有価証券届出書(新規公開時)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
第11期連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は7,793,759千円となり、前連結会計年度末に比べ1,430,597千円の増加となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加378,904千円及び販売用不動産の増加374,522千円により流動資産が821,619千円増加したこと、土地の増加155,946千円等により有形固定資産が272,313千円増加したこと、不動産共同事業に伴う出資金が255,000千円増加したことなどにより、投資その他の資産が337,113千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,362,581千円となり、前連結会計年度末に比べ1,196,174千円の増加となりました。主な増加要因は、預り金の増加374,894千円、前受収益の増加69,382千円、前受金の増加46,318千円などにより流動負債が567,608千円増加したこと、長期借入金の増加598,781千円などにより固定負債が628,566千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,431,177千円となり、前連結会計年度末に比べ234,423千円の増加となりました。これは主として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益の計上432,780千円及び配当金の支払額122,545千円並びに収益認識基準の適用に伴う期首利益剰余金の累積的影響額△70,684千円の計上により、利益剰余金が239,549千円増加したことによるものであります。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は8,627,877千円となり、前連結会計年度末に比べ834,117千円の増加となりました。主な増加要因は、販売用不動産が101,895千円減少したものの、現金及び預金が766,867千円、売掛金が145,762千円それぞれ増加したことに伴い、流動資産が820,253千円増加したことによります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は4,949,670千円となり、前連結会計年度末に比べ587,089千円の増加となりました。主な増加要因は、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金合計額が129,958千円、未払費用が147,048千円それぞれ減少したものの、前受金が69,394千円、前受収益が117,124千円、預り金が494,961千円、賞与引当金が76,636千円それぞれ増加したことによります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は3,678,206千円となり、前連結会計年度末に比べ247,028千円の増加となりました。主な増加要因は、配当金の支払額が138,256千円あったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を379,818千円計上したこと及びその他有価証券評価差額金が4,566千円増加したことによります。
② 経営成績の状況
第11期連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動が回復に向けて動きだしたことで、外食産業や小売り事業などを中心に緩やかに改善が進んでまいりました。しかしながら、依然として根強い感染の再拡大に対する懸念や、ウクライナ危機に端を発した地政学的な問題、エネルギー資源・原材料の高騰、外為市場の急速な円安など様々なリスクが山積する中、先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する不動産業界におきましては、社会経済活動が持ち直してきたことに加え、飲食業等の営業時間制限の撤廃、外国人留学生の受け入れ再開などの諸政策の効果を受けて、賃貸不動産の需要が回復傾向にあります。このような事業環境の下で、当社グループにおきましては中期経営計画に基づいた成長強化事業への積極的な投資継続を行い、これまでに培った基盤を活かした持続的成長モデルへの移行に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は4,864,786千円(前年同期比6.6%増)となりましたが、外注費や広告宣伝費及び人件費や地代家賃等の増加により営業利益は612,494千円(同1.2%増)となり、助成金収入が増加したことなどにより経常利益は685,168千円(同5.4%増)、減損損失の計上や法人税等の増加により親会社株主に帰属する当期純利益は432,780千円(同1.3%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(不動産仲介事業)
賃貸住宅の仲介手数料は828,085千円(前年同期比2.3%増)と高水準を保ちました。賃貸物件オーナーからの広告料の収受を取りやめたため広告料収入は669,176千円減少しましたが入居後サポートに係る業務委託料収入が771,217千円増加して十分に補い、賃貸物件の家賃収入が64,876千円増加したことなどが寄与し売上高は2,414,637千円と前年同期比6.8%の増収となりました。
他方、人件費の増加や新規取得賃貸物件に係る減価償却費の増加、新規出店に伴う家賃の増加などによりセグメント利益(営業利益)は225,926千円と前連結会計年度と比べ58,212千円、20.5%の減益となりました。
