有価証券報告書-第77期(平成29年6月1日-平成30年5月31日)
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績等の概要
①経営成績の分析
当連結会計年度(平成29年6月1日から平成30年5月31日まで)における世界経済は、欧米では個人消費や設備投資の増加などから、景気の拡大基調が続きました。新興国経済においては、中国では安定した成長が維持されており、インドでは高額紙幣廃止等の影響が一巡し、成長率の持ち直しが見られました。またブラジルでは緩やかな回復が見られましたが、先行きの減速懸念も強まって参りました。わが国経済は、世界経済の景気回復を背景に企業収益が好調に推移し、緩やかな回復基調が持続しました。
当種苗業界におきましては、国内の農業分野では、農業就業人口の減少や作付け延べ面積の減少が継続している一方、農産物の輸出増大や農家の所得倍増計画が政府の成長戦略の一環として掲げられており、付加価値の高い種苗の安定供給がますます重要となっております。海外市場においては、先進国における健康志向の高まりや、新興国における人口増加や所得水準の改善などを背景に、野菜種子、花種子の需要は拡大を続けております。また、農薬や穀物種子を含む世界のアグロケミカル産業まで俯瞰してみますと、多国籍大手による業界再編の動きも見られます。
このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、小売事業の売上は前期を下回りましたが、国内卸売事業、海外卸売事業は増収となり、売上高は624億12百万円(前期比5億68百万円、0.9%増)となりました。営業利益は、主に、人件費やグローバルな経営体制強化のための経費増加などによる一般管理費の増加により、75億53百万円(前期比1億48百万円、1.9%減)となりました。また経常利益は、為替差損の増加等により、78億80百万円(前期比3億69百万円、4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益も、不動産の売却益計上がありましたが、経常利益の減少を受けて、57億67百万円(前期比3億45百万円、5.6%減)と前期比減益となりました。
②財政状態の分析
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前期末に比べ54億43百万円増加し、1,216億12百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が1億39百万円、たな卸資産が15億27百万円、有形固定資産が19億46百万円、投資有価証券が17億77百万円増加し、現金及び預金が9億8百万円減少したことなどによるものです。
b.負債の部
負債合計は、前期末に比べ1億16百万円減少し、219億58百万円となりました。これは主に短期借入金が7億22百万円、長期繰延税金負債が5億47百万円増加し、支払手形及び買掛金が10億2百万円、未払法人税等が4億43百万円、退職給付に係る負債が6億7百万円減少したことなどによるものです。
c.純資産の部
純資産合計は、前期末に比べ55億60百万円増加し、996億54百万円となりました。これは主に利益剰余金が45億6百万円、その他有価証券評価差額金が10億66百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前期末の80.9%から81.8%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比8億30百万円減少し、133億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は46億17百万円(前期は得られた資金76億13百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益80億76百万円、減価償却費18億80百万円、たな卸資産の増加による資金の減少15億89百万円、仕入債務の減少による資金の減少9億83百万円、法人税等の支払額25億4百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は49億9百万円(前期は支出した資金29億1百万円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出32億15百万円、定期預金の払戻による収入33億3百万円、有形固定資産の取得による支出44億79百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は6億46百万円(前期は支出した資金20億16百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増額17億64百万円、長期借入金の返済による支出12億35百万円、配当金の支払額12億37百万円などによるものです。
④仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当社は、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。
また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、当連結会計年度の売上高は、前期比5億68百万円(0.9%)増の624億12百万円となりました。これは、当社の創出したブロッコリー、トマト、トルコギキョウなどの重点戦略品目が、アジアなどの新興国市場の成長機会をとらえ、また、成熟市場である先進国の需要に適した商品を提供できている成果と考えております。
