有価証券報告書-第93期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/22 15:50
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有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月22日)現在において当社が判断したものであります。
1.品質管理を含むグループガバナンス体制強化のための施策について
当社は、昨年11月に連結子会社の三菱電線工業株式会社及び三菱伸銅株式会社について、本年2月に同じく連結子会社の三菱アルミニウム株式会社、立花金属工業株式会社及び株式会社ダイヤメットについて、検査記録データの書き換え等の不適切な行為によりお客様の規格値または社内仕様値を逸脱した製品等を(以下、「不適合品」といいます。)出荷した事案(以下、「本件事案」といいます。)を公表し、各社によるお客様へのご説明及び安全性の確認等の対応を行いました。当社グループより既に出荷された製品の安全性の確認につきましては、早期の作業終了に向けて、引き続きお客様のご協力を得ながら当社グループの総力を挙げて取り組んでまいります。
本件事案に関する事実調査及び原因究明等を行うことを目的として、社外取締役及び社外専門家が過半数を占める特別調査委員会を昨年12月1日に設置し、同委員会は、本年3月28日に当社取締役会に最終報告書を提出いたしました。当社は、調査により明らかとなった事実関係及び課題をふまえ、品質管理を含むグループガバナンス体制強化のための施策(以下、「本強化策」といいます。詳細後記の通り。)を策定し、順次実行を開始しております。本強化策につきましては、特別調査委員会より、本件事案に対する施策として適切であるとの見解が示されております。
また、本強化策等の進捗・成果・運営などについて、会社の業務執行より独立した立場から進捗状況を監督するとともに、課題等について取締役会に必要な助言・提言を行うことを目的として、本年5月10日付で社外取締役及び社外専門家による「ガバナンス強化策モニタリング委員会」を設置いたしました。
さらに、当社取締役及び執行役員の選解任並びにその報酬に関する取締役会の判断の透明性及び客観性を担保するため、本年6月22日付で社外取締役が過半数を占める「指名・報酬委員会」を設置することといたしました。
本件事案を契機として、他の拠点において品質問題がないことを確認するため、当社グループの全製造拠点を対象として、臨時の品質監査を開始し、5月8日に終了しました。その過程で、当社直島製錬所が製造した銅スラグ骨材(以下、「当該製品」といいます。)の品質管理上の問題点が判明したことから、4月に一般財団法人日本品質保証機構(以下、「JQA」といいます。)に報告し、臨時維持審査を受けました。その結果、6月8日付でJQAより当社直島製錬所の当該製品のJIS認証が取り消されました。当該製品については、原因究明を行ったうえで、再発防止策を立案、実行し、品質管理体制の再構築に努めてまいります。なお、当該製品以外にも、一部品質管理手法に問題のある事案が判明しましたが、既に是正が完了しております。
(本強化策の概要)
(1) 当社グループの品質管理に係るガバナンス体制の再構築策
昨年12月に公表した品質管理に係るガバナンス体制について、以下の施策を順次実行しております。
①受注時のフロントローディングシステムの浸透
受注時に、事業内の開発設計・生産・検査・営業等、複数の関係部門において、生産能力を考慮し、受注可能な製品であることを検討した上で、仕様や受注を決定する仕組み(フロントローディングシステム)の浸透を図ります。
現在、新たに策定したフロントローディングシステムのガイドラインに基づき、各事業において同システムの導入を進めております。一部事業では新規受注品について同ガイドラインに準拠して、受注時の検討を開始しております。
②品質管理部門の体制・権限の強化
昨年12月に設置した品質管理部が中心となって、各事業の品質管理体制の実態調査を進めております。本年7月末までに事業毎に必要となる改善方針案を策定したうえで、改善を進めてまいります。
③品質教育の拡充
