有価証券報告書-第10期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
当連結会計年度の研究開発活動は、①3DOMセパレータの技術開発及び量産化に向けた検証設備導入と立ち上げ、②3DOMセパレータを搭載したNMC系(ニッケル、マンガン、コバルト系)にLMFP(リチウムマンガンリン酸鉄)を添加した正極を有するリチウムイオンバッテリーLIBDOMの技術開発及び量産化、③次世代リチウム金属負極二次電池(LMB:Lithium Metal Battery)及びLMBの電解質に固体電解質を搭載して信頼性を高める固体電解質電池(SEB:Solid Electrolyte Battery)、④上記LIBDOMセルを搭載し、当社ビジネスモデルを推進する電動4輪、電動2輪、ESSへ組み込む電池パックの技術開発及びソリューション開発の主に4分野において研究開発、技術開発を行うと共に、お客様へタイムリーな技術提供を行っております。
研究開発体制は、当社の研究開発部門と、共同研究契約を締結している東京都立大学をはじめとする共同研究機関との密接な連携・協力関係を保ちながら、効果的かつ迅速的に活動を推進して参ります。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は949,795千円であります。
上記①の3DOMセパレータの技術開発及び量産化に向けた検証設備導入と立ち上げについて、要素開発とパイロットラインで確立したプロセス技術および製造ノウハウを量産化検証ラインへ導入・展開し、セパレータの各種性能検証を進め、積層型セル量産化に向けた積層工法の確立を実現すべく開発を進めてまいります。
セパレータ製造委託先候補会社として台湾の大手プラスチック製造会社と共に開発をすすめる共同研究契約を締結し、リチウムイオン二次電池用セパレータとしての生産課題を明確にしながら量産工程の移管準備を進めております。また2022年度は、性能を引き出す高空孔率層と強度を確保する低空孔率層の多層化膜に成功し、特性と強度を両立する多層式セパレータ技術を確立、X-SEPA™(エックスセパ)として特許出願を実施致しました。このX-SEPA™は2022年11月に開催された第63回電池討論会にて共同研究機関である東京都立大学の発表の中で紹介され、サンプル供給は2023年度2月を目標に取り組み、予定通りに実施致しました。既に10社を越える大手LIBメーカーからサンプル引き合いを頂戴し、対応を進めております。更に、X-SEPA™を搭載したセルの寿命性能の向上については、東京都立大学教授また当社CTOである金村先生のご指導のもと、2023年3月に開催された電気化学会第90回大会にて研究成果の発表を行いました。
次に量産化の推進においては、量産化検証ラインを2022年8月に立ち上げ完了、成膜高速化の実現性を検証する一方で、製造アライアンス構築中の台湾の大手プラスチック製造会社との協業を進めており、当該会社が開発したポリイミドワニス及び有機ビーズを用いてスリーダムセパレータの成膜に成功致しました。今後、X-SEPA™の更なる製造原価低減を目指し、次世代量産ラインの設備仕様(成膜速度、膜幅、加熱方式等)の検証を国内設備製作会社と協業して進めて参ります。
②の3DOMセパレータを搭載したリチウムイオンバッテリーLIBDOMの開発量産化について、エネルギー密度、寿命性能および信頼性向上を図るため、ニッケル・マンガン・コバルトを主成分とする三元系材料(NMC)にリン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)を加えたNMC+LMFP正極を用いた電池の開発をパートナー企業である台湾のLIB製造委託会社と共に実施しております。
2022年度は、2021年度に既に選定した正極設計に基づき台湾のLIB製造委託会社にて試作した大型電池(スケールアップ)の各種性能評価、プロセス検証を実施し、適宜変更を加えながら電池基本設計を固めてまいりました。本電池において、セパレータ量産開発グループで開発したセパレータ(X-SEPA™)を搭載する方針へ舵を切り、同セパレータの適用性検討も並行して推進しております。X-SEPA™を搭載した電池については2023年上旬にセル量産化テストを計画しております。
また、今後の当社リチウムイオン電池の訴求力向上に向けた技術開発として、上記X-SEPA™搭載に加え、さらなる高信頼性・高出力電池(正極LMFP比率の検討等)、耐高温仕様電池(材料検討等)についても鋭意開発を進めております。特に耐高温仕様電池については、当社X-SEPA™を併用しなければ達成し得ない超長寿命リチウムイオン電池実現の可能性を見い出し、2023年4月中の特許出願に向けて開発を更に加速して参ります。