(不動産管理事業)
管理物件数の増加に伴い管理料収入が前年同期比50,958千円、7.5%増となり、改装収入も同99,266千円、13.8%増となったことなどが寄与し、売上高は1,814,886千円と前年同期比7.2%の増収となりました。
また、セグメント利益(営業利益)は245,321千円と前連結会計年度と比べ7,232千円、3.0%の増益となりました。
(居住者サポート事業)
新電力やインターネット接続等の取次業務収入は前年同期比29,085千円、22.9%増と好調でしたが、保険代理店手数料は主に当連結会計年度から適用した収益認識基準の影響で若干の減収となりました。家賃滞納保証業務収入は前年同期比微増で引越し事業は若干の減収となりましたので、売上高は635,262千円と前年同期比3.9%の増収にとどまりました。
他方、人件費と取次業務収入に係る他セグメントへの内部紹介料の増加により、セグメント利益(営業利益)は427,947千円と前連結会計年度と比べ32,035千円、7.0%の減益となりました。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2023年3月31日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は緩和されつつあるものの、ロシア・ウクライナ危機に端を発した世界的なエネルギー、食料品価格の高騰や世界経済減速の影響を受け、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症等の影響で低迷していた不動産需要も住宅の実需者層を中心に堅調に推移しはじめており、当社グループが主力とする賃貸不動産業界も需要は着実に回復傾向にあります。このような事業環境の下で、当社グループにおきましては賃貸、売買、仲介事業における収益確保や賃貸管理物件の新規獲得に加え、引き続き成長強化事業への積極的な投資を行い、持続的成長モデルの構築に努めてまいりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は2,851,181千円、営業利益は568,347千円、経常利益は571,794千円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は379,818千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(不動産仲介事業)
主に不動産賃貸仲介手数料489,792千円、業務委託料収入383,550千円及び販売用不動産の売上214,866千円などにより、外部顧客への売上高は1,524,552千円となり、セグメント利益(営業利益)は326,239千円となりました。
(不動産管理事業)
主に不動産管理料376,834千円、改装売上収入470,181千円並びに更新手数料及び更新事務手数料115,698千円などにより、外部顧客への売上高は1,025,547千円となり、セグメント利益(営業利益)は187,870千円となりました。
(居住者サポート事業)
主に電気・ガス等の取次料収入81,264千円、保険代理店手数料45,760千円、滞納保証料62,436千円、引越売上26,299千円及びREサポート売上67,107千円などにより、外部顧客への売上高は301,081千円となり、セグメント利益(営業利益)は189,771千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第11期連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて378,903千円増加し3,319,156千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は286,531千円となりました。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益662,303千円、減価償却費110,636千円及び前受金の増減額42,197千円であります。他方、資金の主な減少要因は、棚卸資産の増減額△275,051千円及び法人税等の支払額△244,438千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は764,949千円となりました。資金の主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出△496,063千円、投資有価証券の取得による支出△41,342千円及び不動産特定共同事業組合出資による支出△255,000千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は855,627千円となりました。資金の主な増加要因は、長期借入れによる収入730,000千円及び不動産特定共同事業預り金の増加額360,000千円であります。他方、資金の主な減少要因は、長期借入金の返済による支出△111,826千円及び配当金の支払額△122,545千円であります。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2023年3月31日)
