有価証券報告書-第8期(2025/05/01-2026/04/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
1 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度においては、当社グループが拠点を有する全ての地域において、宇宙防衛の強化を主な目的とした取り組みが多数見られました。
日本においては、7月に防衛省及び自衛隊により宇宙領域防衛指針が策定され、SDA能力の強化の必要性や、関連領域の民間企業への投資を後押しする方針が改めて明示されました。11月には日本成長戦略本部から、「航空・宇宙」、「防衛産業」及び「スタートアップ」等が重要なテーマとして挙げられております。また、2026年2月に発足した高市政権は新安保3文書の前倒し改定を目指しており、敵対国の衛星から自国衛星を防護するための衛星の開発等、衛星の監視・防護技術の実証がさらに推進される見込みです。米国においては、2025年4月に宇宙軍が「Space Force Doctrine Document 1」を発表し、宇宙を戦闘領域と定義し、宇宙能力の向上や民間企業との連携の重要性を明示しました。2025年9月には、宇宙軍の次世代SDA衛星プログラムにおいて、燃料補給能力を必須化する計画を発表しました。2026年1月には、将来直面するであろう宇宙の戦略的脅威及び技術的変化に対する長期的な指針を示した「Future Operating Environment (FOE) 2040」を宇宙軍が発表し、軌道上でのRPOや燃料補給能力は安全保障を支える核心的要素であると再確認しました。英国においては、2025年6月に国防省が政策文書「Strategic Defence Review 2025」を発表し、宇宙を「戦略的競争の最前線」と位置づけ、宇宙の防衛的利用の強化や宇宙産業との連携等を進める方針を示しました。さらに11月には、貴族院宇宙政策関与委員会(UK Engagement with Space Committee)が「The Space Economy: Act Now or Lose Out」を発表し、英国が宇宙における経済及び安全保障上の利益を享受するためには、国際協力による宇宙空間の安全と持続性の確保が重要であり、外交上の優先課題であるとの認識を示しました。2026年3月には、宇宙業界において軌道上サービスが、経済及び防衛文脈において特に重要なサブセクターのひとつであるとして、戦略的投資を強化していく方針を示しました。欧州においては、7月に欧州委員会(EC)が、次の7か年(2028~2034年)で、防衛及び宇宙分野の予算を前期(2021~2027年)の5倍にあたる1,310億ユーロ規模に増額する計画を提出しました。ECが10月に発表した総額8,000億ユーロ規模の戦略文書「Preserving Peace – Defence Readiness Roadmap 2030」においては、宇宙防衛を主要な4つの旗艦プロジェクトのひとつと位置づけ、宇宙領域把握(SDA:Space Domain Awareness)や軌道上運用の開発等を促進するとともに、スタートアップや中小企業を積極的に支援する方針を示しました。これは2026年4月以降に開始される予定で、欧州の自律的な宇宙防衛能力の確立を目指しています。フランスにおいては、2025年11月に、宇宙司令部(CDE)が初の実戦運用体制を発足させ、「国家宇宙戦略」を発表しました。当戦略において、パトロール・追跡衛星の配備や、軌道上での燃料補給・メンテナンス・組立て等を行うための技術開発、SDA能力強化の方針を示すとともに、スタートアップ支援や同盟国との国際協力の必要性も示しました。さらに4月には、高市総理大臣とともにエマニュエル・マクロン大統領が日本のアストロスケール本社に公式訪問され、軌道上サービスの重要性について言及されました。
このように2025年以降、当社グループが拠点を展開する主要国全てが宇宙防衛戦略の見直しを行い、当社の事業環境は転換点を迎えています。その結果として、防衛関連分野において、国際機関や各国政府による予算化の動きや、民間企業との連携強化の取り組みがさらに加速し、2026年以降は当社の案件受注につながることが期待されます。当社グループは、圧倒的な技術力、グローバルな展開力、そして市場創造力という競争優位性を活かし、事業のさらなる拡大を図っております。
当連結会計年度において、当社グループは、複数拠点で非防衛の政府機関、防衛機関及び民間企業と幅広く複数の契約を締結し、将来の事業成長に大いに貢献しうる重要な事業進捗を多数実現しました。
その結果、当連結会計年度における受注高は8,445百万円となりました。2026年4月期における主な受注案件及び既存案件の進捗等は以下の通りです。
(政府機関案件・民間案件)
・2025年5月、COSMICフェーズ2の契約を完了。
・2025年7月、複数デブリ除去と制御再突入に関する新たな特許を取得。
・2025年8月、10月及び11月、Xona Space Systems, Inc.等から第2世代ドッキングプレートの商業契約を複数獲得。これにより打上げ予定のドッキングプレートは累計1,000個超に。
・2025年9月、REFLEX-J(旧K Program)の契約を締結。
・2025年12月、回転する宇宙物体の捕獲とサービスに関する新たな特許を取得。
・2025年12月、欧州宇宙機関(ESA)の軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注。
・2026年1月、米国航空宇宙局(NASA)の軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注。
・2026年1月、燃料補給技術の開発に関するJAXA宇宙戦略基金の交付決定。
(防衛関連案件)
・2025年6月、新規防衛関連案件を受注。(詳細非開示)
・2025年7月、米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注。
