有価証券報告書(内国投資証券)-第20期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1)リスク要因
以下には、本投資法人が発行する投資口(以下「本投資口」といいます。)又は本投資法人が発行する投資法人債(以下「本投資法人債」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資口又は本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得した不動産又は個別の信託の受益権の信託財産である不動産特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③その他投資資産の主要なもの (ロ)投資不動産物件の詳細な情報」を併せてご参照ください。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分であるとの保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口又は本投資法人債の市場価格は下落すると考えられ、その結果、元本の欠損が生じる可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下その他財務状況の悪化により、分配率の低下が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本「3 投資リスク」を含む本書の記載事項を慎重に検討した上で本投資口又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
本「3 投資リスク」には、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において判断したものです。
本「3 投資リスク」に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 投資証券の性格に関するリスク
(イ)投資口の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資法人の投資口の市場での取引に関するリスク
(ハ)投資法人債の償還・利払いに関するリスク
(ニ)投資法人債の価格の変動に関するリスク
(ホ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
(ト)借入及び投資法人債による資金調達に関するリスク
(チ)投資口の追加発行時の価値の希薄化に関するリスク
(リ)余裕資金の運用に関するリスク
(ヌ)本投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないことによるリスク
(ル)役員の職務遂行に関するリスク
(ヲ)本投資法人の関係者による信用失墜に関するリスク
(ワ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(カ)本投資法人の倒産、登録抹消又は清算のリスク
② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク
(イ)賃貸借契約に関するリスク
(ロ)ホテルの運営委託契約に関するリスク
(ハ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社への依存に関するリスク
(ニ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ホ)ポートフォリオ全体において特定のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に依存することによるリスク
(ヘ)本投資法人の仕組み及び関係者に関するリスク
③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク
(イ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が行うホテル営業に関するリスク
(ロ)投資対象をホテルに特化していることによるリスク
(ハ)物件単位での単一あるいは核となるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者がいる物件に関するリスク
(ニ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等の業態の偏りに関するリスク
(ホ)季節要因により本投資法人の収益等が変動するリスク
(へ)施設及び設備等の維持に関するリスク
(ト)マーケットレポートへの依存に関するリスク
(チ)フランチャイズやブランドライセンシング契約に関するリスク
(リ)周辺施設への依存に関するリスク
④ 不動産としてのホテルに関するリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ロ)不動産の欠陥・瑕疵・契約不適合に関するリスク
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ホ)不動産の地域的な偏在に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(チ)転貸等に関するリスク
(リ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
(ヌ)ホテルとしての建物使用態様に関するリスク
(ル)共有物件に関するリスク
(ヲ)区分所有建物に関するリスク
(ワ)借地物件に関するリスク
(カ)借家物件に関するリスク
(ヨ)開発物件に関するリスク
(タ)有害物質に関するリスク
(レ)不動産の売却における制限に関するリスク
(ソ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ツ)敷金・保証金等に関するリスク
(ネ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ナ)専門家による報告書(不動産鑑定評価書等)に関するリスク
(ラ)運用資産の取得方法に関するリスク
⑤ 信託の受益権特有のリスク
(イ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
⑥ 会計、税制に関するリスク
(イ)減損会計の適用に関するリスク
(ロ)導管性の維持に関する一般的なリスク
(ハ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ニ)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分にできないリスク
(ホ)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
(ヘ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ト)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
(チ)借入に係る導管性要件に関するリスク
(リ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
(ヌ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ル)適格合併が否認されるリスク
⑦ その他のリスク
(イ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ロ)優待制度に関するリスク
(ハ)本合併に関するリスク
(ニ)負ののれんによって生じる剰余金の活用方針に関するリスク
① 投資証券の性格に関するリスク
(イ)投資口の市場価格の変動に関するリスク
本投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換金する手段は、原則として第三者に対する売却に限定されます。
本投資口の市場価格は、本投資法人が上場する金融商品取引所における投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動するため、本投資口を投資主が希望する時期及び条件で取引できるとの保証はなく、また本投資口を取得した価格以上の価格で売却できない場合や本投資口の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、その結果、投資主が損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資法人の投資口の市場での取引に関するリスク
本投資法人の投資口は金融商品取引所に上場されていますが、当該金融商品取引所の定めた規程、規則等に定める一定の上場廃止基準に抵触する場合には、本投資法人の投資口の上場が廃止される可能性があります。上場が廃止された場合には、投資口は金融商品取引業者による口座における保護預かりの対象にならず、投資主は投資証券を自ら保管する必要が生じる他、保有する本投資口を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資口の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。
(ハ)投資法人債の償還・利払いに関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の理由により本投資法人債について元本や利払いが滞ること、あるいは支払不能が生じるリスクがあります。
(ニ)投資法人債の価格の変動に関するリスク
本投資法人債は金融商品取引所に上場されておらず、相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の信用力や本投資法人債の諸条件に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資法人債の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。本投資法人債の市場価格は、投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動するため、本投資法人債を投資家が希望する時期及び条件で取引できるとの保証はなく、その結果、投資家が損失を被る可能性があります。
(ホ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃料収入及び運営委託による不動産運用収入に主として依存しています。賃料収入のうち、固定賃料の契約の場合は、主として賃借人の退去に伴う不動産の稼働率の低下(建物の建替え及び大規模修繕等を要因とする場合も含みます。)、変動賃料が採用されている場合は、賃借人の売上減等により、賃料が大きく減少する可能性、運営委託が採用されている場合は、運営委託による不動産運用収入が大きく減少する可能性があるほか、固定賃料の場合においても、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されること、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク (イ)賃貸借契約に関するリスク」を、運営委託に関するリスクは後記「② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク (ロ)ホテルの運営委託契約に関するリスク」をご参照ください。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去する賃借人への預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、個別の資産及び運用資産全体の過去の収支の状況が必ずしも将来の収支の状況と一致し又は同様の傾向を示すとは限りません。何らかの理由によりこれらの収支に変更が生じた場合、投資主への分配金額が減少すること、あるいは本投資口の市場価格が下落することがあります。
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、その分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。上記(ホ)の収入及び支出の変動に関するリスクに加えて、不動産の売却に伴う損益や建替えや改装等に伴う除却損等により、期間損益が大きく変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(ト)借入及び投資法人債による資金調達に関するリスク
本投資法人は、新投資口の発行に加え、機関投資家からの金銭の借入及び本投資法人債の発行による資金調達を行うことを予定しています。その限度額は、規約上金銭の借入及び投資法人債については1兆円(うち短期投資法人債発行の限度額は、2,500億円)とします。ただし、合計して1兆円を超えないものとします。
金銭の借入及び本投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で金銭の借入及び本投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が新たな金銭の借入、既存債務の借換又は投資法人債の発行を希望する場合にも、これらが可能であるとの保証はありません。またこれらが可能な場合にも、当該金銭の借入、借換又は本投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、運用資産に担保を設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本書の日付現在、本投資法人が行っている金銭の借入に際しては、一定の財務制限条項が設定されています。
さらに、借入及び投資法人債の金利は、借入時及び本投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入及び本投資法人債の金利が上昇し、又はこれらの元本額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
借入又は投資法人債の発行において運用不動産に担保を設定した場合(本書の日付現在、本投資法人は借入に際して運用不動産に担保を設定していません。また、当初は無担保の借入又は投資法人債であっても、一定の条件のもとに担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された運用不動産の売却を希望したとしても、担保の解除手続きその他の事情により、希望どおりの時期に売却できない又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により担保不動産の評価額が借入先によって引き下げられた場合あるいは他の借入を行う場合等、一定の条件のもとに運用不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、担保不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先より借入金の早期返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換え資金を調達せざるを得なくなったり、借入先より担保不動産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用不動産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
契約上金利が固定されておらず何らかの指標に連動するとされている場合等には、契約期間中に金利が上昇する可能性がありますが、金利が上昇しても本投資法人の受取る収入等が連動して上昇するわけではありませんので、分配可能金額が減少する可能性があります。
金利の上昇により支払利息が増加するリスクを軽減するために、金利スワップや金利キャップを購入する場合がありますが、こうした取引を行った場合においても、関連する契約の内容や、取引相手方が万が一破綻した際の中途解約等により、金利リスク軽減のメリットを受けられない可能性があります。また、取引相手方に現金担保を差入れる場合、相手方の破綻により差入れた現金担保が回収できない可能性があります。
借換えや運用不動産の売却等によって借入金の期限前返済を行う場合には、違約金等がその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動により投資主に損害を与える可能性があります。
さらに、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、運用不動産を処分しなければ借入の返済及び投資法人債の償還ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用不動産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人は、LTV(注)については、原則として65%を上限の目処として運用します。LTVが高まった場合、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、また、金利が上昇した場合についての上記記載のリスクが高まります。
本投資法人が借入又は投資法人債について債務不履行になった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分や差押え等の強制執行が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産手続等の倒産手続の申立が行われる可能性があります。
(注)LTV(総資産有利子負債比率)=有利子負債額(借入金額+投資法人債残高)/総資産額
(チ)投資口の追加発行時の価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に追加発行された投資口に対して、当該計算期間の期初から存する投資口と同額の金銭の分配が行われる場合には、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産価格や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
(リ)余裕資金の運用に関するリスク
本投資法人は、余裕資金を投資資金として運用する場合があります。このような場合には、想定した運用利益を上げることができず、又は、元本欠損が生じる可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)本投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないことによるリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、本投資法人の意思決定に参画できる他、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。たとえば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は、必ずしも、決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第14条)。さらに、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性があります。
(ル)役員の職務遂行に関するリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っています(投信法第97条、第109条、第111条、会社法第330条、第355条、民法644条。)。しかし、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行い、結果として投資主が損害を受ける可能性があります(なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構 ① 投資法人の統治に関する事項 (イ)投資法人の機関の内容 b.執行役員、監督役員及び役員会」をご参照ください。)。
(ヲ)本投資法人の関係者による信用失墜に関するリスク
2013年6月12日に上場投資法人の発行する投資口等へのインサイダー取引規制の導入等を定めた金融商品取引法等の一部を改正する法律が成立し、2014年4月1日に同法が施行されたため、本投資法人の発行する投資口等の取引は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象となりました。本投資法人の関係者が禁止されるインサイダー取引を行った場合には、本投資口に対する投資家一般の信頼を害し、ひいては本投資口の市場価格の下落や流動性の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人の関係者は個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。その後の改正を含みます。以下「個人情報保護法」といいます。)及びマイナンバー法の適用を受けます。そのため、法令等に基づき個人情報保護法及びマイナンバー法順守体制を整える必要がありますが、これらの関係者において個人情報の漏洩・紛失があった場合、問題の解決に一定の費用を要する可能性があるとともに、本投資法人あるいは金融商品市場の風評が害されることにより、投資口価格の低迷などを招いて投資家が損失を被る可能性があります。
(ワ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(カ)本投資法人の倒産、登録抹消又は清算のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服します。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
なお、本投資法人は投資主総会の決議により解散することがあります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配からしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク
(イ)賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約リスク、更新又は再契約がなされないリスク
わが国の賃貸借契約では、期間の定めがあっても、賃借人が契約上解約権を留保している例が多く見られ、このような場合には契約期間中であっても賃貸借契約が終了することがあります。また、通常の賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされず、又は定期建物賃貸借契約の期間満了時に再契約がなされない場合もあります。そのため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されること、あるいはかかる条項の効力が否定される可能性があります。以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
また、賃貸借契約が解約により終了し、賃借人が不動産の原状回復義務を履行しなかった場合、本投資法人が原状回復費用を負担することになる可能性があります。このような場合には、本投資法人の資産が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生手続、会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払いが滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況では投資主に損害を与える可能性があります。賃料の不払いを理由として賃貸人から賃貸借契約を解除することもありえますが、かかる場合のリスクについては後記「③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク (ロ)投資対象をホテルに特化していることによるリスク」をご参照ください。
c. 変動賃料に関するリスク
ホテルの売上げ又はGOPに応じた変動賃料の支払いを受ける場合には、ホテルの売上げ又はGOPの減少が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテル賃借人は株主等に対する忠実義務を負っているため、ホテルの売上げ並びにGOPを極大化させるインセンティブを有しています。さらに、ホテル運営支援会社は一般的にホテル収益に連動して報酬を受け取ることとなっていることから、ホテルの売上げ並びにGOPの増加を目指してホテル運営の支援を行うことになります。それにもかかわらず、売上を過小に計上し、又は営業費用を過大に見積もる等によりGOPをより低位に計上し、変動賃料の金額を恣意的に引き下げようとする可能性は否定できません。
また、変動賃料の支払いを伴う賃貸借契約において、変動賃料計算の基礎となる売上高又はGOP等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合があり得ます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、資産運用会社は、変動賃料を導入しているホテル賃借人からホテルの売上げ等の業績について、定期的に報告を受け、かかる報告に基づき、月次又は中間決算、期末決算時等に公表することがあります。これらの公表数値は、ホテル賃借人から提示された数字であり、本投資法人や本資産運用会社はこの数字の正確性を担保することができません。
d. 賃料改定に係るリスク
本投資法人の主たる投資対象であるホテルに関するホテル賃借人との賃貸借契約の期間は、比較的長期間であることが一般的ですが、このような契約においては、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、投資主に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、ホテル賃借人との交渉いかんによっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。賃料の増額についてホテル賃借人との間で協議が調わず、ホテル賃借人が相当と認める額の賃料しか支払わなかった場合は、本投資法人は増額を正当とする裁判が確定するまで、不足額につき支払いを受けられないことになります。また、本投資法人がホテル賃借人が相当と認める額の賃料の受領を拒絶し、ホテル賃借人が当該賃料額を供託した場合には、本投資法人は増額を正当とする裁判が確定するまで、賃料全額について支払いを受けられないことになります。このような場合、賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
e. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
f. FF&Eの更新投資に関するリスク
後記「③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク (ヘ)施設及び設備等の維持に関するリスク」記載のとおり、ホテルは競争力維持のためには特に、いわゆるFF&E(注)の定期的な更新投資が必要となります。FF&Eはその資産アイテム毎に、賃貸人とホテル賃借人の間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が賃貸借契約において規定されることが一般的です。かかる取り決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上げ若しくは利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、ホテル賃借人の財務状態の悪化等を招くことを通じて、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)FF&Eは、Furniture、Fixture&Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。
(ロ)ホテルの運営委託契約に関するリスク
本投資法人は、その保有するホテルをホテル運営受託者に運営委託することにより運用することがあります。ホテル運営委託契約に関しては、以下のとおりのリスクがあります。
a. 運営委託契約の解約リスク、更新又は再契約がなされないリスク
本投資法人は、投資対象であるホテルをホテル運営受託者に運営委託する場合があります。ホテルの運営委託契約の場合、運営委託契約の解除又は終了により、ホテル運営を行うホテル運営受託者が不在となると、ホテルの運営ができなくなり、本投資法人に重大な悪影響が及びます。また、運営委託契約において期間中の解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても運営委託契約を終了することが可能であるため、ホテル運営受託者から運営委託契約が解除される場合があり得ます。また、運営委託契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあります。このような理由により、運営委託契約が終了する場合、本投資法人は新たなホテル運営受託者と運営委託契約を締結することにより、ホテル運営が継続して行われるようにしなければなりませんが、優れたホテル運営能力を有する新たなホテル運営受託者と運営委託契約を締結できる保証はなく、もしこれができない場合、ホテル運営に重大な支障を来し、本投資法人に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
b. 運営委託に関わる支払いのリスク
