有価証券報告書-第55期(2024/07/01-2025/06/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
①当期の経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの経営成績の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、外国の政情・政策不安に端を発した為替相場の乱高下や株式市場の不安定な動きなど、不透明な状況が続いています。一方、当社グループの主な事業地域である東南アジアの経済環境は、堅調な内需外需により好調に推移しています。
当社グループにおきましては、中長期的な成長に向けて、中期経営目標2030を本年2月に公表いたしました。このなかでは、国内養殖量の拡大と海外卸売事業売上の拡大を最重要課題として位置付けています。当連結会計年度においてこの二つの最重要課題はいずれも期待どおりに推移しました。
当連結会計年度の業績につきましては、養殖量の拡大と海外販売の拡大を背景に、養殖事業と海外卸売事業が売上増収と営業増益を牽引しました。国内加工事業と海外加工事業も、全体としては堅調に推移したと捉えています。
経常利益については、外貨建債権の為替換算損益が営業外損益の大きなファクターになっています。当連結会計年度においては、これが前期比で578百万円マイナスに作用しています(当連結会計年度は為替差損222百万円、前連結会計年度は為替差益355百万円)。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ2,680百万円増の35,345百万円(前期比108.2%)、営業利益は前連結会計年度に比べ473百万円増の3,021百万円(前期比118.6%)、経常利益は前連結会計年度に比べ117百万円減の2,815百万円(前期比96.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ51百万円増の2,020百万円(前期比102.6%)となりました。
各セグメントの事業概況は次のとおりであります。
(単位:百万円/%)
※調整額はセグメント間取引及び全社費用等であります。
(養殖事業)
当連結会計年度の国内養殖量については、ほぼ期初計画どおりの3,476トンの水揚量となり、前期比で800トン近い増産となりました。養殖における各指標も良化しており、ノウハウの蓄積も進んでいるものと捉えています。販売面においては、ノルウェー産アトランティックサーモンの供給増から安価な生鮮品の販売が広がりました。その影響で、当社グループの生鮮品の販売量及び価格が抑えられるという状況も一部みられたものの、全体では対前期比で増収増益となりました。
デンマーク子会社による海外養殖においては、天候不順等もあり育成が期待どおりには進まず、重量当たりの固定費負担が想定よりも高くなりました。販売面では魚卵販売価格の上昇や繰越在庫の消化も順調に進んだことから、対前期比で大幅増収となりました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ2,510百万円増の9,260百万円(前期比137.2%)、セグメント利益は466百万円増の1,238百万円(前期比160.3%)となりました。
なお、デンマーク子会社であるMusholm A/Sは国際財務報告基準(IFRS)を採用しており、養殖事業の損益には、IAS第41号「農業」に従った売却コスト控除後の公正価値により評価した結果(売上原価△59百万円)が含まれております。
(単位:百万円)
(国内加工事業)
当連結会計年度においては、漁獲量不足から魚卵供給量が減少し、魚卵相場が上昇しました。そのような状況のなか、他社製品と比較して相対的に安価であった当社製品の販売は好調に推移しました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,118百万円増の9,398百万円(前期比113.5%)、セグメント利益は88百万円増の1,177百万円(前期比108.1%)となりました。
(海外加工事業)
当社の主力商材であったサーモンハラスに関しては、サーモン価格の高騰に起因して、世界的に原料としての供給不足が継続しています。そのため、当該製品の販売数量は減少しましたが、国内外の旺盛な需要により販売単価を押し上げ利益率は改善しました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,168百万円減の14,087百万円(前期比92.3%)、セグメント利益は24百万円減の1,040百万円(前期比97.7%)となりました。
(海外卸売事業)
東南アジア諸国における日本食マーケットの拡大を背景に、当事業は拡大を続けてきました。当連結会計年度においてもこの傾向は継続しており、売上は順調に拡大しました。利益率については、販管費率の改善と円安による仕入価格の低下により、大きく改善されました。販管費率の改善は、前連結会計年度に行ったヒト・モノへの集中投資が一巡したことで販管費率が平準化したことによるものです。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ2,174百万円増の11,044百万円(前期比124.5%)、セグメント利益は349百万円増の603百万円(前期比237.3%)となりました。
②当期の財政状態の状況