当社グループの全ての階層及び職種の従業員が、品質の重要性及び品質を維持・向上させるために行うべきことを理解することを目指して品質教育の拡充を図ります。この教育に本件事案を活用いたします。
本年4月以降、外部講師による当社グループの品質管理関係者(約300名)を対象とする教育やグループの品質担当者を招集する会議を実施いたします。また、新たに品質管理ハンドブック等を策定し、教育等で利用してまいります。
④検査設備自動化の推進
製造工程内での検査から最終検査まで、製品にかかわる検査データについて、データ取得の自動化等の推進によりデータ書き換え等の不正行為を防止するとともに、検査データがお客様から求められる仕様に合致していることをより正確かつ迅速に確認できる体系を構築いたします。
現在、本件事案が発生した拠点において、準備ができたものから自動化設備の導入を進めており、一部稼働を開始しております。また、当社グループ全体を対象に、自動化設備を導入する工程の具体的な検討を進めており、3か年計画を策定して、導入を進めてまいります。
⑤品質監査の強化
ガバナンス統括本部内の品質管理部と経営監査部が中心となって、以下の項目等について取り組みを進めてまいります。
a.監査部門の独立性向上と権限強化
b.監査員増員による品質監査周期の短縮
c.品質監査における高度な専門性を持つ人材の育成
d.不正行為を防止することを目的とした監査手法の適用
e.当社経営監査部と関係会社監査部門との連携強化
f.IT技術を活用した監査業務の高度化
2018年度は品質に関する監査を、国内外の約70拠点を対象に実施いたします。
⑥外部コンサルタントの活用
品質管理に第三者の視点を導入するため、品質管理に精通した外部コンサルタントを活用いたします。本年1月より、外部コンサルタントが本件事案が発生した拠点を訪問し、品質管理、品質保証等に関する指導、助言等を行っております。今後も、対象とする拠点を拡大していき、当社グループの品質管理活動が独善に陥ることを防止し、実効性のある品質管理活動を確立してまいります。
(2) 当社グループガバナンス体制の強化策
本件事案の背景・原因として、品質に対する意識や企業風土の問題、リスク情報が適時適切に把握、報告されていなかったことや内部監査で問題を発見できなかったこと等が明らかとなり、当社グループ全体でガバナンス体制をさらに強化する必要があると考えられることから、以下の施策を順次実行しております。
①ガバナンス関係事項に係る審議・報告・フォローアップ体制の強化
本年4月に新設の「ガバナンス審議会」を開催し、グループ全体におけるガバナンス関係事項の取組方針や年間計画、対応状況等を審議、共有しました。今後は同審議会にて決定した施策をグループ全体で実行に移してまいります。
また、当社及び当社子会社の報告体制を再整備し、当社グループの安全衛生、CSR、環境、コンプライアンス、品質等のガバナンス関係事項について、当社取締役会、経営会議が定期的にモニタリングしてまいります。
②管理部門における機能の強化及び事業部門との連携の強化
管理部門によるガバナンス関係事項の管理・支援機能を強化するべく、本年4月1日付で組織再編を実施し、ガバナンス統括本部(CSR部、安全・環境部、品質管理部及び経営監査部により構成)を設置いたしました。
また、事業部門内の各部署、事業所及び子会社におけるガバナンス関係事項を推進する部署と責任者を明確化することにより、情報伝達を円滑化させ、グループガバナンスの推進体制を強化いたします。
③人材育成の強化と人材交流の活性化
当社グループの経営幹部やその他の社員に対するガバナンス関係事項の教育を拡充いたします。また、当社グループ内の人材交流を促進させ、コミュニケーションの深化を図るとともに、グループ全体での人材育成を進めてまいります。本年1月以降、当社の執行役員、子会社社長等の当社グループの経営幹部を対象として、ガバナンス体制の強化や取締役の法的責任等に関する教育を全4回開催し、合計290名が受講しました。
④内部監査の強化
事業所や子会社に対する内部監査について、ガバナンス統括本部内の各部署が連携して対応することにより、頻度、内容ともに拡充してまいります。また、当社監査役との共同監査等による連携を深めてまいります。
⑤事業最適化の観点からの検討