・2025年12月、防衛省より軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究に係る案件を受注。
・2026年1月、米国ミサイル防衛局(MDA)のSHIELD(Scalable Homeland Innovative Enterprise Layered Defense)のIDIQ(Indefinite Delivery, Indefinite Quantity)の契約候補(Competitive Range)に選定。
既存案件や契約交渉中の案件についても、マイルストーン達成や受注に向けて着実に進捗しております。
ELSA-Mについては、2025年6月には詳細設計審査(CDR:Critical Design Review)を完了し、その後も外部施設を活用しながら順調に地上試験を進めています。2026年3月にはIsar Aerospace SEとの間で、打上げにおいてSpectrumロケットを使用する契約を締結しました。ISSA-J1については、2025年9月にインドのNewSpace India Limitedとの間で、打上げにおいて極軌道打上げロケット(PSLV:Polar Satellite Launch Vehicle)を使用する契約を締結しました。APS-Rについては、2027年4月期中に予定される打上げに向けて順調に地上試験を進めています。REFLEX-Jについては、2026年3月に初年度契約金額を増額し、4月には2年目契約を締結しました。Orpheusについては、2026年4月にCDRを完了しました。システム統合及びミッション準備に向けたプログラムの次段階へと移行し、2027年又は2028年4月期に予定されている打上げに向けて順調に進捗しています。
LEXI-Pについては、契約締結に向けて最終段階に入っています。また、2026年4月期から開発費用の資産化を開始したことで、前期と比較して研究開発費として計上される費用の大幅な削減を実現いたしました。COSMICについては、2025年5月に完了したフェーズ2の後続フェーズの公募が、2025年7月に英国において開始され、当社グループは受注獲得に向けて注力しております。CAT-IODの後続フェーズについても、2025年11月に開催されたESAのCM25(Council Meeting at Ministerial Level、閣僚級会合)において、当該分野への予算配分が決定されました。
さらに2026年1月には、フランスのExotrail社との戦略的パートナーシップを、4月には衛星の軌道離脱ミッションを開発する契約を締結しました。軌道上の安全確保やフランス及び欧州の宇宙安全保障強化に向けて、2030年までに商用衛星を対象とした初回ミッションを実施することを目指しています。
このように、世界的に宇宙関連支出や軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは軌道上サービスの事業機会の拡大に向けて、事業や技術開発の強化に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、以下の通りとなりました。
a.財政状態の状況
・資産
当連結会計年度における流動資産は18,031,516千円となり、前連結会計年度末に比べ8,193,196千円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物が11,279,041千円減少したことによるものです。非流動資産は14,090,314千円となり、前連結会計年度末に比べ6,689,736千円増加しました。これは主に、有形固定資産が5,038,015千円増加し、無形資産が1,548,753千円増加したことによるものです。
この結果、資産合計は32,121,830千円となり、前連結会計年度末に比べ1,503,460千円減少しました。
・負債
当連結会計年度における流動負債は17,107,461千円となり、前連結会計年度末に比べ3,400,006千円減少しました。これは主に、繰延収益が847,533千円増加した一方で、借入金が3,149,000千円減少し、契約負債が640,852千円減少し、また、引当金が547,962千円減少したことによるものです。非流動負債は7,356,619千円となり、前連結会計年度末に比べ365,151千円増加しました。
この結果、負債合計は24,464,081千円となり、前連結会計年度末に比べ3,034,855千円減少しました。
・資本
当連結会計年度における資本合計は7,657,749千円となり、前連結会計年度末に比べ1,531,394千円増加しました。これは主に、新株の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ5,492,610千円増加したこと、当期損失の計上によって利益剰余金が7,114,985千円減少したこと、また、その他の包括利益の計上によってその他の資本の構成要素が2,420,173千円減少したことによるものです。
b.経営成績の状況
当連結会計年度の売上収益は、既存案件の進捗により増加し、全額拠出案件比率の増加に加え、LEXI-Pに係る衛星製造費用の資産計上を開始したことにより未受注案件に係る先行開発費用が大幅に減少したことを主な要因として、前連結会計年度から営業損失、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失は大幅に改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益5,940,615千円(前年同期比141.8%増)、営業損失9,975,386千円(前年同期は営業損失18,755,004千円)、税引前当期損失6,695,854千円(前年同期は税引前当期損失21,550,288千円)、当期損失7,114,985千円(前年同期は当期損失21,551,603千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失7,114,985千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失21,551,603千円)となりました。