当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は30,327百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,078百万円増加しました。これは主な要因としては、上場時の調達資金を設備投資に活用したことなどにより現金及び預金が418百万円減少したこと、加工委託先への原料支給が進んだことにより、未収入金が910百万円増加したこと等によるものです。固定資産は10,944百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,023百万円増加しました。これは主に養殖用施設への投資等で建物及び構築物が32百万円増加したことや、建設中の資産として、建設仮勘定が470百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は41,271百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,101百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は20,036百万円となり、前連結会計年度末に比べ916百万円増加しました。これは主に、事業拡大に伴って支払手形及び買掛金が508百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は5,191百万円となり、前連結会計年度末に比べ707百万円減少しました。これは主に設備投資資金として長期借入金の返済により665百万円減少したこと等によるものです。
この結果、負債合計は25,228百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は16,043百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,891百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を2,020百万円計上したこと等により利益剰余金が1,728百万円増加したこと等によるものです。
③当期のキャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,536百万円の収入(前期比3,258百万円の収入増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が2,815百万円となった一方で、当社主要事業がそれぞれ事業拡大傾向であることにより売掛金残高の増加が232百万円生じたことに加え、養殖量拡大に伴う養殖コストの増加等により棚卸資産残高の増加が555百万円、合わせて仕入債務の増加が541百万円生じたこと、製品加工用として原材料の加工委託先への預け入れが増加したことに伴い、有償支給取引に係る負債の増加が893百万円生じたことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,985百万円の支出(前期比353百万円の支出減少)となりました。
当社の最重要課題である養殖量拡大に向けて養殖設備への投資を進めたことに伴い、有形固定資産の取得による支出が1,970百万円(前期比164百万円の支出減少)となったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,931百万円の支出(前期は4,727百万円の収入)となりました。
これは主に、原材料仕入等の運転資金目的での借入の返済を進めたことにより短期借入金の純増減額が△858百万円生じたことに加え、前連結会計年度以前の養殖事業規模拡大等に向けた長期借入の返済を1,001百万円進めたためです。
以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額△37百万円を調整した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ418百万円減少し、4,415百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、販売価格によっております。
3.海外卸売事業については、自社生産設備を保有していないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の状況に関する分析
外国の政情・政策不安に端を発した為替相場の乱高下や株式市場の不安定な動きの中において、当社グループは増収・増益となりました。
増収の主な要因は、養殖事業における国内養殖量の拡大、海外市場の拡大です。国内養殖量は前シーズンから784トン増加して、当シーズンは3,476トン(2025年4月~7月までの水揚量)となりました。サーモンハラス原料の供給不足により、海外加工事業において売上が減少する一方で、アジア市場の拡大により、海外卸売事業で売上が順調に増加いたしました。なお、国内加工事業においては、魚卵漁獲量不足から魚卵供給量が減少し、魚卵相場が上昇した中で、他社と比較して相対的に安価な値付け設定だったことにより堅調に推移いたしました。
増益の主な要因は上記、国内養殖における売上高の増加に基づく利益額の増加と、海外卸売事業において、日本からの仕入商品が円安の影響により仕入原価が下がったことや、ヒト・モノ投資の一巡による利益率の改善が主な要因であります。
b. 財政状態に関する分析
棚卸資産の増加と有形固定資産の増加を主要因として総資産額が増加しています。負債純資産側では支払手形及び買掛金の増加、有償支給取引にかかる負債の増加、利益剰余金の増加を主要因として負債純資産が増加しています。
・棚卸資産の増加
当社グループではどの事業も拡大基調にあるため、棚卸資産は増加傾向にあります。当連結会計年度末においては、有償支給先への原料の支給が前連結会計年度と比較して増加し、営業倉庫に保管する商品及び製品についても順調に増加いたしました。
・有形固定資産の増加
有形固定資産の増加については養殖設備への増加が主な内容になります。特に国内養殖の規模拡大は当社の成長戦略の最重要課題となっていますので、今後も引き続き、積極的な設備投資を行っていく方針です。
