有価証券報告書-第52期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,121,025千円となり、前事業年度末に比べ281,904千円減少いたしました。これは主に売掛金が160,074千円増加した一方、現金及び預金が483,590千円減少したことによるものであります。固定資産は1,757,916千円となり、前事業年度末に比べ941,653千円増加いたしました。これは主に満期保有目的の債券の購入(600,000千円)や時価の変動により投資有価証券が1,067,705千円増加した一方、繰延税金資産が173,503千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債は939,909千円となり、前事業年度末に比べ307,326千円減少いたしました。これは主に買掛金が55,633千円、人件費関連の引当金(賞与引当金及び役員賞与引当金)が56,435千円増加した一方、未払金が483,090千円減少したことによるものであります。固定負債は227,390千円となり、前事業年度末に比べ84,741千円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が112,210千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,711,642千円となり、前事業年度末に比べ882,334千円増加いたしました。これは主に東京証券取引所スタンダード市場への上場に伴う増資及び自己株式の処分並びにオーバーアロットメントに係る新株発行によって資本金が115,630千円、資本剰余金が282,682千円増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が324,681千円、利益剰余金が266,719千円増加したことによるものであります。
b.経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進み、東欧・ロシアや中東地域をめぐる情勢の不安、国内における円安によるコスト負担増加や能登半島地震等の自然災害の影響はあったものの、インバウンド消費の拡大や大手企業を中心とした賃上げをはじめとした雇用、所得環境の改善により、引き続き回復傾向がみられました。
当社が属する情報サービス業界におきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた企業の旺盛なIT投資による需要拡大が続いております。また、供給面では、システムエンジニア等のIT関連の人材不足は続いており、需給ギャップの拡大に伴い、システムソフトウェアの開発単価の上昇も続いております。このような需要拡大と単価上昇を受け、足元の国内情報サービス市場は過去最高水準を更新するとともに、中長期的においても市場規模の拡大が期待されております。
こうした環境のもと、当社はクラウド、ビッグデータなどのDX関連事業、AIの活用を成長の柱とする中期経営計画を推進しており、当事業年度においては、不足する人材を確保するためリファラル採用等、経験者採用へのアプローチを積極的に実施してきました。また、DX人材の教育育成にも力を入れ、早期に戦力化することに全力をあげております。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による当社事業領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX関連分野をはじめとする新分野に係る案件獲得に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,896,830千円(前年同期比11.9%増)、営業利益591,194千円(前年同期比17.7%増)、経常利益632,479千円(前年同期比22.2%増)、当期純利益441,579千円(前年同期比11.2%減)となりました。
当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」の4つのサービスラインに区分しております。
当社のサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。
(a) 金融事業
金融事業は、地銀・都銀、保険、証券、クレジットの各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
注力している生損保関連分野において、大型マイグレーション案件の受注が順調に拡大できたこと、及び、地銀・都銀、証券分野においても中型案件の受注拡大、新規案件の獲得ができたことにより堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は2,726,279千円(前年同期比10.4%増)となっております。
(b) 産業流通事業
産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である産業流通分野につきましては、流通システム案件、医薬システム案件を中心に継続して堅調に推移いたしました。また、医療分野におきましては下半期に複数の大規模案件が受注できたことにより大きく伸長いたしました。一方、マイコン分野におきましては、開発の延期、縮小の影響が残っているものの、家電案件、車載案件を中心に引き合いは活発になってきており、回復の途上ではありますが、その手応えを感じております。
この結果、売上高は1,898,927千円(前年同期比8.1%増)となっております。
(c) 社会公共事業
社会公共事業は、電力ICT分野、社会インフラ分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である電力ICT分野、メディア情報分野につきましては堅調に推移しております。また、公共分野においても自治体及び独立行政法人向けの案件は堅調に推移しており、下半期は上半期に比し、受注も増加傾向になってきております。なお、自治体標準化、ガバメントクラウド案件は本格始動を前に準備段階であり、緩やかな立ち上がりとなっております。
この結果、売上高は1,684,978千円(前年同期比16.3%増)となっております。
(d) ITイノベーション事業
ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発、運用保守を中心に事業を展開しております。
金融機関における自社運用のサーバから仮想サーバ、クラウドサーバへの移行ニーズを計画通り受注拡大に結び付けることができました。また、クラウドを中心とした案件の獲得に注力した結果、継続して案件を受注できたことにより業績は堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は586,645千円(前年同期比20.2%増)となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ116,409千円増加し、2,205,544千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は30,973千円(前事業年度は305,821千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が632,479千円、未払金の減少額が493,236千円、売上債権の増加額が161,319千円、仕入債務の増加額が55,633千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は7,245千円(前事業年度は18,112千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入及び払戻による収入(純額)が600,000千円、投資有価証券の取得による支出が600,000千円、固定資産の取得による支出が6,340千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は92,681千円(前事業年度は106,850千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入が231,260千円、自己株式の売却による収入が224,967千円、自己株式の取得による支出が165,295千円、配当金の支払額が174,764千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(29,306千円)は上記には含めておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は5,878,942千円となり、前事業年度末と比較して659,749千円の増加となりました。また、当事業年度末における自己資本は4,711,642千円となり、前事業年度末と比較して882,334千円の増加となりました。