運営委託契約において、本投資法人は、ホテル運営受託者のホテル事業(運営)から生じるホテル収益の成果を、運営委託による不動産運用収入としてホテル運営受託者から受け取ることになります。そのような中、ホテル運営受託者の業績が悪化あるいはその他の要因によりホテル運営受託者の信用状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象になった場合、不動産運用収入が本投資法人に支払われない可能性があり、これにより投資主に損害を与える可能性があります。このようなことから、運営委託契約において、本投資法人の収益はホテル運営受託者の支払い能力に依存することになります。
このため、運営委託契約において、ホテル運営受託者が本投資法人に対して営業保証金を差し入れる場合があります。営業保証金が差し入れられている場合は、営業保証金の限度で不動産運用収入は営業保証金により担保されますが、営業保証金が十分でない場合、あるいは営業保証金を受けられない場合又は営業保証金の全部若しくは一部が運用資産の取得資金の一部若しくは借入金等の債務の弁済に充当され、事実上担保として機能しない場合もあり、これにより投資主に損害を与える可能性があります。
c. 運営委託による不動産運用収入に関するリスク
運営委託による不動産運用を行う場合、ホテル収益が本投資法人の不動産運用収入に反映されるため、ホテル収益の上昇局面において、その収益向上の成果を直接、本投資法人に取込むことが可能になる一方、ホテル収益の下降局面において、本投資法人の収益が大幅に減少する可能性があります。特に、賃貸借方式では、ホテル賃借人の支払能力に基づく固定賃料の支払いによる一定の本投資法人の収益の下支えがあるのに対して、運営委託方式では、固定賃料による本投資法人の収益の下支えがなく、不動産運用収入がマイナスになる可能性があります。このようなことから、運営委託方式の導入は本投資法人の最終損益にも重要な影響を及ぼす可能性もあります。
また、資産運用会社は、運営受託者からホテルの売上げ等の業績について、定期的に報告を受け、かかる報告に基づき、月次又は中間決算、期末決算時等に公表することがあります。これらの公表数値は、運営受託者から提示された数字であり、本投資法人や本資産運用会社はこの数字の正確性を担保することができません。
d. 法令、金融庁の解釈等で運営委託方式の適用ができなくなるリスク
運営委託方式の導入にあたり、投信法、税務上の導管性等の関係法令等の適否に関しては、関係各省庁等との間で確認を得ていますが、将来において関係法令やその解釈・運用等が変更になった場合は、運営委託方式の適用又は運用ができなくなる可能性があります。
e. 運営委託料改定に係るリスク
ホテル運営受託者との運営委託契約の期間が比較的長期間である場合には、運営委託料について、定期的に見直しを行う場合があります。したがって、当初の運営委託料が、それ以後維持される保証はありません。運営委託料改定により運営委託料が増額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。また、運営委託契約の期間満了に伴い再契約を行う場合、従来の運営委託料水準で再契約できる保証はなく、増額された運営委託料で再契約しなければならない場合もあり得ます。
f. FF&Eの更新投資に関するリスク
後記「③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク (ヘ)施設及び設備等の維持に関するリスク」記載のとおり、ホテルは競争力維持のためには特に、いわゆるFF&Eの定期的な更新投資が必要となります。FF&Eはその資産アイテム毎に、本投資法人とホテル運営受託者との間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が運営委託契約において規定されることが想定されます。かかる取り決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上げ若しくは利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社への依存に関するリスク
不動産運用収入は、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者のホテル運営、さらにホテル賃借人あるいはホテル運営受託者によるホテル運営がホテル運営支援会社のノウハウ等に依拠している場合には、ホテル運営支援会社によるホテル運営支援に依存する場合があります。したがって、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者がその業務の遂行能力に欠ける場合、又は、業務の適切な遂行を怠る場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が旅館業の許可等の必要な許認可を取り消され、あるいは営業停止処分を受けた場合には、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特別清算その他の倒産手続き等により業務執行能力を喪失する場合においては、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者から本投資法人に支払われるべき賃料あるいは運営委託による不動産運用収入の支払いが困難になり、また、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、投資主への金銭の分配に影響を与える可能性があります。
ホテル賃借人は、ホテル運営支援会社とホテル運営支援委託契約を締結し、これに基づきホテル運営支援会社が、ホテル賃借人によるホテル運営業務を支援することを目的として、ホテル運営支援業務を行うことがあります。ホテル経営を成功させるには非常に高度なノウハウが必要とされ、したがって、この様な場合にホテル賃借人が行うホテル事業の成否は、ホテル運営支援会社及びホテル運営支援会社の派遣する人材(ホテル総支配人等)の能力、経験、ノウハウに強く依拠することになります。しかし、ホテル運営支援会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。ホテル運営支援会社について業務の懈怠その他義務違反があった場合には、ホテル賃借人が運営するホテルの収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ホテル運営支援会社との運営委託契約が終了あるいは解除された場合、代替する能力を持つホテル運営支援会社が見つからない可能性、あるいは高額の費用負担が必要となる可能性があり、結果としてホテル収益等あるいは本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者又はホテル運営支援会社は、他の顧客からホテルを賃借し、あるいは運営又は運営支援業務を受託し、本投資法人の保有するホテルに係る業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者又はホテル運営支援会社は、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害する可能性があります。
(ニ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
また、一定の場合には、本投資法人と本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者に委託することが制度上要求されているため、委託契約が解約された場合には、本投資法人が新たな受託者に委託する必要があります。しかし、新たな受託者を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には運用が実質的に機能しない可能性があり、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人の運営は、本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
ホテルにおいては、不動産の保守管理、転借人の管理等の業務を不動産のホテル賃借人(例えばシングルテナント及び核テナント)あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社に大きく依存することがあり、このような場合に、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社が何らかの理由により適切な管理を行えなくなった又は行わなくなった場合、本投資法人の収益や運用資産である不動産の資産価値等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にもかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定をする可能性があります。
また、本資産運用会社が他の不動産ファンド等の投資一任業務及び投資助言業務の受託等を行う場合、本投資法人の投資対象と競合する可能性があります。そのため、本資産運用会社は「パイプライン会議規程」を制定し、本資産運用会社が入手する不動産等案件情報に関して、取得のための優先検討権について、特定の不動産等案件情報が、売主等の要望又は事情等により、本投資法人以外のファンド等との関係においてのみ取得の検討が行われるべきものである場合を除き、本投資法人が常に他のファンド等よりも優先されることとしています。したがって、実際に物件取得希望が競合し、他のファンド等が本投資法人に先立って優先検討権を取得することはないものと想定していますが、かかる想定とは異なり、かかるルールに反する物件の取得検討が行われる場合や、かかるルールが変更される場合には、本投資法人の取得機会が減少すること等により、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。
さらに、本資産運用会社が複数のファンド等の投資一任業務及び投資助言業務を受託する場合、かかる業務において負担することのある契約上の補償義務を負担するなどの事業上のリスクが存在します。かかる事業上のリスクが現実化した場合には、本資産運用会社が本投資法人の資産運用会社として業務を遂行する上で必要な財政的基盤等が損なわれ、本投資法人の運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人の資産運用会社の株主若しくは資産運用会社の役職員の出向元及び出向先企業等、本投資法人に現在関与し又は将来関与する可能性がある法人その他投信法に定める利害関係人等に該当する法人及びその関連会社等(以下「資産運用会社関係者」といいます。)は、資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、資産運用会社関係者は、自ら不動産投資、運用業務を行い又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行い又は将来行う可能性があります。そのため、本投資法人と資産運用会社関係者が特定の資産の取得に関して競合する場合、本投資法人が当該資産を取得できない場合があります。その場合には、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。
(ホ)ポートフォリオ全体において特定のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に依存することによるリスク
本投資法人はその保有するホテルの用に供される不動産を1棟全体として1つのホテル賃借人に賃貸すること、あるいは1つのホテル運営受託者に運営を委託することで運用を行うことが多く、そのポートフォリオ全体に占める個々のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の割合が相対的に大きくなります(すなわち、ポートフォリオ全体におけるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者数が相対的に少ないといえます。)。このように、本投資法人の収入は、特定のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に依存する傾向があり、これらのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の営業状況、財務状況が悪化した場合には、ホテル賃借人としての賃料負担力の悪化やホテル収益の低下を招き、結果として賃料支払が遅延すること、変動賃料が大きく減少すること、運営委託による不動産運用収入が大きく減少あるいは赤字になること、当該ホテル賃借人からの請求等による賃料の減額が発生することがあります。さらには物件から当該ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者が退去することとなった場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)本投資法人の仕組み及び関係者に関するリスク
本書の日付現在、本資産運用会社の株主(スポンサー)はRockrise Sdn Bhd(SC CAPITAL PARTNERS グループ(旧RECAPグループ)の100%出資子会社)、株式会社共立メンテナンス及びオリックス株式会社(以下併せて「スポンサー企業」といいます。)です。本資産運用会社の発行済株式につき、それぞれ87.6%、10.3%、2.1%を保有しています。さらに、SC CAPITAL PARTNERSグループは2011年12月に、HMJの発行済株式の100%を取得しています。
現在及び将来において、本投資法人及び本資産運用会社につき、更なる再編や資本構成の再構築がなされないとの保証はなく、かかる再編や資本構成の再構築に係る決定がなされた場合には、法令及び上場規則に従い引続き適時開示に努めることとなりますので、本投資法人やスポンサー企業の再編の決定が本書提出から間もない時点で公表される場合がないとの保証はありません。また、スポンサー企業の利益は必ずしも本投資法人又は本投資法人の他の投資主の利益と一致するとは限らず、利益相反の問題が生じる可能性があります。スポンサー企業は、本投資法人がスポンサー企業、その子会社若しくは関連会社から資産を取得する場合、物件の賃貸又はその他の業務を行う場合に、本投資法人に対して影響力を行使する可能性があり、また、本投資法人は、スポンサー企業、その子会社又は関連会社と資産の取得等に関し直接競合する場合もあります。加えて、本投資法人やスポンサー企業の更なる再編がなされた後においても、本投資法人が期待したシナジー効果が得られるとの保証はなく、想定外の費用や負担が生じる可能性もあります。かかる場合、本投資法人の業務、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があり、本投資法人の投資口価格や分配金が減少する可能性があります。
③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク
(イ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が行うホテル営業に関するリスク
本投資法人の収益は、賃貸借方式による運用の場合、ホテルの賃貸料収入に依拠しており、賃貸料の支払いの安定性、特に変動賃料は、運用資産からのホテル収益に依存するところがあります。また、運営委託方式による運用の場合、ホテル収益に直接依拠します。したがって、ホテルをその用途とする運用不動産の価値はホテル収益に依拠するところがあります。
ホテル事業については、以下のようなリスクがあります。ホテル事業は、主として宿泊、料飲、物販及びテナントの4つの売上部門により構成されており、テナント部門以外は継続的契約ではなく、不定期顧客との随意かつ一時契約による営業です。このように4つの売上部門により構成されていることから、各部門を合計した全体の事業収入は、各部門個別の事業収入と比して安定した事業収入といえますが、ホテル収益を正確に予測することは容易でなく、大きな変動の可能性もあります。特に、ホテル収益に関しては、過去における収益状況と将来の収益状況が異なる可能性が比較的高いことに注意を要します。さらに、本投資法人の収益及び運用不動産の価値等は、以下のようなホテル事業固有の要因により、大きく悪影響を受ける可能性があります。
一般的にホテル事業は労働集約的・資本集約的な事業であることから、固定費負担が重く損益分岐点が高いため、売上げ上昇時の収益性の向上が見込みやすい反面、売上減の場合の利益落ち込みリスクが比較的高いといえます。
海外旅行を含む、観光地間の競争や、同地域内におけるホテルその他の宿泊施設間、あるいは結婚式場、宴会・催事場や飲食・物販店との競争は激しく、新規に開業するホテルその他の宿泊施設との競争を含め、ホテル業界は競争による影響を強く受けます。
ホテル業界は、全世界、各国、各地域の経済、景気、市場動向といった一般景気変動の影響を強く受けるほか、ビジネス顧客の動向、立地周辺の観光施設やイベントの状況等にも左右される観光客の動向の影響を強く受けます。また、消費者の消費性向を含むライフスタイルの変化や、著名レストラン、スパの有無といった、消費者の嗜好性の変化による影響を受ける可能性があります。
戦争やテロなどの不安定な社会情勢を含むカントリーリスク、地震や風水害など不測の自然災害、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、新型コロナウイルス及びジカ熱などの伝染病・疫病の流行のほか、航空会社、空港施設、鉄道会社等のストライキといった交通機関のトラブルや、交通運賃の上昇、天候不順などの外的要因により、ホテル業界は長期間にわたり悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)投資対象をホテルに特化していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、ホテルを主たる投資対象としています。
一般的にホテルの賃貸借契約の賃貸借期間は比較的短期なものから10年以上の長期のものまであり、また、賃料が固定のものからその一部又は全てがホテル収益に連動するものまで様々な内容のものがあり、それら契約条件如何によりホテルを用途とする不動産に係る賃料収入は影響を受けることがあります。また、賃貸借契約ではなくホテル運営受託者との間で運営委託契約を締結する場合もあり、この場合、当該ホテルからの収入はホテル収益に連動することになるため、経済的要因、季節的要因等によりその収入が大きく変動するおそれがあります。
ホテルは、装置産業としての性格が強く、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、賃貸借契約において既存ホテル賃借人が退去した場合、代替するホテル賃借人となりうる者が少ないために、代替ホテル賃借人が入居するか、あるいは運営受託契約に変更後ホテル運営受託者が運営を開始するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するホテル賃借人確保のために賃料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分なホテル収益が実現できないこと、あるいはホテル運営受託者との運営委託契約の条件が不利になることがあり、その結果、賃料収入あるいは不動産収入が大きな影響を受ける可能性があります。
本投資法人は、賃貸借契約における代替するホテル賃借人の確保のため、バックアップオペレーターとの間で「バックアップ・オペレーティングの意向表明書」を締結し、既存のホテル賃借人の退去の場合に備えることとしていますが、実際にホテル賃借人が退去した場合に、速やかにバックアップオペレーターとの間で既存のホテル賃借人との契約条件と同等又はそれ以上の条件で賃貸借契約を締結できるとの保証はありません。
また、本投資法人がホテル賃借人との間で変動賃料を採用している場合、あるいはホテル運営受託者との間で運営委託契約を締結している場合、賃料や運営委託収入は変動しますので、当該ホテル賃借人の売上減少やホテルの運営収入の減少が、賃料収入や運営委託収入に直接的な影響を与えることになり、赤字となる可能性もあります。
(ハ)物件単位での単一あるいは核となるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者がいる物件に関するリスク
本投資法人はその保有するホテルの用に供される不動産を1棟全体として1つのホテル賃借人に賃貸するか、1つのホテル運営受託者に運営を委託することが多いため、ポートフォリオを構成する各物件は、単一のホテル賃借人へ当該物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件、又は少数の核となる大規模なホテル賃借人が存在する核テナント物件、不動産の大半を1つのホテル運営受託者に運営委託する物件が多数を占めることとなりがちです。このため、本投資法人は特定のホテル賃借人の支払能力や特定のホテル運営受託者の運営能力、これらのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の退去その他の事情により大きな影響を受けるという傾向があります。
一般的に、シングルテナント及び核となる大規模ホテル賃借人は、賃貸借期間が長く賃貸借解約禁止期間が設定されている場合もありますので、退去する可能性は比較的低いものの、万一退去した場合、賃貸スペースの広さと個別のホテル賃借人向けの特別仕様の物件が多いことや、代替となるホテル賃借人となりうる者が限定されていることから、代替となるホテル賃借人が入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少すること、あるいは代替となるホテル賃借人確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に大きな影響を受ける可能性があります。
また、1つのホテル運営受託者に運営を委託している場合においても、ホテル運営受託者が退去した場合、代替となるホテル運営受託者が運営を引き継ぐまでには一定の期間が必要となる場合があり、不動産収入に大きな影響を受ける可能性があります。
(ニ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等の業態の偏りに関するリスク
ホテルの場合、用途に応じた構造の特殊性からホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の業態を大きく変更することが困難であることが多く、また、経済の動向、消費性向の変化に伴い、収益力が減退するときには業務の撤退・縮小を余儀なくされることもあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)季節要因により本投資法人の収益等が変動するリスク
リミテッドサービス及びフルサービスホテルの場合、周辺のイベント(カンファレンス等)の有無及び婚礼、宴会の繁忙期の存在の為、季節によりホテル収益が変動します。観光地に位置するホテルのホテル収益は、一般的に夏休みや年末年始といった観光、休暇シーズンに大きくなります。特に、本書の日付現在の運用資産のうち沖縄のビーチリゾートに位置する変動賃料物件のホテル収益は7月、8月が突出して大きいのが一般的特徴です。このような季節的要因により、本投資法人の収益等は営業期間内で大きく変動する可能性があります。また、ポートフォリオ全体としては、季節要因が軽減できている状態でも、今後追加取得するホテルによっては、季節要因の影響により、本投資法人の収益等は大きく変動する可能性があります。
(へ)施設及び設備等の維持に関するリスク
一定規模以上のシティホテルやリゾートホテルでは、施設及び設備が重装備であり、その運営維持費がかさむのが一般的です。また、これらの陳腐化が比較的激しいため、相応の資本的支出が必要となります。特にホテルでは、固定資産に区分される建物、付属設備等だけでなく、FF&Eと呼ばれる家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等の償却資産についても、その定期的な更新投資がホテルの競争力維持のために不可欠となります。また、ホテルにはトータルのグレードとイメージがあり、例えば客室に一定の質感をもたせれば、それに伴いレストラン、宴会場等に対してもそれ相応の質感を整える必要があります。
施設及び設備の運営維持費、並びにその更新投資の負担がホテルの売上げ等に比べ過大な場合、あるいは施設及び設備の更新投資がホテルの売上げ若しくはホテル収益の増加につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人が直接これを負担することが予定されている場合のみならず、ホテル賃借人・ホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社の負担による場合であっても当該ホテルのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社がグレード等維持のために必要な施設維持運営費を負担しない場合、ホテルの価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ト)マーケットレポートへの依存に関するリスク
ホテルに関する市場評価その他の各種比較資料において入手可能な資料や情報は概して公表例が少ないといえます。また例え存在した場合にも、第三者によるホテル関連のマーケット分析は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、客観的に適正と思われるエリア特性、供給・需要等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法、収集した情報・資料等の範囲若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
(チ)フランチャイズやブランドライセンシング契約に関するリスク
ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者はホテル事業に関するフランチャイズ契約やブランドライセンシング契約を締結することがありますが、これらの契約においては、一定のオペレーティングスタンダードや他の基準・条件の遵守が要求されることが一般的です。また、使用しているブランドのイメージが一般的に低下するようなことが起こった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの理由により、こういった契約が終了し、ブランド名の使用が不可能となった場合、当該ホテルのブランド価値が低下することにより、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)周辺施設への依存に関するリスク
近隣に著しく大きい集客能力を有する施設が存在するホテルの場合、ホテルの集客力も当該施設の集客力に大きく依存している場合が多く、当該施設の移転、閉鎖や営業停止あるいは集客力の低下によりホテル営業収入が減少し、その結果ホテルの価値が減少し、若しくは不動産運用収入が減少する可能性があり、本投資法人に影響を与える可能性があります。本投資法人の運用資産であるオリエンタルホテル東京ベイ及びヒルトン東京ベイは近隣の東京ディズニーリゾートの集客力に、また、ホテル京阪ユニバーサル・シティは近隣のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの集客力に、それぞれ著しく依存しているため、これらの施設の移転、閉鎖や営業停止あるいは集客力の低下によりこれらのホテルの営業収入に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 不動産としてのホテルに関するリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
本投資法人は、不動産投資信託その他のファンド及び国内外の投資家等との間で、本投資法人が投資対象とするような不動産の取得競争にさらされている一方で、ホテルの用に供される不動産の市場は、オフィスビルその他の用途向け不動産市場に比べ、市場規模が相対的には小さく、不動産についての賃料情報、空室率等の情報整備が確立しているとはいえず、また取引事例も少ないため、オフィスビルその他の用途向け不動産に比べて、ホテルの用に供される不動産の流動性は低い傾向にあります。したがって、本投資法人が不動産及びこれを裏付けとする資産の取得を希望した場合にも、これらを取得できるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。さらに、本投資法人が不動産及びこれらを裏付けとする資産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の視点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性があります。その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)不動産の欠陥・瑕疵・契約不適合に関するリスク