・支払手形及び買掛金の増加
在庫仕入等に起因する支払手形及び買掛金について、棚卸資産の増加に伴い増加傾向となっています。
・有償支給取引に係る負債の増加
有償支給先への原料の支給をした場合において当該負債を計上することとなりますが、棚卸資産の増加で記載のとおり、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して、有償支給先への原料の支給残高が増えたことにより、増加しています。
・利益剰余金の増加
親会社株主に帰属する当期純利益を順調に計上していることにより増加しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,536百万円の収入(前連結会計年度は277百万円の収入)となりました。
事業拡大に伴う棚卸資産残高の増減額△555百万円や売上債権の増減額△232百万円のキャッシュアウトがありましたが、税金等調整前当期純利益を2,815百万円計上したことや有償支給取引に係る負債の増減額893百万円を計上したことなどにより、営業キャッシュ・フローはプラスとなっています。
当社グループは事業の性質上、元々在庫回転期間が比較的長くなる傾向がありますが、そういったなかで事業規模拡大に伴い恒常在庫水準は年々上がっているため、大きなトレンドとして在庫投資に資金を要する傾向が継続しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,985百万円の支出(前連結会計年度は2,339百万円の支出)となりました。当社グループの成長に向けた主要課題として、国内の中間養殖場のキャパシティ拡大、成長するアジアの日本食需要への対応力強化があります。特に国内中間養殖場の拡大は重要課題であり、当連結会計年度においても泊川中間養殖場(秋田県八峰町)への建設工事着工をはじめ、生簀の増設等生産キャパシティ拡大のための投資を行いました。当連結会計年度に公表した中期経営目標2030に記載のとおり目標生産数12,000トンに向け、必要な設備を順次計画的に建設しています。
以上のように在庫投資や設備投資に多くの資金を投入していますが、その資金は自己資金及び外部借入で調達しています。当連結会計年度においては、過去に設備投資で使用した借入金の返済等を進めたことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは1,931百万円の支出(前連結会計年度は4,727百万円の収入)となっています。現時点において、金融機関とは良好な関係を維持しており、資金調達環境に特段の懸念はありません。
なお、現金及び現金同等物の残高は、次期連結会計年度以降の資金繰り見込みを踏まえ、当連結会計年度末時点の必要水準を確保した残高となるよう、借入金返済とのバランスを考慮しております。
株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、連結株主資本配当率(DOE)に基づく安定配当を行う方針です。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入であります。借入に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備資金は主に長期借入金で調達しております。運転資金需要のうち主なものは、養殖事業における飼料代金、国内加工事業及び海外加工事業における原料仕入代金、海外卸売事業における商品仕入代金であります。設備資金需要のうち主なものは、養殖施設(冷凍設備や船等含む)や、国内加工工場(裁断機や浄化設備等)の設備投資代金であります。
当社グループでは、事業活動を円滑に行うため、金融機関との当座貸越契約等を利用し、実需に応じた資金調達を実施し、流動性を確保しております。当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。
③ 重要な会計上の見積及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性等の資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらは、過去の実績や将来の事業計画等に基づき合理的に算出しておりますが、見積りの不確実性から実際の結果と異なる可能性があります。
また、海外子会社における生物資産評価については、生物資産を公正価値で測定し、取得価額との差額を損益(売上原価の繰入または戻入)として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生存率等を見積もる必要があることから、市場の動向等により結果が大きく変動する可能性があります。
①当期の経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの経営成績の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、外国の政情・政策不安に端を発した為替相場の乱高下や株式市場の不安定な動きなど、不透明な状況が続いています。一方、当社グループの主な事業地域である東南アジアの経済環境は、堅調な内需外需により好調に推移しています。
当社グループにおきましては、中長期的な成長に向けて、中期経営目標2030を本年2月に公表いたしました。このなかでは、国内養殖量の拡大と海外卸売事業売上の拡大を最重要課題として位置付けています。当連結会計年度においてこの二つの最重要課題はいずれも期待どおりに推移しました。
当連結会計年度の業績につきましては、養殖量の拡大と海外販売の拡大を背景に、養殖事業と海外卸売事業が売上増収と営業増益を牽引しました。国内加工事業と海外加工事業も、全体としては堅調に推移したと捉えています。
