有価証券報告書-第83期(2023/06/01-2024/05/31)
(1)経営成績等の概要
①経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度(2023年6月1日から2024年5月31日まで)における業績は、売上高は886億77百万円(前期比114億14百万円、14.8%増)、営業利益は104億95百万円(前期比4億22百万円、3.9%減)、経常利益は111億24百万円(前期比11億79百万円、9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は161億62百万円(前期比66億72百万円、70.3%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
資産合計は、1,927億17百万円(前連結会計年度末比320億2百万円増加)となりました。
・流動資産:現金及び預金、商品及び製品の増加などにより207億9百万円増加
・固定資産:建設仮勘定、投資有価証券の増加などにより112億93百万円増加
(負債)
負債合計は321億84百万円(前連結会計年度末比95億49百万円増加)となりました。
・流動負債:短期借入金、未払法人税等の減少などにより74億71百万円増加
・固定負債:長期借入金、繰延税金負債の増加などにより20億77百万円増加
(純資産)
純資産合計は、1,605億33百万円(前連結会計年度末比224億53百万円増加)となりました。
・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払などにより116億71百万円増加
・その他の包括利益累計額:その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などにより107億30百万円増加
以上の結果、自己資本比率は83.1%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比69百万円減少し、202億64百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、69億66百万円(前期比13億85百万円の収入の減少)となりました。
・主な増加要因:税金等調整前当期純利益225億63百万円の計上、減価償却費44億68百万円の計上
・主な減少要因:固定資産売却益123億89百万円の計上、法人税等の支払額33億55百万円の計上、棚卸資産の増加額42億31百万円の計上
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△42億48百万円(前期比38億58百万円の支出の減少)となりました。
・主な増加要因:有形固定資産の売却による収入131億48百万円の計上、定期預金の払戻による収入47億20百万円の計上
・主な減少要因:定期預金の預入による支出120億77百万円の計上、有形固定資産の取得による支出63億25百万円の計上
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△42億18百万円(前期比13億89百万円の支出の増加)となりました。
・主な増加要因:短期借入金の純増額14億60百万円の計上
・主な減少要因:配当金の支払額26億62百万円の計上、自己株式の取得による支出18億26百万円の計上
④仕入および販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2023年6月1日から2024年5月31日まで)における世界経済は、米国などは底堅く推移いたしましたが、世界的な金融引き締めにともなう金利・為替変動、原材料やエネルギー価格の高騰、地政学的緊張など、不確実性の高い状況が継続いたしました。国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和されたことや、インバウンド需要の増大などにより緩やかに回復いたしましたが、緩和的な金融環境の継続により円安が進みました。
成長戦略の取組みとしては、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質でオリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築と、安定供給と効率化を実現するサプライチェーンの整備を行っております。また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、当社グループの当連結会計年度における売上高は、海外で野菜種子と花種子の販売が好調に推移したことに加え、為替相場が円安になったことから、前期比大幅な増収となりました。野菜種子は、既に高いグローバルシェアを誇るブロッコリーに加え、シェアの拡大を目指し研究開発に注力しているトマト、ペッパー、カボチャなども引き続き好調に推移し、増収となりました。花種子は、主力商品のヒマワリやトルコギキョウのほか、カンパニュラやストックなど切り花用商品が好調に推移し、増収となりました。
販売費及び一般管理費は、海外での業務拡大による人員増加や、欧米を中心に物価高騰に伴う給与水準の大幅な上昇により人件費が大きく伸びたこと、また旅費交通費や減価償却費、業務委託費などの増加、さらには為替影響もあり全般的に大きく増加いたしました。これらの結果、営業利益は前期比減少となりました。経常利益は、営業利益の減少に加え、正味貨幣持高に関する損失や持分法による投資損失など営業外費用の増加を受け、前期比減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、遊休資産売却による固定資産売却益の計上により、前期比増加となりました。