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて757,867千円増加し、4,077,024千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,077,925千円となりました。資金の主な増加要因は、税金等調整前四半期純利益570,021千円、減価償却費54,532千円、賞与引当金の増減額76,636千円、棚卸資産の増減額100,393千円、前受収益の増減額108,058千円、前受金の増減額69,394千円、仕入債務の増減額48,939千円、預り金の増減額495,488千円及び法人税等の還付額46,624千円であります。他方、資金の主な減少要因は、売上債権の増減額△148,994千円、未払費用の増減額△147,047千円及び法人税等の支払額△210,523千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は51,714千円となりました。主な使途は有形固定資産の取得による支出△44,929千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は268,214千円となりました。主な使途は、長期借入金の返済による支出△129,958千円及び配当金の支払額△138,256千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループにおけるセグメントには製造関連事業はありませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループにおけるセグメントには製造関連事業はありませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、当社における不動産売買業務、不動産賃貸業務のほか、株式会社エリッツにおいて賃貸仲介業務を多店舗展開していることから、店舗網のスクラップ・アンド・ビルドが必要となることがあり、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは販売用不動産の評価と固定資産の減損であります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失16,002千円を計上いたしました。
また、会計上の見積りを行ううえでの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照下さい。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループでは、運転資金及び設備資金は基本的に手許資金で賄っております。当社グループの主たる資金需要は、販売用不動産購入資金、自社企画投資用不動産プロジェクト資金であります。販売用不動産購入資金は、小型物件については手許資金、大型物件については物件毎の販売計画に基づいて金融機関からの長期借入金で調達しております。また、自社企画投資用不動産プロジェクト資金は、プロジェクト毎の企画書に基づいて金融機関からの長期借入金で調達しております。
以上のとおり、当社グループの事業運営を円滑に遂行するための資金の調達方法及び資金の流動性は十分に維持・確保できているものと認識しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの報告セグメントは不動産仲介事業、不動産管理事業、居住者サポート事業から構成されております。
不動産仲介事業の主たる収益は、賃貸物件に入居を希望されるお客様から頂戴する借主仲介手数料と賃貸物件のオーナー様から頂戴する貸主仲介手数料、業務委託手数料であり、仲介件数が減少すれば借主仲介手数料、貸主仲介手数料及び業務委託手数料のすべてが減少し、当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。
また、自社保有賃貸用不動産の家賃収入については、経営成績に影響を与える要因は自社保有物件の戸数及び入居率であります。なお、自社保有物件の採算が悪化した場合、固定資産の減損会計が当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。
不動産管理事業の主たる収益は、管理委託契約に基づく管理収入、管理業務に付随するリフォーム工事等から得られる収益であり、経営成績に影響を与える要因は管理戸数及び管理物件の入居率であります。
居住者サポート事業の主たる収益は、REサポート(24時間駆けつけサービス)、保険代理店手数料、家賃滞納保証手数料、各種サービスの取次手数料及び引越サービスであり、経営成績に影響を与える要因は各サービスの取扱件数であります。これらはいずれも小口多数の契約の集積であり、不動産仲介事業での取扱件数や不動産管理事業での管理戸数の影響を受けております。居住者サポート事業は不動産仲介事業や不動産管理事業で蓄積された顧客情報等の情報資産の活用により低コストで運営できている事業でありますが、不動産仲介事業での取扱件数や不動産管理事業での管理戸数が大幅に減少すると、当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。
その他、経営成績に与える要因については、「第2 事業の状況 事業等のリスク」に記載のとおり認識しておりますが、各種対応策を実施することでリスク要因の低減を図っております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、毎年売上高の前年比7%成長を掲げ、既に7年が経過しました。新型コロナウイルス感染症の発生以降、前年対比プラス成長はクリアしておりますが、売上高の前年比7%成長については達成できなかった年度もありました。しかしながら、管理物件数は着実に成長しており、入居者アンケートにおいても、約85%以上のお客様に当社対応に関して満足の旨の回答をいただいております。また、賃貸物件オーナーにおいても当社グループ管理物件の入居率に満足いただき、賃貸経営の収益安定に寄与することで当社グループが今後さらなる成長を遂げられることを目標としております。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について