ご参考までに、当連結会計年度における当社グループのプロジェクト収益(注)は11,506,710千円(前年同期比89.0%増)となりました。そのうち、政府補助金収入は5,566,095千円(前年同期比53.3%増)となりました。なお、セグメントごとの経営成績については、当社グループは、「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注)プロジェクト収益は、国際会計基準(IFRS会計基準)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標です。プロジェクト収益は以下により算出しております。
「プロジェクト収益=売上収益+プロジェクトに係る政府補助金収入」
なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、IFRS会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるこの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
2 キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11,279,041千円減少し、10,021,823千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,485,991千円の支出となりました。これは主に、税引前当期損失6,695,854千円の計上に対して、営業債務及びその他の債務の増加額や補助金収入、為替差損益等の調整項目があったことに加え、補助金の受取額6,017,915千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,927,167千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,358,867千円や無形資産の取得による支出1,539,109千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,236,403千円の収入となりました。これは主に、短期借入金の純減少額に係る支出1,149,000千円や株式の発行による収入10,621,173千円、長期借入金の返済による支出2,099,960千円によるものです。
3 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、軌道上サービス事業における研究開発を主たる活動としており、受注生産形態をとるに至っていないため、また、当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りであります。
(注) 1.受注総額は、特定の期間において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。受注残総額は、特定の期間までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当該特定の期間の末日までに収益計上がなされていない金額をいいます。当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
2.上記受注残総額のほか、当連結会計年度末において、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ISSA-J1フェーズ3)に係る想定受注残総額としては、3,808百万円(当連結会計年度時点)を見込んでおります。また、2025年1月22日付で、株式会社アストロスケールが経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択されており、その想定契約金額は、総額最大12,000百万円(間接経費、消費税等を含む)でした。2025年9月1日付で、上記K Programに関する契約を締結したことに伴い、本プロジェクト(プロジェクト名:REFLEX-J)に関する予算額は総額最大10,826百万円(税抜)となり、想定契約金額は、締結済の初年度契約金額(1,067百万円)及び2年度契約(3,064百万円)を除き6,693百万円となりました。後続フェーズ及び採択済の案件については、契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、最終合意に基づく実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。
3.参考までに、当連結会計年度時点における受注残総額に、当連結会計年度時点における(注)2.の想定受注残総額及び想定契約金額を単純合算した金額は、37,938,121千円となりますが、(注)1.乃至2.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
4.当連結会計年度において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額及び受注残総額に著しい変動がありました。これは主に、以下の受注による増加です。
・米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注(契約金額:8.7百万米ドル)
・REFLEX-J(旧K Program)の初年度及び2年目契約を受注(契約金額:41.3億円)
・防衛省より軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究に係る案件を受注(契約金額:9.9億円)
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、静止軌道上での電気推進薬の燃料補給技術の開発に係る案件を受注(交付決定額:12.5億円)
c.販売実績
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
