有価証券報告書-第73期(平成25年6月1日-平成26年5月31日)

【提出】
2014/08/26 12:26
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成25年6月1日~平成26年5月31日)における世界経済を見ますと、米国では、底堅い個人消費などを中心に緩やかな回復基調にあり、また、欧州経済においても4四半期連続でプラス成長を記録するなど、景気回復が続いております。一方、新興国においては、中国では景気が減速傾向にあり、インド、ブラジルではも高いインフレ率などを背景に成長率は鈍化しております。
わが国経済は、4月からの消費税率引上げによる駆け込み需要の反動減の落ち込みがあったものの、設備投資の増加や、円安による輸出の押し上げ、底堅い個人消費などにより、堅調な成長を持続しております。
当種苗業界は、依然として国内需要は頭打ちの状況が続いておりますが、海外においては、新興国を中心に、野菜種子、花種子の需要は拡大を続けております。
このような状況のなか、当社グループにおいては、国内卸売事業は野菜種子、苗木、資材を中心に順調に売上を伸ばしました。海外卸売事業においても野菜種子が好調に推移し、前期比増収となりました。小売事業は、猛暑、大雪などの天候不順の影響もあり、厳しい状況となりました。
当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高は539億22百万円(前期比36億48百万円、7.3%増)となり、営業利益は、36億87百万円(前期比14億68百万円、66.2%増)となりました。
経常利益は、為替差損2億69百万円(前期は、為替差益7億95百万円)を計上したことなどにより、39億9百万円(前期比3億44百万円、9.7%増)に留まりました。税金等調整前当期純利益は、投資有価証券売却益が前期に比べ5億60百万円減少したことなどから、39億96百万円(前期比2億94百万円、6.9%減)となりました。また当期純利益につきましても、法人税、住民税及び事業税が1億54百万円増加したことから、26億81百万円(前期比4億17百万円、13.5%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①国内卸売事業
国内卸売事業は、総じて順調に売上を伸ばし、前期比大幅増収となりました。また、野菜種子、花種子、資材では一部の商品で消費税増税に伴う前倒し需要が発生しました。野菜種子はトマト、ブロッコリーが好調に推移し大きく売上を伸ばし、またトウモロコシ、ネギ、ホウレンソウなども伸び、前期比増収となりました。花種子は、鉢物用、花壇・苗物用などの一部商品で売上が伸び悩んだものの、ストック、トルコギキョウ、ヒマワリなどが順調に推移し、前期比増収となりました。苗木は、トマト接木苗、メロン苗、キュウリ苗の売上が好調で、前期比増収となりました。 資材は、ハウス関連資材、農業用フィルム製品や戦略商品の高機能液肥などが売上を伸ばし、前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は、前期比5億14百万円(同3.2%)増の163億48百万円となり、営業利益は同比1億98百万円(同3.5%)増の58億14百万円となりました。
②海外卸売事業
海外卸売事業は、ほとんどの品目で売上が伸び、前期比大幅な増収となりました。
それぞれの地域別の状況をみますと、アジア向け輸出は、ブロッコリー、ホウレンソウ、トルコギキョウなどが大きく伸びたことから前期比増収となりました。北米では、花種子は減収となりましたが、野菜種子がブロッコリーなどを中心に伸びたことから、前期比増収となりました。欧州は、ブロッコリー、トマト、カボチャなどの野菜種子が好調に推移し、前期比増収となりました。南米においても、野菜種子が順調に売上を伸ばし、前期比増収となりました。
野菜種子では特にブロッコリー、カボチャ、トマト、ホウレンソウの伸びが顕著となりました。花種子につきましては、円安の影響で円ベースでは前期比増収となりましたが、現地通貨ベースにおいては、北米、欧州地域で減収となっております。
これらの結果、売上高は、前期比42億37百万円(同19.1%)増の264億5百万円となり、営業利益は、同比22億16百万円(同58.4%)増の60億9百万円となりました。
③小売事業
ホームガーデン分野は、昨年夏の記録的な猛暑と秋終盤の急激な気温低下、また今年2月に関東甲信地方を襲った豪雪などの影響に加え、不採算品の販売縮小を行ったことから、売上高は前期比大きく減収となりました。利益面は、物流コストの圧縮などを行い、販売費および一般管理費を大きく削減することができましたが、売上減少による売上総利益減を補えず前期比減益となりました。
通信販売分野は、月刊誌の掲載企画を刷新したことにより、オリジナル野菜苗、花苗は増収となりましたが、全国的な天候不順の影響を受け、野菜種子、花種子、宿根草、花木苗などが伸び悩み、前期比減収となりました。
ガーデンセンターでは、昨年夏の猛暑、11月中旬以降の冷え込みの影響と今年2月の大雪により、営業全般に苦戦を強いられましたが、昨年3月の店舗改装を機に新設した青果売場、カフェとの相乗効果により、ご来店者の年齢層が大きく広がり、年間ご来店者数は前年比105%に増えました。また11月に立ち上げたネットショップ「サカタのタネっと」により商圏が拡大し新規のお客様のご注文も増え、売上は前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は、前期比11億93百万円(同10.4%)減の103億31百万円となり、営業損益は同比7百万円改善し、3億75百万円の損失(前期は3億83百万円の営業損失)を計上しました。
④その他事業
造園緑花分野は、官公庁工事、民間工事などが増加し、前期比増収となりました。
これらの結果、売上高は前期比89百万円(同12.0%)増の8億36百万円となり、営業損益は前期比5百万円改善し、18百万円の損失(前期は営業損失24百万円)を計上しました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比19億29百万円増加し、91億62百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は35億52百万円(前期比28億36百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益39億96百万円、減価償却費18億32百万円、売上債権の減少による資金の増加4億10百万円、たな卸資産の増加による資金の減少11億6百万円、法人税等の支払額9億71百万円、未払金の減少による資金の減少2億27百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は20億18百万円(前期比25億74百万円減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出18億99百万円、投資有価証券の取得による支出3億78百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は41百万円(前期比11億24百万円増)となりました。これは主に、短期借入金増加による取得13億18百万円、配当金の支払額11億28百万円などによるものです。