当社グループの中期経営計画における戦略テーマは、「管理拡大」、「仲介拡大」、「財務体質の強化」としており、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、a.不動産管理事業においては管理物件数、b.不動産仲介事業においては仲介件数、並びにc.財務指標においては資産合計、自己資本比率及び総資本経常利益率を重視しております。
管理物件数は不動産管理事業における事業計画の進捗度合の把握・分析のため、仲介件数は不動産仲介事業における事業計画の進捗度合の把握・分析のため、また、資産合計、自己資本比率及び総資本経常利益率は当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として活用しております。
当社グループの管理物件数、仲介件数及び財務指標の推移は以下のとおりであります。
a.不動産管理事業
b.不動産仲介事業
c.財務指標
① 財政状態の状況
第11期連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は7,793,759千円となり、前連結会計年度末に比べ1,430,597千円の増加となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加378,904千円及び販売用不動産の増加374,522千円により流動資産が821,619千円増加したこと、土地の増加155,946千円等により有形固定資産が272,313千円増加したこと、不動産共同事業に伴う出資金が255,000千円増加したことなどにより、投資その他の資産が337,113千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は4,362,581千円となり、前連結会計年度末に比べ1,196,174千円の増加となりました。主な増加要因は、預り金の増加374,894千円、前受収益の増加69,382千円、前受金の増加46,318千円などにより流動負債が567,608千円増加したこと、長期借入金の増加598,781千円などにより固定負債が628,566千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,431,177千円となり、前連結会計年度末に比べ234,423千円の増加となりました。これは主として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益の計上432,780千円及び配当金の支払額122,545千円並びに収益認識基準の適用に伴う期首利益剰余金の累積的影響額△70,684千円の計上により、利益剰余金が239,549千円増加したことによるものであります。
項目 | 第10期連結会計年度末 (2021年9月30日) | 第11期連結会計年度末 (2022年9月30日) | 増減額 |
資産合計(千円) | 6,363,161 | 7,793,759 | 1,430,597 |
負債合計(千円) | 3,166,407 | 4,362,581 | 1,196,174 |
純資産合計(千円) | 3,196,754 | 3,431,177 | 234,423 |
第12期第2四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は8,627,877千円となり、前連結会計年度末に比べ834,117千円の増加となりました。主な増加要因は、販売用不動産が101,895千円減少したものの、現金及び預金が766,867千円、売掛金が145,762千円それぞれ増加したことに伴い、流動資産が820,253千円増加したことによります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は4,949,670千円となり、前連結会計年度末に比べ587,089千円の増加となりました。主な増加要因は、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金合計額が129,958千円、未払費用が147,048千円それぞれ減少したものの、前受金が69,394千円、前受収益が117,124千円、預り金が494,961千円、賞与引当金が76,636千円それぞれ増加したことによります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は3,678,206千円となり、前連結会計年度末に比べ247,028千円の増加となりました。主な増加要因は、配当金の支払額が138,256千円あったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を379,818千円計上したこと及びその他有価証券評価差額金が4,566千円増加したことによります。
項目 | 第11期連結会計年度末 (2022年9月30日) | 第12期第2四半期 連結会計期間末 (2023年3月31日) | 増減額 |
資産合計(千円) | 7,793,759 | 8,627,877 | 834,117 |
負債合計(千円) | 4,362,581 | 4,949,670 | 587,089 |
純資産合計(千円) | 3,431,177 | 3,678,206 | 247,028 |
② 経営成績の状況
第11期連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が徐々に緩和され、社会経済活動が回復に向けて動きだしたことで、外食産業や小売り事業などを中心に緩やかに改善が進んでまいりました。しかしながら、依然として根強い感染の再拡大に対する懸念や、ウクライナ危機に端を発した地政学的な問題、エネルギー資源・原材料の高騰、外為市場の急速な円安など様々なリスクが山積する中、先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループの属する不動産業界におきましては、社会経済活動が持ち直してきたことに加え、飲食業等の営業時間制限の撤廃、外国人留学生の受け入れ再開などの諸政策の効果を受けて、賃貸不動産の需要が回復傾向にあります。このような事業環境の下で、当社グループにおきましては中期経営計画に基づいた成長強化事業への積極的な投資継続を行い、これまでに培った基盤を活かした持続的成長モデルへの移行に努めてまいりました。
