有価証券報告書-第6期(2023/05/01-2024/04/30)

【提出】
2024/07/30 16:46
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125項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
1 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、「将来の世代の利益のための安全で持続可能な宇宙開発」というビジョンを実現するため、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指し、事業開発を推進しております。経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準のうち、「Space Sustainability」や「ESG経営による顧客への付加価値の提供」を最重要テーマとして事業運営に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、インフレーションの加速や、米国等の財政・金融政策動向を背景として、株式市場や金利・為替相場は不安定な状況が継続しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
一方で、当社グループを取り巻く軌道上サービス市場においては、技術の進展とともに、国際機関、業界団体の取り組みや各国政府等の各種政策の推進が加速しております。国際的宇宙機関等における協議の活発化や発表等を受けて、デブリの脅威に対する認知度、デブリ除去を促進する仕組み作りへの機運、Space Sustainabilityに関するイニシアティブや軌道上サービスの事業化に対する需要は加速度的に上昇しております。2023年5月に開催されたG7広島サミットで作成されたG7首脳宣言において、デブリによりもたらされる喫緊の課題に対処し、宇宙空間の安全かつ持続可能な利用を促進することについてのコミットメントが表明されるとともに、デブリの低減と改善のための更なる解決策及び技術の更なる開発を推進させる各国の取り組みを奨励することが表明されました。また、各国及び国際機関における積極的な取り組みも見られます。
このように、軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは、2023年5月に日本拠点の移転に伴い製造キャパシティを強化しました。これも寄与し、後述の通り、2023年9月には文部科学省よりISSAミッションを受注しました。また、2023年6月に当社のフランス連結子会社であるAstroscale France SASを設立し、2023年10月にはフランスのトゥールーズに同社の技術拠点を置くことを決定しました。当該技術拠点では軌道上サービスに係る技術開発の体制を整え、増加する欧州での需要の獲得を目指します。さらに、2023年7月に当社の米国連結子会社であるAstroscale U.S. Inc.はファシリティ・クリアランス(施設保全適格証)を取得し、これにより米国の機密プロジェクトへ参画が可能になり、2023年9月には米国宇宙軍より受注を獲得しました。
このような経営環境の中で、技術開発、事業開発、各国政策への提言等レギュレーションに関する活動等を推進した結果、当社グループが取り組む4つの軌道上サービスにおける、当連結会計年度の事業進捗は以下の通りとなりました。なお、当社グループは「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、セグメント毎の経営成績については記載を省略しております。
当連結会計年度の当社グループの主要なミッションパイプラインの進捗は以下の通りです。
プロジェクトカテゴリ主な進捗
ELSA-d-2021年3月に打ち上げた「ELSA-d」は、運用可能なスラスタを使用したサービサー衛星の軌道離脱制御の運用を終え、2024年1月にミッションを完了しました。ELSA-dミッションにより実証された技術は、当社グループが開発する軌道上サービスに必要となる技術の一部に留まりますが、非協力物体に対するRPO(ランデブ・近傍運用)を含むデブリ除去に必要な一連のコア技術を実証することに成功しました。
ADRAS-JISSA当社の日本連結子会社である株式会社アストロスケールが取り組むJAXAのCRD2フェーズⅠにおいて、2024年2月にサービサー衛星である「ADRAS-J」の打上げに成功しました。2024年4月には、デブリの後方数百mの距離にまで接近することに成功し、接近する過程でデブリの撮影を実施しました。当社の認識では、本プロジェクトは史上初めて軌道上で直接デブリを観測した事例になります。
ELSA-MEOL当社の英国連結子会社であるAstroscale Ltdは、グローバルに衛星通信サービスを提供するNetwork Access Associates Limited(Eutelsat OneWeb社)をパートナーとして、「ELSA-d」の機能拡張版であり複数デブリの除去が可能な衛星「ELSA-M」の開発を推進しました。このミッションは、ESAが通信システム先端研究Sunriseプログラムとして資金を提供しており、現在、Sunrise Phase 3(契約金額:約14.8百万ユーロ(注1))を順調に推進しました。
また、将来の商業化に向けて、既に、Eutelsat OneWeb社及びOrbit Fab, Inc.との間で、これらの衛星コンステレーション運用事業者の衛星にドッキングプレートを搭載することが合意されています。加えて、Globalstar, Inc.はELSA-Mによる磁石捕獲が可能な他社製ドッキングプレートの搭載を決定しています。2023年7月には、Astro Digital US Inc.との間で、同社が製造する衛星への当社グループのドッキングプレートの搭載に関するパートナーシップ契約を締結しました。
更に、FCC5年ルール並びにFCCのDISH Network社への罰金など規制環境の変化により、ドッキングプレートの搭載に関するニーズが高まっており、複数の企業と交渉を開始しています。
COSMICADRAstroscale Ltdがイギリス宇宙庁(UKSA)のデブリ除去プログラムCOSMIC Phase B(契約金額:約2.0百万英ポンド(注1))に係る開発を進めており、2023年9月にシステム要求審査(SRR)が完了、2024年4月に基本設計審査(PDR)が完了しました。
SBIRISSA株式会社アストロスケールが、文部科学省が実施するSBIR制度において、2023年9月に宇宙分野(事業テーマ:デブリ低減に必要な技術開発・実証)を対象とした大規模技術実証事業に採択されました。本事業のフェーズ1に係る補助金交付額は最大26.9億円であり、全フェーズで最大120億円が交付される予定です(注1)。
APS-RLEXAstroscale U.S. Inc.は、2023年9月に、軌道上で燃料補給を実施する衛星のプロトタイプの開発を行うプログラム(契約金額:約25.5百万米ドル(注1、2))を米国宇宙軍から受注しました。
ADRAS-J2ADR株式会社アストロスケールが、JAXAの商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅡのフロントローディング技術検討を完了し、2024年4月にCRD2フェーズⅡの契約相手としてJAXAから選定されました。これは、実証中のCRD2フェーズⅠの後続ミッションであり、軌道上にある日本由来のロケット上段への接近・近傍運用や撮像等に加え、捕獲や軌道離脱も行います。
LEXI-PLEX商業サービス用衛星初号機「LEXI-P」については、ペイロード詳細設計審査(CDR)の完了に向けた開発が進められております。また、バス部のサプライヤーを選定し、基本設計審査(PDR)を完了しました。
Astroscale U.S. Inc.は、特定の静止衛星運用者との間で寿命延長サービスの提供に関する契約交渉を行っており、2023年12月に、法的拘束力を有しないタームシート(主要な契約条件を整理した文書)に合意・署名しました(想定契約金額:121百万米ドル(注1))。