経常利益については、外貨建債権の為替換算損益が営業外損益の大きなファクターになっています。当連結会計年度においては、これが前期比で578百万円マイナスに作用しています(当連結会計年度は為替差損222百万円、前連結会計年度は為替差益355百万円)。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ2,680百万円増の35,345百万円(前期比108.2%)、営業利益は前連結会計年度に比べ473百万円増の3,021百万円(前期比118.6%)、経常利益は前連結会計年度に比べ117百万円減の2,815百万円(前期比96.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ51百万円増の2,020百万円(前期比102.6%)となりました。
各セグメントの事業概況は次のとおりであります。
(単位:百万円/%)
| 売上高 | 前期増減 | 前期比 | セグメント 利益 | 前期増減 | 前期比 | |
| 養殖事業 | 9,260 | 2,510 | 137.2 | 1,238 | 466 | 160.3 |
| 国内加工事業 | 9,398 | 1,118 | 113.5 | 1,177 | 88 | 108.1 |
| 海外加工事業 | 14,087 | △1,168 | 92.3 | 1,040 | △24 | 97.7 |
| 海外卸売事業 | 11,044 | 2,174 | 124.5 | 603 | 349 | 237.3 |
| 調整額※ | △8,445 | △1,955 | 130.1 | △1,039 | △406 | 164.2 |
| 合計 | 35,345 | 2,680 | 108.2 | 3,021 | 473 | 118.6 |
※調整額はセグメント間取引及び全社費用等であります。
(養殖事業)
当連結会計年度の国内養殖量については、ほぼ期初計画どおりの3,476トンの水揚量となり、前期比で800トン近い増産となりました。養殖における各指標も良化しており、ノウハウの蓄積も進んでいるものと捉えています。販売面においては、ノルウェー産アトランティックサーモンの供給増から安価な生鮮品の販売が広がりました。その影響で、当社グループの生鮮品の販売量及び価格が抑えられるという状況も一部みられたものの、全体では対前期比で増収増益となりました。
デンマーク子会社による海外養殖においては、天候不順等もあり育成が期待どおりには進まず、重量当たりの固定費負担が想定よりも高くなりました。販売面では魚卵販売価格の上昇や繰越在庫の消化も順調に進んだことから、対前期比で大幅増収となりました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ2,510百万円増の9,260百万円(前期比137.2%)、セグメント利益は466百万円増の1,238百万円(前期比160.3%)となりました。
なお、デンマーク子会社であるMusholm A/Sは国際財務報告基準(IFRS)を採用しており、養殖事業の損益には、IAS第41号「農業」に従った売却コスト控除後の公正価値により評価した結果(売上原価△59百万円)が含まれております。
(単位:百万円)
| 売上高 | 9,260 | |
| 営業費用 | 材料費、人件費、販管費等 | 8,080 |
| 小計(公正価値評価を除いたセグメント損益) | 1,179 | |
| 営業費用 | 公正価値評価による影響額 | 59 |
| 合計(セグメント損益) | 1,238 | |
(国内加工事業)
当連結会計年度においては、漁獲量不足から魚卵供給量が減少し、魚卵相場が上昇しました。そのような状況のなか、他社製品と比較して相対的に安価であった当社製品の販売は好調に推移しました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,118百万円増の9,398百万円(前期比113.5%)、セグメント利益は88百万円増の1,177百万円(前期比108.1%)となりました。
(海外加工事業)
当社の主力商材であったサーモンハラスに関しては、サーモン価格の高騰に起因して、世界的に原料としての供給不足が継続しています。そのため、当該製品の販売数量は減少しましたが、国内外の旺盛な需要により販売単価を押し上げ利益率は改善しました。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ1,168百万円減の14,087百万円(前期比92.3%)、セグメント利益は24百万円減の1,040百万円(前期比97.7%)となりました。
(海外卸売事業)
東南アジア諸国における日本食マーケットの拡大を背景に、当事業は拡大を続けてきました。当連結会計年度においてもこの傾向は継続しており、売上は順調に拡大しました。利益率については、販管費率の改善と円安による仕入価格の低下により、大きく改善されました。販管費率の改善は、前連結会計年度に行ったヒト・モノへの集中投資が一巡したことで販管費率が平準化したことによるものです。
上記の結果として、売上高は前連結会計年度と比べ2,174百万円増の11,044百万円(前期比124.5%)、セグメント利益は349百万円増の603百万円(前期比237.3%)となりました。
②当期の財政状態の状況