当社グループの事業最適化の検討を進めるにあたっては、ガバナンス体制を十分に機能させられるか否かも重要な判断基準のひとつといたします。これにより、当社グループのガバナンス能力に見合った適切な事業ポートフォリオ・経営体制を追求してまいります。
なお、当社監査役会より、監査役監査の実効性強化策として、以下の項目の実施について報告があり、当社として必要な対応を行うこととしております。
(イ)常勤監査役のいる子会社については、当社監査役室員を非常勤監査役兼務とし、当社監査役と子会社常勤
監査役との連携強化
(ロ)非常勤監査役のみの子会社については、同監査役からの月次活動報告を通じた情報の早期把握と対応
(ハ)当社常勤監査役を窓口とする相談窓口の新設
(ニ)ガバナンス統括本部経営監査部との共同監査等による連携強化
2.全社課題
今後の世界経済につきましては、米国の経済成長の堅調な推移が期待されるものの、朝鮮半島の政治情勢、中国経済の下振れや欧米の政治動向の影響等が懸念され、世界経済の先行きが不透明な状況にあります。
今後のわが国経済につきましては、雇用・所得環境の改善が続き、景気の緩やかな回復が継続することが期待されるものの、海外の政治や経済の動向がわが国の景気の下振れリスクとなる可能性があります。
今後の当社グループを取り巻く事業環境につきましては、輸出の増加等を背景とした国内景気の回復傾向がみられる一方で、足許の為替の円高、エネルギー価格の上昇、人手不足の深刻化等が懸念されます。
こうしたなかで、当社グループは、次のとおり、10年後を見据えた「長期経営方針」と2017年度から2019年度までを対象とした「中期経営戦略」に基づき、「成長への変革」をテーマに企業価値の向上に向けて、諸施策を実施してまいります。
(1) 長期経営方針
当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」をビジョンとしております。
このビジョンの実現に向けて、長期経営方針として、中長期の目標(目指す姿)及び全社方針を以下のとおり定めております。
<中長期の目標(目指す姿)>・国内外の主要マーケットにおけるリーディングカンパニー
・高い収益性・効率性の実現
・市場成長率を上回る成長の実現
<全社方針>・事業ポートフォリオの最適化
・事業競争力の徹底追求
・新製品・新事業の創出
(2) 中期経営戦略(2017年度から2019年度)における経営方針
中期経営戦略では、長期経営方針に定める全社方針を以下のとおり推進いたします。なお、当社の前中期経営計画の課題である「外部環境変化への対応」及び「戦略重視の体制づくり」を推進するため、従来の財務計画主体の「中期経営計画」から、成長戦略の立案・実行に重点を置いた「中期経営戦略」に変更いたしました。
①事業ポートフォリオの最適化
当社グループの事業を「安定成長事業」、「成長促進事業」及び「収益改善事業」の3つのカテゴリーに分け、各事業の特性に適した方向性を定め、課題を明確化した上で、事業の選択と集中を推進し資本効率の改善を図ります。安定成長事業は、セメント事業、金属(製錬)事業、リサイクル事業及び再生可能エネルギー事業で、コスト競争力の維持・向上等により、事業基盤の強化を図ります。成長促進事業は、金属(銅加工)事業及び加工事業で、周辺分野の事業展開やグローバル事業展開を図り、市場成長率を上回る成長を目指します。収益改善事業は、電子材料事業及びアルミ事業で、課題の解決に向け迅速に取り組み、今後の成長の方向性を定めます。
②事業競争力の徹底追求
コーポレート部門による支援体制の拡充により技術経営資源を最適活用し、事業部門の「ものづくり」の改善・革新等を行います。これにより、事業環境の変化を先取りし、他社よりも一歩抜きんでた存在になるための「別格化」や新製品・新製造技術の開発等の「新展開」を図り、事業競争力を徹底追求してまいります。
③新製品・新事業の創出
将来の収益基盤となる新しいビジネスの創出のため、当社グループが捉えるべき重要な社会ニーズを「次世代自動車」、「IoT・AI」及び「持続可能な豊かな社会の構築」とし、持続的成長の核となる新製品・新事業を創出・育成してまいります。
また、以下を重点戦略とし、具体的施策を推進いたします。
・イノベーションによる成長の実現
・循環型社会の構築を通じた価値の創造
