有価証券報告書-第10期(2022/01/01-2022/12/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「危機的状況にある環境問題を真に解決し、夢と希望あふれる未来を創造するために知恵と勇気と技術をもって立ち向かう」をビジョンに掲げ、下記社会の実現を目指し事業を進めることで、自由を基調とする資本主義経済を維持し豊かさを享受しつつ、環境問題の解決を図ってまいります。
①大量生産・大量消費から物を大切にする経済社会へ(DPS™による大量生産からの脱却)
②DI Engine™で情報をつなぎ人と機器が連携する社会へ
③カーボンクレジットと情報の価値化により実現する、物に替わる新しい価値の創造
(2)経営環境及び経営戦略
① 大量生産・大量消費から物を大切にする経済社会へ(DPS™による大量生産からの脱却)
CO2排出による地球温暖化、森林伐採等の自然破壊による生物絶滅の危機を含む環境問題は悪化の一途を辿っています。産業革命以降、大量生産によって利益を生み出し、その一部を再び投資して生産を繰り返す拡大再生産によって飛躍的に経済成長を遂げてきた結果として、供給量が需要量を上回る供給過剰の産業構造が出来上がり、大量廃棄という新しい環境問題も抱えています。当社グループは、環境問題の真の解決を図るためには、これまでの大量生産・大量消費の社会経済スタイルを変革し、モノや資源を長持ちさせてライフサイクル全体でCO2削減と資源の有効活用を図ることが重要と考えています。
たとえば、電気自動車(EV)は、ガソリン車を含むICE車と比較して走行時のCO2排出量は一般的に減少しますが、バッテリ製造時に大量のCO2を排出するため、EV製造時のCO2排出量はICE車のそれと比較して 1.5から2.0倍にもなります。そのため、資源の採掘から廃棄までのライフサイクル全体でのCO2排出量を評価するLife Cycle Assessment(LCA)を採用し、ライルサイクルを通したCO2の削減ができるよう、車体もバッテリも社会全体で共有して長持ちさせる仕組みづくりを並行して進める必要があります。当社グループは、長持ちする高品質な製品をつくるために部材から最終製品メーカーまでが共に情報を共有し、研究開発を行うサプライチェーン作りを進め、また、開発した高品質な製品を販売せず、サービス課金を行い、伸びたライフサイクルに応じて増加した利益を参加企業間で分け合うData & Profit Sharing(DPS™)を普及していくことで、環境問題の真の解決を図ります。
② DI Engine™で情報をつなぎ人と機器が連携する社会へ
現行のクラウドコンピューティングサービスを前提とした場合、今後のIoT化の進展に伴い、送信されるデータの量は膨大になり、トラフィックの圧迫によってクラウドの電力消費量が加速度的に増加すると予想されます。また、GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)を制定し、個人情報の扱いや情報漏洩について厳格な規制を行っている欧州では、クラウドコンピューティングサービスを展開するIT企業に巨額の制裁金を科す例が相次いでいます。クラウドの限界を打破するための分散型インターネットの新しい概念としてWeb3が登場しましたが、その中核を担うブロックチェーン技術に関しても、データをつなぐための検証作業に膨大な計算が必要で、インターネット上の電力消費をどう抑えるかという大きな課題を抱えたままです。
当社グループは、0.3MBの容量で稼働する極小のデータ管理システムであるDI Engine™をバッテリに搭載し、社会全体に普及させることで、人と機器または機器と機器同士がクラウドを介することなく必要な範囲で必要なデータを共有することによって、個人の情報は個人が管理する「情報の民主化」を達成します。また、エネルギーの見える化や省電力でのデバイスのIoT化を実現し、社会全体の効率化を図ります。
③ カーボンクレジットと情報の価値化により実現する、物に替わる新しい価値の創造
環境問題を解決するためには如何にCO2の排出を削減するか、また森林等を通して如何にCO2の吸収量を増やしていくかが重要になりますが、当社グループが、インテリジェント化したバッテリにより脱炭素化ソリューションを提供する「noco-noco事業」、ソルガムの育成によりバイオマス燃料及びカーボンクレジットを創出する「Binex事業」を通じてCO2の排出削減及び吸収を行う以外に、これを世界規模で促進するためにはCO2に価格を付け、CO2を排出する企業や自治体などの行動を変容させていくカーボンプライシングという考え方が重要になります。また、大量生産大量消費から脱却しつつ経済成長を維持するためには、物に替わる新しい価値の創造が必要となります。