不動産には権利、土地の地盤及び地質並びに建物の杭や梁等の構造、設計及び施工等に関して欠陥、瑕疵、契約不適合等が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵、契約不適合等が取得後に発生する可能性もあります。民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)(以下「民法改正法」といいます。)に基づき2020年4月1日に施行される民法改正(以下「2020年民法改正」といいます。)前の民法(以下「旧民法」といいます。)が適用される不動産の売買においては、特約で排除されていない限り、売主は、当該欠陥、瑕疵等について旧民法第570条により買主に対して瑕疵担保責任を負う可能性があります。また、2020年民法改正後の民法が適用される不動産の売買においては、その対象となる不動産が種類、品質若しくは数量又はその権利に関して契約の内容に適合しないものであった場合には、特約で排除されていない限り、売主は、買主に対して契約不適合による担保責任を負う可能性があります。本投資法人は、不動産又は不動産信託受益権を取得するに当たっては、売主に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負担させる場合もあります。しかし、本投資法人は、売主が特別目的会社であり他に見るべき資産が無い場合等のほか、物件の状況や他の条件により、売主からの表明及び保証又は瑕疵担保責任若しくは契約不適合責任の全部又は一部を取得し、又は負担させることなく、不動産又は不動産信託受益権を取得することを余儀なくされる可能性があります。また、たとえ表明及び保証した事実が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任又は契約不適合責任を売買契約上負担させたとしても、瑕疵担保責任や契約不適合責任の期間、責任内容及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、元所有者又は元受益者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もありえます。これらの場合には、当該欠陥、瑕疵、契約不適合等の程度によっては、当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵、契約不適合等の補修その他の対応に係る予定外の費用が甚大となる可能性があるとともに、当該不動産の買主である本投資法人が当該費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。また、本投資法人では、不動産を取得しようとする場合、当該不動産について調査を行うほか、売主に対する資料の徴求を行い、また宅地建物取引業者が作成する重要事項説明書(信託受益権の場合は、第二種金融商品取引業者が作成する書面)等の関係書類の調査を行います。さらに、建物の構造、耐震性、法令や条例の遵守状況、有害物質の有無、隣地との境界等につき、信頼のおける中立の建設会社、不動産業者、リサーチ会社等の専門業者に調査を依頼し、エンジニアリング・レポート(建物状況評価報告書)、市場レポートその他の報告書等を取得し、欠陥、瑕疵ないし品質につき調査を行うことを検討します。その他建物の耐震性能の評価に当たり、本投資法人は、必要に応じ、独立の第三者専門機関に構造計算書を含む耐震構造に問題がないことについての確認の調査を依頼することがあります(前記「2 投資方針 (1)投資方針 ⑤投資基準 (ロ)取得基準 g. デュー・デリジェンスの基準」をご参照ください。)。しかしながら、これらの調査には限界があり、提供される資料の内容や精度、売主・前所有者やホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社の協力の程度、調査が可能な書面等の範囲及び時間的・物理的な制約等から、不動産に関する欠陥・瑕疵・品質について事前に全てを認識することができるとの保証はありません。また、専門家であっても想定し難い過誤を犯さないとはいえません。したがって、本投資法人による取得の後に、取得した不動産に欠陥や瑕疵、契約不適合等が判明する可能性があります。その他、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。更には、不動産の形状や用途によっては、当該不動産の存在や利用状況によって意図しない第三者の権利の侵害が生じる可能性もあります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産登記には公信力がないため、その記載を信じて取引したとしても買主が不動産に係る権利を取得できないことがあります。さらに、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上許容される限度で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。他方、本投資法人が不動産を売却する場合には、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。以下「宅地建物取引業法」といいます。)上宅地建物取引業者とみなされるため、不動産の売却の相手方が宅地建物取引業者でない場合、2020年民法改正の前後を問わず、不動産の売主として民法上負う瑕疵担保責任又は契約不適合責任を原則として排除できません。したがって、本投資法人が不動産の売主となる場合には一定限度の瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負うことになる場合があります。
また、一般的に、不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できず又は境界の確認ができないまま、当該不動産を取得する事例が少なからずあり、今後本投資法人が取得する物件についてもその可能性は小さくありません。そして、そのような不動産を取得した場合には、後日不動産の利用等に支障が生じ、また境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、不動産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限される可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下併せて「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化若しくは毀損し、又は周辺環境の悪化等の間接被害により、その価値又は収益が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされ、又は建替え若しくは修繕が困難であることなどにより、賃料収入が減少し若しくは得られなくなり、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で補填されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払いがほかの何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等に損害を与えた場合には、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、その設置又は保存の瑕疵により生じた損害につき民法上無過失責任を負うこととされています。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合等には、上記(ハ)と同様、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
さらに、経済状況によっては、インフレーション、水道光熱費等の費用の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。
(ホ)不動産の地域的な偏在に関するリスク
本投資法人の保有する不動産であるオリエンタルホテル東京ベイ及びヒルトン東京ベイは、いずれも千葉県浦安市に所在しており、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化、特に東京ディズニーリゾートの集客力の悪化により、本投資法人の全体収益にも著しい悪影響を及ぼす可能性があります。また、本投資法人が保有する不動産が一定の地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化、稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の全体収益にも著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ホテル市場において運用資産相互間で競合し、結果としてホテル営業収入が減少し、その結果、本投資法人の不動産運用収入が減少し、本投資法人の収益等に影響を与える可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
不動産には様々な法令及び条例が適用され、これを遵守する必要があります。ただし、建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定については、その改正の施行又は適用の際、原則として改正後の規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該改正後の規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の改装や建替え等を行う場合には現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
また、その他様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じること、あるいはこれらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。さらに、運用資産である不動産を含む地域が都市計画の対象であり、運用資産の土地の一部が道路等の都市施設用地とされている場合には、当該部分に建築制限が付されること、建築基準法上建物の敷地に算入できる面積が減少し、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
以上のほか、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。さらに、建築基準法、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)の改正、新たな立法、収用、市街地再開発事業、土地区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国有財産法(昭和23年法律第73号。その後の改正を含みます。)により、国有財産のうちの普通財産(国有財産法により定義されます。)が売払い・譲与の対象とされる場合、当該財産を所管する各省庁の長はその買受人又は譲受人に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定することが原則として要請され、また、大蔵省国有財産局長から各財務局長宛の「普通財産にかかる用途指定の処理要領について」(昭和41年2月22日蔵国有第339号。その後の改正を含みます。)により、普通財産の売払い又は譲与等の場合、原則として10年間の期間につき用途指定を行い、さらに売払いの契約に買戻特約を付すること等が要請されます。この場合における買戻しの期間は10年間とされ、当該契約の相手方が倒産等し、解散し、営業停止し、又は合併等を行う場合には当初の売却代金を支払うことにより当該財産を原状に回復した上これを買戻すことができる旨定めるものとされており、かつその旨の登記をなすべきものと規定されています。同様に、地方公共団体の保有する財産が売払い・譲与される場合にもこれに準じた制限が売払い・譲与の契約において定められることがあります。その他、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事や義務を達成できない場合の排出権の購入等の負担を負う可能性があります。
(ト)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が債務超過の状況にある等、財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得する場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について破産手続、民事再生手続又は会社更生手続が開始した場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は更生管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本項において「買主」といいます。)からさらに不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取り消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が取り消され、又は否認された場合に、その効果を主張される可能性があります。
さらに、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(チ)転貸等に関するリスク
本投資法人の主たる運用不動産はホテルですが、ホテルの一部はホテル賃借人等のテナントとの賃貸借契約により、当該不動産の賃借人であるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等から他のテナントに対し転貸・賃貸されることがあります。このような転貸・賃貸においては、転借人等のテナントの信用状態の悪化による賃料の不払い、回収不能の可能性や、転借人等のテナント退去後の新規テナント獲得(市況により、競争が厳しい場合があります。)が容易ではない可能性、あるいは賃料減額となり又はその請求を受ける可能性があり、その結果ホテル収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。
また、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に、不動産の一部又は全部を転借人等のテナントに対し転貸・賃貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居する転借人等のテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があります。また、賃貸借方式において、ホテル賃借人の賃料が、転借人等のテナントからホテル賃借人に対する賃料に連動する場合、又は運営委託方式を採用した場合、テナントの信用状態等が、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、賃貸借契約あるいは運営委託契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約・運営委託契約上、賃貸借契約・運営委託契約の終了の場合にホテル賃借人あるいはホテル運営受託者のテナントに対する敷金等の返還義務が本投資法人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、本投資法人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は本投資法人の負担となり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による建物への変更工事、内装の変更、賃借人あるいはホテル運営受託者等による設備(看板等)の設置、その他のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による建物の使用方法により、建物の状況が建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となる可能性があります。この場合、マスコミ等により、当該建物がかかる状態にあることが公表され、風評リスクにさらされる可能性もあります。本投資法人は、かかる事態が生じないようホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等に要請、指示等をしていく所存ですが、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が所有する資産が関連する場合、本投資法人は当該資産についての管理処分権限を持たないため、上記要請、指示等が必ず遵守されるとの保証はありません。また、本投資法人が建物の所有者であるが故に違反を是正するための費用や事故により発生した損害の負担を余儀なくされる可能性も否定できません。
さらに、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等の属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
本投資法人は、係るリスクを低減するため、各物件に係るホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による予想収支、賃料負担力、当該ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等のコンプライアンス体制、ノウハウや業歴等を基準としてホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等を選定しています。また、本投資法人は、運用資産において、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が原則として完全な裁量をもってホテル経営を行うことに鑑み、本資産運用会社によるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の管理を通じて、運用資産の適切な維持・管理に努めることとしています。しかしながら、このような対応策をとったとしても、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヌ)ホテルとしての建物使用態様に関するリスク
運用不動産は、ホテルを中心とする複合施設として、不特定多数の利用者に対し宿泊や飲食等の各種サービスを提供する施設であり、また、ホテル顧客以外の公衆に対してもロビー、トイレ等の共用部分を開放しているため、清掃・維持修繕の費用が通常の建物より多額になる可能性があるとともに、ホテル施設内で予期できない不法行為を行うものが出現する可能性は常にあります。これにより、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が不測の損害を蒙る場合、あるいは、ホテル自体に損害が発生した場合、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ル)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で決するものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、ほかの共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
さらに、共有の場合、ほかの共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反してほかの共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約を第三者に対抗するためには登記が必要で、かつ、5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続が開始された場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となったほかの共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下「会社更生法」といいます。)第60条、民事再生法第48条第1項)。
ほかの共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、ほかの共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、ほかの共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合にほかの共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
他方、共有持分については、共有者が自己の持分を原則として自由に処分することにより、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、運用不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書又は規約等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
共有されている不動産を賃貸する場合には、共有者たる賃貸人の賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、各共有者は他の共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
また、共有不動産を運営委託に供する場合、一般的な議論はなされていませんが、本投資法人のホテル運営受託者に対するホテル売上の支払請求権が不可分債権となり、本投資法人のホテル運営受託者に対する運営委託料の支払債務及び営業保証金返還債務が不可分債務になる可能性があります。そのような場合には、上記の賃貸借方式と同様のリスクが発生します。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は共有物を希望する時期及び価格で売却できない可能性があります。もっとも、共有者には共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条)、これにより単独の処分又は使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合は、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まないときでも、他の共有者からの請求にも服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが、その場合であっても、合意の有効期間(民法第256条により、5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります(民法第256条)。また、共有者について破産手続、会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(ただし、共有者は、破産手続、会社更生手続若しくは民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。)。
さらに、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続きの対象となる、あるいは、劣化する等の可能性があります。
(ヲ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)、共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法に管理方法に関する規定があるほか、同法の認める範囲で管理規約(管理規約中に管理方法の定めがある場合)によって管理方法が定められます。共用部分の管理に関する事項は、区分所有法又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決するものとされています(区分所有法第39条)。管理規約等の変更は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の決議が必要とされます(区分所有法第62条)。このように、区分所有建物は、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、運用不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。また、区分所有者間の協定書等において、当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の同意を要する旨が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行い、又は、他の区分所有者の同意を得る等の制約を受け、区分所有権を適時に処分できなくなる可能性があります。
区分所有建物とその敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
なお、区分所有建物では、専有部分と敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利をいいます。)の一体性を保持するために、区分所有法第22条で、専有部分と敷地利用権を分離して処分することが禁止されています(ただし、管理規約等で別段の定めをすることができます。また、1984年1月1日当時に存在する専有部分及び敷地利用権については、法務大臣の指定がない場合には、管理規約等で分離処分ができるものと定められたものとみなされます。)。そして、敷地権(敷地利用権をもとに、区分所有建物の敷地になっている土地について建物と一体化されて登記されている権利をいいます。)の登記がなされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権だけが分離されて処分されても、当該分離処分は無効となります。しかし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません(区分所有法23条)。そのような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の運用不動産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該区分所有権や運用不動産が法的手続きの対象となり又は劣化する等の可能性があります。
(ワ)借地物件に関するリスク
借地権(ここでは、地上権と土地の貸借権をいうものとします。)とその借地上に存在する建物からなる物件については、自己が所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。なお、ホテル京阪ユニバーサル・シティは区分所有建物であり、当該建物の敷地利用権には借地権が含まれますが、事業用借地権設定契約の終了に際して、他の区分所有者とともに、その借地権の準共有持分割合に応じて、借地権の対象である土地を地主から購入する義務を負担しています。本投資法人は、かかる購入を行うよう努めますが、購入資金の手当てができないこと等を原因として、当該土地を購入することができない可能性があります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号、その後の改正を含みます。)第4条)を除き、借地人は、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の資産取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、ほかに転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合において、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります(民法第612条第1項)。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払いが予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(カ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(区分所有建物の専有部分を含みます。)を第三者から賃借のうえ又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、賃借人へ転貸又はホテル運営受託者に運営委託することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が本投資法人又は信託受託者の債務不履行により解除されて終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者と賃借人の間の転貸借契約又は運営委託契約も終了するとされていますので、転貸あるいは運営委託した転借人又は運営受託者から、転貸借契約又は運営委託契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ヨ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することがあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(タ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地、土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が存在する可能性があり、かかる有害物質が存在する場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合にはこれに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)に関しては、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか又は使用されている可能性があるときやポリ塩化ビフェニール(PCB)が保管されているとき等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的又は部分的交換が必要となる場合にはこれに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(レ)不動産の売却における制限に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却しようとする際、賃貸借契約において賃借人に対し、あるいは運営委託契約においてホテル運営受託者に、契約期間中は売却をしない旨や土地と建物を分離譲渡しない旨を約したり、第三者に売却する前に賃借人あるいはホテル運営受託者に対して買取りについての優先交渉権を与えたりする場合があり得ます。あるいは売却にあたり、第三者による承認が必要となる場合があります。そのような場合、不動産市場の動向を見ながら最も有利な条件で売却することが難しくなり、本投資法人は、通常であれば得ることができる利益を得ることができなくなるおそれがあります。