一方、営業利益は、前期比1億48百万円(1.9%)減の75億53百万円となりました。当社グループの活動領域がグローバル化していく中で、地域のニーズに対応するための研究開発の強化や経営管理体制の強化・構築のため費用が増加したことなどによるものです。
経常利益は、為替差損の増加などにより前期比3億69百万円(4.5%)減の78億80百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、不動産の売却益がありましたが、前期比3億45百万円(5.6%)減の57億67百万円となりました。
本年1月に公表した業績予想に対しては、想定為替レートに対し、ドルが3円73銭円高となりましたが(対ユーロでは58銭の円安)、海外での野菜・花種子の売上が好調であったことや一般管理費も計画を下回ったことから、公表しておりました全ての項目で上回りました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、資材の売上は増加しましたが、秋から初冬にかけて長雨や台風、低温などの天候の影響があり、種子の売上が減少したことなどから、売上高は前期比微増にとどまりました。品目別では、野菜種子は、ブロッコリー、レタスなどは増収となりましたが、ニンジン、コマツナ、トマトなどが減収となりました。花種子は、パンジーなどの売上は増加しましたが、絵袋種子などの売上が減少しました。資材は、鋼管等の農業用ハウス関連資材の値上げ前の駆け込み需要、天候不順に伴う高機能液肥及び保温資材の需要増により、増収となりました。一方、営業利益は、野菜種子に比べ相対的に粗利益率の低い資材の売上が増えたことや、種子在庫の評価減の計上により、減益となりました。
これらの結果、売上高は、前期比1億29百万円(同0.8%)増の168億37百万円となり、営業利益は前期比1億29百万円(同2.4%)減の51億66百万円となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比5億2百万円(2.4%)減の201億33百万円となりました。これは主に有形固定資産が5億48百万円減少したことによるものです。
b.海外卸売事業
それぞれの地域の状況をみますと、アジアではブロッコリー、ニンジン、キャベツ、ペッパー、トルコギキョウなどの売上が好調で増加した一方、ホウレンソウ、カリフラワー、ネギなどは減少しました。アジアの国別では、中国、韓国などが好調に推移いたしました。インドでは、高額紙幣の廃止や主要産地での旱魃などの影響が大きく、下半期は回復基調となったものの、通年の現地通貨ベースの売上高は減少いたしました。北中米につきましては、ブロッコリー、ペッパー、トマト、トルコギキョウなどの売上が増加しましたが、ホウレンソウ、ニンジン、ビート、パンジーなどの売上が減少しました。なお、現地通貨ベースの売上高は、下半期にかけて堅調に推移した結果、通年で前期比プラスとなりましたが、円ベースでは、円高の影響を受け、前期比で微減となりました。欧州・中近東では、トマト、キュウリ、ブロッコリー、カボチャ、トルコギキョウなどの売上が大幅に伸びたことや、円安による為替の押し上げ効果も加わり、円ベースで大幅な増収となっております。南米につきましては、メロン、ブロッコリー、ペッパー、レタスなどは増加しましたが、カボチャ、トマトなどは減少しました。通年の売上高は、下半期に増加基調となり、ブラジルでの市況悪化を受けた上半期の不調を打ち返し、通年の現地通貨ベースでは微増となりましたが、為替が円高になったことが影響し、円ベースでは減収となりました。
全体の品目別では、野菜種子ではホウレンソウ、ビート、ニンジンなどの売上は減少しましたが、ブロッコリー、トマト、ペッパー、キュウリ、カボチャ、キャベツなどの売上が大きく伸び、花種子につきましても、トルコギキョウが引き続き好調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は、前期比19億75百万円(同5.6%)増の372億74百万円となり、営業利益は粗利益率の高い野菜種子の売上増加を受け、前期比8億5百万円(同7.8%)増の111億74百万円になり、増収増益となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比66億71百万円(13.2%)増の570億64百万円となりました。これは主に有形固定資産が22億17百万円、たな卸資産が20億15百万円、無形固定資産が6億11百万円が増加したことによるものです。
c.小売事業
ホームガーデン分野は、昨年秋の天候不順により、家庭園芸需要が大きな打撃を受け、資材、苗を中心に販売不調となり、売上高は前期比で大きく減収となりました。なお、これまで実施して参りました不採算商品の削減と改善は概ね達成され、収益性の改善に結びついております。
通信販売分野では、秋から冬にかけての全国的な厳しい寒さや降雪による落ち込みを春の家庭園芸需要期で挽回できず、苗・資材を中心に減収となりました。一方、電子媒体の活用を進め、経費は圧縮することができました。
ガーデンセンターでは、多くのイベントを開催し集客を図りましたが、休日毎の天候不順による影響を打ち返せず、減収となりました。
小売事業各分野にわたり、不採算商品の削減や経費圧縮に努め、一定の成果は得られましたが、販売および仕入の運賃コストの上昇が大きく影響し、全体での収益改善には至りませんでした。
これらの結果、売上高は、前期比11億18百万円(同13.6%)減の71億2百万円、営業利益は、前期比14百万円(同21.4%)減の51百万円となりました。
