有価証券報告書-第7期(2024/07/01-2025/06/30)

【提出】
2025/09/26 16:28
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【項目】
142項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループの事業セグメントは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
① 経営成績等の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復が見られるものの、原材料価格の高騰や物価上昇、米国の経済・外交政策による国際的な貿易環境の変化等により依然として先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループが属する動物医療業界におきましては、ペット用品市場の堅調さや、家計のペット向け支出が拡大傾向にある中、ペットの家族化、高齢化を背景にした世帯あたりの動物病院への支出額の増加傾向の基調に変わりはなく、飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請はますます高まっているものと認識しております。
このような情勢のもと、当社グループは、生き物の命を救い、守り続けることを唯一の目的とする「Animal is my life」を企業理念として掲げ、ありきたりな医療サービスの提供ではなく、感動を与えられる医療サービスの提供に努めることで、人と動物がより幸福を感じられる環境を構築し、すべてのステークホルダーの皆さまへ貢献できるよう、永続的な発展を目指しております。
当連結会計年度の売上高につきましては、動物病院事業の業容拡大を企図し、2024年8月に埼玉県で動物病院を3病院運営する株式会社そよかぜを子会社化、2024年9月には東京都八王子市に動物病院を開院、2025年1月に兵庫県西宮市において安田動物病院(現 甲子園動物病院)の事業譲受を行い、更に2025年2月に滋賀県守山市で動物病院を1病院運営する株式会社バハティーを子会社化し収益力の強化を図る他、既存病院の増収もありグループ全体の売上高は堅調に推移いたしました。
営業利益につきましては、M&Aや株主総会等に伴う一時的な費用増加がある中でも前年を上回っており、一時費用を除いた営業利益については前年同期比17.4%増となっております。
また、動物病院事業以外の事業として、当社グループが有する臨床基盤を活かし、動物医療にかかる創薬や商品の研究開発活動を強化し、動物医療における臨床以外の新たな収益源の創出に取り組んでおり、下表のとおり共同研究契約等を締結しております。
会社名開始月進捗状況内容
株式会社日健協サービス
エレメンツ株式会社
2024年7月臨床試験中天然酵母「生きてる酵母」を用いた小動物向けサプリメントの開発
CELL株式会社2024年7月臨床試験中動物用癌再発予防のための新アジュバント(※1)の動物用医薬品化に向けた研究
株式会社Trans Chromosomics
第一三共株式会社
2024年7月臨床にかかる
定例協議継続中
非ヒト動物用バイオ医薬品の開発のための臨床開発プラットフォーム共同組成にかかるコンソーシアム
株式会社Cancer Precision Medicine2024年7月臨床試験中リキッドバイオプシー(※2)によるがんの早期発見に係る共同研究契約
株式会社ファーストクラス2024年8月臨床試験中動物用幹細胞上清液の動物医療領域への応用にかかる共同研究
レキシンジャパン株式会社2024年9月臨床にかかる
定例協議継続中
磁気を用いた生体活性化によるペット用品等の共同研究
株式会社StateArt2024年9月臨床試験中動物用リポソーム試薬とそれを用いたレーザー光線治療法に関する研究
株式会社トライアングル2024年9月臨床にかかる
定例協議継続中
動物用生体監視システム等の開発研究
株式会社マリンナノファイバー2024年10月臨床試験中キチンナノファイバー(※3)試薬とそれを用いた創傷治療に関する共同研究

※1.アジュバントとは免疫賦活剤で、免疫反応を促進、増強させる物質です。一般的にはワクチンと一緒に投与され、ワクチンの効果を高めるために使用されています。
※2.リキッドバイオプシーは、血液などの体液を用いて疾患の診断や治療法の選択、治療効果の予測などを行う技術です。がん細胞から血液中に流れ出した微量な遺伝子変異を見つけられることから、がんの早期発見や適切な治療薬の選択、再発のモニタリングに有用であると考えられています。従来の組織生検に比べて身体への負担が少なく繰り返し検査を行うことができ、全身の状態をリアルタイムに調べられることが特長です。
※3.キチンナノファイバーとは、カニ殻などの甲殻類の外皮から「キチン」という糖質を超極細繊維(10~20nm)の状態で取り出したもの。ナノファイバーにすることで、従来のキチン粉末ではできなかった、水中での均一な分散性が実現され、他の材料との配合・成形が容易となっております。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。
a.財政状態の状況
第6期連結会計年度
(2024年6月30日)
(千円)
第7期連結会計年度
(2025年6月30日)
(千円)
前連結会計年度末比増減
金額(千円)比率(%)
資産合計5,784,4726,049,974265,5014.6
負債合計3,670,8423,334,366△336,476△9.2
純資産合計2,113,6302,715,608601,97728.5

b.経営成績の状況
第6期連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
(千円)
第7期連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
(千円)
前連結会計年度比増減
金額(千円)比率(%)
売上高4,990,6395,463,817473,1779.5
営業利益827,469909,46281,9939.9
経常利益800,898908,605107,70713.4
親会社株主に帰属する当期純利益558,406593,01634,6096.2

c.キャッシュ・フローの状況
第6期連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
(千円)
第7期連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
(千円)
営業活動によるキャッシュ・フロー857,526948,558
投資活動によるキャッシュ・フロー△434,280△388,735
財務活動によるキャッシュ・フロー△193,932△575,372
現金及び現金同等物の増加額(△は減少額)229,314△15,549
現金及び現金同等物の期末残高910,879895,330