(ソ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人は、法律の規定上の瑕疵担保責任又は契約不適合責任以外に、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や担保責任を負う可能性があります。
これらの契約上の表明保証責任や担保責任を負う場合には、契約内容に従い買主から売買契約を解除され、又は買主が被った損害の賠償等をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、2020年民法改正後の民法が適用される賃貸借契約に関しては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継する旨が定められています。2020年民法改正前の民法が適用される賃貸借契約に関しても、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予定外の出費を強いられる場合があり得ます。
運営委託方式に係る不動産の売却においては、別途契約上の地位の移転を行なわない限り、本投資法人とホテル運営受託者の間の運営委託契約は、新所有者に承継されません。このような場合、運営委託契約を解約する必要がありますが、継続的契約関係に基づく信義則等により、運営委託契約上の解約権の行使が制限される可能性があります。このような状況の下で解約した場合、本投資法人は損害賠償債務を負う可能性があります。
(ツ)敷金・保証金等に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人あるいはホテル運営受託者が無利息又は低利で預託した敷金、権利金又は保証金等を運用資産の取得資金の一部又は借入金等債務の弁済充当資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃借人あるいはホテル運営受託者との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人あるいはホテル運営受託者からの敷金及び保証金等の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金等を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金等の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ネ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産等を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。不動産売買契約においては、買主の事情により契約が解約された場合に、売買価格に対する一定割合の違約金が発生する旨の合意がなされることが少なくありません。資産取得のためにフォワード・コミットメント等を行った場合、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
なお、フォワード・コミットメントには該当しないものの、前記「(ワ)借地物件に関するリスク」に記載のとおり、ホテル京阪ユニバーサル・シティに関し、事業用借地権設定契約の終了に際して、借地権の対象である土地を地主から購入する義務を負担していますが、当該義務の不履行に対して、違約金等の定めはありません。
(ナ)専門家による報告書(不動産鑑定評価書等)に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出される予想最大損失率(PML)も個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ラ)運用資産の取得方法に関するリスク
税制上の軽減措置に要する手続との関係で、本投資法人が今後不動産を取得するに当たり、譲渡代金支払日後直ちには当該不動産についての所有権等の移転本登記申請を行わない場合があり得ます。この場合、売主が譲渡代金支払後本登記申請までの間に当該不動産を二重譲渡し、担保提供し、又は売主が倒産すること等により、本投資法人が運用不動産の完全な所有権を取得できなくなる可能性があり、また、同時に支払済みの譲渡代金の全部又は一部につき返還を受けられなくなる可能性があります。なお、本投資法人は、将来取得する不動産については、上記軽減措置に関する手続きのために10日程度要する場合がありますが、このような場合においては、運用不動産の購入実行時(代金支払時)から上記軽減措置に関する手続き終了時(終了後直ちに移転本登記申請を行います。)までの間は仮登記を経ることにより本登記の順位を保全して上記のリスクを可能な限り回避する方針でいます。ただし、仮登記はそれに基づく本登記がなされるまでは順位保全効果しかなく、仮登記に基づき本登記がなされる前に売主が倒産した場合において本投資法人が保護されない可能性もあり、上記のリスクを完全に排除できるとは限りません。
⑤ 信託の受益権特有のリスク
(イ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人が、不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権又は金銭の信託の受益権(ただし、主として当該金銭により不動産、地上権又は土地の賃借権を取得して信託財産とする信託に限ります。以下、これらを本項において「信託の受益権」と総称します。)を取得する場合には、以下のような信託の受益権特有のリスクがあります。なお、以下、2007年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号)を「新信託法」といい、その施行前の信託法(大正11年法律第62号。信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正を含みません。)を「旧信託法」といいます。原則として、2007年9月30日より前に効力を生じた信託については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条)。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
本投資法人が信託の受益権を保有運用資産とする場合、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常です。さらに、信託受益権は有価証券とみなされますが、譲渡に際しては債権譲渡と同様の譲渡方法によるため(新信託法第94条)、株券や社債券のような典型的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低いというリスクが存在します。また、信託受託者は原則として瑕疵担保責任を負っての信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
信託受託者が倒産手続の対象となった場合における信託財産の取扱いについては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定や信託財産の独立性という観点から、信託財産が破産財団、再生債務者又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属すると解釈される可能性は、極めて小さいものと考えられていました。新信託法においては、信託財産は信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。ただし、不動産の場合、当該不動産が信託財産に属することを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託の登記が必要とされます。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
さらに、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者がかかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主に損害を与える可能性があります。
⑥ 会計、税制に関するリスク
(イ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号平成15年10月31日)が適用されることになったことに伴い、本投資法人においても第1期営業期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の業績は悪影響を受ける可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する営業期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額及び配当等の額(一時差異等調整引当額の増加額及び配当等の額については、後記「4 手数料及び税金 (5)課税上の取扱い」をご参照ください。)として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ロ)導管性の維持に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。導管性要件のうち一定のものについては、営業期間毎に判定を行う必要があります。本投資法人は、導管性要件を継続して満たすよう努めていますが、今後、本投資法人の投資主の減少、分配金支払原資の不足、法律の改正その他の要因により導管性要件を満たすことができない営業期間が生じる可能性があります。現行税法上、導管性要件を満たさなかったことについてやむを得ない事情がある場合の救済措置が設けられていないため、後記「(ト)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないリスク」に記載する同族会社化の場合等、本投資法人の意図しないやむを得ない理由により要件を満たすことができなかった場合においても、配当等の額を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があり、本投資口の市場価格に影響を及ぼすこともあります。なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料及び税金 (5)課税上の取扱い」をご参照ください。
(ハ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
2009年4月1日以後終了した事業年度に係る導管性要件のうち、租税特別措置法施行令に規定する配当可能額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。したがって、会計処理と税務上の取扱いの差異により、又は90%の算定について税務当局の解釈・運用・取扱いが本投資法人の見解と異なること等により、過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる営業期間が生じる場合があり得ます。なお、2015年4月1日以後に開始する営業期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ニ)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分にできないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する場合があります。しかしながら、導管性要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当等の額が配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ホ)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヘ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本書の日付現在において、一定の内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
(ト)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
各営業期間毎に判定を行う導管性要件のうち、営業期間終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令に定めるもの(投資法人の投資主の一人及びこれと特殊の関係にある者等が、その投資法人の発行済投資口の総数若しくは議決権の総数の100分の50を超える数を有する場合における当該投資法人をいいます。)に該当していないこととする要件、即ち、同族会社要件については、本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、結果として満たされなくなる営業期間が生じるリスクがあります。
(チ)借入に係る導管性要件に関するリスク
税法上、上記の各営業期間毎に判定を行う導管性要件のひとつに、借入を行う場合には租税特別措置法に規定する機関投資家(以下本「⑥ 会計、税制に関するリスク」において「機関投資家」といいます。)のみから行うべきという要件があります。したがって、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入を行わざるを得ない場合、又は、保証金若しくは敷金の全部若しくは一部が賃借人からの借入金に該当すると解釈された場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(リ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
税法上、導管性要件のひとつに、営業期間末において投資法人の投資口が機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主により保有される(機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる場合には、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資家への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヌ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(ル)適格合併が否認されるリスク
本投資法人は2012年4月1日付で旧JHRと合併していますが、本合併は国税庁より公表されている文書回答事例「投資法人が共同で事業を営むための合併を行う場合の適格判定について」(2009年3月19日回答)における取扱いに従っており、税制適格合併に該当するものと考えています。しかし、税務当局との見解の相違により、非適格合併と認定された場合には、差額負債調整勘定の5年均等償却により課税所得が増加する結果、本投資法人の税負担が増加し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑦ その他のリスク
(イ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行います。本投資法人が出資する匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合や匿名組合が投資あるいは開発する不動産が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配させる残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難な場合があります。また、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ロ)優待制度に関するリスク
本投資法人は、現在の法令、税務の取扱い、優待の内容及び利用状況の推定等に基づくホテル賃借人との合意を前提に、優待制度を導入しています。したがって、これらの前提条件に変更がある場合、本優待制度の内容等が変更、若しくは、実施が停止される場合があります。また、本優待制度の利用に伴って本投資法人の不動産運用収入に影響が有る場合があります。
(ハ)本合併に関するリスク
本投資法人は、2012年4月1日を効力発生日として、旧JHRを合併消滅投資法人とする本合併を行いました。
本投資法人は、本合併に係る合併契約の締結及びその実現にあたり、旧JHR物件に対する精査(デュー・デリジェンス)を行っていますが、かかる精査等によって旧JHR物件に存する瑕疵等の全てを認識しているとの保証はなく、将来旧JHR物件の瑕疵その他の問題が明らかとなった場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)負ののれんによって生じる剰余金の活用方針に関するリスク
本投資法人は本合併により負ののれん発生益を計上していますが、投資法人に関する負ののれんの会計処理又は剰余金の取扱いに関する解釈、運用又は取扱いが変更された場合、負ののれん発生益の金額が変更される可能性及び剰余金の活用が困難になるなど本投資法人の収益及び分配金等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、負ののれんはキャッシュの裏付けのない会計上の利益であるため、剰余金の分配に関する負ののれんの活用方針は、分配可能なキャッシュの額による制約を受けます。本投資法人は、公表した剰余金の分配額(以下「公表済剰余金分配額」といいます。)を分配すべく、本投資法人のキャッシュ・マネジメントに最大限留意しますが、本投資法人が金銭の分配を行う時点において公表済剰余金分配額分のキャッシュが存在するという保証はなく、公表済剰余金分配額よりも低い金額が実際の剰余金の分配額となる可能性があります。また、公表済剰余金分配額の分配が可能であっても、公表済剰余金分配額までの分配を行わない可能性もあります。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人は、上記に記載した各々のリスクに関し、本投資法人自らが投信法及び関連法規に定められた規則を遵守するとともに、本資産運用会社においては適切な社内規程の整備を行い、併せて必要な組織体制を敷き、役職員に対する遵法精神を高めるための教育等の対策を講じています。
具体的な取組みは、以下のとおりです。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員3名で構成される役員会により運営されています。執行役員は、3ヶ月に1回以上の頻度で役員会を開催し、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び本資産運用会社の業務遂行状況の報告を行います。この報告手続きを通じ、本資産運用会社及びそのスポンサー関係者から独立した地位にある監督役員は、的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視する体制を維持しています。同時に、かかる報告により、本投資法人は本資産運用会社のスポンサー関係者との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、本資産運用会社から各種報告を受ける権利及び本資産運用会社の帳簿及び記録その他の資料の閲覧・調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、本資産運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
また、本投資法人は、内部者取引管理規程を定めて、その執行役員及び監督役員が、その業務に関して取得した法人関係情報等の公表前に本投資法人の投資口等及び上場会社等の特定有価証券等(金融商品取引法第163条第1項に定義されるものをいいます。)の売買を行うことを禁止し、インサイダー取引防止に努めています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、各種リスクを適切に管理するために、社内規程としてリスク管理規程を制定し、リスクの種類毎に管理部門を定めてリスク管理を行います。
(イ) 本資産運用会社は、資産運用ガイドラインにおいて、分散投資によるポートフォリオの構築方針、投資対象の選定方針、安定した収益の確保等を目指した運用方針、投資を行う場合の取得基準、物件のデュー・デリジェンスの基準、物件の管理運営方針(PM会社の選定基準及びその業務のモニタリングを含みます。)、付保基準及び年度投資計画等を定めています。かかる資産運用ガイドラインを遵守することにより、不動産や不動産信託受益権に係るリスクの管理に努めています。
(ロ) 本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に係る重要な事項の決定プロセスの明確化を図るとともに、不動産等の調査、取得、管理運営その他の業務それぞれについて、客観的な業務手順を確立して、リスクの管理に努めます。また、投資委員会が承認した資産の運用等に関する全ての事項について、本資産運用会社の取締役会に付議され、取締役の過半数が出席のうえ、出席取締役の過半数をもって取引に係る議案を決するものとします。
(ハ) 本資産運用会社は、スポンサー関係者との本投資法人の間の取引については、自主ルールとしてスポンサー関係者取引規程及びスポンサー関係者取引管理規則を定めており、これを遵守することにより利益相反に係るリスク管理を行います。
(ニ) 本資産運用会社は、内部者取引管理規程を定め、役職員によるインサイダー取引防止に努めています。
(ホ) 本資産運用会社は、コンプライアンスを所管するコンプライアンス室長が委員長となるコンプライアンス委員会を設け、コンプライアンス委員会規程に定める重要な法令等遵守状況を監視します。また、コンプライアンス委員会にて審議・承認された議案は、全て本資産運用会社の取締役会に付され決議されることが必要となります。
(ヘ) 本資産運用会社は、コンプライアンスに関する社内体制を整備し、コンプライアンス上の問題の発生について、対応を講じています。また、法令等遵守を実現させるための具体的な手引書として、コンプライアンス・マニュアルを定め、役職員による法令等遵守の徹底を図るとともに、法令等遵守を実現させるための具体的な実践計画であるコンプライアンス・プログラムを策定し、これに従って法令等遵守の実践に努めます。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに関する管理体制を整備していますが、このような体制が常に有効に機能する保証はありません。管理体制が有効に機能しないことによりリスクが顕在化した場合、本投資法人又は投資主に損失が生ずる恐れがあります。
以下には、本投資法人が発行する投資口(以下「本投資口」といいます。)又は本投資法人が発行する投資法人債(以下「本投資法人債」といいます。)への投資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。ただし、以下は本投資口又は本投資法人債への投資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。また、本投資法人が取得した不動産又は個別の信託の受益権の信託財産である不動産特有のリスクについては、後記「5 運用状況 (2)投資資産 ③その他投資資産の主要なもの (ロ)投資不動産物件の詳細な情報」を併せてご参照ください。
本投資法人は、可能な限りこれらリスクの発生の回避及びリスクが発生した場合の対応に努める方針ですが、回避及び対応が結果的に十分であるとの保証はありません。
以下に記載するリスクが現実化した場合、本投資口又は本投資法人債の市場価格は下落すると考えられ、その結果、元本の欠損が生じる可能性があります。また、本投資法人の純資産額の低下その他財務状況の悪化により、分配率の低下が生じる可能性があります。
各投資家は、自らの責任において、本「3 投資リスク」を含む本書の記載事項を慎重に検討した上で本投資口又は本投資法人債に関する投資判断を行う必要があります。
本「3 投資リスク」には、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本書提出日現在において判断したものです。
本「3 投資リスク」に記載されているリスク項目は、以下のとおりです。
① 投資証券の性格に関するリスク
(イ)投資口の市場価格の変動に関するリスク
(ロ)本投資法人の投資口の市場での取引に関するリスク
(ハ)投資法人債の償還・利払いに関するリスク
(ニ)投資法人債の価格の変動に関するリスク
(ホ)収入及び支出の変動に関するリスク
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
(ト)借入及び投資法人債による資金調達に関するリスク
(チ)投資口の追加発行時の価値の希薄化に関するリスク
(リ)余裕資金の運用に関するリスク
(ヌ)本投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないことによるリスク
(ル)役員の職務遂行に関するリスク
(ヲ)本投資法人の関係者による信用失墜に関するリスク
(ワ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
(カ)本投資法人の倒産、登録抹消又は清算のリスク
② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク
(イ)賃貸借契約に関するリスク
(ロ)ホテルの運営委託契約に関するリスク
(ハ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社への依存に関するリスク
(ニ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
(ホ)ポートフォリオ全体において特定のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に依存することによるリスク
(ヘ)本投資法人の仕組み及び関係者に関するリスク
③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク
(イ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が行うホテル営業に関するリスク
(ロ)投資対象をホテルに特化していることによるリスク
(ハ)物件単位での単一あるいは核となるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者がいる物件に関するリスク
(ニ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等の業態の偏りに関するリスク
(ホ)季節要因により本投資法人の収益等が変動するリスク
(へ)施設及び設備等の維持に関するリスク
(ト)マーケットレポートへの依存に関するリスク
(チ)フランチャイズやブランドライセンシング契約に関するリスク
(リ)周辺施設への依存に関するリスク
④ 不動産としてのホテルに関するリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
(ロ)不動産の欠陥・瑕疵・契約不適合に関するリスク
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
(ホ)不動産の地域的な偏在に関するリスク
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
(ト)売主の倒産等の影響を受けるリスク
(チ)転貸等に関するリスク
(リ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
(ヌ)ホテルとしての建物使用態様に関するリスク
(ル)共有物件に関するリスク
(ヲ)区分所有建物に関するリスク
(ワ)借地物件に関するリスク
(カ)借家物件に関するリスク
(ヨ)開発物件に関するリスク
(タ)有害物質に関するリスク
(レ)不動産の売却における制限に関するリスク
(ソ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
(ツ)敷金・保証金等に関するリスク
(ネ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
(ナ)専門家による報告書(不動産鑑定評価書等)に関するリスク
(ラ)運用資産の取得方法に関するリスク
⑤ 信託の受益権特有のリスク
(イ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