2.製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
(注) 1.受託収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の売上収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上収益
当連結会計年度における売上収益は、既存案件の進捗や全額拠出案件比率の増加により増加し、5,940,615千円(前年同期比141.8%増)となりました。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、5,921,367千円(前年同期比6.6%減)となりました。
その結果、売上総利益は19,247千円(前年同期は3,880,594千円の損失)となりました。前年同期は、ELSA-Mフェーズ4に係る受注損失引当金繰入額を計上していたため、多額の売上総損失となっておりました。
c.販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、LEXI-Pに係る衛星製造費用の資産計上を開始したことにより未受注案件に係る先行開発費用が大幅に減少したことを主な要因として、16,196,538千円(前年同期比15.2%減)となりました。
その他の収益については、プロジェクトに係る政府補助金収入が増加したことにより、6,201,904千円(前年同期比46.6%増)となりました。
その他の費用については、当連結会計年度に計上するものはありませんでした。
これらの結果、営業損失は9,975,386千円(前年同期は18,755,004千円の損失)となりました。
d.金融収益及び金融費用、法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における金融収益及び金融費用は、主に為替差損益です。
法人所得税費用については、419,130千円(前年同期は1,315千円)となりました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は7,114,985千円(前年同期は21,551,603千円の損失)となりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載の通りであります。
③経営戦略の現状と見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループが構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、対象となるデブリや運用中の衛星に対して、多様な軌道上サービスを可能とする基盤技術の高度化及びサービスの適用範囲の拡大を図ることで、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指しています。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、安全かつ安定的で持続可能なサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。そのため、経営者は、現在の事業環境及び入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めていきます。
⑤キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2 キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資本管理及び流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.金融商品」に記載しています。また、当連結会計年度における資金の主な増減要因については、上記に記載しています。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、各国のオフィスを通じて多様な用途の軌道上サービスミッションをグローバルに受注しており、技術革新の加速と市場シェアの拡大が、当社グループのミッション実現への近道であると考えております。このため、売上収益や売上総利益、税引前営業利益等の各種業績指標の管理に加え、企業価値の継続的な向上を図るための客観的な指標として、軌道上サービスミッションの受注状況等を重視しております。具体的には、当社グループの将来収益を生み出し事業の推進・成長を支えるパイプラインの確保状況を測定するための「受注残総額」を重要な経営指標等として位置づけております。受注残総額の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 3 生産、受注及び販売の実績 b. 受注実績」をご参照ください。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
1 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度においては、当社グループが拠点を有する全ての地域において、宇宙防衛の強化を主な目的とした取り組みが多数見られました。