以上の結果から、当事業年度末における自己資本比率は80.1%(前事業年度末は73.4%)となり前年同期比で6.7ポイント上昇いたしました。
b.経営成績の状況
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は6,896,830千円であり、前事業年度より732,994千円増加(11.9%増)いたしました。主な要因としては、企業の旺盛なIT投資による需要拡大によるものであります。
また、売上原価は5,683,586千円となり、前事業年度より552,032千円増加(10.8%増)となりました。これにより、売上総利益につきましては、前事業年度より180,961千円増加(17.5%増)の1,213,243千円となっております。
当事業年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は622,048千円であり、前事業年度より91,919千円増加(17.3%増)いたしました。主な要因は、外形標準課税の適用により租税公課が38,720千円、人員増加に伴い給料及び手当が31,823千円増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は591,194千円となり、前事業年度より89,041千円増加(17.7%増)いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は64,937千円となり、前事業年度より46,677千円増加(255.6%増)いたしました。これは主として保険解約返戻金44,431千円の計上によるものであります。また、当事業年度の営業外費用は23,652千円であり、前事業年度より20,652千円増加いたしました。これは主として上場関連費用が20,487千円増加したことによるものであります。
その結果、経常利益は632,479千円となり、前事業年度より115,066千円増加(22.2%増)いたしました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は190,900千円となり、前事業年度より170,966千円増加(857.7%増)いたしました。主な要因としては、前事業年度においてスケジューリング可能となった長期未払金に係る繰延税金資産の計上(152,900千円)に伴う法人税等調整額の減少が生じたことによるものであります。
以上の結果より、当期純利益は441,579千円となり、前事業年度より55,900千円減少(11.2%減)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。
当事業年度においては、未払金の減少により営業活動によるキャッシュ・フローは減少したものの、財務活動で獲得した資金と合わせ、投資活動により使用した資金を賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。また、財務資本提携等に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。
なお、当事業年度末現在、当社は通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は、一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得水準の見積りに依存するため、結果として将来の繰延税金資産の計上額が変動し、税金費用に影響を与える可能性があります。
(受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
当社は、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。
収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当事業年度末におきましては、計上はありません。
(プログラム保証引当金)
当社は、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は4,121,025千円となり、前事業年度末に比べ281,904千円減少いたしました。これは主に売掛金が160,074千円増加した一方、現金及び預金が483,590千円減少したことによるものであります。固定資産は1,757,916千円となり、前事業年度末に比べ941,653千円増加いたしました。これは主に満期保有目的の債券の購入(600,000千円)や時価の変動により投資有価証券が1,067,705千円増加した一方、繰延税金資産が173,503千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債は939,909千円となり、前事業年度末に比べ307,326千円減少いたしました。これは主に買掛金が55,633千円、人件費関連の引当金(賞与引当金及び役員賞与引当金)が56,435千円増加した一方、未払金が483,090千円減少したことによるものであります。固定負債は227,390千円となり、前事業年度末に比べ84,741千円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が112,210千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は4,711,642千円となり、前事業年度末に比べ882,334千円増加いたしました。これは主に東京証券取引所スタンダード市場への上場に伴う増資及び自己株式の処分並びにオーバーアロットメントに係る新株発行によって資本金が115,630千円、資本剰余金が282,682千円増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が324,681千円、利益剰余金が266,719千円増加したことによるものであります。
b.経営成績の状況
当事業年度における国内経済は、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進み、東欧・ロシアや中東地域をめぐる情勢の不安、国内における円安によるコスト負担増加や能登半島地震等の自然災害の影響はあったものの、インバウンド消費の拡大や大手企業を中心とした賃上げをはじめとした雇用、所得環境の改善により、引き続き回復傾向がみられました。
当社が属する情報サービス業界におきましては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた企業の旺盛なIT投資による需要拡大が続いております。また、供給面では、システムエンジニア等のIT関連の人材不足は続いており、需給ギャップの拡大に伴い、システムソフトウェアの開発単価の上昇も続いております。このような需要拡大と単価上昇を受け、足元の国内情報サービス市場は過去最高水準を更新するとともに、中長期的においても市場規模の拡大が期待されております。