⑥ 会計、税制に関するリスク
(イ)減損会計の適用に関するリスク
(ロ)導管性の維持に関する一般的なリスク
(ハ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
(ニ)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分にできないリスク
(ホ)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
(ヘ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
(ト)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
(チ)借入に係る導管性要件に関するリスク
(リ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
(ヌ)一般的な税制の変更に関するリスク
(ル)適格合併が否認されるリスク
⑦ その他のリスク
(イ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
(ロ)優待制度に関するリスク
(ハ)本合併に関するリスク
(ニ)負ののれんによって生じる剰余金の活用方針に関するリスク
① 投資証券の性格に関するリスク
(イ)投資口の市場価格の変動に関するリスク
本投資口は、投資主からの請求による投資口の払戻しを行わないクローズド・エンド型であるため、投資主が本投資口を換金する手段は、原則として第三者に対する売却に限定されます。
本投資口の市場価格は、本投資法人が上場する金融商品取引所における投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動するため、本投資口を投資主が希望する時期及び条件で取引できるとの保証はなく、また本投資口を取得した価格以上の価格で売却できない場合や本投資口の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、その結果、投資主が損失を被る可能性があります。
(ロ)本投資法人の投資口の市場での取引に関するリスク
本投資法人の投資口は金融商品取引所に上場されていますが、当該金融商品取引所の定めた規程、規則等に定める一定の上場廃止基準に抵触する場合には、本投資法人の投資口の上場が廃止される可能性があります。上場が廃止された場合には、投資口は金融商品取引業者による口座における保護預かりの対象にならず、投資主は投資証券を自ら保管する必要が生じる他、保有する本投資口を相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の純資産額に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資口の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。
(ハ)投資法人債の償還・利払いに関するリスク
本投資法人の信用状況の悪化その他の理由により本投資法人債について元本や利払いが滞ること、あるいは支払不能が生じるリスクがあります。
(ニ)投資法人債の価格の変動に関するリスク
本投資法人債は金融商品取引所に上場されておらず、相対で譲渡する他に換金の手段がないため、本投資法人の信用力や本投資法人債の諸条件に比して相当に廉価で譲渡せざるを得ない場合や本投資法人債の譲渡自体が事実上不可能となる場合があり、損失を被る可能性があります。本投資法人債の市場価格は、投資家の需給により影響を受けるほか、金利情勢、経済情勢、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動するため、本投資法人債を投資家が希望する時期及び条件で取引できるとの保証はなく、その結果、投資家が損失を被る可能性があります。
(ホ)収入及び支出の変動に関するリスク
本投資法人の収入は、本投資法人が取得する不動産及び不動産を裏付けとする資産の当該裏付け不動産(以下、本「(1)リスク要因」の項において「不動産」と総称します。)の賃料収入及び運営委託による不動産運用収入に主として依存しています。賃料収入のうち、固定賃料の契約の場合は、主として賃借人の退去に伴う不動産の稼働率の低下(建物の建替え及び大規模修繕等を要因とする場合も含みます。)、変動賃料が採用されている場合は、賃借人の売上減等により、賃料が大きく減少する可能性、運営委託が採用されている場合は、運営委託による不動産運用収入が大きく減少する可能性があるほか、固定賃料の場合においても、賃借人との協議や賃借人からの請求等により賃料が減額されること、契約どおりの増額改定を行えない可能性もあります(これら不動産に係る賃料収入に関するリスクについては、後記「② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク (イ)賃貸借契約に関するリスク」を、運営委託に関するリスクは後記「② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク (ロ)ホテルの運営委託契約に関するリスク」をご参照ください。)。また、当該不動産に関して締結される賃貸借契約に基づく賃料が、一般的な賃料水準に比して適正な水準にあるとは限りません。
一方、収入の減少だけでなく、退去する賃借人への預り敷金及び保証金の返還、大規模修繕等に要する費用支出、多額の資本的支出、不動産の取得等に要する費用、その他不動産に関する支出が状況により増大し、キャッシュ・フローを減ずる要因となる可能性があります。
このように、不動産からの収入が減少する可能性があるとともに、不動産に関する支出は増大する可能性があり、個別の資産及び運用資産全体の過去の収支の状況が必ずしも将来の収支の状況と一致し又は同様の傾向を示すとは限りません。何らかの理由によりこれらの収支に変更が生じた場合、投資主への分配金額が減少すること、あるいは本投資口の市場価格が下落することがあります。
(ヘ)金銭の分配に関するリスク
本投資法人は、その分配方針に従って、投資主に対して金銭の分配を行う予定ですが、分配の有無及びその金額は、いかなる場合においても保証されるものではありません。上記(ホ)の収入及び支出の変動に関するリスクに加えて、不動産の売却に伴う損益や建替えや改装等に伴う除却損等により、期間損益が大きく変動し、投資主への分配金が増減することがあります。
(ト)借入及び投資法人債による資金調達に関するリスク
本投資法人は、新投資口の発行に加え、機関投資家からの金銭の借入及び本投資法人債の発行による資金調達を行うことを予定しています。その限度額は、規約上金銭の借入及び投資法人債については1兆円(うち短期投資法人債発行の限度額は、2,500億円)とします。ただし、合計して1兆円を超えないものとします。
金銭の借入及び本投資法人債の発行の可能性及び条件は、本投資法人の経済的信用力、金利情勢その他の要因による影響を受けるため、今後本投資法人の希望する時期及び条件で金銭の借入及び本投資法人債の発行を行うことができる保証はなく、その結果、予定した資産を取得できなかったり、予定しない資産の売却を余儀なくされたり、資金繰りがつかなくなる可能性があります。
また、本投資法人が新たな金銭の借入、既存債務の借換又は投資法人債の発行を希望する場合にも、これらが可能であるとの保証はありません。またこれらが可能な場合にも、当該金銭の借入、借換又は本投資法人債の発行の条件として、投資主への金銭の分配を制約する等の財務制限条項が設けられたり、運用資産に担保を設定することとなったり、規約の変更が制限される等の可能性があり、このような制約が本投資法人の運営に支障をもたらし、又は投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本書の日付現在、本投資法人が行っている金銭の借入に際しては、一定の財務制限条項が設定されています。
さらに、借入及び投資法人債の金利は、借入時及び本投資法人債発行時の市場動向に左右され、変動金利の場合には、その後の市場動向にも左右されます。借入及び本投資法人債の金利が上昇し、又はこれらの元本額が増加した場合には、本投資法人の利払額は増加します。このような利払額の増加により、投資主に対する金銭の分配額等に悪影響を及ぼす可能性があります。
借入又は投資法人債の発行において運用不動産に担保を設定した場合(本書の日付現在、本投資法人は借入に際して運用不動産に担保を設定していません。また、当初は無担保の借入又は投資法人債であっても、一定の条件のもとに担保設定を要求される場合もあります。)、本投資法人が担保の設定された運用不動産の売却を希望したとしても、担保の解除手続きその他の事情により、希望どおりの時期に売却できない又は希望する価格で売却できない可能性があります。また、収益性の悪化等により担保不動産の評価額が借入先によって引き下げられた場合あるいは他の借入を行う場合等、一定の条件のもとに運用不動産に対して追加して担保を設定することを要求される可能性もあります。特に、担保不動産からのキャッシュ・フローが減少したり、その評価額が引き下げられたりした場合には、借入先より借入金の早期返済を強制され、本投資法人の希望しない条件で借換え資金を調達せざるを得なくなったり、借入先より担保不動産の売却による返済を強制され、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用不動産を処分せざるを得なくなる状況も想定され、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
契約上金利が固定されておらず何らかの指標に連動するとされている場合等には、契約期間中に金利が上昇する可能性がありますが、金利が上昇しても本投資法人の受取る収入等が連動して上昇するわけではありませんので、分配可能金額が減少する可能性があります。
金利の上昇により支払利息が増加するリスクを軽減するために、金利スワップや金利キャップを購入する場合がありますが、こうした取引を行った場合においても、関連する契約の内容や、取引相手方が万が一破綻した際の中途解約等により、金利リスク軽減のメリットを受けられない可能性があります。また、取引相手方に現金担保を差入れる場合、相手方の破綻により差入れた現金担保が回収できない可能性があります。
借換えや運用不動産の売却等によって借入金の期限前返済を行う場合には、違約金等がその時点の金利情勢によって決定されることがあり、予測しがたい経済状況の変動により投資主に損害を与える可能性があります。
さらに、本投資法人のキャッシュ・フロー、金利情勢その他の理由により、運用不動産を処分しなければ借入の返済及び投資法人債の償還ができなくなる可能性があります。この場合、本投資法人の希望しない時期及び条件で運用不動産を処分せざるを得ない状況も想定され、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
本投資法人は、LTV(注)については、原則として65%を上限の目処として運用します。LTVが高まった場合、一般的に、分配可能金額が金利変動の影響を受け易くなり、また、金利が上昇した場合についての上記記載のリスクが高まります。
本投資法人が借入又は投資法人債について債務不履行になった場合、それらの債権者により本投資法人の資産に対して仮差押え等の保全処分や差押え等の強制執行が行われることがあるとともに、本投資法人に対して破産手続等の倒産手続の申立が行われる可能性があります。
(注)LTV(総資産有利子負債比率)=有利子負債額(借入金額+投資法人債残高)/総資産額
(チ)投資口の追加発行時の価値の希薄化に関するリスク
本投資法人は、新規投資口を随時追加発行する予定ですが、かかる追加発行により既存の投資主の保有する投資口の持分割合が減少します。また、本投資法人の計算期間中に追加発行された投資口に対して、当該計算期間の期初から存する投資口と同額の金銭の分配が行われる場合には、既存の投資主は、追加発行がなかった場合に比して、悪影響を受ける可能性があります。
さらに、追加発行の結果、本投資法人の投資口1口当たりの純資産価格や市場における需給バランスが影響を受ける可能性があります。
(リ)余裕資金の運用に関するリスク
本投資法人は、余裕資金を投資資金として運用する場合があります。このような場合には、想定した運用利益を上げることができず、又は、元本欠損が生じる可能性があります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヌ)本投資主の権利が必ずしも株主の権利と同一でないことによるリスク
本投資法人の投資主は、投資主総会を通じて、本投資法人の意思決定に参画できる他、本投資法人に対して一定の権利を行使することができますが、かかる権利は株式会社における株主の権利とは必ずしも同一ではありません。たとえば、金銭の分配に係る計算書を含む本投資法人の計算書類等は、役員会の承認のみで確定し(投信法第131条第2項)、投資主総会の承認を得る必要はないことから、投資主総会は、必ずしも、決算期毎に招集されるわけではありません。また、投資主が投資主総会に出席せず、かつ、議決権を行使しないときは、当該投資主はその投資主総会に提出された議案について賛成するものとみなされます(投信法第93条第1項、規約第14条)。さらに、本投資法人は、資産の運用に係る業務その他の業務を資産運用会社その他の第三者に委託しています。これらの要因により、投資主による資産の運用に係る業務その他の業務に対する統制が効果的に行えない可能性があります。
(ル)役員の職務遂行に関するリスク
投信法上、投資法人を代表しその業務執行を行う執行役員及び執行役員の業務の監督等を行う監督役員は、投資法人からの受任者として善良な管理者としての注意義務(以下「善管注意義務」といいます。)を負い、また、法令、規約及び投資主総会の決議を遵守し投資法人のため忠実に職務を遂行する義務(以下「忠実義務」といいます。)を負っています(投信法第97条、第109条、第111条、会社法第330条、第355条、民法644条。)。しかし、本投資法人の執行役員又は監督役員が、職務遂行上、善管注意義務又は忠実義務に反する行為を行い、結果として投資主が損害を受ける可能性があります(なお、執行役員及び監督役員の業務の詳細については、前記「1 投資法人の概況 (4)投資法人の機構 ① 投資法人の統治に関する事項 (イ)投資法人の機関の内容 b.執行役員、監督役員及び役員会」をご参照ください。)。
(ヲ)本投資法人の関係者による信用失墜に関するリスク
2013年6月12日に上場投資法人の発行する投資口等へのインサイダー取引規制の導入等を定めた金融商品取引法等の一部を改正する法律が成立し、2014年4月1日に同法が施行されたため、本投資法人の発行する投資口等の取引は、金融商品取引法が定めるインサイダー取引規制の対象となりました。本投資法人の関係者が禁止されるインサイダー取引を行った場合には、本投資口に対する投資家一般の信頼を害し、ひいては本投資口の市場価格の下落や流動性の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人の関係者は個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。その後の改正を含みます。以下「個人情報保護法」といいます。)及びマイナンバー法の適用を受けます。そのため、法令等に基づき個人情報保護法及びマイナンバー法順守体制を整える必要がありますが、これらの関係者において個人情報の漏洩・紛失があった場合、問題の解決に一定の費用を要する可能性があるとともに、本投資法人あるいは金融商品市場の風評が害されることにより、投資口価格の低迷などを招いて投資家が損失を被る可能性があります。
(ワ)本投資法人の投資方針の変更に関するリスク
本投資法人の規約に記載されている資産運用の対象及び方針等の基本的な事項の変更には、投資主総会の承認が必要ですが、本投資法人の役員会及び本資産運用会社の取締役会が定めたより詳細な投資方針等については、投資主総会の承認を経ることなく、変更することが可能です。そのため、本投資法人の投資主の意思が反映されないまま、これらが変更される可能性があります。
(カ)本投資法人の倒産、登録抹消又は清算のリスク
本投資法人は、破産法(平成16年法律第75号。その後の改正を含みます。以下「破産法」といいます。)、民事再生法(平成11年法律第225号。その後の改正を含みます。以下「民事再生法」といいます。)及び投信法上の特別清算手続(投信法第164条)に服します。
本投資法人は、投信法に基づいて投資法人としての登録を受けていますが、一定の事由が発生した場合に投信法に従ってその登録が取り消される可能性があります(投信法第216条)。その場合には、本投資口の上場が廃止され、本投資法人は解散し、清算手続に入ります。
なお、本投資法人は投資主総会の決議により解散することがあります。
本投資法人が清算される場合、投資主は、全ての債権者への弁済(投資法人債の償還を含みます。)後の残余財産の分配からしか投資金額を回収することができません。このため、投資主は、投資金額の全部又は一部について回収を得ることができない可能性があります。
② 本投資法人の仕組み及び関係者への依存に関するリスク
(イ)賃貸借契約に関するリスク
a. 賃貸借契約の解約リスク、更新又は再契約がなされないリスク
わが国の賃貸借契約では、期間の定めがあっても、賃借人が契約上解約権を留保している例が多く見られ、このような場合には契約期間中であっても賃貸借契約が終了することがあります。また、通常の賃貸借契約の期間満了時に契約の更新がなされず、又は定期建物賃貸借契約の期間満了時に再契約がなされない場合もあります。そのため、稼働率が低下し、不動産に係る賃料収入が減少することがあります。なお、解約禁止条項、解約ペナルティ条項等を置いて期間中の解約権を制限している場合でも、裁判所によって解約ペナルティが減額されること、あるいはかかる条項の効力が否定される可能性があります。以上のような事由により、賃料収入が減少した場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
また、賃貸借契約が解約により終了し、賃借人が不動産の原状回復義務を履行しなかった場合、本投資法人が原状回復費用を負担することになる可能性があります。このような場合には、本投資法人の資産が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
b. 賃料不払に関するリスク
賃借人の財務状況が悪化した場合又は破産手続、民事再生手続、会社更生手続その他の倒産手続の対象となった場合、賃貸借契約に基づく賃料支払いが滞る可能性があり、この延滞賃料等の債務の合計額が敷金及び保証金で担保される範囲を超える状況では投資主に損害を与える可能性があります。賃料の不払いを理由として賃貸人から賃貸借契約を解除することもありえますが、かかる場合のリスクについては後記「③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク (ロ)投資対象をホテルに特化していることによるリスク」をご参照ください。
c. 変動賃料に関するリスク
ホテルの売上げ又はGOPに応じた変動賃料の支払いを受ける場合には、ホテルの売上げ又はGOPの減少が賃料総額の減少につながり、その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホテル賃借人は株主等に対する忠実義務を負っているため、ホテルの売上げ並びにGOPを極大化させるインセンティブを有しています。さらに、ホテル運営支援会社は一般的にホテル収益に連動して報酬を受け取ることとなっていることから、ホテルの売上げ並びにGOPの増加を目指してホテル運営の支援を行うことになります。それにもかかわらず、売上を過小に計上し、又は営業費用を過大に見積もる等によりGOPをより低位に計上し、変動賃料の金額を恣意的に引き下げようとする可能性は否定できません。
また、変動賃料の支払いを伴う賃貸借契約において、変動賃料計算の基礎となる売上高又はGOP等の数値について、賃貸人がその正確性について十分な検証を行えない場合があり得ます。その結果、本来支払われるべき金額全額の変動賃料の支払いがなされず、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、資産運用会社は、変動賃料を導入しているホテル賃借人からホテルの売上げ等の業績について、定期的に報告を受け、かかる報告に基づき、月次又は中間決算、期末決算時等に公表することがあります。これらの公表数値は、ホテル賃借人から提示された数字であり、本投資法人や本資産運用会社はこの数字の正確性を担保することができません。
d. 賃料改定に係るリスク
本投資法人の主たる投資対象であるホテルに関するホテル賃借人との賃貸借契約の期間は、比較的長期間であることが一般的ですが、このような契約においては、多くの場合、賃料等の賃貸借契約の内容について、定期的に見直しを行うこととされています。
したがって、本書の日付現在の賃料が今後も維持される保証はありません。賃料改定により賃料が減額された場合、投資主に損害を与える可能性があります。
また、定期的に賃料等を増額する旨の規定が賃貸借契約にある場合でも、ホテル賃借人との交渉いかんによっては、必ずしも、規定どおりに賃料を増額できるとは限りません。賃料の増額についてホテル賃借人との間で協議が調わず、ホテル賃借人が相当と認める額の賃料しか支払わなかった場合は、本投資法人は増額を正当とする裁判が確定するまで、不足額につき支払いを受けられないことになります。また、本投資法人がホテル賃借人が相当と認める額の賃料の受領を拒絶し、ホテル賃借人が当該賃料額を供託した場合には、本投資法人は増額を正当とする裁判が確定するまで、賃料全額について支払いを受けられないことになります。このような場合、賃料収入が減少し、投資主に損害を与える可能性があります。
e. 賃借人による賃料減額請求権行使のリスク
建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約において借地借家法(平成3年法律第90号。その後の改正を含みます。以下「借地借家法」といいます。)第32条に基づく賃料減額請求権を排除する特約を設けた場合を除いて、同条に基づく賃料減額請求をすることができます。請求が認められた場合、当該不動産から得られる賃料収入が減少し、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
f. FF&Eの更新投資に関するリスク
後記「③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク (ヘ)施設及び設備等の維持に関するリスク」記載のとおり、ホテルは競争力維持のためには特に、いわゆるFF&E(注)の定期的な更新投資が必要となります。FF&Eはその資産アイテム毎に、賃貸人とホテル賃借人の間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が賃貸借契約において規定されることが一般的です。かかる取り決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上げ若しくは利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、ホテル賃借人の財務状態の悪化等を招くことを通じて、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)FF&Eは、Furniture、Fixture&Equipmentの略であり、家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等、ホテル運営に必要な資産をいいます。原則的にFF&Eは償却資産です。
(ロ)ホテルの運営委託契約に関するリスク
本投資法人は、その保有するホテルをホテル運営受託者に運営委託することにより運用することがあります。ホテル運営委託契約に関しては、以下のとおりのリスクがあります。
a. 運営委託契約の解約リスク、更新又は再契約がなされないリスク
本投資法人は、投資対象であるホテルをホテル運営受託者に運営委託する場合があります。ホテルの運営委託契約の場合、運営委託契約の解除又は終了により、ホテル運営を行うホテル運営受託者が不在となると、ホテルの運営ができなくなり、本投資法人に重大な悪影響が及びます。また、運営委託契約において期間中の解約権を留保している場合等には、契約期間中であっても運営委託契約を終了することが可能であるため、ホテル運営受託者から運営委託契約が解除される場合があり得ます。また、運営委託契約の期間満了時に契約の更新がなされない場合もあります。このような理由により、運営委託契約が終了する場合、本投資法人は新たなホテル運営受託者と運営委託契約を締結することにより、ホテル運営が継続して行われるようにしなければなりませんが、優れたホテル運営能力を有する新たなホテル運営受託者と運営委託契約を締結できる保証はなく、もしこれができない場合、ホテル運営に重大な支障を来し、本投資法人に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
b. 運営委託に関わる支払いのリスク
運営委託契約において、本投資法人は、ホテル運営受託者のホテル事業(運営)から生じるホテル収益の成果を、運営委託による不動産運用収入としてホテル運営受託者から受け取ることになります。そのような中、ホテル運営受託者の業績が悪化あるいはその他の要因によりホテル運営受託者の信用状況が悪化した場合又は破産手続、再生手続若しくは更生手続その他の倒産手続の対象になった場合、不動産運用収入が本投資法人に支払われない可能性があり、これにより投資主に損害を与える可能性があります。このようなことから、運営委託契約において、本投資法人の収益はホテル運営受託者の支払い能力に依存することになります。
このため、運営委託契約において、ホテル運営受託者が本投資法人に対して営業保証金を差し入れる場合があります。営業保証金が差し入れられている場合は、営業保証金の限度で不動産運用収入は営業保証金により担保されますが、営業保証金が十分でない場合、あるいは営業保証金を受けられない場合又は営業保証金の全部若しくは一部が運用資産の取得資金の一部若しくは借入金等の債務の弁済に充当され、事実上担保として機能しない場合もあり、これにより投資主に損害を与える可能性があります。
c. 運営委託による不動産運用収入に関するリスク
運営委託による不動産運用を行う場合、ホテル収益が本投資法人の不動産運用収入に反映されるため、ホテル収益の上昇局面において、その収益向上の成果を直接、本投資法人に取込むことが可能になる一方、ホテル収益の下降局面において、本投資法人の収益が大幅に減少する可能性があります。特に、賃貸借方式では、ホテル賃借人の支払能力に基づく固定賃料の支払いによる一定の本投資法人の収益の下支えがあるのに対して、運営委託方式では、固定賃料による本投資法人の収益の下支えがなく、不動産運用収入がマイナスになる可能性があります。このようなことから、運営委託方式の導入は本投資法人の最終損益にも重要な影響を及ぼす可能性もあります。
また、資産運用会社は、運営受託者からホテルの売上げ等の業績について、定期的に報告を受け、かかる報告に基づき、月次又は中間決算、期末決算時等に公表することがあります。これらの公表数値は、運営受託者から提示された数字であり、本投資法人や本資産運用会社はこの数字の正確性を担保することができません。
d. 法令、金融庁の解釈等で運営委託方式の適用ができなくなるリスク
運営委託方式の導入にあたり、投信法、税務上の導管性等の関係法令等の適否に関しては、関係各省庁等との間で確認を得ていますが、将来において関係法令やその解釈・運用等が変更になった場合は、運営委託方式の適用又は運用ができなくなる可能性があります。
e. 運営委託料改定に係るリスク
ホテル運営受託者との運営委託契約の期間が比較的長期間である場合には、運営委託料について、定期的に見直しを行う場合があります。したがって、当初の運営委託料が、それ以後維持される保証はありません。運営委託料改定により運営委託料が増額された場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。また、運営委託契約の期間満了に伴い再契約を行う場合、従来の運営委託料水準で再契約できる保証はなく、増額された運営委託料で再契約しなければならない場合もあり得ます。
f. FF&Eの更新投資に関するリスク
後記「③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク (ヘ)施設及び設備等の維持に関するリスク」記載のとおり、ホテルは競争力維持のためには特に、いわゆるFF&Eの定期的な更新投資が必要となります。FF&Eはその資産アイテム毎に、本投資法人とホテル運営受託者との間の資産区分及び初期投資、修繕、更新等の負担区分が運営委託契約において規定されることが想定されます。かかる取り決めにより、本投資法人がその多くを所有し、その負担能力を超えて初期投資、修繕、更新等を行うこととなった場合、本投資法人の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、かかるFF&Eの初期投資、修繕、更新等がホテルの売上げ若しくは利益増につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ハ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社への依存に関するリスク