日本においては、7月に防衛省及び自衛隊により宇宙領域防衛指針が策定され、SDA能力の強化の必要性や、関連領域の民間企業への投資を後押しする方針が改めて明示されました。11月には日本成長戦略本部から、「航空・宇宙」、「防衛産業」及び「スタートアップ」等が重要なテーマとして挙げられております。また、2026年2月に発足した高市政権は新安保3文書の前倒し改定を目指しており、敵対国の衛星から自国衛星を防護するための衛星の開発等、衛星の監視・防護技術の実証がさらに推進される見込みです。米国においては、2025年4月に宇宙軍が「Space Force Doctrine Document 1」を発表し、宇宙を戦闘領域と定義し、宇宙能力の向上や民間企業との連携の重要性を明示しました。2025年9月には、宇宙軍の次世代SDA衛星プログラムにおいて、燃料補給能力を必須化する計画を発表しました。2026年1月には、将来直面するであろう宇宙の戦略的脅威及び技術的変化に対する長期的な指針を示した「Future Operating Environment (FOE) 2040」を宇宙軍が発表し、軌道上でのRPOや燃料補給能力は安全保障を支える核心的要素であると再確認しました。英国においては、2025年6月に国防省が政策文書「Strategic Defence Review 2025」を発表し、宇宙を「戦略的競争の最前線」と位置づけ、宇宙の防衛的利用の強化や宇宙産業との連携等を進める方針を示しました。さらに11月には、貴族院宇宙政策関与委員会(UK Engagement with Space Committee)が「The Space Economy: Act Now or Lose Out」を発表し、英国が宇宙における経済及び安全保障上の利益を享受するためには、国際協力による宇宙空間の安全と持続性の確保が重要であり、外交上の優先課題であるとの認識を示しました。2026年3月には、宇宙業界において軌道上サービスが、経済及び防衛文脈において特に重要なサブセクターのひとつであるとして、戦略的投資を強化していく方針を示しました。欧州においては、7月に欧州委員会(EC)が、次の7か年(2028~2034年)で、防衛及び宇宙分野の予算を前期(2021~2027年)の5倍にあたる1,310億ユーロ規模に増額する計画を提出しました。ECが10月に発表した総額8,000億ユーロ規模の戦略文書「Preserving Peace – Defence Readiness Roadmap 2030」においては、宇宙防衛を主要な4つの旗艦プロジェクトのひとつと位置づけ、宇宙領域把握(SDA:Space Domain Awareness)や軌道上運用の開発等を促進するとともに、スタートアップや中小企業を積極的に支援する方針を示しました。これは2026年4月以降に開始される予定で、欧州の自律的な宇宙防衛能力の確立を目指しています。フランスにおいては、2025年11月に、宇宙司令部(CDE)が初の実戦運用体制を発足させ、「国家宇宙戦略」を発表しました。当戦略において、パトロール・追跡衛星の配備や、軌道上での燃料補給・メンテナンス・組立て等を行うための技術開発、SDA能力強化の方針を示すとともに、スタートアップ支援や同盟国との国際協力の必要性も示しました。さらに4月には、高市総理大臣とともにエマニュエル・マクロン大統領が日本のアストロスケール本社に公式訪問され、軌道上サービスの重要性について言及されました。
このように2025年以降、当社グループが拠点を展開する主要国全てが宇宙防衛戦略の見直しを行い、当社の事業環境は転換点を迎えています。その結果として、防衛関連分野において、国際機関や各国政府による予算化の動きや、民間企業との連携強化の取り組みがさらに加速し、2026年以降は当社の案件受注につながることが期待されます。当社グループは、圧倒的な技術力、グローバルな展開力、そして市場創造力という競争優位性を活かし、事業のさらなる拡大を図っております。
当連結会計年度において、当社グループは、複数拠点で非防衛の政府機関、防衛機関及び民間企業と幅広く複数の契約を締結し、将来の事業成長に大いに貢献しうる重要な事業進捗を多数実現しました。
その結果、当連結会計年度における受注高は8,445百万円となりました。2026年4月期における主な受注案件及び既存案件の進捗等は以下の通りです。
(政府機関案件・民間案件)
・2025年5月、COSMICフェーズ2の契約を完了。
・2025年7月、複数デブリ除去と制御再突入に関する新たな特許を取得。
・2025年8月、10月及び11月、Xona Space Systems, Inc.等から第2世代ドッキングプレートの商業契約を複数獲得。これにより打上げ予定のドッキングプレートは累計1,000個超に。
・2025年9月、REFLEX-J(旧K Program)の契約を締結。
・2025年12月、回転する宇宙物体の捕獲とサービスに関する新たな特許を取得。
・2025年12月、欧州宇宙機関(ESA)の軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注。
・2026年1月、米国航空宇宙局(NASA)の軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注。
・2026年1月、燃料補給技術の開発に関するJAXA宇宙戦略基金の交付決定。
(防衛関連案件)
・2025年6月、新規防衛関連案件を受注。(詳細非開示)
・2025年7月、米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注。
・2025年12月、防衛省より軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究に係る案件を受注。
・2026年1月、米国ミサイル防衛局(MDA)のSHIELD(Scalable Homeland Innovative Enterprise Layered Defense)のIDIQ(Indefinite Delivery, Indefinite Quantity)の契約候補(Competitive Range)に選定。
既存案件や契約交渉中の案件についても、マイルストーン達成や受注に向けて着実に進捗しております。
ELSA-Mについては、2025年6月には詳細設計審査(CDR:Critical Design Review)を完了し、その後も外部施設を活用しながら順調に地上試験を進めています。2026年3月にはIsar Aerospace SEとの間で、打上げにおいてSpectrumロケットを使用する契約を締結しました。ISSA-J1については、2025年9月にインドのNewSpace India Limitedとの間で、打上げにおいて極軌道打上げロケット(PSLV:Polar Satellite Launch Vehicle)を使用する契約を締結しました。APS-Rについては、2027年4月期中に予定される打上げに向けて順調に地上試験を進めています。REFLEX-Jについては、2026年3月に初年度契約金額を増額し、4月には2年目契約を締結しました。Orpheusについては、2026年4月にCDRを完了しました。システム統合及びミッション準備に向けたプログラムの次段階へと移行し、2027年又は2028年4月期に予定されている打上げに向けて順調に進捗しています。