2024年2月に公表した業績予想に対しては、営業利益は5億4百万円下回りましたが、売上高は46億77百万円、経常利益は1億24百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億62百万円、それぞれ上回りました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、青果市況の低迷と生産コストの上昇に夏の酷暑も加わり、非常に厳しい事業環境となりましたが、品種力が評価された野菜種子が牽引し、増収増益となりました。
品目別では、野菜種子は、ホウレンソウが減少いたしましたが、「王様トマト」シリーズの20周年キャンペーンを大規模展開したトマトや、スイートコーン、ネギ、ブロッコリーが増加し、前期比増収となりました。花種子はマリーゴールド、ヒマワリ、ジニアが増加いたしましたが、トルコギキョウ、パンジーが減少し、前期比微減となりました。農園芸資材は、暖冬傾向により被覆資材の売上が伸びなかったことや、一部商品で値上がり前の早期調達需要の反動減となったことなどから、前期比減収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は123億20百万円(前期比47百万円、0.4%増)、営業利益は49億74百万円(前期比66百万円、1.4%増)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比2億35百万円減(1.2%減)の201億76百万円となりました。
b.海外卸売事業
海外卸売事業は、すべての地域において現地通貨ベースで増収になったことに加え、為替レートも全般的に円安となったことから、前期比、大幅な増収となりました。
野菜種子では、ブロッコリーはアジアで減収となったものの、欧州・中近東で大幅に増加したほか、北中米と南米でも増加いたしました。トマトは、欧州・中近東、南米、アジアで、ペッパーは、南米、北中米、欧州・中近東で増加いたしました。また、北中米のスイカ、欧州・中近東のキュウリ、南米のカボチャなどが大幅に増加いたしました。
花種子では、トルコギキョウは、アジア、欧州で大きく増加いたしました。ヒマワリは、すべての地域で前期比、大幅な増収となりました。また、カンパニュラとストックの切り花種子も大幅に増加いたしました。
これらの結果、外部顧客への売上高は680億41百万円(前期比117億77百万円、20.9%増)、営業利益は182億39百万円(前期比14億17百万円、8.4%増)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比215億15百万円増(23.1%増)の1,144億67百万円となりました。
c.小売事業
小売事業は、夏の酷暑などの影響を受け、全般的に低調な推移となりました。その結果、量販店向けのホームガーデン分野は、苗木と資材の売上は増加いたしましたが、野菜種子、花種子、球根が減少し、前期比減収となりました。通信販売分野も、前期比減収となりました。なお、ガーデンセンター横浜は2023年12月24日をもちまして閉店いたしました。
これらの結果、外部顧客への売上高は49億20百万円(前期比4億22百万円、7.9%減)、営業利益は1億60百万円悪化し、2億21百万円の損失(前期は61百万円の営業損失)となりました。
また、小売事業の総資産は前期比21百万円減(1.5%減)の14億11百万円となりました。
d.その他
造園緑花分野は、民間及び公共工事での大型案件が竣工したことにより、外部顧客への売上高は33億95百万円(前期比12百万円、0.4%増)と前期並の水準を維持いたしましたが、資材や燃料などの価格高騰による原価・販管費の増加により営業利益は50百万円(前期比33百万円、40.0%減)となりました。
また、その他の総資産は前期比95百万円減(4.9%減)の18億76百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
※ 5. 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等です。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外各子会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、適切な対応が可能な体制をとっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。2024年2月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a.棚卸資産の評価見積りによる影響
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
b.固定資産の減損判定による影響
当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産および遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来の利益計画に基づく将来キャッシュ・フローや不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。
①経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度(2023年6月1日から2024年5月31日まで)における業績は、売上高は886億77百万円(前期比114億14百万円、14.8%増)、営業利益は104億95百万円(前期比4億22百万円、3.9%減)、経常利益は111億24百万円(前期比11億79百万円、9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は161億62百万円(前期比66億72百万円、70.3%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
資産合計は、1,927億17百万円(前連結会計年度末比320億2百万円増加)となりました。
・流動資産:現金及び預金、商品及び製品の増加などにより207億9百万円増加
・固定資産:建設仮勘定、投資有価証券の増加などにより112億93百万円増加
(負債)
