有価証券報告書-第79期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)
(1)経営成績等の概要
①経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度(2019年6月1日から2020年5月31日まで)における業績は、その他事業の造園緑花分野では、事業規模が引き続き拡大しましたが、国内卸売事業と小売事業は、猛暑や台風などの天候不順により前期比減収となりました。また、海外卸売事業では、ドル、ユーロの主要通貨に加え、新興国通貨の下落による円高により、売上高に対し約22億円のマイナス影響があったことなどから、前期比減収となりました。以上の結果、売上高は616億67百万円(前期比10億78百万円、1.7%減)となりました。また、営業利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの減収と粗利益率の低下を受け、74億82百万円(前期比2億35百万円、3.1%減)となりました。経常利益は、80億70百万円(前期比2億60百万円、3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産売却益の減少などにより、60億94百万円(前期比7億62百万円、11.1%減)となりました。
②財政状態の状況
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前期末に比べ11億76百万円増加し、1,236億1百万円となりました。これは主に商品及び製品が27億88百万円、無形固定資産が6億54百万円増加した一方で、現金及び預金が21億83百万円減少したことなどによるものです。
b.負債の部
負債合計は、前期末に比べ2億65百万円増加し、218億8百万円となりました。これは主に固定負債のその他が9億37百万円増加した一方で、長期借入金が7億7百万円減少したことなどによるものです。
c.純資産の部
純資産合計は、前期末に比べ9億10百万円増加し、1,017億93百万円となりました。これは主に株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と自己株式を消却したことにより46億66百万円増加した一方で、その他の包括利益累計額が為替換算調整勘定の減少等により37億68百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は82.2%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比2億38百万円減少し、119億34百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は34億35百万円(前期は得られた資金55億32百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益80億54百万円、減価償却費22億99百万円、仕入債務の増加による資金の増加7億47百万円、売上債権の増加による資金の減少5億48百万円、たな卸資産の増加による資金の減少37億75百万円、法人税等の支払額21億31百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は13億22百万円(前期は支出した資金32億89百万円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出17億31百万円、定期預金の払戻による収入35億56百万円、有形固定資産の取得による支出22億18百万円、無形固定資産の取得による支出11億3百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は17億57百万円(前期は支出した資金31億83百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額14億70百万円などによるものです。
④仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、全体として非常に緩やかながらも景気の拡大・回復が続いておりましたが、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の発生により経済活動が一変、経済成長率は急落いたしました。
わが国経済も、消費税増税や大型台風の襲来などによる影響から景気後退にあったところ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が加わり、大幅に悪化いたしました。
また、金融市場におきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大により、新興国通貨の下落や株式市場の混乱など、大きな影響が生じました。
当社グループでは、人々の生活に不可欠な農園芸業、ひいては食料を支える根幹の事業者であるとの認識のもと、持続的な研究開発や生産活動と、グローバルな営業展開を行いました。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大後は、在宅勤務並びに時差勤務の推進やウェブ会議の活用、直営店での一部営業自粛など、ステークホルダーの方々の感染防止を最大限図りつつ、必要な事業の継続に努めました。
成長戦略の取組みとしては、当社は、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。
また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、品目別では、重点戦略品目であるヒマワリがアジアを中心に引き続き好調に推移し、前期比30%を超える大幅な増収となりました。地域別では、欧州・中近東が、ブロッコリー、トマト、トルコギキョウなどが大きく伸び、大幅な増収となりました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度における業績は、その他事業の造園緑花分野では、2018年に設立した子会社での業務が順調に拡大し、大幅な増収となりました。一方、ドル、ユーロの主要通貨に加え新興国通貨の下落による円高や、日本国内における猛暑や台風などの天候不順によるマイナス影響を大きく受けました。さらに、一部の中国向けニンジン種子の販売時期が6月以降に変更になったことや、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う出荷の遅延や直営店における一部営業自粛など、売上に対するマイナス要因が非常に大きく、当連結会計年度の売上高は、前期比10億78百万円、1.7%減の616億67百万円となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの減収と粗利益率の低下を受け74億82百万円(前期比2億35百万円、3.1%減)となりました。経常利益は、80億70百万円(前期比2億60百万円、3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産売却益の減少などにより、60億94百万円(前期比7億62百万円、11.1%減)となりました。