LEXI-Pについては、契約締結に向けて最終段階に入っています。また、2026年4月期から開発費用の資産化を開始したことで、前期と比較して研究開発費として計上される費用の大幅な削減を実現いたしました。COSMICについては、2025年5月に完了したフェーズ2の後続フェーズの公募が、2025年7月に英国において開始され、当社グループは受注獲得に向けて注力しております。CAT-IODの後続フェーズについても、2025年11月に開催されたESAのCM25(Council Meeting at Ministerial Level、閣僚級会合)において、当該分野への予算配分が決定されました。
さらに2026年1月には、フランスのExotrail社との戦略的パートナーシップを、4月には衛星の軌道離脱ミッションを開発する契約を締結しました。軌道上の安全確保やフランス及び欧州の宇宙安全保障強化に向けて、2030年までに商用衛星を対象とした初回ミッションを実施することを目指しています。
このように、世界的に宇宙関連支出や軌道上サービスに関する政府需要及び民間需要に繋がる政策推進等の機運が高まる中、当社グループは軌道上サービスの事業機会の拡大に向けて、事業や技術開発の強化に取り組んでおります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況は、以下の通りとなりました。
a.財政状態の状況
・資産
当連結会計年度における流動資産は18,031,516千円となり、前連結会計年度末に比べ8,193,196千円減少しました。これは主に、現金及び現金同等物が11,279,041千円減少したことによるものです。非流動資産は14,090,314千円となり、前連結会計年度末に比べ6,689,736千円増加しました。これは主に、有形固定資産が5,038,015千円増加し、無形資産が1,548,753千円増加したことによるものです。
この結果、資産合計は32,121,830千円となり、前連結会計年度末に比べ1,503,460千円減少しました。
・負債
当連結会計年度における流動負債は17,107,461千円となり、前連結会計年度末に比べ3,400,006千円減少しました。これは主に、繰延収益が847,533千円増加した一方で、借入金が3,149,000千円減少し、契約負債が640,852千円減少し、また、引当金が547,962千円減少したことによるものです。非流動負債は7,356,619千円となり、前連結会計年度末に比べ365,151千円増加しました。
この結果、負債合計は24,464,081千円となり、前連結会計年度末に比べ3,034,855千円減少しました。
・資本
当連結会計年度における資本合計は7,657,749千円となり、前連結会計年度末に比べ1,531,394千円増加しました。これは主に、新株の発行によって資本金及び資本剰余金がそれぞれ5,492,610千円増加したこと、当期損失の計上によって利益剰余金が7,114,985千円減少したこと、また、その他の包括利益の計上によってその他の資本の構成要素が2,420,173千円減少したことによるものです。
b.経営成績の状況
当連結会計年度の売上収益は、既存案件の進捗により増加し、全額拠出案件比率の増加に加え、LEXI-Pに係る衛星製造費用の資産計上を開始したことにより未受注案件に係る先行開発費用が大幅に減少したことを主な要因として、前連結会計年度から営業損失、税引前当期損失、親会社の所有者に帰属する当期損失は大幅に改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上収益5,940,615千円(前年同期比141.8%増)、営業損失9,975,386千円(前年同期は営業損失18,755,004千円)、税引前当期損失6,695,854千円(前年同期は税引前当期損失21,550,288千円)、当期損失7,114,985千円(前年同期は当期損失21,551,603千円)、親会社の所有者に帰属する当期損失7,114,985千円(前年同期は親会社の所有者に帰属する当期損失21,551,603千円)となりました。
ご参考までに、当連結会計年度における当社グループのプロジェクト収益(注)は11,506,710千円(前年同期比89.0%増)となりました。そのうち、政府補助金収入は5,566,095千円(前年同期比53.3%増)となりました。なお、セグメントごとの経営成績については、当社グループは、「軌道上サービス事業」の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
(注)プロジェクト収益は、国際会計基準(IFRS会計基準)により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社が有用と考える財務指標です。プロジェクト収益は以下により算出しております。
「プロジェクト収益=売上収益+プロジェクトに係る政府補助金収入」
なお、この数値は、当社グループが提供するサービスの対価として取得する政府補助金収入を売上収益に加算して算出しており、分析手段として重要な制限があることから、IFRS会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるこの数値は、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。