当社グループは、CO2を吸収した企業が対価を受領し、CO2を排出した企業が対価を支払うという明瞭かつ信頼性の高いカーボンクレジットプラットフォームを構築することで、カーボンクレジットによる脱炭素化を促進するとともに、カーボンクレジットプラットフォームを通じて得た収益の一部を森林の保全や海洋プラスチックごみの解決など、生態系の保全事業に投資することで環境問題の解決を図ります。また、上記②に記載した「情報の民主化」により、個人情報は個人が許可した相手にのみ対価と引き換えに共有するモデルを構築することで情報の価値化を図ります。カーボンクレジットと情報は、物に替わる新しい資本主義の根幹になると考えています。
<環境問題と経済成長に対する当社グループの基本的な考えと具体的な解決策>
(3)対処すべき課題
上記(2)に記載の状況の下、各事業の拡大・推進にあたり、当社グループでは、以下の課題について重点的に取り組みを進めてまいります。
① 収益基盤の拡大
当社グループは、8年間の研究開発活動を経て創出した技術、ビジネスモデルを元に2023年度から顧客へのサービスの提供を開始、収益を計上する予定です。noco-noco Pte.Ltd.(以下、「noco2」という。)はカーボンニュートラルリースサービスを配送業者等に提供するほか、当初余剰に取得したカーボンクレジットを販売することで収益を確保します。また、サービスで提供されたバッテリにDI Engine™を搭載することで配送業者などに対しては運行データサービスやサーバー利用サービス提供し、収益基盤の拡大を図ります。Binexは、当初は商社や食品メーカーに飼料用及び食料用ソルガムグレインを提供するとともに発電事業者にソルガムペレットを提供することで収益を確保します。また、バイオメタノールで稼働する燃料電池を配送業者や造船会社に提供するとともに航空会社にはSAF(持続可能な航空燃料)、化成品業に石油代替製品を提供することで更なる収益基盤の拡大を図ります。これらの収益基盤の拡大の実現のために、継続的な研究開発活動及び設備投資を行うとともに、アライアンスパートナーとの連携及び新規事業開発に取り組んでまいります。
② 安定的な資金調達の確保と財務基盤強化
今後も継続的に研究開発活動及び設備投資を行うためには必要な資金を安定的に確保することが重要となります。当社グループは、noco2の米国NASDAQ市場への上場などのエクイティファイナンスによる資金調達と、金融機関からの借入を組み合わせることで安定的な資金調達と財務基盤の強化に取り組んでまいります。
③ 人的資本経営
「真の環境問題の解決」というビジョンを達成するためには企業規模の拡大が必須であり、企業規模の拡大を企業価値の向上につなげるためには、社員全員が経営理念や経営方針を深く理解し、個人を尊重したうえで強いチームワークを発揮していき、人材の価値を最大限引き出せる組織を構築していく必要があります。当社グループでは、採用活動を積極的に推進するとともに、社員への教育体制の整備及び強化、組織体制や社員の評価方法の改革を進め、人的資本経営による企業価値の向上を目指します。また、急速な組織の拡大に伴い、従来型の雇用契約による新規採用や中途採用のみならず、外部専門人材を活用しつつ、企業の知的財産等の情報を守る仕組みづくり、誰が最も貢献したのかを組織内全員で共有できるような人事評価システムの導入を検討しております。
④ 内部管理体制の強化
当社グループは、今後より一層の企業規模の拡大及び成長を見込んでおります。そのため、企業規模拡大に応じた内部管理体制の構築を図るために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化、内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、昨今、システム障害、自然災害等による不測の事態による事業の停止や人権への配慮等、企業を取り巻くリスクも多様化しております。そのため、当社の事業に関連する法規制や社会的要請等の環境変化にも対応しつつ、企業としてより一層強靭化をするために、内部管理体制の整備及び改善に努めてまいります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「危機的状況にある環境問題を真に解決し、夢と希望あふれる未来を創造するために知恵と勇気と技術をもって立ち向かう」をビジョンに掲げ、下記社会の実現を目指し事業を進めることで、自由を基調とする資本主義経済を維持し豊かさを享受しつつ、環境問題の解決を図ってまいります。
①大量生産・大量消費から物を大切にする経済社会へ(DPS™による大量生産からの脱却)
