有価証券報告書-第51期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
107項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,402,930千円となり、前事業年度末に比べ195,642千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が180,858千円、仕掛品が10,777千円、前払費用が6,199千円増加した一方、売掛金が3,311千円減少したことによるものであります。固定資産は816,263千円となり、前事業年度末に比べ186,239千円増加いたしました。これは主に工具、器具及び備品が2,518千円、投資有価証券が76,416千円、繰延税金資産が101,887千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債は1,247,235千円となり、前事業年度末に比べ446,836千円増加いたしました。これは主に長期未払金が振り替わったこと等により未払金が507,825千円増加した一方、買掛金が22,193千円、未払法人税等が14,095千円、賞与引当金が18,419千円減少したことによるものであります。固定負債は142,649千円となり、前事業年度末に比べ522,868千円減少いたしました。これは主に前述のとおり長期未払金が500,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は3,829,308千円となり、前事業年度末に比べ457,912千円増加いたしました。これは利益剰余金が393,629千円、その他有価証券評価差額金が64,283千円増加したことによるものであります。
b.経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、官民一体となって取組んできた新型コロナウイルス感染症対策の成果により、ウィズコロナのもとで各種政策の効果もあり、一部に弱さがみられるものの、景気は緩やかに持ち直してきました。一方、世界的な金融引締め等が続いており、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクや、物価上昇による企業の設備投資姿勢の慎重化や消費者の消費意欲の減退が、景気回復の抑制要因となることが懸念されました。
当社が属する情報サービス業界においては、設備投資に持ち直しの動きがみられ、ソフトウェア投資も緩やかに増加しております。また、アフターコロナを見据えた事業構造の変革や競争力の強化を狙うDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れはますます加速しており、中長期的にも市場規模の拡大が期待されております。
こうした環境のもと、当社はクラウド、AI、ビッグデータ、ロボティクスなどのDX関連事業を成長の柱とする中期経営計画を推進しており、不足する人材を確保するために経験者採用へのアプローチを強化するとともに、DX人材の教育育成にも力を入れ、早期に戦力化することに全力をあげております。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による当社事業領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX関連分野をはじめとする新分野に係る案件獲得に努めてまいりました。
また、当事業年度に係る株主総会の終結の時をもって、当社取締役会長の山田孝が取締役を任期満了に伴い退任する予定であり、退任に伴い支給を予定している役員退職慰労未払金に係る繰延税金資産がスケジューリング可能となったことに伴い、法人税等調整額が152,900千円減少いたしました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,163,836千円(前年同期比2.9%増)、営業利益502,153千円(前年同期比21.4%増)、経常利益517,413千円(前年同期比7.2%増)、当期純利益497,479千円(前年同期比46.9%増)となりました。
当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」(注)の4つのサービスラインに区分しております。
(注)2022年4月から、新技術領域の強化を目的に「金融事業」から独立した、「ITイノベーション事業」を設置し、4つのサービスラインとしました。このサービスラインは、さまざまな事業領域のデジタルソリューション事業を担当するとともに、他のサービスラインと横断的に協力し、当社のDX関連事業を強化・推進させてまいります。
当社のサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
売上高(千円)5,992,1886,163,836102.9
金融事業(千円)2,329,3672,469,705106.0
産業流通事業(千円)1,774,0511,757,12399.0
社会公共事業(千円)1,440,5701,449,100100.6
ITイノベーション事業(注)(千円)448,198487,906108.9
営業利益(千円)413,650502,153121.4
経常利益(千円)482,609517,413107.2
当期純利益(千円)338,551497,479146.9