こうした環境のもと、当社はクラウド、ビッグデータなどのDX関連事業、AIの活用を成長の柱とする中期経営計画を推進しており、当事業年度においては、不足する人材を確保するためリファラル採用等、経験者採用へのアプローチを積極的に実施してきました。また、DX人材の教育育成にも力を入れ、早期に戦力化することに全力をあげております。また、既存顧客とのパートナーシップの強化による当社事業領域の拡大及び顧客満足度の向上に努め、DX関連分野をはじめとする新分野に係る案件獲得に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の業績は、売上高6,896,830千円(前年同期比11.9%増)、営業利益591,194千円(前年同期比17.7%増)、経常利益632,479千円(前年同期比22.2%増)、当期純利益441,579千円(前年同期比11.2%減)となりました。
当社事業は、システムインテグレーションサービス事業の単一セグメントでありますが、事業戦略上、事業領域を「金融事業」、「産業流通事業」、「社会公共事業」、「ITイノベーション事業」の4つのサービスラインに区分しております。
当社のサービスライン別の業績を示すと、次のとおりであります。
| 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 | ||||
| (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | ||||
| 売上高 | (千円) | 6,163,836 | 6,896,830 | 111.9 | |
| 金融事業 | (千円) | 2,469,705 | 2,726,279 | 110.4 | |
| 産業流通事業 | (千円) | 1,757,123 | 1,898,927 | 108.1 | |
| 社会公共事業 | (千円) | 1,449,100 | 1,684,978 | 116.3 | |
| ITイノベーション事業 | (千円) | 487,906 | 586,645 | 120.2 | |
| 営業利益 | (千円) | 502,153 | 591,194 | 117.7 | |
| 経常利益 | (千円) | 517,413 | 632,479 | 122.2 | |
| 当期純利益 | (千円) | 497,479 | 441,579 | 88.8 | |
(a) 金融事業
金融事業は、地銀・都銀、保険、証券、クレジットの各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
注力している生損保関連分野において、大型マイグレーション案件の受注が順調に拡大できたこと、及び、地銀・都銀、証券分野においても中型案件の受注拡大、新規案件の獲得ができたことにより堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は2,726,279千円(前年同期比10.4%増)となっております。
(b) 産業流通事業
産業流通事業は、産業流通、マイコン、医療の各分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である産業流通分野につきましては、流通システム案件、医薬システム案件を中心に継続して堅調に推移いたしました。また、医療分野におきましては下半期に複数の大規模案件が受注できたことにより大きく伸長いたしました。一方、マイコン分野におきましては、開発の延期、縮小の影響が残っているものの、家電案件、車載案件を中心に引き合いは活発になってきており、回復の途上ではありますが、その手応えを感じております。
この結果、売上高は1,898,927千円(前年同期比8.1%増)となっております。
(c) 社会公共事業
社会公共事業は、電力ICT分野、社会インフラ分野、メディア情報分野、公共分野、文教・教育系分野のソフトウェア設計開発及び運用保守を中心に事業を展開しております。
主力である電力ICT分野、メディア情報分野につきましては堅調に推移しております。また、公共分野においても自治体及び独立行政法人向けの案件は堅調に推移しており、下半期は上半期に比し、受注も増加傾向になってきております。なお、自治体標準化、ガバメントクラウド案件は本格始動を前に準備段階であり、緩やかな立ち上がりとなっております。
この結果、売上高は1,684,978千円(前年同期比16.3%増)となっております。
(d) ITイノベーション事業
ITイノベーション事業は、システム全体を支えるフロントシステムエンジニアとして、受託開発、運用保守を中心に事業を展開しております。
金融機関における自社運用のサーバから仮想サーバ、クラウドサーバへの移行ニーズを計画通り受注拡大に結び付けることができました。また、クラウドを中心とした案件の獲得に注力した結果、継続して案件を受注できたことにより業績は堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は586,645千円(前年同期比20.2%増)となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ116,409千円増加し、2,205,544千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は30,973千円(前事業年度は305,821千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が632,479千円、未払金の減少額が493,236千円、売上債権の増加額が161,319千円、仕入債務の増加額が55,633千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は7,245千円(前事業年度は18,112千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入及び払戻による収入(純額)が600,000千円、投資有価証券の取得による支出が600,000千円、固定資産の取得による支出が6,340千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は92,681千円(前事業年度は106,850千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入が231,260千円、自己株式の売却による収入が224,967千円、自己株式の取得による支出が165,295千円、配当金の支払額が174,764千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスライン名称 | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 金融事業 | (千円) | 2,260,674 | 107.8 |
| 産業流通事業 | (千円) | 1,577,564 | 106.4 |
| 社会公共事業 | (千円) | 1,314,985 | 116.3 |
| ITイノベーション事業 | (千円) | 494,285 | 121.1 |
| 合計 | (千円) | 5,647,510 | 110.4 |
(注)金額は製造費用によっております。なお、サービスラインに共通して発生する品質管理等費用(29,306千円)は上記には含めておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスライン名称 | 当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| 金融事業 | 2,827,674 | 111.5 | 652,381 | 118.4 |
| 産業流通事業 | 1,932,255 | 106.7 | 374,301 | 109.8 |
