有価証券報告書-第73期(平成25年6月1日-平成26年5月31日)

【提出】
2014/08/26 12:26
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【項目】
116項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積もりは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高および営業利益
売上高は、海外向けの輸出が大きく増加したこと等により、前連結会計年度比36億48百万円(前期比7.3%)増加し、539億22百万円となりました。
売上原価は、前連結会計年度比7億40百万円(同2.9%)増加し、266億61百万円となりました。この結果、売上総利益は前連結会計年度比29億7百万円(同11.9%)増加し、272億60百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比14億39百万円(同6.5%)増加し、235億73百万円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度比14億68百万円(同66.2%)増加し、36億87百万円となりました。
②営業外損益および経常利益
為替差損を2億69百万円(前期は為替差益7億95百万円)を計上したことなどにより、営業外損益は前連結会計年度の13億45百万円の黒字(純額)から2億21百万円の黒字(純額)となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比3億44百万円(同9.7%)増の、39億9百万円となりました。
③特別損益および税金等調整前当期純利益
主に投資有価証券売却益が前連結会計年度比5億60百万円(同80.4%)減少し、固定資産売却益が前連結会計年度比1億77百万円(同91.9%)減少したことに加え、前期計上しなかった事業譲渡益を今期は80百万円計上したことにより、特別損益は前連結会計年度の7億25百万円の黒字(純額)から、86百万円の黒字(純額)となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比2億94百万円(同6.9%)減の39億96百万円となりました。
④法人税等(法人税等調整額を含む。)
法人税等は、前連結会計年度の11億86百万円から、当連結会計年度は13億15百万円となりました。これは、主に法人税、住民税及び事業税が1億54百万円増加し、法人税等調整額が25百万円減少したことによるものです。
⑤当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度比4億17百万円(同13.5%)減の26億81百万円となりました。
なお、事業のセグメント別の売上高と営業利益の概況については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
①資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ66億27百万円増加し964億14百万円となりました。これは主に現金及び預金が18億13百万円、たな卸資産が22億83百万円、有形固定資産が9億67百万円、投資有価証券が8億87百万円増加したことなどによるものです。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ29億13百万円増加し150億14百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が4億87百万円、長短借入金が14億45百万円、その他流動負債が4億96百万円、長期繰延税金負債が2億81百万円増加したことなどによるものです。
③純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ37億13百万円増加し813億99百万円となりました。これは主に利益剰余金15億56百万円、その他有価証券評価差額金が3億24百万円、為替換算調整勘定が18億65百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の86.4%から84.3%となりました。
(4)経営戦略の現状と見通し
わが国の農業は所得の減少、担い手不足の深刻化や高齢化といった構造的な問題を抱えております。一方で、農園芸業の6次産業化や、企業等の農業への参入等も活発化しており、日本の農業は転換期を迎えています。 こうした事業環境の下で持続的な成長を実現するためには、国内営業の更なる基盤強化と海外市場の更なる獲得が重要です。そのためにこれまで以上に収益力を備えた経営を確立する必要があると認識しております。このような認識のもと、当社では以下に掲げた重点戦略に取り組んでまいりました。
① 戦略商品を核とした収益性(特に国内収益力)の改善を目指す
② 国内卸売営業と国内小売営業の協業をすすめ、小売部門の収益力を強化する
③ インド・中国の二大市場の積極的な深耕を図る
④ 種子生産戦略の一元管理と高品質種子の供給を徹底する
⑤ 研究開発をグローバルに展開し、競争力のある商品を効率的に作出する
それぞれの経営戦略は着実にその成果を出しつつありますが、当社としてはこれらの戦略をさらに推し進めることによって、更なる業績の向上を目指してまいります。
世界経済は、米国、欧州では景気回復基調にあるものの、新興国の成長ペースには鈍化の動きが見られます。国内経済は、緩やかな回復を辿っており、景気は好転しつつあります。
このような状況のもと、当社の次期見通しにつきましては、国内卸売では、各品目で増収を予定しております。
野菜種子では、ホウレンソウ、トマト、トウモロコシ、豆類など、また花種子ではパンジー、トルコギキョウ、ヒマワリなどを中心に順調な売上の伸びを予想しております。苗木、資材につきましても好調に推移する見込みです。
小売事業につきましては、ホームセンター向け事業では絵袋種子の新商材を中心とした販売強化を図りますが、次期も継続して不採算商売の削減に取り組みますので、通期の売上高は前期比減収を見込んでおります。業務コストの徹底削減を行い、営業利益では改善を図ってまいります。また、通信販売分野は、月刊誌カタログの内容充実やECサイトの企画増強などにより、収益拡大に努めてまいります。ガーデンセンター部門におきましても、多数のシーズンイベントを通じた店舗販売強化と全国のお客様へ向けてのネットショップの活用を通じて売上増加を見込んでおります。
海外におきましては、野菜種子では既存の販売網を最大限に生かして、当社が強みをもつ現在の品目群に加え、新たな品目での一層の拡販を予定しております。花種子の販売は、依然厳しい環境にありますが、利益を重視した活動に注力してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1. 業績等の概要」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
平成22年5月期平成23年5月期平成24年5月期平成25年5月期平成26年5月期
自己資本比率(%)85.385.585.586.484.3
時価ベースの自己資本比率(%)65.761.257.166.163.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)82.152.960.5297.9100.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)43.241.149.412.745.0

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
②資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
③資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。