不動産運用収入は、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者のホテル運営、さらにホテル賃借人あるいはホテル運営受託者によるホテル運営がホテル運営支援会社のノウハウ等に依拠している場合には、ホテル運営支援会社によるホテル運営支援に依存する場合があります。したがって、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者がその業務の遂行能力に欠ける場合、又は、業務の適切な遂行を怠る場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が旅館業の許可等の必要な許認可を取り消され、あるいは営業停止処分を受けた場合には、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特別清算その他の倒産手続き等により業務執行能力を喪失する場合においては、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者から本投資法人に支払われるべき賃料あるいは運営委託による不動産運用収入の支払いが困難になり、また、本投資法人の日常の業務遂行に影響を及ぼすことになり、投資主への金銭の分配に影響を与える可能性があります。
ホテル賃借人は、ホテル運営支援会社とホテル運営支援委託契約を締結し、これに基づきホテル運営支援会社が、ホテル賃借人によるホテル運営業務を支援することを目的として、ホテル運営支援業務を行うことがあります。ホテル経営を成功させるには非常に高度なノウハウが必要とされ、したがって、この様な場合にホテル賃借人が行うホテル事業の成否は、ホテル運営支援会社及びホテル運営支援会社の派遣する人材(ホテル総支配人等)の能力、経験、ノウハウに強く依拠することになります。しかし、ホテル運営支援会社においてかかる業務遂行に必要な人的・財政的基礎が維持される保証はありません。ホテル運営支援会社について業務の懈怠その他義務違反があった場合には、ホテル賃借人が運営するホテルの収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ホテル運営支援会社との運営委託契約が終了あるいは解除された場合、代替する能力を持つホテル運営支援会社が見つからない可能性、あるいは高額の費用負担が必要となる可能性があり、結果としてホテル収益等あるいは本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者又はホテル運営支援会社は、他の顧客からホテルを賃借し、あるいは運営又は運営支援業務を受託し、本投資法人の保有するホテルに係る業務と類似又は同種の業務を行う可能性があります。これらの場合、当該ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者又はホテル運営支援会社は、本投資法人以外の者の利益を優先することにより、本投資法人の利益を害する可能性があります。
(ニ)本投資法人の関係者への依存、利益相反に関するリスク
本投資法人は、投信法に基づき、資産の運用を本資産運用会社に、資産の保管を資産保管会社に、一般事務を一般事務受託者に、それぞれ委託しています。本投資法人の円滑な業務遂行の実現のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところが大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
また、一定の場合には、本投資法人と本資産運用会社、資産保管会社及び一般事務受託者との委託契約が解約されることがあります。投信法上、資産の運用、資産の保管及び一般事務に関しては第三者に委託することが制度上要求されているため、委託契約が解約された場合には、本投資法人が新たな受託者に委託する必要があります。しかし、新たな受託者を選任できる保証はなく、速やかに選任できない場合には運用が実質的に機能しない可能性があり、本投資法人の存続及び収益等に悪影響を及ぼし、投資主に損害を与える可能性があります。
また、本投資法人の運営は、本資産運用会社の人材に大きく依存しており、これらの人材が失われた場合、本投資法人の運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
このほかに、本資産運用会社又は本投資法人若しくは運用資産である不動産信託受益権に関する信託受託者から委託を受ける業者として、PM会社、建物の管理会社等があります。本投資法人の収益性の向上のためにはこれらの者の能力、経験及びノウハウに依存するところも大きいと考えられますが、これらの者が業務遂行に必要な人的・財政的基盤等を必ずしも維持できる保証はありません。
ホテルにおいては、不動産の保守管理、転借人の管理等の業務を不動産のホテル賃借人(例えばシングルテナント及び核テナント)あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社に大きく依存することがあり、このような場合に、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社が何らかの理由により適切な管理を行えなくなった又は行わなくなった場合、本投資法人の収益や運用資産である不動産の資産価値等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、資産運用会社は他の投資法人等の資産運用会社となる可能性があり、その場合、上記の善管注意義務や忠実義務等の存在にもかかわらず、本投資法人に不利益となる意思決定をする可能性があります。
また、本資産運用会社が他の不動産ファンド等の投資一任業務及び投資助言業務の受託等を行う場合、本投資法人の投資対象と競合する可能性があります。そのため、本資産運用会社は「パイプライン会議規程」を制定し、本資産運用会社が入手する不動産等案件情報に関して、取得のための優先検討権について、特定の不動産等案件情報が、売主等の要望又は事情等により、本投資法人以外のファンド等との関係においてのみ取得の検討が行われるべきものである場合を除き、本投資法人が常に他のファンド等よりも優先されることとしています。したがって、実際に物件取得希望が競合し、他のファンド等が本投資法人に先立って優先検討権を取得することはないものと想定していますが、かかる想定とは異なり、かかるルールに反する物件の取得検討が行われる場合や、かかるルールが変更される場合には、本投資法人の取得機会が減少すること等により、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。
さらに、本資産運用会社が複数のファンド等の投資一任業務及び投資助言業務を受託する場合、かかる業務において負担することのある契約上の補償義務を負担するなどの事業上のリスクが存在します。かかる事業上のリスクが現実化した場合には、本資産運用会社が本投資法人の資産運用会社として業務を遂行する上で必要な財政的基盤等が損なわれ、本投資法人の運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、本投資法人の資産運用会社の株主若しくは資産運用会社の役職員の出向元及び出向先企業等、本投資法人に現在関与し又は将来関与する可能性がある法人その他投信法に定める利害関係人等に該当する法人及びその関連会社等(以下「資産運用会社関係者」といいます。)は、資産運用会社を介して本投資法人が行う取引について、それぞれの立場において自己又は第三者の利益を図ることが可能な立場にあります。加えて、資産運用会社関係者は、自ら不動産投資、運用業務を行い又は将来行うことがあるほか、資産運用業務を行う他の会社に出資を現在行い又は将来行う可能性があります。そのため、本投資法人と資産運用会社関係者が特定の資産の取得に関して競合する場合、本投資法人が当該資産を取得できない場合があります。その場合には、本投資法人の利益を害することとなる可能性があります。
(ホ)ポートフォリオ全体において特定のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に依存することによるリスク
本投資法人はその保有するホテルの用に供される不動産を1棟全体として1つのホテル賃借人に賃貸すること、あるいは1つのホテル運営受託者に運営を委託することで運用を行うことが多く、そのポートフォリオ全体に占める個々のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の割合が相対的に大きくなります(すなわち、ポートフォリオ全体におけるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者数が相対的に少ないといえます。)。このように、本投資法人の収入は、特定のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に依存する傾向があり、これらのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の営業状況、財務状況が悪化した場合には、ホテル賃借人としての賃料負担力の悪化やホテル収益の低下を招き、結果として賃料支払が遅延すること、変動賃料が大きく減少すること、運営委託による不動産運用収入が大きく減少あるいは赤字になること、当該ホテル賃借人からの請求等による賃料の減額が発生することがあります。さらには物件から当該ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者が退去することとなった場合には、本投資法人の収益等に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
(ヘ)本投資法人の仕組み及び関係者に関するリスク
本書の日付現在、本資産運用会社の株主(スポンサー)はRockrise Sdn Bhd(SC CAPITAL PARTNERS グループ(旧RECAPグループ)の100%出資子会社)、株式会社共立メンテナンス及びオリックス株式会社(以下併せて「スポンサー企業」といいます。)です。本資産運用会社の発行済株式につき、それぞれ87.6%、10.3%、2.1%を保有しています。さらに、SC CAPITAL PARTNERSグループは2011年12月に、HMJの発行済株式の100%を取得しています。
現在及び将来において、本投資法人及び本資産運用会社につき、更なる再編や資本構成の再構築がなされないとの保証はなく、かかる再編や資本構成の再構築に係る決定がなされた場合には、法令及び上場規則に従い引続き適時開示に努めることとなりますので、本投資法人やスポンサー企業の再編の決定が本書提出から間もない時点で公表される場合がないとの保証はありません。また、スポンサー企業の利益は必ずしも本投資法人又は本投資法人の他の投資主の利益と一致するとは限らず、利益相反の問題が生じる可能性があります。スポンサー企業は、本投資法人がスポンサー企業、その子会社若しくは関連会社から資産を取得する場合、物件の賃貸又はその他の業務を行う場合に、本投資法人に対して影響力を行使する可能性があり、また、本投資法人は、スポンサー企業、その子会社又は関連会社と資産の取得等に関し直接競合する場合もあります。加えて、本投資法人やスポンサー企業の更なる再編がなされた後においても、本投資法人が期待したシナジー効果が得られるとの保証はなく、想定外の費用や負担が生じる可能性もあります。かかる場合、本投資法人の業務、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があり、本投資法人の投資口価格や分配金が減少する可能性があります。
③ 本投資法人の投資対象であるホテルに関するリスク
(イ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が行うホテル営業に関するリスク
本投資法人の収益は、賃貸借方式による運用の場合、ホテルの賃貸料収入に依拠しており、賃貸料の支払いの安定性、特に変動賃料は、運用資産からのホテル収益に依存するところがあります。また、運営委託方式による運用の場合、ホテル収益に直接依拠します。したがって、ホテルをその用途とする運用不動産の価値はホテル収益に依拠するところがあります。
ホテル事業については、以下のようなリスクがあります。ホテル事業は、主として宿泊、料飲、物販及びテナントの4つの売上部門により構成されており、テナント部門以外は継続的契約ではなく、不定期顧客との随意かつ一時契約による営業です。このように4つの売上部門により構成されていることから、各部門を合計した全体の事業収入は、各部門個別の事業収入と比して安定した事業収入といえますが、ホテル収益を正確に予測することは容易でなく、大きな変動の可能性もあります。特に、ホテル収益に関しては、過去における収益状況と将来の収益状況が異なる可能性が比較的高いことに注意を要します。さらに、本投資法人の収益及び運用不動産の価値等は、以下のようなホテル事業固有の要因により、大きく悪影響を受ける可能性があります。
一般的にホテル事業は労働集約的・資本集約的な事業であることから、固定費負担が重く損益分岐点が高いため、売上げ上昇時の収益性の向上が見込みやすい反面、売上減の場合の利益落ち込みリスクが比較的高いといえます。
海外旅行を含む、観光地間の競争や、同地域内におけるホテルその他の宿泊施設間、あるいは結婚式場、宴会・催事場や飲食・物販店との競争は激しく、新規に開業するホテルその他の宿泊施設との競争を含め、ホテル業界は競争による影響を強く受けます。
ホテル業界は、全世界、各国、各地域の経済、景気、市場動向といった一般景気変動の影響を強く受けるほか、ビジネス顧客の動向、立地周辺の観光施設やイベントの状況等にも左右される観光客の動向の影響を強く受けます。また、消費者の消費性向を含むライフスタイルの変化や、著名レストラン、スパの有無といった、消費者の嗜好性の変化による影響を受ける可能性があります。
戦争やテロなどの不安定な社会情勢を含むカントリーリスク、地震や風水害など不測の自然災害、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、新型コロナウイルス及びジカ熱などの伝染病・疫病の流行のほか、航空会社、空港施設、鉄道会社等のストライキといった交通機関のトラブルや、交通運賃の上昇、天候不順などの外的要因により、ホテル業界は長期間にわたり悪影響を受ける可能性があります。
(ロ)投資対象をホテルに特化していることによるリスク
本投資法人は、不動産の中でも、ホテルを主たる投資対象としています。
一般的にホテルの賃貸借契約の賃貸借期間は比較的短期なものから10年以上の長期のものまであり、また、賃料が固定のものからその一部又は全てがホテル収益に連動するものまで様々な内容のものがあり、それら契約条件如何によりホテルを用途とする不動産に係る賃料収入は影響を受けることがあります。また、賃貸借契約ではなくホテル運営受託者との間で運営委託契約を締結する場合もあり、この場合、当該ホテルからの収入はホテル収益に連動することになるため、経済的要因、季節的要因等によりその収入が大きく変動するおそれがあります。
ホテルは、装置産業としての性格が強く、また、運営に当たり高度な知識が要求されることから、賃貸借契約において既存ホテル賃借人が退去した場合、代替するホテル賃借人となりうる者が少ないために、代替ホテル賃借人が入居するか、あるいは運営受託契約に変更後ホテル運営受託者が運営を開始するまでの空室期間が長期化し、不動産の稼働率が大きく低下すること、代替するホテル賃借人確保のために賃料水準を下げざるを得なくなること、運営の移行期間において十分なホテル収益が実現できないこと、あるいはホテル運営受託者との運営委託契約の条件が不利になることがあり、その結果、賃料収入あるいは不動産収入が大きな影響を受ける可能性があります。
本投資法人は、賃貸借契約における代替するホテル賃借人の確保のため、バックアップオペレーターとの間で「バックアップ・オペレーティングの意向表明書」を締結し、既存のホテル賃借人の退去の場合に備えることとしていますが、実際にホテル賃借人が退去した場合に、速やかにバックアップオペレーターとの間で既存のホテル賃借人との契約条件と同等又はそれ以上の条件で賃貸借契約を締結できるとの保証はありません。
また、本投資法人がホテル賃借人との間で変動賃料を採用している場合、あるいはホテル運営受託者との間で運営委託契約を締結している場合、賃料や運営委託収入は変動しますので、当該ホテル賃借人の売上減少やホテルの運営収入の減少が、賃料収入や運営委託収入に直接的な影響を与えることになり、赤字となる可能性もあります。
(ハ)物件単位での単一あるいは核となるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者がいる物件に関するリスク
本投資法人はその保有するホテルの用に供される不動産を1棟全体として1つのホテル賃借人に賃貸するか、1つのホテル運営受託者に運営を委託することが多いため、ポートフォリオを構成する各物件は、単一のホテル賃借人へ当該物件全体を賃貸するいわゆるシングルテナント物件、又は少数の核となる大規模なホテル賃借人が存在する核テナント物件、不動産の大半を1つのホテル運営受託者に運営委託する物件が多数を占めることとなりがちです。このため、本投資法人は特定のホテル賃借人の支払能力や特定のホテル運営受託者の運営能力、これらのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の退去その他の事情により大きな影響を受けるという傾向があります。
一般的に、シングルテナント及び核となる大規模ホテル賃借人は、賃貸借期間が長く賃貸借解約禁止期間が設定されている場合もありますので、退去する可能性は比較的低いものの、万一退去した場合、賃貸スペースの広さと個別のホテル賃借人向けの特別仕様の物件が多いことや、代替となるホテル賃借人となりうる者が限定されていることから、代替となるホテル賃借人が入居するまでの空室期間が長期化する可能性があります。その結果、当該物件の稼働率が大きく減少すること、あるいは代替となるホテル賃借人確保のために賃料水準を引き下げざるを得なくなることがあり、賃料収入に大きな影響を受ける可能性があります。
また、1つのホテル運営受託者に運営を委託している場合においても、ホテル運営受託者が退去した場合、代替となるホテル運営受託者が運営を引き継ぐまでには一定の期間が必要となる場合があり、不動産収入に大きな影響を受ける可能性があります。
(ニ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等の業態の偏りに関するリスク
ホテルの場合、用途に応じた構造の特殊性からホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の業態を大きく変更することが困難であることが多く、また、経済の動向、消費性向の変化に伴い、収益力が減退するときには業務の撤退・縮小を余儀なくされることもあり、そのような場合には、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ホ)季節要因により本投資法人の収益等が変動するリスク
リミテッドサービス及びフルサービスホテルの場合、周辺のイベント(カンファレンス等)の有無及び婚礼、宴会の繁忙期の存在の為、季節によりホテル収益が変動します。観光地に位置するホテルのホテル収益は、一般的に夏休みや年末年始といった観光、休暇シーズンに大きくなります。特に、本書の日付現在の運用資産のうち沖縄のビーチリゾートに位置する変動賃料物件のホテル収益は7月、8月が突出して大きいのが一般的特徴です。このような季節的要因により、本投資法人の収益等は営業期間内で大きく変動する可能性があります。また、ポートフォリオ全体としては、季節要因が軽減できている状態でも、今後追加取得するホテルによっては、季節要因の影響により、本投資法人の収益等は大きく変動する可能性があります。
(へ)施設及び設備等の維持に関するリスク
一定規模以上のシティホテルやリゾートホテルでは、施設及び設備が重装備であり、その運営維持費がかさむのが一般的です。また、これらの陳腐化が比較的激しいため、相応の資本的支出が必要となります。特にホテルでは、固定資産に区分される建物、付属設備等だけでなく、FF&Eと呼ばれる家具、什器、備品、装飾品並びに厨房機器等の償却資産についても、その定期的な更新投資がホテルの競争力維持のために不可欠となります。また、ホテルにはトータルのグレードとイメージがあり、例えば客室に一定の質感をもたせれば、それに伴いレストラン、宴会場等に対してもそれ相応の質感を整える必要があります。
施設及び設備の運営維持費、並びにその更新投資の負担がホテルの売上げ等に比べ過大な場合、あるいは施設及び設備の更新投資がホテルの売上げ若しくはホテル収益の増加につながらず、期待どおりの効果が得られない場合、本投資法人が直接これを負担することが予定されている場合のみならず、ホテル賃借人・ホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社の負担による場合であっても当該ホテルのホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社がグレード等維持のために必要な施設維持運営費を負担しない場合、ホテルの価値に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ト)マーケットレポートへの依存に関するリスク
ホテルに関する市場評価その他の各種比較資料において入手可能な資料や情報は概して公表例が少ないといえます。また例え存在した場合にも、第三者によるホテル関連のマーケット分析は、個々の調査会社の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものに留まり、客観的に適正と思われるエリア特性、供給・需要等と一致するとは限りません。同じ物件について調査分析を行った場合でも、調査分析会社、分析方法又は調査方法、収集した情報・資料等の範囲若しくは時期によってマーケット分析の内容が異なる可能性があります。
(チ)フランチャイズやブランドライセンシング契約に関するリスク
ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者はホテル事業に関するフランチャイズ契約やブランドライセンシング契約を締結することがありますが、これらの契約においては、一定のオペレーティングスタンダードや他の基準・条件の遵守が要求されることが一般的です。また、使用しているブランドのイメージが一般的に低下するようなことが起こった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの理由により、こういった契約が終了し、ブランド名の使用が不可能となった場合、当該ホテルのブランド価値が低下することにより、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)周辺施設への依存に関するリスク
近隣に著しく大きい集客能力を有する施設が存在するホテルの場合、ホテルの集客力も当該施設の集客力に大きく依存している場合が多く、当該施設の移転、閉鎖や営業停止あるいは集客力の低下によりホテル営業収入が減少し、その結果ホテルの価値が減少し、若しくは不動産運用収入が減少する可能性があり、本投資法人に影響を与える可能性があります。本投資法人の運用資産であるオリエンタルホテル東京ベイ及びヒルトン東京ベイは近隣の東京ディズニーリゾートの集客力に、また、ホテル京阪ユニバーサル・シティは近隣のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの集客力に、それぞれ著しく依存しているため、これらの施設の移転、閉鎖や営業停止あるいは集客力の低下によりこれらのホテルの営業収入に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 不動産としてのホテルに関するリスク
(イ)不動産を取得又は処分できないリスク
本投資法人は、不動産投資信託その他のファンド及び国内外の投資家等との間で、本投資法人が投資対象とするような不動産の取得競争にさらされている一方で、ホテルの用に供される不動産の市場は、オフィスビルその他の用途向け不動産市場に比べ、市場規模が相対的には小さく、不動産についての賃料情報、空室率等の情報整備が確立しているとはいえず、また取引事例も少ないため、オフィスビルその他の用途向け不動産に比べて、ホテルの用に供される不動産の流動性は低い傾向にあります。したがって、本投資法人が不動産及びこれを裏付けとする資産の取得を希望した場合にも、これらを取得できるとは限りません。また、取得が可能であったとしても、投資採算の観点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性もあります。さらに、本投資法人が不動産及びこれらを裏付けとする資産を取得した後にこれらを処分する場合にも、投資採算の視点から希望した価格、時期その他の条件で取引を行えない可能性があります。その結果、本投資法人が利回りの向上や収益の安定化等のために最適と考える資産のポートフォリオを構築できない可能性があります。
(ロ)不動産の欠陥・瑕疵・契約不適合に関するリスク
不動産には権利、土地の地盤及び地質並びに建物の杭や梁等の構造、設計及び施工等に関して欠陥、瑕疵、契約不適合等が存在している可能性があり、また、かかる欠陥、瑕疵、契約不適合等が取得後に発生する可能性もあります。民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)(以下「民法改正法」といいます。)に基づき2020年4月1日に施行される民法改正(以下「2020年民法改正」といいます。)前の民法(以下「旧民法」といいます。)が適用される不動産の売買においては、特約で排除されていない限り、売主は、当該欠陥、瑕疵等について旧民法第570条により買主に対して瑕疵担保責任を負う可能性があります。また、2020年民法改正後の民法が適用される不動産の売買においては、その対象となる不動産が種類、品質若しくは数量又はその権利に関して契約の内容に適合しないものであった場合には、特約で排除されていない限り、売主は、買主に対して契約不適合による担保責任を負う可能性があります。本投資法人は、不動産又は不動産信託受益権を取得するに当たっては、売主に対し一定の事項につき表明及び保証を要求し、瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負担させる場合もあります。しかし、本投資法人は、売主が特別目的会社であり他に見るべき資産が無い場合等のほか、物件の状況や他の条件により、売主からの表明及び保証又は瑕疵担保責任若しくは契約不適合責任の全部又は一部を取得し、又は負担させることなく、不動産又は不動産信託受益権を取得することを余儀なくされる可能性があります。また、たとえ表明及び保証した事実が真実でなかったことを理由とする損害賠償責任や瑕疵担保責任又は契約不適合責任を売買契約上負担させたとしても、瑕疵担保責任や契約不適合責任の期間、責任内容及び責任額は一定範囲に限定されるのが通例であり、また、元所有者又は元受益者が解散したり無資力になっているために実効性がない場合もありえます。これらの場合には、当該欠陥、瑕疵、契約不適合等の程度によっては、当該不動産の資産価値が低下することを防ぐために買主である本投資法人が当該欠陥、瑕疵、契約不適合等の補修その他の対応に係る予定外の費用が甚大となる可能性があるとともに、当該不動産の買主である本投資法人が当該費用を負担せざるを得なくなることがあり、投資主に損害を与える可能性があります。また、本投資法人では、不動産を取得しようとする場合、当該不動産について調査を行うほか、売主に対する資料の徴求を行い、また宅地建物取引業者が作成する重要事項説明書(信託受益権の場合は、第二種金融商品取引業者が作成する書面)等の関係書類の調査を行います。さらに、建物の構造、耐震性、法令や条例の遵守状況、有害物質の有無、隣地との境界等につき、信頼のおける中立の建設会社、不動産業者、リサーチ会社等の専門業者に調査を依頼し、エンジニアリング・レポート(建物状況評価報告書)、市場レポートその他の報告書等を取得し、欠陥、瑕疵ないし品質につき調査を行うことを検討します。その他建物の耐震性能の評価に当たり、本投資法人は、必要に応じ、独立の第三者専門機関に構造計算書を含む耐震構造に問題がないことについての確認の調査を依頼することがあります(前記「2 投資方針 (1)投資方針 ⑤投資基準 (ロ)取得基準 g. デュー・デリジェンスの基準」をご参照ください。)。しかしながら、これらの調査には限界があり、提供される資料の内容や精度、売主・前所有者やホテル賃借人あるいはホテル運営受託者並びにホテル運営支援会社の協力の程度、調査が可能な書面等の範囲及び時間的・物理的な制約等から、不動産に関する欠陥・瑕疵・品質について事前に全てを認識することができるとの保証はありません。また、専門家であっても想定し難い過誤を犯さないとはいえません。したがって、本投資法人による取得の後に、取得した不動産に欠陥や瑕疵、契約不適合等が判明する可能性があります。その他、不動産をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、不動産に関する権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受けたり、第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。更には、不動産の形状や用途によっては、当該不動産の存在や利用状況によって意図しない第三者の権利の侵害が生じる可能性もあります。その結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産登記には公信力がないため、その記載を信じて取引したとしても買主が不動産に係る権利を取得できないことがあります。さらに、権利に関する事項のみならず、不動産登記簿中の不動産の表示に関する事項が現況と一致していない場合もあります。このような場合、上記と同じく、本投資法人は売主等に対して法律上又は契約上許容される限度で責任を追及することとなりますが、その実効性があるとの保証はありません。他方、本投資法人が不動産を売却する場合には、本投資法人は、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。その後の改正を含みます。以下「宅地建物取引業法」といいます。)上宅地建物取引業者とみなされるため、不動産の売却の相手方が宅地建物取引業者でない場合、2020年民法改正の前後を問わず、不動産の売主として民法上負う瑕疵担保責任又は契約不適合責任を原則として排除できません。したがって、本投資法人が不動産の売主となる場合には一定限度の瑕疵担保責任又は契約不適合責任を負うことになる場合があります。