| 社会公共事業 | 1,678,628 | 107.5 | 300,201 | 97.9 |
| ITイノベーション事業 | 595,430 | 119.0 | 127,928 | 107.4 |
| 合計 | 7,033,988 | 109.7 | 1,454,813 | 110.4 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスラインごとに示すと、次のとおりであります。
| サービスライン名称 | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 金融事業 | (千円) | 2,726,279 | 110.4 |
| 産業流通事業 | (千円) | 1,898,927 | 108.1 |
| 社会公共事業 | (千円) | 1,684,978 | 116.3 |
| ITイノベーション事業 | (千円) | 586,645 | 120.2 |
| 合計 | (千円) | 6,896,830 | 111.9 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社日立製作所 | 2,755,932 | 44.7 | 3,061,872 | 44.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の状況
当事業年度末における総資産は5,878,942千円となり、前事業年度末と比較して659,749千円の増加となりました。また、当事業年度末における自己資本は4,711,642千円となり、前事業年度末と比較して882,334千円の増加となりました。
以上の結果から、当事業年度末における自己資本比率は80.1%(前事業年度末は73.4%)となり前年同期比で6.7ポイント上昇いたしました。
b.経営成績の状況
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当事業年度の売上高は6,896,830千円であり、前事業年度より732,994千円増加(11.9%増)いたしました。主な要因としては、企業の旺盛なIT投資による需要拡大によるものであります。
また、売上原価は5,683,586千円となり、前事業年度より552,032千円増加(10.8%増)となりました。これにより、売上総利益につきましては、前事業年度より180,961千円増加(17.5%増)の1,213,243千円となっております。
当事業年度におけるサービスライン別の経営成績(売上高)の状況に関する認識及び分析は、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績の状況 の項目をご参照ください。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は622,048千円であり、前事業年度より91,919千円増加(17.3%増)いたしました。主な要因は、外形標準課税の適用により租税公課が38,720千円、人員増加に伴い給料及び手当が31,823千円増加したことによるものであります。
その結果、営業利益は591,194千円となり、前事業年度より89,041千円増加(17.7%増)いたしました。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は64,937千円となり、前事業年度より46,677千円増加(255.6%増)いたしました。これは主として保険解約返戻金44,431千円の計上によるものであります。また、当事業年度の営業外費用は23,652千円であり、前事業年度より20,652千円増加いたしました。これは主として上場関連費用が20,487千円増加したことによるものであります。
その結果、経常利益は632,479千円となり、前事業年度より115,066千円増加(22.2%増)いたしました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等合計は190,900千円となり、前事業年度より170,966千円増加(857.7%増)いたしました。主な要因としては、前事業年度においてスケジューリング可能となった長期未払金に係る繰延税金資産の計上(152,900千円)に伴う法人税等調整額の減少が生じたことによるものであります。
以上の結果より、当期純利益は441,579千円となり、前事業年度より55,900千円減少(11.2%減)いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討)
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況の項目をご参照ください。
当事業年度においては、未払金の減少により営業活動によるキャッシュ・フローは減少したものの、財務活動で獲得した資金と合わせ、投資活動により使用した資金を賄えており、財務健全性を維持できているものと判断しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の主な資金需要は、労務費、外注費、事務所の賃借料並びに経費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で賄うことを基本としております。また、財務資本提携等に関連する必要な資金需要に対しては、財務健全性を勘案しながら金融機関からの借入等も含め、柔軟な資金調達を行ってまいります。
なお、当事業年度末現在、当社は通常の営業上の運転資金に対して十分な規模の現金及び現金同等物を保有しており、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。この財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は、一時差異等のスケジューリングの結果、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得水準の見積りに依存するため、結果として将来の繰延税金資産の計上額が変動し、税金費用に影響を与える可能性があります。
(受託開発のソフトウェアに係る収益及び費用の計上基準)
当社は、受託開発のソフトウェアに係る収益について、原則として、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合に、その進捗を、発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)により見積って収益を認識しております。
収益総額、見積原価総額及び決算日における進捗度について、最新の情報を使用しておりますが、作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、認識された損益に影響を及ぼす可能性があります。
(受注損失引当金)
当社は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末において損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる開発案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上しております。損失見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。なお、当事業年度末におきましては、計上はありません。
(プログラム保証引当金)
当社は、販売済ソフトウェアの保証期間中における補修費に備えるため、過去の実績に基づく補修見込額及び個別案件に対する補修見込額を引当計上しております。補修見込額は最新の情報を使用して算定しておりますが、予見不能な事象の発生や作業内容及び工数等に不確実性を伴う要素が含まれるため、見積りと実績に差異が生じる可能性があります。