(注) 1.技術開発の進捗やサービスの提供に応じ、当社グループに支払われることが合意又は予定されている収益の合計金額であり、契約において定められた条件が実現に至らない場合、マイルストーン収入の一部が支払われない可能性があります。また、当社グループが受注未了のフェーズについては、当社グループの想定通りに受注に至る保証はありません。
2.2024年6月17日付で、契約金額が従前25.5百万米ドル(税抜)から26.9百万米ドル(税抜)に増額しております。
3.2024年7月18日付で、ELSA-M Phase 3の後続フェーズであるELSA-M Phase 4の契約を締結しました。契約金額は約14.0百万ユーロです。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、以下の通りとなりました。
a.財政状態の状況
・資産
当連結会計年度における流動資産は17,746,116千円となり、前連結会計年度末に比べ6,671,130千円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物の減少によるものです。非流動資産は7,244,692千円となり、前連結会計年度末に比べ1,224,279千円増加しました。これは主に、開発設備強化のために有形固定資産が1,063,766千円増加したことによるものです。
この結果、資産合計は24,990,809千円となり、前連結会計年度末に比べ5,446,850千円減少しました。
・負債
当連結会計年度における流動負債は8,864,425千円となり、前連結会計年度末に比べ1,877,129千円増加しました。これは主に、引当金が1,654,849千円減少した一方で、営業債務及びその他の債務が1,271,152千円増加したことによるものです。非流動負債は10,725,026千円となり、前連結会計年度末に比べ2,165,258千円増加しました。これは主に、借入金が1,900,040千円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は19,589,452千円となり、前連結会計年度末に比べ4,042,388千円増加しました。
・資本
当連結会計年度における資本合計は、5,401,357千円となり、前連結会計年度末と比べ9,489,238千円減少しました。これは主に、シリーズGの追加調達を通じた新株の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ500,000千円増加したこと、また、当期損失の計上によって利益剰余金が9,181,329千円減少したことによるものです。
b.経営成績の状況
当連結会計年度の売上収益は、ADRAS-JやELSA-Mの開発進捗により増加したものの、売上増加に伴う仕入高、人件費及び外注費等の増加や研究開発段階にある当社グループにおける研究開発費の支出は大きく、前連結会計年度に引き続き、営業損失、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失を計上することとなりました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益2,852,561千円(前年同期比59.1%増)、営業損失11,555,724千円(前年同期は営業損失9,665,628千円)、税引前当期損失9,219,842千円(前年同期は税引前当期損失9,314,001千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失9,181,329千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失9,264,266千円)となりました。
2 キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8,482,763千円減少し、14,196,227千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,822,877千円の支出となりました。これは主に、税引前当期損失9,219,842千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,182,820千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,082,355千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,145,924千円の収入となりました。これは主に、短期借入金の純増加額に係る収入1,424,000千円や株式の発行による収入996,500千円、長期借入れによる収入2,000,000千円によるものです。
3 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、軌道上サービス事業における研究開発を主たる活動としており、受注生産形態をとるに至っていないため、また、当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
受注総額
(千円)
前年同期比(%)受注残総額
(千円)
前年同期比(%)
軌道上サービス事業6,775,054227.35,411,832190.4
合 計6,775,054227.35,411,832190.4