負債合計は321億84百万円(前連結会計年度末比95億49百万円増加)となりました。
・流動負債:短期借入金、未払法人税等の減少などにより74億71百万円増加
・固定負債:長期借入金、繰延税金負債の増加などにより20億77百万円増加
(純資産)
純資産合計は、1,605億33百万円(前連結会計年度末比224億53百万円増加)となりました。
・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払などにより116億71百万円増加
・その他の包括利益累計額:その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などにより107億30百万円増加
以上の結果、自己資本比率は83.1%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比69百万円減少し、202億64百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、69億66百万円(前期比13億85百万円の収入の減少)となりました。
・主な増加要因:税金等調整前当期純利益225億63百万円の計上、減価償却費44億68百万円の計上
・主な減少要因:固定資産売却益123億89百万円の計上、法人税等の支払額33億55百万円の計上、棚卸資産の増加額42億31百万円の計上
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△42億48百万円(前期比38億58百万円の支出の減少)となりました。
・主な増加要因:有形固定資産の売却による収入131億48百万円の計上、定期預金の払戻による収入47億20百万円の計上
・主な減少要因:定期預金の預入による支出120億77百万円の計上、有形固定資産の取得による支出63億25百万円の計上
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△42億18百万円(前期比13億89百万円の支出の増加)となりました。
・主な増加要因:短期借入金の純増額14億60百万円の計上
・主な減少要因:配当金の支払額26億62百万円の計上、自己株式の取得による支出18億26百万円の計上
④仕入および販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 7,613 | 5.5 |
| 海外卸売事業(百万円) | 25,394 | 33.0 |
| 小売事業(百万円) | 3,357 | △3.2 |
| 報告セグメント計(百万円) | 36,365 | 22.1 |
| その他(百万円) | 2,923 | △1.3 |
| 合計(百万円) | 39,289 | 20.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年6月1日 至 2024年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 12,320 | 0.4 |
| 海外卸売事業(百万円) | 68,041 | 20.9 |
| 小売事業(百万円) | 4,920 | △7.9 |
| 報告セグメント計(百万円) | 85,282 | 15.4 |
| その他(百万円) | 3,395 | 0.4 |
| 合計(百万円) | 88,677 | 14.8 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2023年6月1日から2024年5月31日まで)における世界経済は、米国などは底堅く推移いたしましたが、世界的な金融引き締めにともなう金利・為替変動、原材料やエネルギー価格の高騰、地政学的緊張など、不確実性の高い状況が継続いたしました。国内経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和されたことや、インバウンド需要の増大などにより緩やかに回復いたしましたが、緩和的な金融環境の継続により円安が進みました。
成長戦略の取組みとしては、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質でオリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築と、安定供給と効率化を実現するサプライチェーンの整備を行っております。また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、当社グループの当連結会計年度における売上高は、海外で野菜種子と花種子の販売が好調に推移したことに加え、為替相場が円安になったことから、前期比大幅な増収となりました。野菜種子は、既に高いグローバルシェアを誇るブロッコリーに加え、シェアの拡大を目指し研究開発に注力しているトマト、ペッパー、カボチャなども引き続き好調に推移し、増収となりました。花種子は、主力商品のヒマワリやトルコギキョウのほか、カンパニュラやストックなど切り花用商品が好調に推移し、増収となりました。
販売費及び一般管理費は、海外での業務拡大による人員増加や、欧米を中心に物価高騰に伴う給与水準の大幅な上昇により人件費が大きく伸びたこと、また旅費交通費や減価償却費、業務委託費などの増加、さらには為替影響もあり全般的に大きく増加いたしました。これらの結果、営業利益は前期比減少となりました。経常利益は、営業利益の減少に加え、正味貨幣持高に関する損失や持分法による投資損失など営業外費用の増加を受け、前期比減少となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、遊休資産売却による固定資産売却益の計上により、前期比増加となりました。