(注)前事業年度は、ITイノベーション事業(2022年4月に金融事業から独立)設置前にはなりますが、前事業年度における金融事業の売上高に含まれる、ITイノベーション事業相当の売上高を算出し、前事業年度のITイノベーション事業の売上高としております。また、同額を金融事業の売上高より控除して前事業年度の金融事業の売上高としております。
(a) 金融事業
金融事業は、地銀・都銀、取引所、保険、証券、クレジットの各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
引き続き主力である地銀・都銀分野での受注拡大に注力しつつ、引き合い件数が増加している保険分野での新規案件の受注獲得にも尽力し、両分野を中心として堅調に推移しております。
この結果、売上高は2,469,705千円(前年同期比6.0%増)となっております。
(b) 産業流通事業
産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である産業流通分野につきましては流通システム案件、自動車関連システム案件、医薬システム案件を中心に堅調に推移いたしましたが、期初における半導体不足等の影響により、マイコン分野、医療分野においては案件の遅延や案件金額の減少が生じました。
この結果、売上高は1,757,123千円(前年同期比1.0%減)となっております。
(c) 社会公共事業
社会公共事業は、社会基盤(電力ICT等)分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である電力ICT分野、社会インフラ分野につきましては堅調に推移いたしましたが、公共分野において得意先の入札結果の低迷や、メディア情報分野においての業容拡大の停滞等の影響を受け、事業全体としては鈍化いたしました。
この結果、売上高は1,449,100千円(前年同期比0.6%増)となっております。
(d) ITイノベーション事業
ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発、運用保守を中心に事業を展開しており、2022年4月から追加(金融事業から独立)したサービスラインになります。
一部の案件に開発開始の遅延が生じる等ありますが、総じてクラウドシステムのインフラ構築案件等、確実な受注ができていることにより堅調に推移しております。
この結果、売上高は487,906千円(前年同期比8.9%増)となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ180,858千円増加し、2,089,135千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は305,821千円(前事業年度は210,723千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が517,413千円、法人税等の支払額が148,049千円、仕入債務の減少額が22,193千円、退職給付引当金の減少額が22,873千円、賞与引当金の減少額が18,419千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18,112千円(前事業年度は76,346千円の収入)となりました。これは主に、固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は106,850千円(前事業年度は83,080千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額103,850千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
サービスライン名称当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
金融事業(千円)2,096,746104.6
産業流通事業(千円)1,482,35299.0
社会公共事業(千円)1,130,28197.8
ITイノベーション事業(千円)408,129110.1
合計(千円)5,117,510101.8

(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(33,787千円)は上記には含めておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
サービスライン名称当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
金融事業2,535,845108.3550,986113.6
産業流通事業1,811,174102.3340,973118.8
社会公共事業1,562,137108.7306,551158.4
ITイノベーション事業500,270110.9119,143111.6
合計6,409,427106.81,317,655122.9

(注)金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
サービスライン名称当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
金融事業(千円)2,469,705106.0
産業流通事業(千円)1,757,12399.0
社会公共事業(千円)1,449,100100.6
ITイノベーション事業(千円)487,906108.9
合計(千円)6,163,836102.9

(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社日立製作所2,655,37344.32,755,93244.7
メルコ・パワー・システムズ株式会社(注)636,01310.6--

(注)2022年4月に、同社を含む三菱電機株式会社のソフトウェア設計子会社6社が経営統合し、
「三菱電機ソフトウエア株式会社」に社名を変更しております。なお、当事業年度における同社に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は5,219,193千円となり、前事業年度末と比較して381,881千円の増加となりました。また、当事業年度末における自己資本は、3,829,308千円となり、前事業年度末と比較して457,912千円の増加となりました。
以上の結果から、当事業年度末における自己資本比率は73.4%(前事業年度末は69.7%)となり前年同期比で3.7ポイント上昇いたしました。
b.経営成績の状況
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は6,163,836千円であり、前事業年度より171,647千円増加(2.9%増)いたしました。主な要因としては、DX関連案件の獲得が堅調であったことによるものであります。
また、売上原価は5,131,554千円となり、前事業年度より66,064千円増加(1.3%増)となりました。これにより、売上総利益につきましては、前事業年度より105,582千円増加(11.4%増)の1,032,282千円となっております。
当事業年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は530,128千円であり、前事業年度より17,079千円増加(3.3%増)いたしました。主な要因は、人員増加に伴い給料及び手当が11,112千円増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は502,153千円となり、前事業年度より88,502千円増加(21.4%増)いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は18,260千円となり、前事業年度より50,698千円減少(73.5%減)いたしました。これは保険解約返戻金が減少したことによるものであります。また、当事業年度の営業外費用は3,000千円であり、前事業年度より3,000千円増加いたしました。これは、上場関連費用を計上したことによるものであります。
その結果、経常利益は517,413千円となり、前事業年度より34,804千円増加(7.2%増)いたしました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は19,933千円となり、前事業年度より124,123千円減少(86.2%減)いたしました。主な要因としては、スケジューリング可能となった長期未払金に係る繰延税金資産の計上(152,900千円)及び税率変更による繰延税金資産の取崩(36,793千円)等に伴い、法人税等調整額が124,454千円減少したことによるものであります。
以上の結果より、当期純利益は497,479千円となり、前事業年度より158,927千円増加(46.9%増)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。
当事業年度においては、財務活動で使用した資金は、営業活動により得られた資金で賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。今後、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。
なお、当事業年度末現在、当社は通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は、一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得水準の見積りに依存するため、結果として将来の繰延税金資産の計上額が変動し、税金費用に影響を与える可能性があります。
(受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
当社は、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。
収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当事業年度末におきましては、計上はありません。
(プログラム保証引当金)
当社は、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。

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