本年1月に公表した業績予想に対しては、売上高は18億32百万円下回りました。これは、ブラジル、韓国、インドなどの現地通貨が想定レートに比べて大幅に下落し、約7億円のマイナス影響があったこと、一部の中国向けニンジン種子の販売時期の変更、新型コロナウイルス感染症の拡大による販売の遅延、営業の一部自粛、需要の減少が生じたことなどによるものです。営業利益は、経費の圧縮に努めましたが、売上高の下振れと粗利益率の低下を打ち返すには及ばず、業績予想を2億17百万円下回りました。また、営業外収益の上振れなどにより、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、業績予想を上回りました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、猛暑や台風、暖冬などの天候不順の影響などから、販売が全般的に低調となり、前期比減収となりました。品目別では、野菜種子は、ブロッコリー、レタスなどが増加しましたが、トウモロコシ、ニンジンなどが減少しました。花種子は、ジニアなどは増加しましたが、パンジーなどが減少しました。資材は、一部に台風災害による復興需要はありましたが、暖冬による被覆材等の秋冬需要の消失により、低調に推移しました。一方、営業利益は、粗利益率改善と経費減少により、前期比増益となりました。
これらの結果、売上高は163億70百万円(前期比4億74百万円、2.8%減)、営業利益は51億76百万円(前期比2億51百万円、5.1%増)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比5億84百万円増(3.0%増)の199億62百万円となりました。これは主に、たな卸資産が5億9百万円増加したことによるものです。
b.海外卸売事業
海外卸売事業の売上高は、ドル、ユーロの主要通貨に加え、新興国通貨の下落による円高の影響などから、前期比減収となりました。営業利益も、減収を受け、前期比減益となりました。
地域別の状況をみますと、アジアでは、中国向けニンジン種子について、一部を高付加価値化のため種子加工して販売することにしたため、販売時期が6月以降に変更になったこと、また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う物流の遅延から、ブロッコリーなどの一部品目で出荷が遅れたこと、ドルやアジア通貨の為替レートも円高になったことなどから、減収となりました。アジアの品目別では、ヒマワリ、ホウレンソウなどは増加しましたが、ブロッコリー、ニンジンなどは減少しました。北中米では、ヒマワリ、トルコギキョウなど、花種子は増加しましたが、ブロッコリー、メロンなどの野菜種子が減少し、全体では前期比減収となりました。欧州・中近東では、ブロッコリー、カボチャ、トマト、トルコギキョウなどが大きく伸び、円高の影響を打ち返し、前期比増収となりました。南米につきましては、カボチャ、ブロッコリー、ペッパーなどの販売が伸び、現地通貨ベースでは前期比増収となりましたが、現地通貨安の影響を大きく受け、円ベースでは大幅な減収となりました。
これらの結果、売上高は368億29百万円(前期比12億93百万円、3.4%減)、営業利益は111億19百万円(前期比4億94百万円、4.3%減)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比12億27百万円増(2.0%増)の638億41百万円となりました。これは主に、たな卸資産が23億49百万円増加、受取手形及び売掛金が12億62百万円減少したことによるものです。
c.小売事業
ホームガーデン分野は、収益性の向上を目指し種子の販売提案を積極的に展開した結果、野菜種子、花種子とも売上が増加しました。一方、猛暑や台風などの天候不順により、苗木や資材の販売が不振となり、全体の売上高は前期比減収となりました。
通信販売と直営店ガーデンセンター横浜の直売分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、新規顧客獲得などの巣ごもり需要の取り込みはあったものの、直営店において春の園芸シーズン最盛期に営業を一部自粛したこと、加えて台風などの天候不順もあったことなどから、売上高は前期比減収となりました。
営業損益は、粗利益率改善と経費削減により、赤字幅が縮小しました。
これらの結果、売上高は55億60百万円(前期比3億98百万円、6.7%減)、営業利益は6百万円改善し、10百万円の損失(前期は16百万円の営業損失)となりました。
また、小売事業の総資産は前期比61百万円減(2.5%減)の23億54百万円となりました。これは主にたな卸資産が65百万円減少したことによるものです。
d.その他事業
造園緑花分野は、前期比、大幅な増収増益となりました。これは、新型コロナウイルス感染防止のため、工事や維持管理業務の作業抑制、指定管理先の公園や運動場施設の一部閉鎖などの影響を受けましたが、指定管理先が増加したことや、民間・公共工事及び維持管理業務も順調に推移したことなどによるものです。
これらの結果、売上高は29億6百万円(前期比10億88百万円、59.9%増)、営業利益は、前期比1億30百万円改善し、1億3百万円(前期は26百万円の営業損失)となりました。
なお、造園緑花分野は、2018年11月より、サカタのタネ グリーンサービス株式会社が行っております。
また、その他事業の総資産は前期比3億95百万円増(23.2%増)の20億98百万円となりました。これは主に完成工事未収入金が3億31百万円増加したことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
直近では、当社における社内基幹システム構築等の設備投資を予定しておりますが、自己資金にて必要な資金を賄う予定でおります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。本年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.新型コロナウイルス感染症拡大による影響
