、売上高、売上総利益及び営業利益を重視しており、毎期その向上に努めることで、中長期的に成長させていくことを目指します。また全社の売上高に対して比率の高いBtoBコマースサービスの売上高の成長が収益性の向上に繋がるため、BtoBコマースサービスのアクティブユーザー数及びARPUについては、中長期的に成長させていくことを重視しております。
なお、BtoBコマースサービスの過年度のアクティブユーザー数及びARPUの推移は以下のとおりであります。
| 期 | 四半期 | アクティブユーザー数 (ユーザー) | 前年同四半期からの増減比(%) | ARPU(円) | 前年同四半期からの増減比(%) |
| 2024年3月期 | 第1四半期 | 3,854 | 17.4 | 98,434 | 11.1 |
| 第2四半期 | 3,852 | 18.2 | 100,325 | 14.4 | |
| 第3四半期 | 4,204 | 16.8 | 110,997 | 3.8 | |
| 第4四半期 | 4,012 | 10.8 | 104,538 | 5.5 | |
| 2025年3月期 | 第1四半期 | 4,095 | 6.3 | 102,985 | 4.6 |
| 第2四半期 | 4,059 | 5.4 | 104,173 | 3.8 | |
| 第3四半期 | 4,617 | 9.8 | 111,347 | 0.3 | |
| 第4四半期 | 4,657 | 16.1 | 98,975 | -5.3 | |
| 2026年3月期 | 第1四半期 | 4,674 | 14.1 | 102,499 | -0.5 |
| 第2四半期 | 4,724 | 16.4 | 102,781 | -1.3 | |
| 第3四半期 | 5,150 | 11.6 | 117,064 | 5.1 | |
| 第4四半期 | 4,905 | 5.3 | 110,883 | 12.0 |
(注)1.上記の数字には社内取引等は含まれておりません。