また、小売事業の総資産は前期比5億53百万円(18.3%)減の24億73百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が4億29百万円減少したことによるものです。
d.その他事業
造園緑花分野は、官公庁及び民間の大型工事の受注減少により、前期比大幅減収となりました。
これらの結果、売上高は前期比4億18百万円(同25.9%)減の11億97百万円となり、営業利益は55百万円(同87.7%)減の7百万円となりました。
また、その他事業の総資産は前期比1億12百万円(17.4%)減の5億32百万円となりました。これは主に未成工事支出金が1億37百万円減少したことによるものです。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの分析」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
直近では千葉農場(仮称)設置やSakata Seed America.,Incにおける研究施設の建設等の設備投資を予定しております。これらの設備投資については、主に自己資金にて必要な資金を賄う予定でおりますが、一部については取引金融機関からの借入にて賄うことも予定しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。本年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、売上高624億12百万円(予想比2億12百万円増)、営業利益75億53百万円(予想比1億53百万円増)、経常利益78億80百万円(予想比2億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は57億67百万円(予想比3億67百万円増)、売上高営業利益率12.1%(予想11.9%)となりました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)経営成績等の概要
①経営成績の分析
当連結会計年度(平成29年6月1日から平成30年5月31日まで)における世界経済は、欧米では個人消費や設備投資の増加などから、景気の拡大基調が続きました。新興国経済においては、中国では安定した成長が維持されており、インドでは高額紙幣廃止等の影響が一巡し、成長率の持ち直しが見られました。またブラジルでは緩やかな回復が見られましたが、先行きの減速懸念も強まって参りました。わが国経済は、世界経済の景気回復を背景に企業収益が好調に推移し、緩やかな回復基調が持続しました。
当種苗業界におきましては、国内の農業分野では、農業就業人口の減少や作付け延べ面積の減少が継続している一方、農産物の輸出増大や農家の所得倍増計画が政府の成長戦略の一環として掲げられており、付加価値の高い種苗の安定供給がますます重要となっております。海外市場においては、先進国における健康志向の高まりや、新興国における人口増加や所得水準の改善などを背景に、野菜種子、花種子の需要は拡大を続けております。また、農薬や穀物種子を含む世界のアグロケミカル産業まで俯瞰してみますと、多国籍大手による業界再編の動きも見られます。
このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、小売事業の売上は前期を下回りましたが、国内卸売事業、海外卸売事業は増収となり、売上高は624億12百万円(前期比5億68百万円、0.9%増)となりました。営業利益は、主に、人件費やグローバルな経営体制強化のための経費増加などによる一般管理費の増加により、75億53百万円(前期比1億48百万円、1.9%減)となりました。また経常利益は、為替差損の増加等により、78億80百万円(前期比3億69百万円、4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益も、不動産の売却益計上がありましたが、経常利益の減少を受けて、57億67百万円(前期比3億45百万円、5.6%減)と前期比減益となりました。
②財政状態の分析
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前期末に比べ54億43百万円増加し、1,216億12百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が1億39百万円、たな卸資産が15億27百万円、有形固定資産が19億46百万円、投資有価証券が17億77百万円増加し、現金及び預金が9億8百万円減少したことなどによるものです。
b.負債の部
負債合計は、前期末に比べ1億16百万円減少し、219億58百万円となりました。これは主に短期借入金が7億22百万円、長期繰延税金負債が5億47百万円増加し、支払手形及び買掛金が10億2百万円、未払法人税等が4億43百万円、退職給付に係る負債が6億7百万円減少したことなどによるものです。
c.純資産の部