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 追加情報」に記載のとおりです。
b.たな卸資産の評価見積りによる影響
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、商品種子の生産は天候条件に大きく左右されるという当社グループの事業の特性上、顧客への安定供給責任を果たし、事業を安定的に継続するための安全策として、たな卸資産である種子を一定量確保しております。当社グループは、主として総平均法により計上した取得価額と連結会計年度末の正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価を行っておりますが、品質が低下した種子や一定の年数内に販売が見込まれない在庫の帳簿価額を収益性の低下に基づき切り下げております。販売や生産の見込数量には不確実性が伴うため、生産や販売実績が計画から大きく乖離した場合などには、たな卸資産の評価額の見積りに影響を与える可能性があります。
c.固定資産の減損判定による影響
当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産及び遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。減損損失の認識および測定にあたっては、回収可能価額の算出に将来キャッシュ・フローを使用しておりますが、将来キャッシュ・フローは将来の利益計画や不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。
①経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度(2019年6月1日から2020年5月31日まで)における業績は、その他事業の造園緑花分野では、事業規模が引き続き拡大しましたが、国内卸売事業と小売事業は、猛暑や台風などの天候不順により前期比減収となりました。また、海外卸売事業では、ドル、ユーロの主要通貨に加え、新興国通貨の下落による円高により、売上高に対し約22億円のマイナス影響があったことなどから、前期比減収となりました。以上の結果、売上高は616億67百万円(前期比10億78百万円、1.7%減)となりました。また、営業利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの減収と粗利益率の低下を受け、74億82百万円(前期比2億35百万円、3.1%減)となりました。経常利益は、80億70百万円(前期比2億60百万円、3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産売却益の減少などにより、60億94百万円(前期比7億62百万円、11.1%減)となりました。
②財政状態の状況
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前期末に比べ11億76百万円増加し、1,236億1百万円となりました。これは主に商品及び製品が27億88百万円、無形固定資産が6億54百万円増加した一方で、現金及び預金が21億83百万円減少したことなどによるものです。
b.負債の部
負債合計は、前期末に比べ2億65百万円増加し、218億8百万円となりました。これは主に固定負債のその他が9億37百万円増加した一方で、長期借入金が7億7百万円減少したことなどによるものです。
c.純資産の部
純資産合計は、前期末に比べ9億10百万円増加し、1,017億93百万円となりました。これは主に株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と自己株式を消却したことにより46億66百万円増加した一方で、その他の包括利益累計額が為替換算調整勘定の減少等により37億68百万円減少したことなどによるものです。
以上の結果、自己資本比率は82.2%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比2億38百万円減少し、119億34百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は34億35百万円(前期は得られた資金55億32百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益80億54百万円、減価償却費22億99百万円、仕入債務の増加による資金の増加7億47百万円、売上債権の増加による資金の減少5億48百万円、たな卸資産の増加による資金の減少37億75百万円、法人税等の支払額21億31百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって支出した資金は13億22百万円(前期は支出した資金32億89百万円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出17億31百万円、定期預金の払戻による収入35億56百万円、有形固定資産の取得による支出22億18百万円、無形固定資産の取得による支出11億3百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって支出した資金は17億57百万円(前期は支出した資金31億83百万円)となりました。これは主に、配当金の支払額14億70百万円などによるものです。
④仕入及び販売の実績
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 8,335 | 1.6 |
| 海外卸売事業(百万円) | 16,607 | 2.3 |
| 小売事業(百万円) | 3,414 | △9.8 |
| 報告セグメント計(百万円) | 28,357 | 0.5 |
| その他事業(百万円) | 2,624 | 74.3 |
| 合計(百万円) | 30,981 | 4.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内卸売事業(百万円) | 16,370 | △2.8 |
| 海外卸売事業(百万円) | 36,829 | △3.4 |
| 小売事業(百万円) | 5,560 | △6.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 58,760 | △3.6 |
| その他事業(百万円) | 2,906 | 59.9 |