②DI Engine™で情報をつなぎ人と機器が連携する社会へ
③カーボンクレジットと情報の価値化により実現する、物に替わる新しい価値の創造
(2)経営環境及び経営戦略
① 大量生産・大量消費から物を大切にする経済社会へ(DPS™による大量生産からの脱却)
CO2排出による地球温暖化、森林伐採等の自然破壊による生物絶滅の危機を含む環境問題は悪化の一途を辿っています。産業革命以降、大量生産によって利益を生み出し、その一部を再び投資して生産を繰り返す拡大再生産によって飛躍的に経済成長を遂げてきた結果として、供給量が需要量を上回る供給過剰の産業構造が出来上がり、大量廃棄という新しい環境問題も抱えています。当社グループは、環境問題の真の解決を図るためには、これまでの大量生産・大量消費の社会経済スタイルを変革し、モノや資源を長持ちさせてライフサイクル全体でCO2削減と資源の有効活用を図ることが重要と考えています。
たとえば、電気自動車(EV)は、ガソリン車を含むICE車と比較して走行時のCO2排出量は一般的に減少しますが、バッテリ製造時に大量のCO2を排出するため、EV製造時のCO2排出量はICE車のそれと比較して 1.5から2.0倍にもなります。そのため、資源の採掘から廃棄までのライフサイクル全体でのCO2排出量を評価するLife Cycle Assessment(LCA)を採用し、ライルサイクルを通したCO2の削減ができるよう、車体もバッテリも社会全体で共有して長持ちさせる仕組みづくりを並行して進める必要があります。当社グループは、長持ちする高品質な製品をつくるために部材から最終製品メーカーまでが共に情報を共有し、研究開発を行うサプライチェーン作りを進め、また、開発した高品質な製品を販売せず、サービス課金を行い、伸びたライフサイクルに応じて増加した利益を参加企業間で分け合うData & Profit Sharing(DPS™)を普及していくことで、環境問題の真の解決を図ります。
② DI Engine™で情報をつなぎ人と機器が連携する社会へ
現行のクラウドコンピューティングサービスを前提とした場合、今後のIoT化の進展に伴い、送信されるデータの量は膨大になり、トラフィックの圧迫によってクラウドの電力消費量が加速度的に増加すると予想されます。また、GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)を制定し、個人情報の扱いや情報漏洩について厳格な規制を行っている欧州では、クラウドコンピューティングサービスを展開するIT企業に巨額の制裁金を科す例が相次いでいます。クラウドの限界を打破するための分散型インターネットの新しい概念としてWeb3が登場しましたが、その中核を担うブロックチェーン技術に関しても、データをつなぐための検証作業に膨大な計算が必要で、インターネット上の電力消費をどう抑えるかという大きな課題を抱えたままです。
当社グループは、0.3MBの容量で稼働する極小のデータ管理システムであるDI Engine™をバッテリに搭載し、社会全体に普及させることで、人と機器または機器と機器同士がクラウドを介することなく必要な範囲で必要なデータを共有することによって、個人の情報は個人が管理する「情報の民主化」を達成します。また、エネルギーの見える化や省電力でのデバイスのIoT化を実現し、社会全体の効率化を図ります。
③ カーボンクレジットと情報の価値化により実現する、物に替わる新しい価値の創造
環境問題を解決するためには如何にCO2の排出を削減するか、また森林等を通して如何にCO2の吸収量を増やしていくかが重要になりますが、当社グループが、インテリジェント化したバッテリにより脱炭素化ソリューションを提供する「noco-noco事業」、ソルガムの育成によりバイオマス燃料及びカーボンクレジットを創出する「Binex事業」を通じてCO2の排出削減及び吸収を行う以外に、これを世界規模で促進するためにはCO2に価格を付け、CO2を排出する企業や自治体などの行動を変容させていくカーボンプライシングという考え方が重要になります。また、大量生産大量消費から脱却しつつ経済成長を維持するためには、物に替わる新しい価値の創造が必要となります。
当社グループは、CO2を吸収した企業が対価を受領し、CO2を排出した企業が対価を支払うという明瞭かつ信頼性の高いカーボンクレジットプラットフォームを構築することで、カーボンクレジットによる脱炭素化を促進するとともに、カーボンクレジットプラットフォームを通じて得た収益の一部を森林の保全や海洋プラスチックごみの解決など、生態系の保全事業に投資することで環境問題の解決を図ります。また、上記②に記載した「情報の民主化」により、個人情報は個人が許可した相手にのみ対価と引き換えに共有するモデルを構築することで情報の価値化を図ります。カーボンクレジットと情報は、物に替わる新しい資本主義の根幹になると考えています。