当社グループの財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は30,327百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,078百万円増加しました。これは主な要因としては、上場時の調達資金を設備投資に活用したことなどにより現金及び預金が418百万円減少したこと、加工委託先への原料支給が進んだことにより、未収入金が910百万円増加したこと等によるものです。固定資産は10,944百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,023百万円増加しました。これは主に養殖用施設への投資等で建物及び構築物が32百万円増加したことや、建設中の資産として、建設仮勘定が470百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は41,271百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,101百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は20,036百万円となり、前連結会計年度末に比べ916百万円増加しました。これは主に、事業拡大に伴って支払手形及び買掛金が508百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は5,191百万円となり、前連結会計年度末に比べ707百万円減少しました。これは主に設備投資資金として長期借入金の返済により665百万円減少したこと等によるものです。
この結果、負債合計は25,228百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は16,043百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,891百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を2,020百万円計上したこと等により利益剰余金が1,728百万円増加したこと等によるものです。
③当期のキャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,536百万円の収入(前期比3,258百万円の収入増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が2,815百万円となった一方で、当社主要事業がそれぞれ事業拡大傾向であることにより売掛金残高の増加が232百万円生じたことに加え、養殖量拡大に伴う養殖コストの増加等により棚卸資産残高の増加が555百万円、合わせて仕入債務の増加が541百万円生じたこと、製品加工用として原材料の加工委託先への預け入れが増加したことに伴い、有償支給取引に係る負債の増加が893百万円生じたことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,985百万円の支出(前期比353百万円の支出減少)となりました。
当社の最重要課題である養殖量拡大に向けて養殖設備への投資を進めたことに伴い、有形固定資産の取得による支出が1,970百万円(前期比164百万円の支出減少)となったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,931百万円の支出(前期は4,727百万円の収入)となりました。
これは主に、原材料仕入等の運転資金目的での借入の返済を進めたことにより短期借入金の純増減額が△858百万円生じたことに加え、前連結会計年度以前の養殖事業規模拡大等に向けた長期借入の返済を1,001百万円進めたためです。
以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額△37百万円を調整した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ418百万円減少し、4,415百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 養殖事業 | 9,260 | 137.2 |
| 国内加工事業 | 9,398 | 113.5 |
| 海外加工事業 | 1,413 | 73.5 |
| 海外卸売事業 | - | - |
| 合計 | 20,072 | 118.4 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2.金額は、販売価格によっております。
3.海外卸売事業については、自社生産設備を保有していないため、記載を省略しております。
b 受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 養殖事業 | 6,030 | 118.4 |
| 国内加工事業 | 8,693 | 114.2 |
| 海外加工事業 | 9,599 | 86.6 |
| 海外卸売事業 | 11,022 | 124.3 |
| 合計 | 35,345 | 108.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の状況に関する分析
外国の政情・政策不安に端を発した為替相場の乱高下や株式市場の不安定な動きの中において、当社グループは増収・増益となりました。
増収の主な要因は、養殖事業における国内養殖量の拡大、海外市場の拡大です。国内養殖量は前シーズンから784トン増加して、当シーズンは3,476トン(2025年4月~7月までの水揚量)となりました。サーモンハラス原料の供給不足により、海外加工事業において売上が減少する一方で、アジア市場の拡大により、海外卸売事業で売上が順調に増加いたしました。なお、国内加工事業においては、魚卵漁獲量不足から魚卵供給量が減少し、魚卵相場が上昇した中で、他社と比較して相対的に安価な値付け設定だったことにより堅調に推移いたしました。