なお、過年度の事業買収により生じたのれん等の影響を調整したEBITDAを含む経営成績の推移は以下のとおりであり、営業利益率はPMI期間を経て15%前後、EBITDAマージン(EBITDA÷売上高)は20%超で推移しております。
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② 生産、受注及び販売の実績
a)生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b)受注実績
当社グループが行う事業は、提供するサービスの性格上受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは、動物病院事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
動物病院事業5,463,8179.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループにおきましては、事業基盤の強化に向けて、高度医療・二次診療に対応したセンター病院の開設や飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請への対応力向上のための人材のリクルーティング等、諸施策を着実に実行してまいりました。また、いわゆるエッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)の一員としての役割を果たすべく、各医療拠点において医療提供の維持発展に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は6,049,974千円となり、前連結会計年度末と比べて265,501千円増加いたしました。
流動資産は1,387,190千円となり、前連結会計年度末と比べて89,943千円増加いたしました。これは主に、売掛金が41,581千円、その他流動資産が96,385千円増加する一方、現金及び預金が15,549千円減少したこと等によるものであります。
固定資産は4,662,784千円となり、前連結会計年度末と比べて175,558千円増加いたしました。これは主に、のれんが182,069千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,334,366千円となり、前連結会計年度末と比べて336,476千円減少いたしました。
流動負債は1,956,609千円となり、前連結会計年度末と比べて826,097千円増加いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が696,478千円、未払法人税等が97,618千円、未払消費税等が42,352千円増加したこと等によるものであります。なお、1年内返済予定の長期借入金は上場前のLBOにかかる借入の返済予定分により増加しておりますが、今後のM&A戦略等も見据えて、リファイナンスについて金融機関と協議を進めております。
固定負債は1,377,756千円となり、前連結会計年度末と比べて1,162,573千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が1,149,153千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,715,608千円となり、前連結会計年度末と比べて601,977千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が593,016千円増加したこと等によるものであります。
b.経営成績
(売上高)
売上高は、既存拠点の売上高は前年を上回り堅調に推移した他、当連結会計年度において、動物病院事業の業容拡大を企図し、2024年8月に埼玉県で動物病院を3病院運営する株式会社そよかぜを子会社化、2024年9月には東京都八王子市に動物病院を開院、2025年1月に兵庫県西宮市において安田動物病院(現 甲子園動物病院)の事業譲受を行い、更に2025年2月に滋賀県守山市で動物病院を1病院運営する株式会社バハティーを子会社化いたしました。診療件数については395,059件、獣医師1人当たり売上高は43,012千円となりました。
以上から、売上高は5,463,817千円(前年同期比9.5%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、売上高増加に伴う変動費の増加により、3,982,901千円(前年同期比10.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は、M&Aや株主総会等に伴う一時的な費用の増加等により、571,452千円(前年同期比4.7%増)となりました。
以上から、営業利益は909,462千円(前年同期比9.9%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、保険解約による返戻金の計上等により、908,605千円(前年同期比13.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税の計上等により、593,016千円(前年同期比6.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、895,330千円となり、前連結会計年度末と比べて15,549千円減少いたしましたが、当連結会計年度においては、新規の借入を行わずに前連結会計年度と同規模の事業投資を行った中で、資金について前連結会計年度と同水準を維持しており、財務健全性は向上しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
a.連結キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、948,558千円(前連結会計年度は857,526千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益907,159千円、減価償却費188,070千円、のれん償却額162,141千円、法人税等の支払額247,043千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、388,735千円(前連結会計年度は434,280千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出111,142千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出303,282千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、575,372千円(前連結会計年度は193,932千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出550,278千円等によるものであり、前連結会計年度においては長期借入れによる収入300,000千円があったため、前連結会計年度に比べて増加しております。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の源泉は、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金及び金融機関からの借入によっております。営業費用等の運転資金及び設備投資資金については、主として営業キャッシュ・フローによる内部資金で賄うほか、必要に応じて金融機関からの借入を行っております。調達時期及び方法については、事業計画に基づく資金需要、金利動向を考慮の上、決定しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しているとおり、「獣医師数」及び「診療件数」を重要な経営指標と位置付けております。「獣医師数」は当社グループが提供可能な医療サービスのキャパシティを反映する指標であり、事業規模を左右する指標であると考えております。また、「診療件数」は当社グループが提供した医療サービスを量的に把握する指標であり、これまでに行った診療サービスに対する飼い主の満足度が反映されるものと認識しております。
また、運営効率を計る指標として「獣医師1人当たり売上高」も重視しております。
最近3連結会計年度の推移は以下のとおりであります。
第5期連結会計年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
第6期連結会計年度
(自 2023年7月1日
至 2024年6月30日)
第7期連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
獣医師数(人)9091111
診療件数(件)343,446355,003395,059
獣医師1人当たり
売上高(千円)
44,35847,21943,012

(注)獣医師数及び獣医師1人当たり売上高の算出方法は以下のとおりであります。
獣医師数:稼働ベース平均在籍人数
獣医師1人当たり売上高:動物病院運営にかかる年間売上高を稼働ベースの平均人員数で除して算出
上表に記載のとおり、獣医師数は年々増加しております。これは、獣医師が不足傾向にある中、積極的に獣医師確保に努めたこと及びM&Aを活用した拠点数の増加によるものです。診療件数は、当該規模の増加に伴い増加しております。また、獣医師1人当たり売上高は新卒採用等による獣医師数の増加により、当連結会計年度は一時的に減少しておりますが、当社人材育成システムを通じて早期戦力化を実現し、売上高に貢献できる体制を整備してまいります。

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