(注) 1.受注総額は、当連結会計年度において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。受注残総額は、当連結会計年度までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当連結会計年度末までに収益計上がなされていない金額をいいます。当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
2.上記受注残総額のほか、当連結会計年度末において、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ELSA-M Phase 4並びにSBIRフェーズ2及びフェーズ3)に係る想定受注残総額としては、11,654,464千円を見込んでおります。後続フェーズについては契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。なお、ELSA-M Phase 4については、2024年7月に契約を締結しました(契約金額:13.95百万ユーロ)。
3.当社は、2024年4月に、CRD2フェーズⅡ(ADRAS-J2)につき株式会社アストロスケールを選定企業として選定する旨の選定結果通知書をJAXAから受領(契約の締結及び契約金額その他の条件の決定は未了)しており、CRD2フェーズⅡに係る想定契約金額は114億円であります。上記想定契約金額は、政府予算の配賦額から先行フェーズに拠出済みの累計金額を控除した金額等を参考に算出しておりますが、最終合意に基づく実際の契約金額は上記の想定契約金額と異なる可能性があります。なお、参考までに、当連結会計年度末時点における受注残総額に、(注)2.の当連結会計年度末時点における想定受注残総額及びを2024年4月に選定を受けたCRD2フェーズⅡに係る想定契約金額を単純合算した金額は、28,504,751千円となりますが、(注)1.乃至3.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
4.当連結会計年度において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額及び受注残総額に著しい変動がありました。これは主に、中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)の補助金を活用した大型衛星デブリを撮影・診断するミッションを文部科学省より、宇宙空間での燃料補給技術の開発を目指すプログラムを米国宇宙軍より、それぞれ受注したことによる増加であります。
c.販売実績
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
軌道上サービス事業2,852,561159.1
合 計2,852,561159.1

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
相手先第5期連結会計年度
(自 2022年5月1日
至 2023年4月30日)
第6期連結会計年度
(自 2023年5月1日
至 2024年4月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Network Access Associates Limited
(Eutelsat OneWeb社)
700,42039.11,275,63544.7
宇宙航空研究開発機構417,68023.3625,16321.9
UK Space Agency51,1172.9341,78912.0

2.製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
販売高(千円)前年同期比(%)
受託プロジェクト収益(注1)2,771,567164.0
その他の収益(注2)80,99378.5
合 計2,852,561159.1

(注) 1.受託プロジェクト収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上収益
当連結会計年度における売上収益は、ADRAS-JやELSA-Mの開発進捗により、2,852,561千円(前年同期比59.1%増)となりました。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、売上増加に伴う人件費及び外注費等の増加の一方で、受注損失引当金の戻入れにより5,097,855千円(前年同期比27.1%減)となりました。
その結果、売上総損失は2,245,294千円(前年同期は5,195,557千円の損失)となりました。
c.販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、研究開発費が増加したことに加え、事業拡大に伴う人員拡充等により、人件費及び関連する諸経費が増加し、11,696,433千円(前年同期比57.9%増)となりました。
その他の収益については、政府補助金収入が増加した一方で、前連結会計年度と異なりELSA-dのミッション保険に係る保険金収入が計上されなかったことにより、2,386,002千円(前年同期比18.8%減)となりました。
その他の費用については、当連結会計年度に計上するものはありませんでした。
これらの結果、営業損失は11,555,724千円(前年同期は9,665,628千円の損失)となりました。
d.金融収益及び金融費用、法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における金融収益及び金融費用は、主に為替差損益です。
法人所得税費用については、還付額が納税額を上回った結果、38,513千円の還付(前年同期は49,734千円の還付)となりました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は9,181,329千円(前年同期は9,264,266千円の損失)となりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載の通りであります。
③経営戦略の現状と見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループが構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、デブリ除去サービスにおいては、対象となるデブリの性質に応じて、多様で安価なソリューションを提供するなど、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指しています。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、安全かつ安定的で持続可能なサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。そのため、経営者は、現在の事業環境及び入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めていきます。
⑤キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2 キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資本管理及び流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.金融商品」に記載しています。また、当連結会計年度における資金の主な増減要因については、上記に記載しています。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、フリー・キャッシュ・フローを創出するために、売上収益や売上総利益、税引前営業利益等の各種業績指標の管理に加え、以下の項目を重要な経営指標と位置付けております。
(単位:千円)
指標2020年4月期2021年4月期2022年4月期2023年4月期2024年4月期
売上収益84,436651,343910,3681,792,9912,852,561
政府補助金収入(注1)----1,814,524
プロジェクト収益84,436651,343910,3681,792,9914,667,085

(注) 1.プロジェクト収益に含まれる政府補助金収入には、特定のプロジェクトに関連して使用される政府補助金収入のみを含めております。具体的には、「第1 企業の概況 3 事業の内容 3.3 開発・運用状況」に記載するSBIR及びAPS-Rに関する政府補助金収入を含めており、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 26.その他の収益」に記載しています。
2.プロジェクト収益は、国際会計基準(IFRS)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標であります。プロジェクト収益は以下により算出しております。
プロジェクト収益=売上収益+政府補助金収入
なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるこれらの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。