増益の主な要因は上記、国内養殖における売上高の増加に基づく利益額の増加と、海外卸売事業において、日本からの仕入商品が円安の影響により仕入原価が下がったことや、ヒト・モノ投資の一巡による利益率の改善が主な要因であります。
b. 財政状態に関する分析
棚卸資産の増加と有形固定資産の増加を主要因として総資産額が増加しています。負債純資産側では支払手形及び買掛金の増加、有償支給取引にかかる負債の増加、利益剰余金の増加を主要因として負債純資産が増加しています。
・棚卸資産の増加
当社グループではどの事業も拡大基調にあるため、棚卸資産は増加傾向にあります。当連結会計年度末においては、有償支給先への原料の支給が前連結会計年度と比較して増加し、営業倉庫に保管する商品及び製品についても順調に増加いたしました。
・有形固定資産の増加
有形固定資産の増加については養殖設備への増加が主な内容になります。特に国内養殖の規模拡大は当社の成長戦略の最重要課題となっていますので、今後も引き続き、積極的な設備投資を行っていく方針です。
・支払手形及び買掛金の増加
在庫仕入等に起因する支払手形及び買掛金について、棚卸資産の増加に伴い増加傾向となっています。
・有償支給取引に係る負債の増加
有償支給先への原料の支給をした場合において当該負債を計上することとなりますが、棚卸資産の増加で記載のとおり、当連結会計年度は前連結会計年度と比較して、有償支給先への原料の支給残高が増えたことにより、増加しています。
・利益剰余金の増加
親会社株主に帰属する当期純利益を順調に計上していることにより増加しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,536百万円の収入(前連結会計年度は277百万円の収入)となりました。
事業拡大に伴う棚卸資産残高の増減額△555百万円や売上債権の増減額△232百万円のキャッシュアウトがありましたが、税金等調整前当期純利益を2,815百万円計上したことや有償支給取引に係る負債の増減額893百万円を計上したことなどにより、営業キャッシュ・フローはプラスとなっています。
当社グループは事業の性質上、元々在庫回転期間が比較的長くなる傾向がありますが、そういったなかで事業規模拡大に伴い恒常在庫水準は年々上がっているため、大きなトレンドとして在庫投資に資金を要する傾向が継続しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,985百万円の支出(前連結会計年度は2,339百万円の支出)となりました。当社グループの成長に向けた主要課題として、国内の中間養殖場のキャパシティ拡大、成長するアジアの日本食需要への対応力強化があります。特に国内中間養殖場の拡大は重要課題であり、当連結会計年度においても泊川中間養殖場(秋田県八峰町)への建設工事着工をはじめ、生簀の増設等生産キャパシティ拡大のための投資を行いました。当連結会計年度に公表した中期経営目標2030に記載のとおり目標生産数12,000トンに向け、必要な設備を順次計画的に建設しています。
以上のように在庫投資や設備投資に多くの資金を投入していますが、その資金は自己資金及び外部借入で調達しています。当連結会計年度においては、過去に設備投資で使用した借入金の返済等を進めたことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは1,931百万円の支出(前連結会計年度は4,727百万円の収入)となっています。現時点において、金融機関とは良好な関係を維持しており、資金調達環境に特段の懸念はありません。
なお、現金及び現金同等物の残高は、次期連結会計年度以降の資金繰り見込みを踏まえ、当連結会計年度末時点の必要水準を確保した残高となるよう、借入金返済とのバランスを考慮しております。
株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、連結株主資本配当率(DOE)に基づく安定配当を行う方針です。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
b. 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入であります。借入に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備資金は主に長期借入金で調達しております。運転資金需要のうち主なものは、養殖事業における飼料代金、国内加工事業及び海外加工事業における原料仕入代金、海外卸売事業における商品仕入代金であります。設備資金需要のうち主なものは、養殖施設(冷凍設備や船等含む)や、国内加工工場(裁断機や浄化設備等)の設備投資代金であります。
当社グループでは、事業活動を円滑に行うため、金融機関との当座貸越契約等を利用し、実需に応じた資金調達を実施し、流動性を確保しております。当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。
③ 重要な会計上の見積及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって、棚卸資産の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性等の資産、負債、収益及び費用に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらは、過去の実績や将来の事業計画等に基づき合理的に算出しておりますが、見積りの不確実性から実際の結果と異なる可能性があります。
また、海外子会社における生物資産評価については、生物資産を公正価値で測定し、取得価額との差額を損益(売上原価の繰入または戻入)として認識しており、その測定には生物資産の正味売却価額や生存率等を見積もる必要があることから、市場の動向等により結果が大きく変動する可能性があります。