<環境問題と経済成長に対する当社グループの基本的な考えと具体的な解決策>
| 取り組むべき課題 | 解決策 | |
| 環境問題 | ||
| ―地球温暖化 | ||
| CO2削減 | 大量生産大量消費からの脱却 | Data & Profit Sharing(DPS™) |
| 内燃機関から電動化へ | バッテリの長寿命化技術と循環モデル | |
| 社会全体の効率化 | DI Engine™による情報の連携 | |
| 化石燃料に替わるエネルギーの創出 | 15分でメタノールを生成する技術 | |
| CO2吸収 | バイオマス由来燃料から水素を取り出す燃料電池の開発 | メタノール改質燃料電池 |
| 自然由来のカーボンクレジットを活用 | ソルガムの根にCO2を固定 自然由来のカーボンクレジット取得 | |
| CO2取引の促進 | カーボンプライシングの推進 | カーボンニュートラルリースなど売るための仕組みづくり |
| ―生物多様性の危機 | ||
| 生態系の保全 | 生態系保全事業への投資 | |
| 経済成長 | ||
| 物に替わる価値の創出 | カーボンクレジットと情報の価値化 | |
(3)対処すべき課題
上記(2)に記載の状況の下、各事業の拡大・推進にあたり、当社グループでは、以下の課題について重点的に取り組みを進めてまいります。
① 収益基盤の拡大
当社グループは、8年間の研究開発活動を経て創出した技術、ビジネスモデルを元に2023年度から顧客へのサービスの提供を開始、収益を計上する予定です。noco-noco Pte.Ltd.(以下、「noco2」という。)はカーボンニュートラルリースサービスを配送業者等に提供するほか、当初余剰に取得したカーボンクレジットを販売することで収益を確保します。また、サービスで提供されたバッテリにDI Engine™を搭載することで配送業者などに対しては運行データサービスやサーバー利用サービス提供し、収益基盤の拡大を図ります。Binexは、当初は商社や食品メーカーに飼料用及び食料用ソルガムグレインを提供するとともに発電事業者にソルガムペレットを提供することで収益を確保します。また、バイオメタノールで稼働する燃料電池を配送業者や造船会社に提供するとともに航空会社にはSAF(持続可能な航空燃料)、化成品業に石油代替製品を提供することで更なる収益基盤の拡大を図ります。これらの収益基盤の拡大の実現のために、継続的な研究開発活動及び設備投資を行うとともに、アライアンスパートナーとの連携及び新規事業開発に取り組んでまいります。
② 安定的な資金調達の確保と財務基盤強化
今後も継続的に研究開発活動及び設備投資を行うためには必要な資金を安定的に確保することが重要となります。当社グループは、noco2の米国NASDAQ市場への上場などのエクイティファイナンスによる資金調達と、金融機関からの借入を組み合わせることで安定的な資金調達と財務基盤の強化に取り組んでまいります。
③ 人的資本経営
「真の環境問題の解決」というビジョンを達成するためには企業規模の拡大が必須であり、企業規模の拡大を企業価値の向上につなげるためには、社員全員が経営理念や経営方針を深く理解し、個人を尊重したうえで強いチームワークを発揮していき、人材の価値を最大限引き出せる組織を構築していく必要があります。当社グループでは、採用活動を積極的に推進するとともに、社員への教育体制の整備及び強化、組織体制や社員の評価方法の改革を進め、人的資本経営による企業価値の向上を目指します。また、急速な組織の拡大に伴い、従来型の雇用契約による新規採用や中途採用のみならず、外部専門人材を活用しつつ、企業の知的財産等の情報を守る仕組みづくり、誰が最も貢献したのかを組織内全員で共有できるような人事評価システムの導入を検討しております。
④ 内部管理体制の強化
当社グループは、今後より一層の企業規模の拡大及び成長を見込んでおります。そのため、企業規模拡大に応じた内部管理体制の構築を図るために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化、内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、昨今、システム障害、自然災害等による不測の事態による事業の停止や人権への配慮等、企業を取り巻くリスクも多様化しております。そのため、当社の事業に関連する法規制や社会的要請等の環境変化にも対応しつつ、企業としてより一層強靭化をするために、内部管理体制の整備及び改善に努めてまいります。