| 合計(百万円) | 61,667 | △1.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、全体として非常に緩やかながらも景気の拡大・回復が続いておりましたが、2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症の発生により経済活動が一変、経済成長率は急落いたしました。
わが国経済も、消費税増税や大型台風の襲来などによる影響から景気後退にあったところ、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が加わり、大幅に悪化いたしました。
また、金融市場におきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大により、新興国通貨の下落や株式市場の混乱など、大きな影響が生じました。
当社グループでは、人々の生活に不可欠な農園芸業、ひいては食料を支える根幹の事業者であるとの認識のもと、持続的な研究開発や生産活動と、グローバルな営業展開を行いました。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大後は、在宅勤務並びに時差勤務の推進やウェブ会議の活用、直営店での一部営業自粛など、ステークホルダーの方々の感染防止を最大限図りつつ、必要な事業の継続に努めました。
成長戦略の取組みとしては、当社は、生産者が安心して栽培を実現し、高い収益の確保につなげられるよう、高品質で、オリジナル性の高い種苗を継続的に創出する研究体制の構築を行っております。
また、新たにトップシェアを狙う戦略品目の開発・拡販に努め、経営資源の重点戦略品目への集中とアジアを中心とした新興国市場における成長機会の取り込みによる高収益体制を目指しております。
このような取組みのもと、品目別では、重点戦略品目であるヒマワリがアジアを中心に引き続き好調に推移し、前期比30%を超える大幅な増収となりました。地域別では、欧州・中近東が、ブロッコリー、トマト、トルコギキョウなどが大きく伸び、大幅な増収となりました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度における業績は、その他事業の造園緑花分野では、2018年に設立した子会社での業務が順調に拡大し、大幅な増収となりました。一方、ドル、ユーロの主要通貨に加え新興国通貨の下落による円高や、日本国内における猛暑や台風などの天候不順によるマイナス影響を大きく受けました。さらに、一部の中国向けニンジン種子の販売時期が6月以降に変更になったことや、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う出荷の遅延や直営店における一部営業自粛など、売上に対するマイナス要因が非常に大きく、当連結会計年度の売上高は、前期比10億78百万円、1.7%減の616億67百万円となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの減収と粗利益率の低下を受け74億82百万円(前期比2億35百万円、3.1%減)となりました。経常利益は、80億70百万円(前期比2億60百万円、3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産売却益の減少などにより、60億94百万円(前期比7億62百万円、11.1%減)となりました。
本年1月に公表した業績予想に対しては、売上高は18億32百万円下回りました。これは、ブラジル、韓国、インドなどの現地通貨が想定レートに比べて大幅に下落し、約7億円のマイナス影響があったこと、一部の中国向けニンジン種子の販売時期の変更、新型コロナウイルス感染症の拡大による販売の遅延、営業の一部自粛、需要の減少が生じたことなどによるものです。営業利益は、経費の圧縮に努めましたが、売上高の下振れと粗利益率の低下を打ち返すには及ばず、業績予想を2億17百万円下回りました。また、営業外収益の上振れなどにより、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、業績予想を上回りました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.国内卸売事業
国内卸売事業は、猛暑や台風、暖冬などの天候不順の影響などから、販売が全般的に低調となり、前期比減収となりました。品目別では、野菜種子は、ブロッコリー、レタスなどが増加しましたが、トウモロコシ、ニンジンなどが減少しました。花種子は、ジニアなどは増加しましたが、パンジーなどが減少しました。資材は、一部に台風災害による復興需要はありましたが、暖冬による被覆材等の秋冬需要の消失により、低調に推移しました。一方、営業利益は、粗利益率改善と経費減少により、前期比増益となりました。
これらの結果、売上高は163億70百万円(前期比4億74百万円、2.8%減)、営業利益は51億76百万円(前期比2億51百万円、5.1%増)となりました。
また、国内卸売事業の総資産は前期比5億84百万円増(3.0%増)の199億62百万円となりました。これは主に、たな卸資産が5億9百万円増加したことによるものです。
b.海外卸売事業
海外卸売事業の売上高は、ドル、ユーロの主要通貨に加え、新興国通貨の下落による円高の影響などから、前期比減収となりました。営業利益も、減収を受け、前期比減益となりました。
地域別の状況をみますと、アジアでは、中国向けニンジン種子について、一部を高付加価値化のため種子加工して販売することにしたため、販売時期が6月以降に変更になったこと、また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う物流の遅延から、ブロッコリーなどの一部品目で出荷が遅れたこと、ドルやアジア通貨の為替レートも円高になったことなどから、減収となりました。アジアの品目別では、ヒマワリ、ホウレンソウなどは増加しましたが、ブロッコリー、ニンジンなどは減少しました。北中米では、ヒマワリ、トルコギキョウなど、花種子は増加しましたが、ブロッコリー、メロンなどの野菜種子が減少し、全体では前期比減収となりました。欧州・中近東では、ブロッコリー、カボチャ、トマト、トルコギキョウなどが大きく伸び、円高の影響を打ち返し、前期比増収となりました。南米につきましては、カボチャ、ブロッコリー、ペッパーなどの販売が伸び、現地通貨ベースでは前期比増収となりましたが、現地通貨安の影響を大きく受け、円ベースでは大幅な減収となりました。