また、一般的に、不動産を取得するまでの時間的制約等から、隣接地権者からの境界確定同意が取得できず又は境界の確認ができないまま、当該不動産を取得する事例が少なからずあり、今後本投資法人が取得する物件についてもその可能性は小さくありません。そして、そのような不動産を取得した場合には、後日不動産の利用等に支障が生じ、また境界に関して紛争が発生して、所有敷地の面積の減少、損害賠償責任の負担を余儀なくされる等、不動産について予定外の費用又は損失を負担する可能性があります。同様に、越境物の存在により、不動産の利用が制限される可能性や、越境物の除去等のために追加費用を負担する可能性もあります。
(ハ)災害等による建物の毀損、滅失及び劣化のリスク
火災、地震、暴風雨、洪水、落雷、竜巻、戦争、暴動、騒乱、テロ等(以下併せて「災害等」といいます。)により不動産が滅失、劣化若しくは毀損し、又は周辺環境の悪化等の間接被害により、その価値又は収益が影響を受ける可能性があります。このような場合には、滅失、劣化又は毀損した個所を修復するため一定期間建物の不稼働を余儀なくされ、又は建替え若しくは修繕が困難であることなどにより、賃料収入が減少し若しくは得られなくなり、又は当該不動産の価値が下落する結果、投資主に損害を与える可能性があります。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合、保険契約で支払われる上限額を上回る損害が発生した場合、保険契約で補填されない災害等が発生した場合又は保険契約に基づく保険会社による支払いがほかの何らかの理由により行われず、減額され若しくは遅れる場合には、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
(ニ)不動産に係る所有者責任、修繕・維持費用等に関するリスク
運用資産である不動産を原因として、第三者の生命、身体又は財産等に損害を与えた場合には、損害賠償義務が発生し、結果的に本投資法人が予期せぬ損害を被る可能性があります。特に、土地の工作物の所有者は、その設置又は保存の瑕疵により生じた損害につき民法上無過失責任を負うこととされています。不動産の個別事情により保険契約が締結されない場合等には、上記(ハ)と同様、本投資法人は悪影響を受ける可能性があります。
また、不動産につき滅失、毀損又は劣化等が生じ、修繕が必要となる場合には、かかる修繕に関連して多額の費用を要する可能性があります。また、かかる修繕が困難又は不可能な場合には、不動産から得られる賃料収入が減少し、不動産の価格が下落する可能性があります。
さらに、経済状況によっては、インフレーション、水道光熱費等の費用の高騰、不動産管理や建物管理に係る費用、備品調達等の管理コスト及び各種保険料等のコストの上昇、公租公課の増大その他の理由により、不動産の運用に関する費用が増加する可能性があります。
(ホ)不動産の地域的な偏在に関するリスク
本投資法人の保有する不動産であるオリエンタルホテル東京ベイ及びヒルトン東京ベイは、いずれも千葉県浦安市に所在しており、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化、特に東京ディズニーリゾートの集客力の悪化により、本投資法人の全体収益にも著しい悪影響を及ぼす可能性があります。また、本投資法人が保有する不動産が一定の地域に偏在した場合には、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化、稼働率の低下、賃料水準の下落等が、本投資法人の全体収益にも著しい悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ホテル市場において運用資産相互間で競合し、結果としてホテル営業収入が減少し、その結果、本投資法人の不動産運用収入が減少し、本投資法人の収益等に影響を与える可能性があります。
(ヘ)不動産に係る行政法規・条例等に関するリスク
不動産には様々な法令及び条例が適用され、これを遵守する必要があります。ただし、建築基準法又はこれに基づく命令若しくは条例の規定については、その改正の施行又は適用の際、原則として改正後の規定に適合しない現に存する建物(現に建築中のものを含みます。)又はその敷地については、当該改正後の規定が適用されない扱いとされています(いわゆる既存不適格)。しかし、かかる既存不適格の建物の改装や建替え等を行う場合には現行の規定が適用されるので、現行の規定に合致するよう手直しをする必要があり、追加的な費用負担が必要となる可能性があり、また、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
また、その他様々な行政法規や各地の条例による規制が運用資産である不動産に適用される可能性があります。例えば、文化財保護法(昭和25年法律第214号。その後の改正を含みます。)に基づく試掘調査義務、一定割合において住宅を付置する義務や、駐車場設置義務、福祉配慮設備設置義務、緑化推進義務及び雨水流出抑制施設設置義務等が挙げられます。このような義務が課せられている場合、当該不動産の処分及び建替え等に際して、事実上の困難が生じること、あるいはこれらの義務を遵守するための追加的な費用負担が生じる可能性があります。さらに、運用資産である不動産を含む地域が都市計画の対象であり、運用資産の土地の一部が道路等の都市施設用地とされている場合には、当該部分に建築制限が付されること、建築基準法上建物の敷地に算入できる面積が減少し、当該不動産に関して建替え等を行う際に、現状と同規模の建築物を建築できない可能性があります。
以上のほか、消防法(昭和23年法律第186号。その後の改正を含みます。)その他不動産の管理に影響する関係法令の改正により、不動産の管理費用等が増加する可能性があります。さらに、建築基準法、都市計画法(昭和43年法律第100号。その後の改正を含みます。)の改正、新たな立法、収用、市街地再開発事業、土地区画整理等の行政行為等により不動産に関する権利が制限される可能性があります。このような法令若しくは行政行為又はその変更等が本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、国有財産法(昭和23年法律第73号。その後の改正を含みます。)により、国有財産のうちの普通財産(国有財産法により定義されます。)が売払い・譲与の対象とされる場合、当該財産を所管する各省庁の長はその買受人又は譲受人に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定することが原則として要請され、また、大蔵省国有財産局長から各財務局長宛の「普通財産にかかる用途指定の処理要領について」(昭和41年2月22日蔵国有第339号。その後の改正を含みます。)により、普通財産の売払い又は譲与等の場合、原則として10年間の期間につき用途指定を行い、さらに売払いの契約に買戻特約を付すること等が要請されます。この場合における買戻しの期間は10年間とされ、当該契約の相手方が倒産等し、解散し、営業停止し、又は合併等を行う場合には当初の売却代金を支払うことにより当該財産を原状に回復した上これを買戻すことができる旨定めるものとされており、かつその旨の登記をなすべきものと規定されています。同様に、地方公共団体の保有する財産が売払い・譲与される場合にもこれに準じた制限が売払い・譲与の契約において定められることがあります。その他、法律又は条例により、地球温暖化対策として、一定の要件を満たす不動産の所有者に温室効果ガス排出に関する報告や排出量制限の義務が課されることがあります。これらの制度創設又は拡充に伴い、排出量削減のための建物改修工事や義務を達成できない場合の排出権の購入等の負担を負う可能性があります。
(ト)売主の倒産等の影響を受けるリスク
本投資法人が債務超過の状況にある等、財務状態が実質的危機時期にあると認められる又はその疑義がある者を売主として不動産を取得する場合には、当該不動産の売買が売主の債権者により取り消される(詐害行為取消)可能性があります。また、本投資法人が不動産を取得した後、売主について破産手続、民事再生手続又は会社更生手続が開始した場合には、不動産の売買が破産管財人、監督委員又は更生管財人により否認される可能性が生じます。
また、本投資法人が、ある売主から不動産を取得した別の者(以下、本項において「買主」といいます。)からさらに不動産を取得した場合において、本投資法人が、当該不動産の取得時において、売主と買主間の当該不動産の売買が詐害行為として取り消され又は否認される根拠となりうる事実関係を知っている場合には、本投資法人に対しても、売主・買主間の売買が取り消され、又は否認された場合に、その効果を主張される可能性があります。
さらに、取引の態様如何によっては売主と本投資法人との間の不動産の売買が、担保取引であると判断され、当該不動産は破産者である売主の破産財団の一部を構成し、又は更生会社若しくは再生債務者である売主の財産に属するとみなされる可能性(いわゆる真正譲渡でないとみなされるリスク)もあります。
(チ)転貸等に関するリスク
本投資法人の主たる運用不動産はホテルですが、ホテルの一部はホテル賃借人等のテナントとの賃貸借契約により、当該不動産の賃借人であるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等から他のテナントに対し転貸・賃貸されることがあります。このような転貸・賃貸においては、転借人等のテナントの信用状態の悪化による賃料の不払い、回収不能の可能性や、転借人等のテナント退去後の新規テナント獲得(市況により、競争が厳しい場合があります。)が容易ではない可能性、あるいは賃料減額となり又はその請求を受ける可能性があり、その結果ホテル収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、テナントによる建物への変更工事、内装の変更等により、建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となり、本投資法人が、その改善のための費用を負担する可能性があります。
また、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者に、不動産の一部又は全部を転借人等のテナントに対し転貸・賃貸させる権限を与えた場合、本投資法人は、不動産に入居する転借人等のテナントを自己の意思により選択できなくなったり、退去させられなくなる可能性があります。また、賃貸借方式において、ホテル賃借人の賃料が、転借人等のテナントからホテル賃借人に対する賃料に連動する場合、又は運営委託方式を採用した場合、テナントの信用状態等が、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、賃貸借契約あるいは運営委託契約が合意解約された場合、又は債務不履行を理由に解除された場合であっても、賃貸借契約・運営委託契約上、賃貸借契約・運営委託契約の終了の場合にホテル賃借人あるいはホテル運営受託者のテナントに対する敷金等の返還義務が本投資法人に承継される旨規定されている場合等には、かかる敷金等の返還義務が、本投資法人に承継される可能性があります。このような場合、敷金等の返還原資は本投資法人の負担となり、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(リ)ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による不動産の利用・管理状況に関するリスク
建物そのものが法令や条例等の基準を満たす場合であっても、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による建物への変更工事、内装の変更、賃借人あるいはホテル運営受託者等による設備(看板等)の設置、その他のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による建物の使用方法により、建物の状況が建築基準法・消防法その他の法令や条例等に違反する状態となる可能性があります。この場合、マスコミ等により、当該建物がかかる状態にあることが公表され、風評リスクにさらされる可能性もあります。本投資法人は、かかる事態が生じないようホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等に要請、指示等をしていく所存ですが、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が所有する資産が関連する場合、本投資法人は当該資産についての管理処分権限を持たないため、上記要請、指示等が必ず遵守されるとの保証はありません。また、本投資法人が建物の所有者であるが故に違反を是正するための費用や事故により発生した損害の負担を余儀なくされる可能性も否定できません。
さらに、転借人や賃借権の譲受人の属性によっては、運用資産である不動産のホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等の属性が悪化し、これに起因して建物全体の賃料水準が低下する可能性があります。
本投資法人は、係るリスクを低減するため、各物件に係るホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等による予想収支、賃料負担力、当該ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等のコンプライアンス体制、ノウハウや業歴等を基準としてホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等を選定しています。また、本投資法人は、運用資産において、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が原則として完全な裁量をもってホテル経営を行うことに鑑み、本資産運用会社によるホテル賃借人あるいはホテル運営受託者の管理を通じて、運用資産の適切な維持・管理に努めることとしています。しかしながら、このような対応策をとったとしても、かかるリスクが現実化しないという保証はありません。
(ヌ)ホテルとしての建物使用態様に関するリスク
運用不動産は、ホテルを中心とする複合施設として、不特定多数の利用者に対し宿泊や飲食等の各種サービスを提供する施設であり、また、ホテル顧客以外の公衆に対してもロビー、トイレ等の共用部分を開放しているため、清掃・維持修繕の費用が通常の建物より多額になる可能性があるとともに、ホテル施設内で予期できない不法行為を行うものが出現する可能性は常にあります。これにより、ホテル賃借人あるいはホテル運営受託者等が不測の損害を蒙る場合、あるいは、ホテル自体に損害が発生した場合、本投資法人に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ル)共有物件に関するリスク
運用資産である不動産が第三者との間で共有されている場合には、その保存・利用・処分等について単独で所有する場合には存在しない種々の問題が生じる可能性があります。
まず、共有物の管理は、共有者間で別段の定めをした場合を除き、共有者の持分の過半数で決するものとされているため(民法第252条)、持分の過半数を有していない場合には、当該不動産の管理及び運営について本投資法人の意向を反映させることができない可能性があります。また、共有者はその持分の割合に応じて共有物の全体を利用することができるため(民法第249条)、ほかの共有者によるこれらの権利行使によって、本投資法人の当該不動産の保有又は利用が妨げられるおそれがあります。
さらに、共有の場合、ほかの共有者からの共有物全体に対する分割請求権行使を受ける可能性(民法第256条)、及び裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性(民法第258条第2項)があり、ある共有者の意図に反してほかの共有者からの分割請求権行使によって共有物全体が処分されるリスクがあります。
この分割請求権を行使しないという共有者間の特約は有効ですが、この特約を第三者に対抗するためには登記が必要で、かつ、5年を超えては効力を有しません。また、登記済みの不分割特約がある場合でも、特約をした者について倒産手続が開始された場合には、管財人等はその換価処分権を確保するために分割請求ができるとされています。ただし、共有者は、倒産手続の対象となったほかの共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法(平成14年法律第154号。その後の改正を含みます。以下「会社更生法」といいます。)第60条、民事再生法第48条第1項)。
ほかの共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、共有されていた物件全体について当該共有者(抵当権設定者)の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶことになると考えられています。したがって、運用資産である共有持分には抵当権が設定されていなくても、ほかの共有者の共有持分に抵当権が設定された場合には、共有物が分割されると、分割後の運用資産についても、ほかの共有者の持分割合に応じて、当該抵当権の効力が及ぶこととなるリスクがあります。
共有持分の処分は単独所有物と同様に自由に行えると解されていますが、共有不動産については、共有者間で共有持分の優先的購入権の合意をすることにより、共有者がその共有持分を第三者に売却する場合にほかの共有者が優先的に購入できる機会を与えるようにする義務を負う場合があります。
他方、共有持分については、共有者が自己の持分を原則として自由に処分することにより、本投資法人の意向にかかわりなく他の共有者が変更される可能性があります。新共有者の資力、数、属性等の如何によっては、運用不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、共有者間の協定書又は規約等において、当該不動産の持分を処分するに際し、他の共有者の先買権又は優先交渉権、事前同意の取得その他処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が持分を処分する際に事前に優先交渉を他の共有者と行う等の制約を受ける可能性があります。
共有されている不動産を賃貸する場合には、共有者たる賃貸人の賃料債権は不可分債権となり敷金返還債務は不可分債務になると一般的には解されており、各共有者は他の共有者の信用リスクの影響を受ける可能性があります。
また、共有不動産を運営委託に供する場合、一般的な議論はなされていませんが、本投資法人のホテル運営受託者に対するホテル売上の支払請求権が不可分債権となり、本投資法人のホテル運営受託者に対する運営委託料の支払債務及び営業保証金返還債務が不可分債務になる可能性があります。そのような場合には、上記の賃貸借方式と同様のリスクが発生します。
共有不動産については、単独所有の場合と比べて上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
共有物全体を一括処分する際には、全共有者の合意が必要です。したがって、本投資法人は共有物を希望する時期及び価格で売却できない可能性があります。もっとも、共有者には共有物の分割を請求する権利があり(民法第256条)、これにより単独の処分又は使用収益を行うことが可能ですが、現物分割が不可能である場合は、裁判所により共有物全体の競売を命じられる可能性があります(民法第258条第2項)。また、本投資法人が分割を請求できる反面、本投資法人が分割を望まないときでも、他の共有者からの請求にも服さなければならない可能性があります。共有者間で不分割の合意をすることは可能ですが、その場合であっても、合意の有効期間(民法第256条により、5年が最長ですが、5年を限度に更新することも可能です。)が満了していたり、その合意が未登記であるために第三者に対抗できないことがあります(民法第256条)。また、共有者について破産手続、会社更生手続若しくは民事再生手続が開始された場合は共有物の分割が行われる可能性があります(ただし、共有者は、破産手続、会社更生手続若しくは民事再生手続の対象となった他の共有者の有する共有持分を相当の対価で取得することができます(破産法第52条、会社更生法第60条、民事再生法第48条)。)。
さらに、共有者が自ら負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払又は積立てを履行しない場合、当該不動産やその持分が法的手続きの対象となる、あるいは、劣化する等の可能性があります。
(ヲ)区分所有建物に関するリスク
区分所有建物とは建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。その後の改正を含みます。以下「区分所有法」といいます。)の適用を受ける建物で、単独所有の対象となる専有部分(居室等)、共有となる共用部分(エントランス部分等)及び建物の敷地部分から構成されます。区分所有建物の場合には、区分所有法に管理方法に関する規定があるほか、同法の認める範囲で管理規約(管理規約中に管理方法の定めがある場合)によって管理方法が定められます。共用部分の管理に関する事項は、区分所有法又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決するものとされています(区分所有法第39条)。管理規約等の変更は、原則として区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数決によらなければ変更できません。建替決議等をする場合には集会において区分所有者及び議決権(管理規約に別段の定めのない限り、その有する専有部分の床面積の割合)の各5分の4以上の多数の決議が必要とされます(区分所有法第62条)。このように、区分所有建物は、区分所有法の適用を受けない単独所有物件と異なり管理方法に制限があります。
区分所有建物の専有部分の処分は自由に行うことができますが、区分所有者間で優先的購入権の合意をすることがあることは、共有物件の場合と同様です。
区分所有者は、自己の専有部分を原則として自由に処分することができます。したがって、本投資法人の意向にかかわりなく他の区分所有者が変更される可能性があります。新区分所有者の資力、数、属性等の如何によっては、運用不動産の価値や収益が減少する可能性があります。これに対し、管理規約等において当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の先買権又は優先交渉権、処分における一定の手続きの履践義務等が課されている場合があります。また、区分所有者間の協定書等において、当該不動産の区分所有権(敷地の共有持分を含みます。)を処分する場合に他の区分所有者の同意を要する旨が課されている場合があります。この場合は、本投資法人が区分所有権を処分する際に事前に優先交渉を他の区分所有者と行い、又は、他の区分所有者の同意を得る等の制約を受け、区分所有権を適時に処分できなくなる可能性があります。
区分所有建物とその敷地の関係については以下のようなリスクがあります。
区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利を敷地利用権といいます。区分所有建物では、専有部分と敷地利用権の一体性を保持するために、専有部分とそれに係る敷地利用権を分離して処分することが原則として禁止されています(区分所有法第22条)。ただし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の禁止を善意の第三者に対抗することができず、分離処分が有効となります(区分所有法第23条)。また、区分所有建物の敷地が数筆に分かれ、区分所有者が、それぞれ、その敷地のうちの一筆又は数筆の土地について、単独で、所有権、賃借権等を敷地利用権(いわゆる分有形式の敷地利用権)として有している場合には、分離して処分することが可能とされています。このように専有部分とそれに係る敷地利用権が分離して処分された場合、敷地利用権を有しない区分所有者が出現する可能性があります。
また、敷地利用権が使用借権及びそれに類似した権利である場合には、当該敷地が売却、競売等により第三者に移転された場合に、区分所有者が当該第三者に対して従前の敷地利用権を対抗できなくなる可能性があります。
このような区分所有建物と敷地の関係を反映して、区分所有建物の場合には、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
なお、区分所有建物では、専有部分と敷地利用権(区分所有建物の専有部分を所有するために区分所有者が敷地に関して有する権利をいいます。)の一体性を保持するために、区分所有法第22条で、専有部分と敷地利用権を分離して処分することが禁止されています(ただし、管理規約等で別段の定めをすることができます。また、1984年1月1日当時に存在する専有部分及び敷地利用権については、法務大臣の指定がない場合には、管理規約等で分離処分ができるものと定められたものとみなされます。)。そして、敷地権(敷地利用権をもとに、区分所有建物の敷地になっている土地について建物と一体化されて登記されている権利をいいます。)の登記がなされている場合には、専有部分とは別に敷地利用権だけが分離されて処分されても、当該分離処分は無効となります。しかし、敷地権の登記がなされていない場合には、分離処分の無効を善意の第三者に主張することができません(区分所有法23条)。そのような場合には、区分所有建物と敷地の権利関係が複雑になるため、不動産の鑑定評価及び市場での売買価格の決定等において、減価要因が増加する可能性があります。
また、区分所有者は自己の専有部分を原則として自由に賃貸その他使用収益することができます。その結果、本投資法人の運用不動産の価値や収益は、他の区分所有者による使用収益の状況によって影響を受ける可能性があります。
加えて、他の区分所有者が自己の負担すべき公租公課、修繕費、保険料等の支払い又は積立てを履行しない場合、当該区分所有権や運用不動産が法的手続きの対象となり又は劣化する等の可能性があります。
(ワ)借地物件に関するリスク
借地権(ここでは、地上権と土地の貸借権をいうものとします。)とその借地上に存在する建物からなる物件については、自己が所有権を有する土地上に存在する建物と比べて特有のリスクがあります。借地権は、所有権と異なり永久に存続するものではなく、期限の到来により当然に消滅し(定期借地権の場合)又は期限到来時に借地権設定者が更新を拒絶しかつ更新を拒絶する正当事由がある場合に消滅します(普通借地権の場合)。また、借地権が地代の不払その他により解除その他の理由により消滅してしまう可能性もあります。なお、ホテル京阪ユニバーサル・シティは区分所有建物であり、当該建物の敷地利用権には借地権が含まれますが、事業用借地権設定契約の終了に際して、他の区分所有者とともに、その借地権の準共有持分割合に応じて、借地権の対象である土地を地主から購入する義務を負担しています。本投資法人は、かかる購入を行うよう努めますが、購入資金の手当てができないこと等を原因として、当該土地を購入することができない可能性があります。借地権が消滅すれば、時価での建物買取りを請求できる場合(借地借家法第13条、借地法(大正10年法律第49号、その後の改正を含みます。)第4条)を除き、借地人は、借地上に存在する建物を取り壊した上で、土地を返還しなければなりません。普通借地権の場合、借地権の期限到来時の更新拒絶につき上記正当事由が認められるか否かを本投資法人の資産取得時に正確に予測することは不可能であり、仮に建物の買取請求権を有する場合でも、買取価格が本投資法人が希望する価格以上である保証はありません。
また、本投資法人が借地権を有している土地の所有権が、ほかに転売されたり、借地権設定時に既に存在する土地上の抵当権等の実行により第三者に移ってしまう可能性があります。この場合において、借地権について適用のある法令に従い第三者対抗要件が具備されていないときは、本投資法人は、借地権を当該土地の新所有者に対して対抗できず、当該土地の明渡義務を負う可能性があります。
さらに、借地権が賃借権である場合、借地権を譲渡するには、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります(民法第612条第1項)。借地上の建物の所有権を譲渡する場合には、当該借地に係る借地権も一緒に譲渡することになるので、原則として、借地権設定者の承諾が必要となります。かかる借地権設定者の承諾に関しては、借地権設定者への承諾料の支払いが予め約束されていたり、約束されていなくても慣行を理由として借地権設定者が承諾料を承諾の条件として請求してくる場合があります(なお、法律上借地権設定者に当然に承諾料請求権が認められているものではありません。)。
加えて、借地権設定者の資力の悪化や倒産等により、借地権設定者に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があります。借地権設定者に対する敷金及び保証金等の返還請求権について担保設定や保証はなされないのが通例です。
借地権と借地上に建てられている建物については、敷地と建物を一括して所有している場合と比べて、上記のような制限やリスクがあるため、取得及び売却により多くの時間と費用を要したり、価格の減価要因が増す可能性があります。
(カ)借家物件に関するリスク