2 キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11,279,041千円減少し、10,021,823千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,485,991千円の支出となりました。これは主に、税引前当期損失6,695,854千円の計上に対して、営業債務及びその他の債務の増加額や補助金収入、為替差損益等の調整項目があったことに加え、補助金の受取額6,017,915千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、6,927,167千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,358,867千円や無形資産の取得による支出1,539,109千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,236,403千円の収入となりました。これは主に、短期借入金の純減少額に係る支出1,149,000千円や株式の発行による収入10,621,173千円、長期借入金の返済による支出2,099,960千円によるものです。
3 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、軌道上サービス事業における研究開発を主たる活動としており、受注生産形態をとるに至っていないため、また、当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注実績(受注総額及び受注残総額)(注1)は、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年5月1日 至 2026年4月30日) | |||
| 受注総額 | 受注残総額 | |||
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 軌道上サービス事業 | 8,445,077 | △72.5 | 27,435,451 | △7.6 |
| 合 計 | 8,445,077 | △72.5 | 27,435,451 | △7.6 |
(注) 1.受注総額は、特定の期間において締結された契約に基づき、当社グループが支払いを受けた又は受けることができる金額の総額をいいます。受注残総額は、特定の期間までの全ての期間における受注総額の合計額のうち、当該特定の期間の末日までに収益計上がなされていない金額をいいます。当社グループの技術開発の進捗その他当該契約において定められた条件が実現に至らない場合、サービス提供に応じて支払われるマイルストーン収入の一部が支払われない可能性があり、そのため、上記の受注残総額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
2.上記受注残総額のほか、当連結会計年度末において、契約の締結には至っていないものの、当社が現時点で競合の存在を認識していないことから、当社グループによる受注が期待できると認識する既存ミッションの後続フェーズ(ISSA-J1フェーズ3)に係る想定受注残総額としては、3,808百万円(当連結会計年度時点)を見込んでおります。また、2025年1月22日付で、株式会社アストロスケールが経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)における「衛星の寿命延長に資する燃料補給技術」に関する研究開発構想の委託先として採択されており、その想定契約金額は、総額最大12,000百万円(間接経費、消費税等を含む)でした。2025年9月1日付で、上記K Programに関する契約を締結したことに伴い、本プロジェクト(プロジェクト名:REFLEX-J)に関する予算額は総額最大10,826百万円(税抜)となり、想定契約金額は、締結済の初年度契約金額(1,067百万円)及び2年度契約(3,064百万円)を除き6,693百万円となりました。後続フェーズ及び採択済の案件については、契約の締結に至っていないため、当社グループが受注できず、又は、最終合意に基づく実際の受注金額が当社の想定と異なる可能性があります。
3.参考までに、当連結会計年度時点における受注残総額に、当連結会計年度時点における(注)2.の想定受注残総額及び想定契約金額を単純合算した金額は、37,938,121千円となりますが、(注)1.乃至2.記載の理由により、当該金額の全てにつき、収益認識に至らない可能性があります。
4.当連結会計年度において、軌道上サービス事業セグメントの受注総額及び受注残総額に著しい変動がありました。これは主に、以下の受注による増加です。
・米空軍研究所より自律的なランデブ・近傍運用及びドッキングに関する新規防衛調査案件を受注(契約金額:8.7百万米ドル)
・REFLEX-J(旧K Program)の初年度及び2年目契約を受注(契約金額:41.3億円)
・防衛省より軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究に係る案件を受注(契約金額:9.9億円)
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、静止軌道上での電気推進薬の燃料補給技術の開発に係る案件を受注(交付決定額:12.5億円)
c.販売実績
当社グループで行う事業は、軌道上サービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 軌道上サービス事業 | 5,940,615 | 241.8 |
| 合 計 | 5,940,615 | 241.8 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
| 相手先 | 第7期連結会計年度 (自 2024年5月1日 至 2025年4月30日) | 第8期連結会計年度 (自 2025年5月1日 至 2026年4月30日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 防衛省 | 5,030 | 0.2 | 1,799,511 | 30.3 |
