有価証券報告書-第98期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 16:00
【資料】
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【項目】
189項目
2)戦略に関する事項
気候変動に関する機会については、気候変動に関する政策等の強化により、省エネ・GHG排出削減に貢献する技術や製品・サービスの需要が拡大すると想定しています。当社グループは、脱炭素化に貢献する素材・製品の製造、非鉄金属資源リサイクル、地熱発電等の再生可能エネルギーの開発・利用促進、CO2回収・有効利用に関する技術開発、保有する山林の保全活動等に取組むことで、経済的価値と社会的価値の両立を目指していきます。
①シナリオ分析
当社グループは、2021年3月、気候変動が当社グループの事業に与える影響(リスクと機会)について把握し、リスクの低減及び機会の獲得に向けた対策を検討するため、シナリオを設定し、その分析を実施しました。移行リスクと機会については、2023年2月に中経2030との整合性を取りながら、シナリオ分析の更新、指標・目標の設定を行いました(全事業共通で1テーマ、3つの大テーマについて事業毎に計9テーマ)。今後はこの指標・目標に基づいたモニタリングを実施していくことにしています。
0102010_002.png※赤字は新テーマ
②物理的リスク(水)
当社グループにおける水使用量の大部分(約91%)は冷却水としての海水であり、淡水(工業用水や地下水等)の使用量は相対的に少ないものとなっています。しかし、淡水の不足は事業活動に影響を及ぼすおそれがあるため、当社グループの事業運営では、必要な水量及び水質を確保することが不可欠です。また、台風や豪雨による洪水災害といった近年の頻発する水関連の問題とそれに伴う影響の大きさを考慮し、これらに対するリスク管理を行っています。
事業所では水リスクの低減策をそれぞれ進めており、水資源確保への対策については水の循環利用や水使用量の少ない設備の導入・更新等による節水に取組み、洪水対策については建屋・ポンプ・電気設備等の嵩上げや排水ポンプの設置、増水を想定した訓練等に取組んでいます。また、事業所からの排水水質異常や水質事故の防止のため、法規制を上回る独自の排水基準の設定による管理、水質異常時に検知できるセンサー・自動排水停止システムの導入等に取組んでいます。