当連結会計年度の売上高は4,864,786千円(前年同期比6.6%増)となりましたが、外注費や広告宣伝費及び人件費や地代家賃等の増加により営業利益は612,494千円(同1.2%増)となり、助成金収入が増加したことなどにより経常利益は685,168千円(同5.4%増)、減損損失の計上や法人税等の増加により親会社株主に帰属する当期純利益は432,780千円(同1.3%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(不動産仲介事業)
賃貸住宅の仲介手数料は828,085千円(前年同期比2.3%増)と高水準を保ちました。賃貸物件オーナーからの広告料の収受を取りやめたため広告料収入は669,176千円減少しましたが入居後サポートに係る業務委託料収入が771,217千円増加して十分に補い、賃貸物件の家賃収入が64,876千円増加したことなどが寄与し売上高は2,414,637千円と前年同期比6.8%の増収となりました。
他方、人件費の増加や新規取得賃貸物件に係る減価償却費の増加、新規出店に伴う家賃の増加などによりセグメント利益(営業利益)は225,926千円と前連結会計年度と比べ58,212千円、20.5%の減益となりました。
(不動産管理事業)
管理物件数の増加に伴い管理料収入が前年同期比50,958千円、7.5%増となり、改装収入も同99,266千円、13.8%増となったことなどが寄与し、売上高は1,814,886千円と前年同期比7.2%の増収となりました。
また、セグメント利益(営業利益)は245,321千円と前連結会計年度と比べ7,232千円、3.0%の増益となりました。
(居住者サポート事業)
新電力やインターネット接続等の取次業務収入は前年同期比29,085千円、22.9%増と好調でしたが、保険代理店手数料は主に当連結会計年度から適用した収益認識基準の影響で若干の減収となりました。家賃滞納保証業務収入は前年同期比微増で引越し事業は若干の減収となりましたので、売上高は635,262千円と前年同期比3.9%の増収にとどまりました。
他方、人件費と取次業務収入に係る他セグメントへの内部紹介料の増加により、セグメント利益(営業利益)は427,947千円と前連結会計年度と比べ32,035千円、7.0%の減益となりました。
セグメント名称 | 第10期連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) 売上高(千円) | 第11期連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) 売上高(千円) | 増減額 (千円) | 増減率 (%) |
不動産仲介事業 | 2,261,634 | 2,414,637 | 153,003 | 6.8 |
不動産管理事業 | 1,692,338 | 1,814,886 | 122,547 | 7.2 |
居住者サポート事業 | 611,676 | 635,262 | 23,586 | 3.9 |
合計 | 4,565,649 | 4,864,786 | 299,137 | 6.6 |
第12期第2四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2023年3月31日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響は緩和されつつあるものの、ロシア・ウクライナ危機に端を発した世界的なエネルギー、食料品価格の高騰や世界経済減速の影響を受け、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症等の影響で低迷していた不動産需要も住宅の実需者層を中心に堅調に推移しはじめており、当社グループが主力とする賃貸不動産業界も需要は着実に回復傾向にあります。このような事業環境の下で、当社グループにおきましては賃貸、売買、仲介事業における収益確保や賃貸管理物件の新規獲得に加え、引き続き成長強化事業への積極的な投資を行い、持続的成長モデルの構築に努めてまいりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は2,851,181千円、営業利益は568,347千円、経常利益は571,794千円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は379,818千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(不動産仲介事業)
主に不動産賃貸仲介手数料489,792千円、業務委託料収入383,550千円及び販売用不動産の売上214,866千円などにより、外部顧客への売上高は1,524,552千円となり、セグメント利益(営業利益)は326,239千円となりました。
(不動産管理事業)
主に不動産管理料376,834千円、改装売上収入470,181千円並びに更新手数料及び更新事務手数料115,698千円などにより、外部顧客への売上高は1,025,547千円となり、セグメント利益(営業利益)は187,870千円となりました。
(居住者サポート事業)
主に電気・ガス等の取次料収入81,264千円、保険代理店手数料45,760千円、滞納保証料62,436千円、引越売上26,299千円及びREサポート売上67,107千円などにより、外部顧客への売上高は301,081千円となり、セグメント利益(営業利益)は189,771千円となりました。