③の次世代リチウム二次電池LMB及びSEBの研究開発について、これまでに当社の研究開発で培ったLMBを軸として、新たに高エネルギー密度と高出力特性を両立させるために、電極設計と電解液等を適正化した4Ah級LMBを開発しました。このセルは将来のエアーモビリティ用途向けの電源システム開発検討用に、国内大手自動車部品会社にサンプル提供し評価確認中です。また、国内大手通信会社から無人航空機用のサンプルを要望されており、2023年度に6Ah級LMBサンプルの提供に向けて準備しております。なお、これまで当社で実施してきたLMB研究開発の一部成果を、2023年3月に開催された電気化学会第90回大会で発表し、多くの大学、企業から当社3DOMセパレータに対する強い関心をお示し頂きました。またSEBについては、当連結会計年度において、当社独自の3DOMセパレータ/固体電解質層のハイブリッド電解質膜を適用した半固体小形SEBサンプルを、国内大手自動車会社で評価検証いただきました。今後、その評価結果を基に更なるサイクル寿命性能改善に向けた改善サンプルを、2023年4月に提案すべく研究開発を進めている状況です。
④のバッテリソリューション開発については、上記LIBDOMセルを電動2輪、4輪に組み込むための標準パックの開発を新しいテーマとして取り組んでおります。当社は、LCAをトータルで考慮したバッテリに焦点を当て、1次利用(モビリティ)、2次利用(ESS:Energy Storage System)に最適なバッテリコンセプト・仕様の検討に着手しました。1次利用は、バッテリレイアウトの制約から特にエネルギー密度が求められる2輪や3輪などの小型モビリティを対象としており、特にタイ、インド、インドネシアと言った小型モビリティの需要が高い東南アジア地域での市場ニーズを調査し、バッテリに求められる要件を分析及び商品仕様への反映を行うと共に、2次利用のESSに要求される要件も分析及び商品仕様への反映を行ってまいります。
本商品仕様の特徴として、(1)1次⇒2次への転用の容易構造の採用による転用コスト削減、(2)バッテリだけではなく、バッテリ以外の部品(制御器、ケーブル類)の再利用を考慮した循環サイクルによるハードの合理化、(3)進化するセルに対し、パック基本設計は変更せず互換性を確保しながら、セル特性に応じたBMSソフト開発のみの小規模・短期間開発が挙げられます。
翌連結会計年度以降、これまでの開発で培ったパックの基本技術を基に、市場投入を見据え、X-SEPA™及びLIBDOMセルの開発状況と連動した最適パックの設計量産開発に移行する計画としております。
研究開発体制は、当社の研究開発部門と、共同研究契約を締結している東京都立大学をはじめとする共同研究機関との密接な連携・協力関係を保ちながら、効果的かつ迅速的に活動を推進して参ります。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は949,795千円であります。
上記①の3DOMセパレータの技術開発及び量産化に向けた検証設備導入と立ち上げについて、要素開発とパイロットラインで確立したプロセス技術および製造ノウハウを量産化検証ラインへ導入・展開し、セパレータの各種性能検証を進め、積層型セル量産化に向けた積層工法の確立を実現すべく開発を進めてまいります。
セパレータ製造委託先候補会社として台湾の大手プラスチック製造会社と共に開発をすすめる共同研究契約を締結し、リチウムイオン二次電池用セパレータとしての生産課題を明確にしながら量産工程の移管準備を進めております。また2022年度は、性能を引き出す高空孔率層と強度を確保する低空孔率層の多層化膜に成功し、特性と強度を両立する多層式セパレータ技術を確立、X-SEPA™(エックスセパ)として特許出願を実施致しました。このX-SEPA™は2022年11月に開催された第63回電池討論会にて共同研究機関である東京都立大学の発表の中で紹介され、サンプル供給は2023年度2月を目標に取り組み、予定通りに実施致しました。既に10社を越える大手LIBメーカーからサンプル引き合いを頂戴し、対応を進めております。更に、X-SEPA™を搭載したセルの寿命性能の向上については、東京都立大学教授また当社CTOである金村先生のご指導のもと、2023年3月に開催された電気化学会第90回大会にて研究成果の発表を行いました。