純資産合計は、前期末に比べ55億60百万円増加し、996億54百万円となりました。これは主に利益剰余金が45億6百万円、その他有価証券評価差額金が10億66百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前期末の80.9%から81.8%となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比8億30百万円減少し、133億4百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は46億17百万円(前期は得られた資金76億13百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益80億76百万円、減価償却費18億80百万円、たな卸資産の増加による資金の減少15億89百万円、仕入債務の減少による資金の減少9億83百万円、法人税等の支払額25億4百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は49億9百万円(前期は支出した資金29億1百万円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出32億15百万円、定期預金の払戻による収入33億3百万円、有形固定資産の取得による支出44億79百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は6億46百万円(前期は支出した資金20億16百万円)となりました。これは主に、短期借入金の純増額17億64百万円、長期借入金の返済による支出12億35百万円、配当金の支払額12億37百万円などによるものです。
④仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年6月1日 至 平成30年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 7,872 | 1.0 |
| 海外卸売事業(百万円) | 16,951 | 5.5 |
| 小売事業(百万円) | 4,410 | △16.5 |
| 報告セグメント計(百万円) | 29,234 | 0.3 |
| その他事業(百万円) | 963 | △29.5 |
| 合計(百万円) | 30,197 | △1.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年6月1日 至 平成30年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 16,837 | 0.8 |
| 海外卸売事業(百万円) | 37,274 | 5.6 |
| 小売事業(百万円) | 7,102 | △13.6 |
| 報告セグメント計(百万円) | 61,214 | 1.6 |
| その他事業(百万円) | 1,197 | △25.9 |
| 合計(百万円) | 62,412 | 0.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の分析
当社は、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。
また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、当連結会計年度の売上高は、前期比5億68百万円(0.9%)増の624億12百万円となりました。これは、当社の創出したブロッコリー、トマト、トルコギキョウなどの重点戦略品目が、アジアなどの新興国市場の成長機会をとらえ、また、成熟市場である先進国の需要に適した商品を提供できている成果と考えております。
一方、営業利益は、前期比1億48百万円(1.9%)減の75億53百万円となりました。当社グループの活動領域がグローバル化していく中で、地域のニーズに対応するための研究開発の強化や経営管理体制の強化・構築のため費用が増加したことなどによるものです。
経常利益は、為替差損の増加などにより前期比3億69百万円(4.5%)減の78億80百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、不動産の売却益がありましたが、前期比3億45百万円(5.6%)減の57億67百万円となりました。
本年1月に公表した業績予想に対しては、想定為替レートに対し、ドルが3円73銭円高となりましたが(対ユーロでは58銭の円安)、海外での野菜・花種子の売上が好調であったことや一般管理費も計画を下回ったことから、公表しておりました全ての項目で上回りました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、資材の売上は増加しましたが、秋から初冬にかけて長雨や台風、低温などの天候の影響があり、種子の売上が減少したことなどから、売上高は前期比微増にとどまりました。品目別では、野菜種子は、ブロッコリー、レタスなどは増収となりましたが、ニンジン、コマツナ、トマトなどが減収となりました。花種子は、パンジーなどの売上は増加しましたが、絵袋種子などの売上が減少しました。資材は、鋼管等の農業用ハウス関連資材の値上げ前の駆け込み需要、天候不順に伴う高機能液肥及び保温資材の需要増により、増収となりました。一方、営業利益は、野菜種子に比べ相対的に粗利益率の低い資材の売上が増えたことや、種子在庫の評価減の計上により、減益となりました。
これらの結果、売上高は、前期比1億29百万円(同0.8%)増の168億37百万円となり、営業利益は前期比1億29百万円(同2.4%)減の51億66百万円となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比5億2百万円(2.4%)減の201億33百万円となりました。これは主に有形固定資産が5億48百万円減少したことによるものです。
b.海外卸売事業