セグメント名称 | 外部顧客への売上高(千円) | セグメント利益(千円) |
不動産仲介事業 | 1,524,552 | 326,239 |
不動産管理事業 | 1,025,547 | 187,870 |
居住者サポート事業 | 301,081 | 189,771 |
調整 | - | △135,534 |
合計 | 2,851,181 | 568,347 |
③ キャッシュ・フローの状況
第11期連結会計年度(自 2021年10月1日 至 2022年9月30日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて378,903千円増加し3,319,156千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は286,531千円となりました。資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益662,303千円、減価償却費110,636千円及び前受金の増減額42,197千円であります。他方、資金の主な減少要因は、棚卸資産の増減額△275,051千円及び法人税等の支払額△244,438千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は764,949千円となりました。資金の主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出△496,063千円、投資有価証券の取得による支出△41,342千円及び不動産特定共同事業組合出資による支出△255,000千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は855,627千円となりました。資金の主な増加要因は、長期借入れによる収入730,000千円及び不動産特定共同事業預り金の増加額360,000千円であります。他方、資金の主な減少要因は、長期借入金の返済による支出△111,826千円及び配当金の支払額△122,545千円であります。
第12期第2四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2023年3月31日)
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて757,867千円増加し、4,077,024千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,077,925千円となりました。資金の主な増加要因は、税金等調整前四半期純利益570,021千円、減価償却費54,532千円、賞与引当金の増減額76,636千円、棚卸資産の増減額100,393千円、前受収益の増減額108,058千円、前受金の増減額69,394千円、仕入債務の増減額48,939千円、預り金の増減額495,488千円及び法人税等の還付額46,624千円であります。他方、資金の主な減少要因は、売上債権の増減額△148,994千円、未払費用の増減額△147,047千円及び法人税等の支払額△210,523千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は51,714千円となりました。主な使途は有形固定資産の取得による支出△44,929千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は268,214千円となりました。主な使途は、長期借入金の返済による支出△129,958千円及び配当金の支払額△138,256千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループにおけるセグメントには製造関連事業はありませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループにおけるセグメントには製造関連事業はありませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
第11期連結会計年度及び第12期第2四半期連結累計期間における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメント名称 | 第11期連結会計年度 (自2021年10月1日 至2022年9月30日) | 第12期第2四半期連結累計期間 (自2022年10月1日 至2023年3月31日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | |
不動産仲介事業 | 2,414,637 | 106.8 | 1,524,552 |
不動産管理事業 | 1,814,886 | 107.2 | 1,025,547 |
居住者サポート事業 | 635,262 | 103.9 | 301,081 |
合計 | 4,864,786 | 106.6 | 2,851,181 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、財政状態及び経営成績に影響を与える会計上の見積りを行う必要があります。当社グループはこの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、当社における不動産売買業務、不動産賃貸業務のほか、株式会社エリッツにおいて賃貸仲介業務を多店舗展開していることから、店舗網のスクラップ・アンド・ビルドが必要となることがあり、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは販売用不動産の評価と固定資産の減損であります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失16,002千円を計上いたしました。