これらの結果、売上高は368億29百万円(前期比12億93百万円、3.4%減)、営業利益は111億19百万円(前期比4億94百万円、4.3%減)となりました。
また、海外卸売事業の総資産は前期比12億27百万円増(2.0%増)の638億41百万円となりました。これは主に、たな卸資産が23億49百万円増加、受取手形及び売掛金が12億62百万円減少したことによるものです。
c.小売事業
ホームガーデン分野は、収益性の向上を目指し種子の販売提案を積極的に展開した結果、野菜種子、花種子とも売上が増加しました。一方、猛暑や台風などの天候不順により、苗木や資材の販売が不振となり、全体の売上高は前期比減収となりました。
通信販売と直営店ガーデンセンター横浜の直売分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、新規顧客獲得などの巣ごもり需要の取り込みはあったものの、直営店において春の園芸シーズン最盛期に営業を一部自粛したこと、加えて台風などの天候不順もあったことなどから、売上高は前期比減収となりました。
営業損益は、粗利益率改善と経費削減により、赤字幅が縮小しました。
これらの結果、売上高は55億60百万円(前期比3億98百万円、6.7%減)、営業利益は6百万円改善し、10百万円の損失(前期は16百万円の営業損失)となりました。
また、小売事業の総資産は前期比61百万円減(2.5%減)の23億54百万円となりました。これは主にたな卸資産が65百万円減少したことによるものです。
d.その他事業
造園緑花分野は、前期比、大幅な増収増益となりました。これは、新型コロナウイルス感染防止のため、工事や維持管理業務の作業抑制、指定管理先の公園や運動場施設の一部閉鎖などの影響を受けましたが、指定管理先が増加したことや、民間・公共工事及び維持管理業務も順調に推移したことなどによるものです。
これらの結果、売上高は29億6百万円(前期比10億88百万円、59.9%増)、営業利益は、前期比1億30百万円改善し、1億3百万円(前期は26百万円の営業損失)となりました。
なお、造園緑花分野は、2018年11月より、サカタのタネ グリーンサービス株式会社が行っております。
また、その他事業の総資産は前期比3億95百万円増(23.2%増)の20億98百万円となりました。これは主に完成工事未収入金が3億31百万円増加したことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
| 2016年5月期 | 2017年5月期 | 2018年5月期 | 2019年5月期 | 2020年5月期 | |
| 自己資本比率(%) | 81.5 | 80.9 | 82.3 | 82.3 | 82.2 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 108.9 | 136.9 | 152.3 | 120.2 | 133.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 114.8 | 55.1 | 106.0 | 93.0 | 137.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 56.4 | 68.7 | 44.2 | 46.2 | 16.3 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 2. 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ 3. キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 4. 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等であります。
また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。
c.資金調達の可能性
資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外の各地域統括会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、現地の状況に適する対応が可能な体制をとっております。
直近では、当社における社内基幹システム構築等の設備投資を予定しておりますが、自己資金にて必要な資金を賄う予定でおります。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、予測不能な天候変動等によって業績が左右される可能性があることや研究開発に長期間要する事業特性があることなどから、中長期の経営計画数値は公表しておらず、単年度の計画を公表し着実に達成していく方針でおります。本年1月に公表した業績予想と比較した当連結会計年度の実績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.新型コロナウイルス感染症拡大による影響
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 追加情報」に記載のとおりです。
b.たな卸資産の評価見積りによる影響
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、商品種子の生産は天候条件に大きく左右されるという当社グループの事業の特性上、顧客への安定供給責任を果たし、事業を安定的に継続するための安全策として、たな卸資産である種子を一定量確保しております。当社グループは、主として総平均法により計上した取得価額と連結会計年度末の正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価を行っておりますが、品質が低下した種子や一定の年数内に販売が見込まれない在庫の帳簿価額を収益性の低下に基づき切り下げております。販売や生産の見込数量には不確実性が伴うため、生産や販売実績が計画から大きく乖離した場合などには、たな卸資産の評価額の見積りに影響を与える可能性があります。
c.固定資産の減損判定による影響
当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産及び遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。減損損失の認識および測定にあたっては、回収可能価額の算出に将来キャッシュ・フローを使用しておりますが、将来キャッシュ・フローは将来の利益計画や不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。