それぞれの地域の状況をみますと、アジアではブロッコリー、ニンジン、キャベツ、ペッパー、トルコギキョウなどの売上が好調で増加した一方、ホウレンソウ、カリフラワー、ネギなどは減少しました。アジアの国別では、中国、韓国などが好調に推移いたしました。インドでは、高額紙幣の廃止や主要産地での旱魃などの影響が大きく、下半期は回復基調となったものの、通年の現地通貨ベースの売上高は減少いたしました。北中米につきましては、ブロッコリー、ペッパー、トマト、トルコギキョウなどの売上が増加しましたが、ホウレンソウ、ニンジン、ビート、パンジーなどの売上が減少しました。なお、現地通貨ベースの売上高は、下半期にかけて堅調に推移した結果、通年で前期比プラスとなりましたが、円ベースでは、円高の影響を受け、前期比で微減となりました。欧州・中近東では、トマト、キュウリ、ブロッコリー、カボチャ、トルコギキョウなどの売上が大幅に伸びたことや、円安による為替の押し上げ効果も加わり、円ベースで大幅な増収となっております。南米につきましては、メロン、ブロッコリー、ペッパー、レタスなどは増加しましたが、カボチャ、トマトなどは減少しました。通年の売上高は、下半期に増加基調となり、ブラジルでの市況悪化を受けた上半期の不調を打ち返し、通年の現地通貨ベースでは微増となりましたが、為替が円高になったことが影響し、円ベースでは減収となりました。
全体の品目別では、野菜種子ではホウレンソウ、ビート、ニンジンなどの売上は減少しましたが、ブロッコリー、トマト、ペッパー、キュウリ、カボチャ、キャベツなどの売上が大きく伸び、花種子につきましても、トルコギキョウが引き続き好調に推移いたしました。
これらの結果、売上高は、前期比19億75百万円(同5.6%)増の372億74百万円となり、営業利益は粗利益率の高い野菜種子の売上増加を受け、前期比8億5百万円(同7.8%)増の111億74百万円になり、増収増益となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比66億71百万円(13.2%)増の570億64百万円となりました。これは主に有形固定資産が22億17百万円、たな卸資産が20億15百万円、無形固定資産が6億11百万円が増加したことによるものです。
c.小売事業
ホームガーデン分野は、昨年秋の天候不順により、家庭園芸需要が大きな打撃を受け、資材、苗を中心に販売不調となり、売上高は前期比で大きく減収となりました。なお、これまで実施して参りました不採算商品の削減と改善は概ね達成され、収益性の改善に結びついております。
通信販売分野では、秋から冬にかけての全国的な厳しい寒さや降雪による落ち込みを春の家庭園芸需要期で挽回できず、苗・資材を中心に減収となりました。一方、電子媒体の活用を進め、経費は圧縮することができました。
ガーデンセンターでは、多くのイベントを開催し集客を図りましたが、休日毎の天候不順による影響を打ち返せず、減収となりました。
小売事業各分野にわたり、不採算商品の削減や経費圧縮に努め、一定の成果は得られましたが、販売および仕入の運賃コストの上昇が大きく影響し、全体での収益改善には至りませんでした。
これらの結果、売上高は、前期比11億18百万円(同13.6%)減の71億2百万円、営業利益は、前期比14百万円(同21.4%)減の51百万円となりました。
また、小売事業の総資産は前期比5億53百万円(18.3%)減の24億73百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が4億29百万円減少したことによるものです。
d.その他事業
造園緑花分野は、官公庁及び民間の大型工事の受注減少により、前期比大幅減収となりました。
これらの結果、売上高は前期比4億18百万円(同25.9%)減の11億97百万円となり、営業利益は55百万円(同87.7%)減の7百万円となりました。
また、その他事業の総資産は前期比1億12百万円(17.4%)減の5億32百万円となりました。これは主に未成工事支出金が1億37百万円減少したことによるものです。
②資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの分析」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
| 平成26年5月期 | 平成27年5月期 | 平成28年5月期 | 平成29年5月期 | 平成30年5月期 | |
| 自己資本比率(%) | 84.3 | 82.9 | 81.5 | 80.9 | 81.8 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 63.8 | 93.5 | 108.9 | 136.9 | 151.3 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 100.7 | 91.4 | 114.8 | 55.1 | 106.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 45.0 | 61.5 | 56.4 | 68.7 | 44.3 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
直近では千葉農場(仮称)設置やSakata Seed America.,Incにおける研究施設の建設等の設備投資を予定しております。これらの設備投資については、主に自己資金にて必要な資金を賄う予定でおりますが、一部については取引金融機関からの借入にて賄うことも予定しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。本年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、売上高624億12百万円(予想比2億12百万円増)、営業利益75億53百万円(予想比1億53百万円増)、経常利益78億80百万円(予想比2億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は57億67百万円(予想比3億67百万円増)、売上高営業利益率12.1%(予想11.9%)となりました。