2024年2月に公表した業績予想に対しては、営業利益は5億4百万円下回りましたが、売上高は46億77百万円、経常利益は1億24百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億62百万円、それぞれ上回りました。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、青果市況の低迷と生産コストの上昇に夏の酷暑も加わり、非常に厳しい事業環境となりましたが、品種力が評価された野菜種子が牽引し、増収増益となりました。
品目別では、野菜種子は、ホウレンソウが減少いたしましたが、「王様トマト」シリーズの20周年キャンペーンを大規模展開したトマトや、スイートコーン、ネギ、ブロッコリーが増加し、前期比増収となりました。花種子はマリーゴールド、ヒマワリ、ジニアが増加いたしましたが、トルコギキョウ、パンジーが減少し、前期比微減となりました。農園芸資材は、暖冬傾向により被覆資材の売上が伸びなかったことや、一部商品で値上がり前の早期調達需要の反動減となったことなどから、前期比減収となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は123億20百万円(前期比47百万円、0.4%増)、営業利益は49億74百万円(前期比66百万円、1.4%増)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比2億35百万円減(1.2%減)の201億76百万円となりました。
b.海外卸売事業
海外卸売事業は、すべての地域において現地通貨ベースで増収になったことに加え、為替レートも全般的に円安となったことから、前期比、大幅な増収となりました。
野菜種子では、ブロッコリーはアジアで減収となったものの、欧州・中近東で大幅に増加したほか、北中米と南米でも増加いたしました。トマトは、欧州・中近東、南米、アジアで、ペッパーは、南米、北中米、欧州・中近東で増加いたしました。また、北中米のスイカ、欧州・中近東のキュウリ、南米のカボチャなどが大幅に増加いたしました。
花種子では、トルコギキョウは、アジア、欧州で大きく増加いたしました。ヒマワリは、すべての地域で前期比、大幅な増収となりました。また、カンパニュラとストックの切り花種子も大幅に増加いたしました。
これらの結果、外部顧客への売上高は680億41百万円(前期比117億77百万円、20.9%増)、営業利益は182億39百万円(前期比14億17百万円、8.4%増)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比215億15百万円増(23.1%増)の1,144億67百万円となりました。
c.小売事業
小売事業は、夏の酷暑などの影響を受け、全般的に低調な推移となりました。その結果、量販店向けのホームガーデン分野は、苗木と資材の売上は増加いたしましたが、野菜種子、花種子、球根が減少し、前期比減収となりました。通信販売分野も、前期比減収となりました。なお、ガーデンセンター横浜は2023年12月24日をもちまして閉店いたしました。
これらの結果、外部顧客への売上高は49億20百万円(前期比4億22百万円、7.9%減)、営業利益は1億60百万円悪化し、2億21百万円の損失(前期は61百万円の営業損失)となりました。
また、小売事業の総資産は前期比21百万円減(1.5%減)の14億11百万円となりました。
d.その他
造園緑花分野は、民間及び公共工事での大型案件が竣工したことにより、外部顧客への売上高は33億95百万円(前期比12百万円、0.4%増)と前期並の水準を維持いたしましたが、資材や燃料などの価格高騰による原価・販管費の増加により営業利益は50百万円(前期比33百万円、40.0%減)となりました。
また、その他の総資産は前期比95百万円減(4.9%減)の18億76百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。
| 2020年5月期 | 2021年5月期 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | |
| 自己資本比率(%) | 82.2 | 83.9 | 84.9 | 85.7 | 83.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 133.5 | 124.5 | 133.3 | 107.6 | 76.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 137.1 | 24.5 | 14.8 | 17.6 | 52.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 16.3 | 94.6 | 94.3 | 106.8 | 32.2 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
※ 5. 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等です。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外各子会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、適切な対応が可能な体制をとっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。2024年2月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a.棚卸資産の評価見積りによる影響
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
b.固定資産の減損判定による影響
当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産および遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来の利益計画に基づく将来キャッシュ・フローや不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。