また、会計上の見積りを行ううえでの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照下さい。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループでは、運転資金及び設備資金は基本的に手許資金で賄っております。当社グループの主たる資金需要は、販売用不動産購入資金、自社企画投資用不動産プロジェクト資金であります。販売用不動産購入資金は、小型物件については手許資金、大型物件については物件毎の販売計画に基づいて金融機関からの長期借入金で調達しております。また、自社企画投資用不動産プロジェクト資金は、プロジェクト毎の企画書に基づいて金融機関からの長期借入金で調達しております。
以上のとおり、当社グループの事業運営を円滑に遂行するための資金の調達方法及び資金の流動性は十分に維持・確保できているものと認識しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの報告セグメントは不動産仲介事業、不動産管理事業、居住者サポート事業から構成されております。
不動産仲介事業の主たる収益は、賃貸物件に入居を希望されるお客様から頂戴する借主仲介手数料と賃貸物件のオーナー様から頂戴する貸主仲介手数料、業務委託手数料であり、仲介件数が減少すれば借主仲介手数料、貸主仲介手数料及び業務委託手数料のすべてが減少し、当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。
また、自社保有賃貸用不動産の家賃収入については、経営成績に影響を与える要因は自社保有物件の戸数及び入居率であります。なお、自社保有物件の採算が悪化した場合、固定資産の減損会計が当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。
不動産管理事業の主たる収益は、管理委託契約に基づく管理収入、管理業務に付随するリフォーム工事等から得られる収益であり、経営成績に影響を与える要因は管理戸数及び管理物件の入居率であります。
居住者サポート事業の主たる収益は、REサポート(24時間駆けつけサービス)、保険代理店手数料、家賃滞納保証手数料、各種サービスの取次手数料及び引越サービスであり、経営成績に影響を与える要因は各サービスの取扱件数であります。これらはいずれも小口多数の契約の集積であり、不動産仲介事業での取扱件数や不動産管理事業での管理戸数の影響を受けております。居住者サポート事業は不動産仲介事業や不動産管理事業で蓄積された顧客情報等の情報資産の活用により低コストで運営できている事業でありますが、不動産仲介事業での取扱件数や不動産管理事業での管理戸数が大幅に減少すると、当社の経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。
その他、経営成績に与える要因については、「第2 事業の状況 事業等のリスク」に記載のとおり認識しておりますが、各種対応策を実施することでリスク要因の低減を図っております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、毎年売上高の前年比7%成長を掲げ、既に7年が経過しました。新型コロナウイルス感染症の発生以降、前年対比プラス成長はクリアしておりますが、売上高の前年比7%成長については達成できなかった年度もありました。しかしながら、管理物件数は着実に成長しており、入居者アンケートにおいても、約85%以上のお客様に当社対応に関して満足の旨の回答をいただいております。また、賃貸物件オーナーにおいても当社グループ管理物件の入居率に満足いただき、賃貸経営の収益安定に寄与することで当社グループが今後さらなる成長を遂げられることを目標としております。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について
当社グループの中期経営計画における戦略テーマは、「管理拡大」、「仲介拡大」、「財務体質の強化」としており、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、a.不動産管理事業においては管理物件数、b.不動産仲介事業においては仲介件数、並びにc.財務指標においては資産合計、自己資本比率及び総資本経常利益率を重視しております。
管理物件数は不動産管理事業における事業計画の進捗度合の把握・分析のため、仲介件数は不動産仲介事業における事業計画の進捗度合の把握・分析のため、また、資産合計、自己資本比率及び総資本経常利益率は当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として活用しております。
当社グループの管理物件数、仲介件数及び財務指標の推移は以下のとおりであります。
a.不動産管理事業
2021年9月期 | 2022年9月期 | 増減 | |
管理物件数(戸) | 23,181 | 24,451 | 1,270 |
(参考)入居件数(戸) | 21,898 | 23,200 | 1,302 |
(参考)入居率(%) | 94.5 | 94.9 | 0.4ポイント |
b.不動産仲介事業
2021年9月期 | 2022年9月期 | 増減 | |
仲介件数(件) | 16,327 | 17,101 | 774 |
c.財務指標
2021年9月期 | 2022年9月期 | 増減 | |
資産合計(百万円) | 6,363 | 7,793 | 1,430 |
自己資本比率(%) | 50.2 | 44.0 | △6.2ポイント |
総資本経常利益率(%) | 10.5 | 9.7 | △0.8ポイント |