| 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA) | 870,594 | 35.4 | 1,745,278 | 29.4 |
| Network Access Associates Limited (Eutelsat OneWeb社) | 848,311 | 34.5 | 1,146,040 | 19.3 |
| 英国科学・イノベーション・技術省(DSIT) | 44,864 | 1.8 | 692,496 | 11.7 |
| 英国宇宙庁(UKSA) | 380,232 | 15.5 | - | - |
2.製品及びサービスごとの外部顧客からの売上収益は、次の通りであります。
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 受託収益(注1) | 5,910,747 | 242.5 |
| その他の売上収益(注2) | 29,867 | 154.6 |
| 合 計 | 5,940,615 | 241.8 |
(注) 1.受託収益には、当社グループが開発する軌道上サービスに関連する研究開発プロジェクト及び実証プロジェクトにより獲得した収益が含まれております。
2.その他の売上収益には、ロゴマーク掲載等のスポンサーシップによる収益等が含まれております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上収益
当連結会計年度における売上収益は、既存案件の進捗や全額拠出案件比率の増加により増加し、5,940,615千円(前年同期比141.8%増)となりました。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は、5,921,367千円(前年同期比6.6%減)となりました。
その結果、売上総利益は19,247千円(前年同期は3,880,594千円の損失)となりました。前年同期は、ELSA-Mフェーズ4に係る受注損失引当金繰入額を計上していたため、多額の売上総損失となっておりました。
c.販売費及び一般管理費、その他の収益及びその他の費用、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、LEXI-Pに係る衛星製造費用の資産計上を開始したことにより未受注案件に係る先行開発費用が大幅に減少したことを主な要因として、16,196,538千円(前年同期比15.2%減)となりました。
その他の収益については、プロジェクトに係る政府補助金収入が増加したことにより、6,201,904千円(前年同期比46.6%増)となりました。
その他の費用については、当連結会計年度に計上するものはありませんでした。
これらの結果、営業損失は9,975,386千円(前年同期は18,755,004千円の損失)となりました。
d.金融収益及び金融費用、法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における金融収益及び金融費用は、主に為替差損益です。
法人所得税費用については、419,130千円(前年同期は1,315千円)となりました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は7,114,985千円(前年同期は21,551,603千円の損失)となりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に係る重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載の通りであります。
③経営戦略の現状と見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループが構築してきた研究開発技術を最大限に活用し、対象となるデブリや運用中の衛星に対して、多様な軌道上サービスを可能とする基盤技術の高度化及びサービスの適用範囲の拡大を図ることで、軌道上サービス事業の多角的な展開・拡大を目指しています。
④経営者の問題意識と今後の方針について
経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載されている様々な課題に対処し、安全かつ安定的で持続可能なサービスを継続的に提供していくことが必要であると認識しております。そのため、経営者は、現在の事業環境及び入手可能な外部環境の変化に関する情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めていきます。
⑤キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2 キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資本管理及び流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 23.金融商品」に記載しています。また、当連結会計年度における資金の主な増減要因については、上記に記載しています。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑦経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、各国のオフィスを通じて多様な用途の軌道上サービスミッションをグローバルに受注しており、技術革新の加速と市場シェアの拡大が、当社グループのミッション実現への近道であると考えております。このため、売上収益や売上総利益、税引前営業利益等の各種業績指標の管理に加え、企業価値の継続的な向上を図るための客観的な指標として、軌道上サービスミッションの受注状況等を重視しております。具体的には、当社グループの将来収益を生み出し事業の推進・成長を支えるパイプラインの確保状況を測定するための「受注残総額」を重要な経営指標等として位置づけております。受注残総額の詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 3 生産、受注及び販売の実績 b. 受注実績」をご参照ください。