本投資法人は、建物(区分所有建物の専有部分を含みます。)を第三者から賃借のうえ又は信託受託者に賃借させた上、当該賃借部分を直接若しくは信託受託者を通じて保有する建物と一体的に又は当該賃借部分を単独で、賃借人へ転貸又はホテル運営受託者に運営委託することがあります。
この場合、建物の賃貸人の資力の悪化や倒産等により、建物の賃貸人に差し入れた敷金及び保証金等の全額又は一部が返還されない可能性があることは、前記の借地物件の場合と同じです。
加えて、民法上、本投資法人が第三者との間で直接又は信託受託者を通じて締結した賃貸借契約が本投資法人又は信託受託者の債務不履行により解除されて終了した場合、原則として、本投資法人又は当該受託者と賃借人の間の転貸借契約又は運営委託契約も終了するとされていますので、転貸あるいは運営委託した転借人又は運営受託者から、転貸借契約又は運営委託契約の終了に基づく損害賠償請求等がなされるおそれがあります。
(ヨ)開発物件に関するリスク
本投資法人は、規約に定める投資方針に従って、竣工後の物件を取得するために予め開発段階で売買契約を締結することがあります。かかる場合、既に完成した物件につき売買契約を締結して取得する場合とは異なり、様々な事由により、開発が遅延し、変更され、又は中止されることにより、売買契約どおりの引渡しを受けられない可能性があります。この結果、開発物件からの収益等が本投資法人の予想を大きく下回る可能性があるほか、予定された時期に収益等が得られなかったり、収益等が全く得られなかったり、又は予定されていない費用、損害若しくは損失を本投資法人が負担し若しくは被る可能性があり、その結果本投資法人の収益等が悪影響を受ける可能性があります。
(タ)有害物質に関するリスク
本投資法人が土地、土地の賃借権若しくは地上権又はこれらを信託する信託の受益権を取得する場合において、当該土地について産業廃棄物等の有害物質が存在する可能性があり、かかる有害物質が存在する場合には当該土地の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために土壌の入替えや洗浄が必要となる場合にはこれに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務を負う可能性があります。
土壌汚染対策法(平成14年法律第53号。その後の改正を含みます。)に関しては、土地の所有者、管理者又は占有者は、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の特定有害物質による土地の土壌の汚染の状況について、都道府県知事により調査・報告を命ぜられることがあり、また、土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、都道府県知事によりその被害を防止するため必要な汚染の除去等の措置を命ぜられることがあります。この場合、本投資法人に多額の負担が生じる可能性があり、また、本投資法人は、支出を余儀なくされた費用について、その原因となった者やその他の者から常に償還を受けられるとは限りません。
また、本投資法人が建物又は建物を信託する信託の受益権を取得する場合において、当該建物の建材等にアスベストその他の有害物質を含む建材が使用されているか又は使用されている可能性があるときやポリ塩化ビフェニール(PCB)が保管されているとき等には、当該建物の価格が下落する可能性があります。また、かかる有害物質を除去するために建材の全面的又は部分的交換が必要となる場合にはこれに係る予想外の費用や時間が必要となる可能性があります。また、かかる有害物質によって第三者が損害を受けた場合には、直接又は信託受託者を通じて間接的に、本投資法人がかかる損害を賠償する義務が発生する可能性があります。
将来的に環境保護を目的とする法令等が制定・施行され、過失の有無にかかわらず不動産につき大気、土壌、地下水等の汚染に係る調査義務、除去義務、損害賠償義務等が課される可能性があります。
(レ)不動産の売却における制限に関するリスク
本投資法人が運用不動産を売却しようとする際、賃貸借契約において賃借人に対し、あるいは運営委託契約においてホテル運営受託者に、契約期間中は売却をしない旨や土地と建物を分離譲渡しない旨を約したり、第三者に売却する前に賃借人あるいはホテル運営受託者に対して買取りについての優先交渉権を与えたりする場合があり得ます。あるいは売却にあたり、第三者による承認が必要となる場合があります。そのような場合、不動産市場の動向を見ながら最も有利な条件で売却することが難しくなり、本投資法人は、通常であれば得ることができる利益を得ることができなくなるおそれがあります。
(ソ)不動産の売却に伴う責任に関するリスク
本投資法人は、法律の規定上の瑕疵担保責任又は契約不適合責任以外に、売買契約上の規定に従い、物件の性状その他に関する表明保証責任や担保責任を負う可能性があります。
これらの契約上の表明保証責任や担保責任を負う場合には、契約内容に従い買主から売買契約を解除され、又は買主が被った損害の賠償等をしなければならず、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、賃貸不動産の売却においては、2020年民法改正後の民法が適用される賃貸借契約に関しては、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継する旨が定められています。2020年民法改正前の民法が適用される賃貸借契約に関しても、新所有者が賃借人に対する敷金返還債務等を承継するものと解されており、実務もこれにならうのが通常ですが、旧所有者が当該債務を免れることについて賃借人の承諾を得ていない場合には、旧所有者は新所有者とともに当該債務を負い続けると解される可能性があり、予定外の出費を強いられる場合があり得ます。
運営委託方式に係る不動産の売却においては、別途契約上の地位の移転を行なわない限り、本投資法人とホテル運営受託者の間の運営委託契約は、新所有者に承継されません。このような場合、運営委託契約を解約する必要がありますが、継続的契約関係に基づく信義則等により、運営委託契約上の解約権の行使が制限される可能性があります。このような状況の下で解約した場合、本投資法人は損害賠償債務を負う可能性があります。
(ツ)敷金・保証金等に関するリスク
本投資法人は、運用資産の賃借人あるいはホテル運営受託者が無利息又は低利で預託した敷金、権利金又は保証金等を運用資産の取得資金の一部又は借入金等債務の弁済充当資金の一部として利用する場合があります。しかし、賃借人あるいはホテル運営受託者との交渉等により、本投資法人の想定よりも賃借人あるいはホテル運営受託者からの敷金及び保証金等の預託額が少なくなり、又は預託期間が短くなる可能性があり、この場合、必要な資金を借入等により調達せざるを得なくなります。また、敷金又は保証金等を本投資法人が利用する条件として、本投資法人が敷金又は保証金等の返還債務を負う場合があり、当該返還債務の履行に必要な資金を借入等により調達する可能性があります。これらの結果、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ネ)フォワード・コミットメント等に係るリスク
本投資法人は、不動産等を取得するにあたり、いわゆるフォワード・コミットメント(先日付の売買契約であって、契約締結から一定期間経過した後に決済・物件引渡しを行うことを約する契約)等を行うことがあります。不動産売買契約においては、買主の事情により契約が解約された場合に、売買価格に対する一定割合の違約金が発生する旨の合意がなされることが少なくありません。資産取得のためにフォワード・コミットメント等を行った場合、契約締結後、決済・物件引渡しまでに一定期間があるため、その期間における市場環境の変化等により本投資法人が不動産取得資金を調達できない場合等、売買契約を解約せざるを得なくなった場合には、違約金の支払いにより、本投資法人の財務状態が悪化する可能性があります。
なお、フォワード・コミットメントには該当しないものの、前記「(ワ)借地物件に関するリスク」に記載のとおり、ホテル京阪ユニバーサル・シティに関し、事業用借地権設定契約の終了に際して、借地権の対象である土地を地主から購入する義務を負担していますが、当該義務の不履行に対して、違約金等の定めはありません。
(ナ)専門家による報告書(不動産鑑定評価書等)に関するリスク
不動産の鑑定評価額及び不動産価格調査の調査価格は、個々の不動産鑑定士等の分析に基づく、分析の時点における評価に関する意見を示したものにとどまり、客観的に適正な不動産価格と一致するとは限りません。同じ物件について鑑定、調査等を行った場合でも、不動産鑑定士等、評価方法又は調査の方法によって鑑定評価額、調査価格の内容が異なる可能性があります。また、かかる鑑定等の結果は、現在及び将来において当該鑑定評価額や調査価格による売買の可能性を保証又は約束するものではありません。
また、不動産に関して算出される予想最大損失率(PML)も個々の専門家の分析に基づく予想値であり、損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率で示されますが、将来、地震が発生した場合、予想以上の多額の復旧費用が必要となる可能性があります。
(ラ)運用資産の取得方法に関するリスク
税制上の軽減措置に要する手続との関係で、本投資法人が今後不動産を取得するに当たり、譲渡代金支払日後直ちには当該不動産についての所有権等の移転本登記申請を行わない場合があり得ます。この場合、売主が譲渡代金支払後本登記申請までの間に当該不動産を二重譲渡し、担保提供し、又は売主が倒産すること等により、本投資法人が運用不動産の完全な所有権を取得できなくなる可能性があり、また、同時に支払済みの譲渡代金の全部又は一部につき返還を受けられなくなる可能性があります。なお、本投資法人は、将来取得する不動産については、上記軽減措置に関する手続きのために10日程度要する場合がありますが、このような場合においては、運用不動産の購入実行時(代金支払時)から上記軽減措置に関する手続き終了時(終了後直ちに移転本登記申請を行います。)までの間は仮登記を経ることにより本登記の順位を保全して上記のリスクを可能な限り回避する方針でいます。ただし、仮登記はそれに基づく本登記がなされるまでは順位保全効果しかなく、仮登記に基づき本登記がなされる前に売主が倒産した場合において本投資法人が保護されない可能性もあり、上記のリスクを完全に排除できるとは限りません。
⑤ 信託の受益権特有のリスク
(イ)不動産を信託の受益権の形態で保有する場合の固有のリスク
本投資法人が、不動産、土地の賃借権若しくは地上権を信託する信託の受益権又は金銭の信託の受益権(ただし、主として当該金銭により不動産、地上権又は土地の賃借権を取得して信託財産とする信託に限ります。以下、これらを本項において「信託の受益権」と総称します。)を取得する場合には、以下のような信託の受益権特有のリスクがあります。なお、以下、2007年9月30日施行の信託法(平成18年法律第108号)を「新信託法」といい、その施行前の信託法(大正11年法律第62号。信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)による改正を含みません。)を「旧信託法」といいます。原則として、2007年9月30日より前に効力を生じた信託については、信託財産についての対抗要件に関する事項を除き、旧信託法が適用されます(信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条)。
信託受託者が信託財産としての不動産、不動産の賃借権又は地上権を所有し管理するのは受益者のためであり、その経済的利益と損失は、最終的には全て受益者に帰属することになります。したがって、本投資法人は、信託の受益権の保有に伴い、信託受託者を介して、運用資産が不動産である場合と実質的にほぼ同じリスクを負担することになります。
本投資法人が信託の受益権を保有運用資産とする場合、信託受託者を通じて信託財産としての不動産を処分するときは、既に述べた不動産の流動性リスクが存在します。また信託の受益権を譲渡しようとする場合には、信託受託者の承諾を契約上要求されるのが通常です。さらに、信託受益権は有価証券とみなされますが、譲渡に際しては債権譲渡と同様の譲渡方法によるため(新信託法第94条)、株券や社債券のような典型的な有価証券と比較すると相対的に流動性が低いというリスクが存在します。また、信託受託者は原則として瑕疵担保責任を負っての信託不動産の売却を行わないため、本投資法人の意思にかかわらず信託財産である不動産の売却ができなくなる可能性があります。
信託受託者が倒産手続の対象となった場合における信託財産の取扱いについては、旧信託法の下では、明文の規定はないものの、同法の諸規定や信託財産の独立性という観点から、信託財産が破産財団、再生債務者又は更生会社の財産その他信託受託者の固有財産に属すると解釈される可能性は、極めて小さいものと考えられていました。新信託法においては、信託財産は信託受託者の固有財産に属しない旨が明文で規定されています(新信託法第25条第1項、第4項及び第7項)。ただし、不動産の場合、当該不動産が信託財産に属することを破産管財人等の第三者に対抗するためには、信託の登記が必要とされます。
また、信託財産の受託者が、信託目的に反して信託財産である不動産を処分した場合、又は信託財産である不動産を引当てとして、何らかの債務を負うことにより、不動産を信託する信託の受益権を保有する本投資法人が不測の損害を被る可能性があります。
さらに、信託契約上、信託開始時において既に存在していた信託不動産の欠陥、瑕疵等につき、当初委託者が信託財産の受託者に対し一定の瑕疵担保責任を負担する場合に、信託財産の受託者がかかる瑕疵担保責任を適切に追及しない、又はできない結果、本投資法人が不測の損害を被り、投資主に損害を与える可能性があります。
⑥ 会計、税制に関するリスク
(イ)減損会計の適用に関するリスク
固定資産の減損に係る会計基準(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会平成14年8月9日))及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号平成15年10月31日)が適用されることになったことに伴い、本投資法人においても第1期営業期間より「減損会計」が適用されています。「減損会計」とは、主として土地・建物等の事業用不動産について、収益性の低下により投資額を回収する見込みが立たなくなった場合に、一定の条件のもとで回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理のことをいいます。
「減損会計」の適用に伴い、地価の動向及び運用不動産の収益状況等によっては、会計上減損損失が発生し、本投資法人の業績は悪影響を受ける可能性があります。なお、2015年4月1日以後に開始する営業期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額及び配当等の額(一時差異等調整引当額の増加額及び配当等の額については、後記「4 手数料及び税金 (5)課税上の取扱い」をご参照ください。)として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ロ)導管性の維持に関する一般的なリスク
税法上、一定の要件(以下「導管性要件」といいます。)を満たした投資法人に対しては、投資法人と投資主との間の二重課税を排除するため、配当等の額を投資法人の損金に算入することが認められています。導管性要件のうち一定のものについては、営業期間毎に判定を行う必要があります。本投資法人は、導管性要件を継続して満たすよう努めていますが、今後、本投資法人の投資主の減少、分配金支払原資の不足、法律の改正その他の要因により導管性要件を満たすことができない営業期間が生じる可能性があります。現行税法上、導管性要件を満たさなかったことについてやむを得ない事情がある場合の救済措置が設けられていないため、後記「(ト)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないリスク」に記載する同族会社化の場合等、本投資法人の意図しないやむを得ない理由により要件を満たすことができなかった場合においても、配当等の額を損金算入できなくなり、本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があり、本投資口の市場価格に影響を及ぼすこともあります。なお、課税上の取扱いについては、後記「4 手数料及び税金 (5)課税上の取扱い」をご参照ください。
(ハ)過大な税負担の発生により支払配当要件が満たされないリスク
2009年4月1日以後終了した事業年度に係る導管性要件のうち、租税特別措置法施行令に規定する配当可能額の90%超の金銭の分配を行うべきとする要件(以下「支払配当要件」といいます。)においては、投資法人の税引前の会計上の利益を基礎として支払配当要件の判定を行うこととされています。したがって、会計処理と税務上の取扱いの差異により、又は90%の算定について税務当局の解釈・運用・取扱いが本投資法人の見解と異なること等により、過大な税負担が発生した場合には、この要件を満たすことが困難となる営業期間が生じる場合があり得ます。なお、2015年4月1日以後に開始する営業期間については、会計処理と税務上の取扱いの差異が生じた場合であっても、一時差異等調整引当額の増加額を配当等の額として取扱い、損金算入することが可能になるという手当てがなされています。
(ニ)利益が計上されているにもかかわらず資金不足により配当が十分にできないリスク
本投資法人において利益が生じているにもかかわらず金銭の借入又は投資法人債の発行に際しての財務制限条項上、一定額を内部留保しなければならない等、配当原資となる資金が不足する場合は、借入金や資産の処分により配当原資を確保する場合があります。しかしながら、導管性要件に基づく借入先の制限や資産の処分の遅延等により機動的な資金調達ができない場合には、配当等の額が配当可能利益の額の90%超とならない可能性があります。かかる場合、配当等の額を損金算入できなくなることにより本投資法人の税負担が増大する結果、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ホ)税務調査等による更正処分のため、追加的な税金が発生するリスク
本投資法人に対して税務調査が行われ、税務当局との見解の相違により過年度の課税所得計算について追加の税務否認項目等の更正処分を受けた場合には、予想外の追加的な課税が発生することとなり、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヘ)不動産の取得に伴う軽減税制が適用されないリスク
本投資法人は、本書の日付現在において、一定の内容の投資方針を規約に定めることその他の税制上の要件を充足することを前提として、直接に不動産を取得する場合の不動産取得税及び登録免許税の軽減措置の適用を受けることができると考えています。しかし、本投資法人がかかる軽減措置の要件を満たすことができない場合、又は軽減措置の要件が変更され若しくは軽減措置が廃止された場合において、軽減措置の適用を受けることができなくなる可能性があります。
(ト)同族会社要件について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
各営業期間毎に判定を行う導管性要件のうち、営業期間終了時に同族会社のうち租税特別措置法施行令に定めるもの(投資法人の投資主の一人及びこれと特殊の関係にある者等が、その投資法人の発行済投資口の総数若しくは議決権の総数の100分の50を超える数を有する場合における当該投資法人をいいます。)に該当していないこととする要件、即ち、同族会社要件については、本投資口が市場で流通することにより、本投資法人のコントロールの及ばないところで、結果として満たされなくなる営業期間が生じるリスクがあります。
(チ)借入に係る導管性要件に関するリスク
税法上、上記の各営業期間毎に判定を行う導管性要件のひとつに、借入を行う場合には租税特別措置法に規定する機関投資家(以下本「⑥ 会計、税制に関するリスク」において「機関投資家」といいます。)のみから行うべきという要件があります。したがって、本投資法人が何らかの理由により機関投資家以外からの借入を行わざるを得ない場合、又は、保証金若しくは敷金の全部若しくは一部が賃借人からの借入金に該当すると解釈された場合においては、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(リ)投資口を保有する投資主数について本投資法人のコントロールが及ばないリスク
税法上、導管性要件のひとつに、営業期間末において投資法人の投資口が機関投資家のみにより保有されること、又は50人以上の投資主に保有されることという要件があります。しかし、本投資法人は投資主による投資口の売買をコントロールすることができないため、本投資法人の投資口が50人未満の投資主により保有される(機関投資家のみに保有される場合を除きます。)こととなる場合には、導管性要件を満たせないことになります。この結果、本投資法人の税負担が増大し、投資家への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
(ヌ)一般的な税制の変更に関するリスク
不動産、信託の受益権その他投資法人の運用資産に関する税制若しくは投資法人に関する税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、公租公課の負担が増大し、その結果本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資口に係る税制又はかかる税制に関する解釈・運用・取扱いが変更された場合、本投資口の保有又は売却による手取金の額が減少する可能性があります。
(ル)適格合併が否認されるリスク
本投資法人は2012年4月1日付で旧JHRと合併していますが、本合併は国税庁より公表されている文書回答事例「投資法人が共同で事業を営むための合併を行う場合の適格判定について」(2009年3月19日回答)における取扱いに従っており、税制適格合併に該当するものと考えています。しかし、税務当局との見解の相違により、非適格合併と認定された場合には、差額負債調整勘定の5年均等償却により課税所得が増加する結果、本投資法人の税負担が増加し、投資主への分配額や純資産額が減少する可能性があります。
⑦ その他のリスク
(イ)匿名組合出資持分への投資に関するリスク
本投資法人はその規約に基づき、不動産に関する匿名組合出資持分への投資を行います。本投資法人が出資する匿名組合では、本投資法人の出資金を営業者が不動産等に投資しますが、当該不動産等に係る収益が悪化した場合、当該不動産等の価値が下落した場合や匿名組合が投資あるいは開発する不動産が想定した価格で売却できない場合等には、当該匿名組合出資持分より得られる運用益や分配させる残余財産の減少等により損害を被る可能性があります。また、匿名組合出資持分については契約上譲渡が禁止若しくは制限されている場合があり、又は、確立された流通市場が存在しないため、その流動性が低く、本投資法人が譲渡を意図しても、適切な時期及び価格で譲渡することが困難な場合があります。また、匿名組合出資持分への投資は、営業者が開発する新規物件に係る優先交渉権の取得を目的として行われることがありますが、かかる優先交渉権により当該新規物件を取得できる保証はありません。
(ロ)優待制度に関するリスク
本投資法人は、現在の法令、税務の取扱い、優待の内容及び利用状況の推定等に基づくホテル賃借人との合意を前提に、優待制度を導入しています。したがって、これらの前提条件に変更がある場合、本優待制度の内容等が変更、若しくは、実施が停止される場合があります。また、本優待制度の利用に伴って本投資法人の不動産運用収入に影響が有る場合があります。
(ハ)本合併に関するリスク
本投資法人は、2012年4月1日を効力発生日として、旧JHRを合併消滅投資法人とする本合併を行いました。
本投資法人は、本合併に係る合併契約の締結及びその実現にあたり、旧JHR物件に対する精査(デュー・デリジェンス)を行っていますが、かかる精査等によって旧JHR物件に存する瑕疵等の全てを認識しているとの保証はなく、将来旧JHR物件の瑕疵その他の問題が明らかとなった場合、本投資法人の収益等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ニ)負ののれんによって生じる剰余金の活用方針に関するリスク
本投資法人は本合併により負ののれん発生益を計上していますが、投資法人に関する負ののれんの会計処理又は剰余金の取扱いに関する解釈、運用又は取扱いが変更された場合、負ののれん発生益の金額が変更される可能性及び剰余金の活用が困難になるなど本投資法人の収益及び分配金等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、負ののれんはキャッシュの裏付けのない会計上の利益であるため、剰余金の分配に関する負ののれんの活用方針は、分配可能なキャッシュの額による制約を受けます。本投資法人は、公表した剰余金の分配額(以下「公表済剰余金分配額」といいます。)を分配すべく、本投資法人のキャッシュ・マネジメントに最大限留意しますが、本投資法人が金銭の分配を行う時点において公表済剰余金分配額分のキャッシュが存在するという保証はなく、公表済剰余金分配額よりも低い金額が実際の剰余金の分配額となる可能性があります。また、公表済剰余金分配額の分配が可能であっても、公表済剰余金分配額までの分配を行わない可能性もあります。
(2)投資リスクに対する管理体制
本投資法人は、上記に記載した各々のリスクに関し、本投資法人自らが投信法及び関連法規に定められた規則を遵守するとともに、本資産運用会社においては適切な社内規程の整備を行い、併せて必要な組織体制を敷き、役職員に対する遵法精神を高めるための教育等の対策を講じています。
具体的な取組みは、以下のとおりです。
① 本投資法人の体制
本投資法人は、投信法に基づき設立され、執行役員1名及び監督役員3名で構成される役員会により運営されています。執行役員は、3ヶ月に1回以上の頻度で役員会を開催し、法令で定められた承認事項に加え、本投資法人の運営及び本資産運用会社の業務遂行状況の報告を行います。この報告手続きを通じ、本資産運用会社及びそのスポンサー関係者から独立した地位にある監督役員は、的確に情報を入手し、執行役員の業務執行状況を監視する体制を維持しています。同時に、かかる報告により、本投資法人は本資産運用会社のスポンサー関係者との取引について、利益相反取引のおそれがあるか否かについての確認を行い、利益相反等に係るリスクの管理に努めています。
本投資法人は、資産運用委託契約上、本資産運用会社から各種報告を受ける権利及び本資産運用会社の帳簿及び記録その他の資料の閲覧・調査を行う権利を有しています。かかる権利の行使により、本投資法人は、本資産運用会社の業務執行状況を監視できる体制を維持しています。
また、本投資法人は、内部者取引管理規程を定めて、その執行役員及び監督役員が、その業務に関して取得した法人関係情報等の公表前に本投資法人の投資口等及び上場会社等の特定有価証券等(金融商品取引法第163条第1項に定義されるものをいいます。)の売買を行うことを禁止し、インサイダー取引防止に努めています。
② 本資産運用会社の体制
本資産運用会社は、各種リスクを適切に管理するために、社内規程としてリスク管理規程を制定し、リスクの種類毎に管理部門を定めてリスク管理を行います。
(イ) 本資産運用会社は、資産運用ガイドラインにおいて、分散投資によるポートフォリオの構築方針、投資対象の選定方針、安定した収益の確保等を目指した運用方針、投資を行う場合の取得基準、物件のデュー・デリジェンスの基準、物件の管理運営方針(PM会社の選定基準及びその業務のモニタリングを含みます。)、付保基準及び年度投資計画等を定めています。かかる資産運用ガイドラインを遵守することにより、不動産や不動産信託受益権に係るリスクの管理に努めています。
(ロ) 本資産運用会社は、本投資法人の資産運用に係る重要な事項の決定プロセスの明確化を図るとともに、不動産等の調査、取得、管理運営その他の業務それぞれについて、客観的な業務手順を確立して、リスクの管理に努めます。また、投資委員会が承認した資産の運用等に関する全ての事項について、本資産運用会社の取締役会に付議され、取締役の過半数が出席のうえ、出席取締役の過半数をもって取引に係る議案を決するものとします。
(ハ) 本資産運用会社は、スポンサー関係者との本投資法人の間の取引については、自主ルールとしてスポンサー関係者取引規程及びスポンサー関係者取引管理規則を定めており、これを遵守することにより利益相反に係るリスク管理を行います。
(ニ) 本資産運用会社は、内部者取引管理規程を定め、役職員によるインサイダー取引防止に努めています。
(ホ) 本資産運用会社は、コンプライアンスを所管するコンプライアンス室長が委員長となるコンプライアンス委員会を設け、コンプライアンス委員会規程に定める重要な法令等遵守状況を監視します。また、コンプライアンス委員会にて審議・承認された議案は、全て本資産運用会社の取締役会に付され決議されることが必要となります。
(ヘ) 本資産運用会社は、コンプライアンスに関する社内体制を整備し、コンプライアンス上の問題の発生について、対応を講じています。また、法令等遵守を実現させるための具体的な手引書として、コンプライアンス・マニュアルを定め、役職員による法令等遵守の徹底を図るとともに、法令等遵守を実現させるための具体的な実践計画であるコンプライアンス・プログラムを策定し、これに従って法令等遵守の実践に努めます。
以上のように、本投資法人及び本資産運用会社は投資リスクに関する管理体制を整備していますが、このような体制が常に有効に機能する保証はありません。管理体制が有効に機能しないことによりリスクが顕在化した場合、本投資法人又は投資主に損失が生ずる恐れがあります。