次に量産化の推進においては、量産化検証ラインを2022年8月に立ち上げ完了、成膜高速化の実現性を検証する一方で、製造アライアンス構築中の台湾の大手プラスチック製造会社との協業を進めており、当該会社が開発したポリイミドワニス及び有機ビーズを用いてスリーダムセパレータの成膜に成功致しました。今後、X-SEPA™の更なる製造原価低減を目指し、次世代量産ラインの設備仕様(成膜速度、膜幅、加熱方式等)の検証を国内設備製作会社と協業して進めて参ります。
②の3DOMセパレータを搭載したリチウムイオンバッテリーLIBDOMの開発量産化について、エネルギー密度、寿命性能および信頼性向上を図るため、ニッケル・マンガン・コバルトを主成分とする三元系材料(NMC)にリン酸マンガン鉄リチウム(LMFP)を加えたNMC+LMFP正極を用いた電池の開発をパートナー企業である台湾のLIB製造委託会社と共に実施しております。
2022年度は、2021年度に既に選定した正極設計に基づき台湾のLIB製造委託会社にて試作した大型電池(スケールアップ)の各種性能評価、プロセス検証を実施し、適宜変更を加えながら電池基本設計を固めてまいりました。本電池において、セパレータ量産開発グループで開発したセパレータ(X-SEPA™)を搭載する方針へ舵を切り、同セパレータの適用性検討も並行して推進しております。X-SEPA™を搭載した電池については2023年上旬にセル量産化テストを計画しております。
また、今後の当社リチウムイオン電池の訴求力向上に向けた技術開発として、上記X-SEPA™搭載に加え、さらなる高信頼性・高出力電池(正極LMFP比率の検討等)、耐高温仕様電池(材料検討等)についても鋭意開発を進めております。特に耐高温仕様電池については、当社X-SEPA™を併用しなければ達成し得ない超長寿命リチウムイオン電池実現の可能性を見い出し、2023年4月中の特許出願に向けて開発を更に加速して参ります。
③の次世代リチウム二次電池LMB及びSEBの研究開発について、これまでに当社の研究開発で培ったLMBを軸として、新たに高エネルギー密度と高出力特性を両立させるために、電極設計と電解液等を適正化した4Ah級LMBを開発しました。このセルは将来のエアーモビリティ用途向けの電源システム開発検討用に、国内大手自動車部品会社にサンプル提供し評価確認中です。また、国内大手通信会社から無人航空機用のサンプルを要望されており、2023年度に6Ah級LMBサンプルの提供に向けて準備しております。なお、これまで当社で実施してきたLMB研究開発の一部成果を、2023年3月に開催された電気化学会第90回大会で発表し、多くの大学、企業から当社3DOMセパレータに対する強い関心をお示し頂きました。またSEBについては、当連結会計年度において、当社独自の3DOMセパレータ/固体電解質層のハイブリッド電解質膜を適用した半固体小形SEBサンプルを、国内大手自動車会社で評価検証いただきました。今後、その評価結果を基に更なるサイクル寿命性能改善に向けた改善サンプルを、2023年4月に提案すべく研究開発を進めている状況です。
④のバッテリソリューション開発については、上記LIBDOMセルを電動2輪、4輪に組み込むための標準パックの開発を新しいテーマとして取り組んでおります。当社は、LCAをトータルで考慮したバッテリに焦点を当て、1次利用(モビリティ)、2次利用(ESS:Energy Storage System)に最適なバッテリコンセプト・仕様の検討に着手しました。1次利用は、バッテリレイアウトの制約から特にエネルギー密度が求められる2輪や3輪などの小型モビリティを対象としており、特にタイ、インド、インドネシアと言った小型モビリティの需要が高い東南アジア地域での市場ニーズを調査し、バッテリに求められる要件を分析及び商品仕様への反映を行うと共に、2次利用のESSに要求される要件も分析及び商品仕様への反映を行ってまいります。
本商品仕様の特徴として、(1)1次⇒2次への転用の容易構造の採用による転用コスト削減、(2)バッテリだけではなく、バッテリ以外の部品(制御器、ケーブル類)の再利用を考慮した循環サイクルによるハードの合理化、(3)進化するセルに対し、パック基本設計は変更せず互換性を確保しながら、セル特性に応じたBMSソフト開発のみの小規模・短期間開発が挙げられます。
翌連結会計年度以降、これまでの開発で培ったパックの基本技術を基に、市場投入を見据え、X-SEPA™及びLIBDOMセルの開発状況と連動した最適パックの設計量産開発に移行する計画としております。