・成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大
・継続的な改善を通じた効率化の追求
3.事業別課題
●セメント事業
国内では、オリンピック関連やリニア中央新幹線(一部区間)建設工事等の大型プロジェクト工事が本格化する見通しにありますが、人手不足に伴う工期の遅れ等も懸念されることから、2018年度のセメント国内需要は、前年度並みの42,500千トン程度を想定しております。このような状況のもと、当社としては、大型プロジェクト需要を確実に取り込み、販売数量の確保に努めてまいります。
米国では、民間部門の需要増加がけん引する形で、セメント・生コンの需要が堅調に推移すると見込んでおります。人件費や燃油・エネルギーコストの増加要因もありますが、適切な顧客への価格転嫁を実施するとともに、セメントにおいては工場のリノベーションによる安定・効率的な操業を、生コンにおいては生産能力の拡大や自社骨材比率の増加によるコスト削減をそれぞれ実現し、更なる増収増益を目指します。
●金属事業
銅鉱石は中国やインド等における需要増加に対して、鉱山側の供給能力が不足し、買鉱条件も悪化することが見込まれます。
銅地金は、足許の銅相場は高値で推移しておりますが、中国やインドで新しく製錬所が建設されることで、現状の需給関係が崩れる可能性もあり、為替や株式市況と併せて、今後の動向を注視してまいります。
銅加工品は、自動車向け製品等の需要が引き続き安定して推移すると見込まれます。
このような状況のもと、金属事業では、引き続きエネルギーコストや固定費圧縮による損益分岐点の引き下げにより、相場環境に左右されない強固な体質への転換を進めてまいります。
また、銅製錬においては、国内外製錬所の安定操業に努めるとともに、金銀滓(E-Scrap)の処理量増加等により、確実な収益の確保を図ってまいります。銅加工品については、今年度より連結化したMMCカッパープロダクツ社との事業シナジーを創出するとともに、引き続き技術力と開発力を活かした合金開発を迅速に進めて販売競争力を高め、収益力を強化してまいります。
●加工事業
超硬製品の市場環境は、2017年度に引き続き、2018年度も良好となる見通しです。このような状況のもと、成長性の高い産業や地域に狙いを絞り、効果的な営業活動を展開してまいります。特に成長段階に位置する航空宇宙産業に経営資源を優先的に投入していき、製造・開発・販売面の機能強化を図ってまいります。切削工具に関しては、DIAEDGE(三菱マテリアル㈱)及びMOLDINO(三菱日立ツール㈱)の2つのブランドを新たに立ち上げ、展開を開始しました。これらのブランドのもと、顧客の真のパートナーとして信頼を得られるよう、顧客視点に立ったソリューション提供に取り組んでまいります。主原料であるタングステン及びコバルトの調達に関しては、リサイクル比率の向上と原料調達ソースの多様化による調達リスク低減に引き続き努めてまいります。
高機能製品は、主要製品である焼結部品について、2017年度同様、自動車関連産業で堅調な需要動向が見込まれます。今後も品質及び生産性の向上を図り、収益の改善に努めてまいります。
●電子材料事業
機能材料及び化成品は、半導体装置関連製品の販売が引き続き堅調に推移することが予想されます。また、次世代自動車用のパワーモジュール向け製品及びガラス向け化成品の需要の増加が見込まれます。今後も各市場において顧客のニーズを先取りして、コアとなる技術力の活用並びに販売競争力及び顧客への提案力強化により、収益力強化に努めてまいります。
電子デバイスは、エアコンや冷蔵庫を中心とした家電向け製品の販売が好調に推移しております。需要増加に対応するため、生産体制の強化を図るとともに、今後市場の拡大が予想される車載用の温度センサの開発を加速し、早期の市場投入を目指してまいります。また、今後も新製品の早期投入及び一層のコスト削減により事業体質の強化に取り組んでまいります。
多結晶シリコンは、厳しい事業環境が続くことが見込まれますが、環境変化に対応した高品質な製品をタイムリーに供給するため、安全・安定操業を最優先に、安定した事業基盤の確立に向けて、品質向上、コスト削減に努めてまいります。
●アルミ事業
飲料用アルミ缶は、通常缶の安定受注に努めるとともに、戦略商品であるボトル缶の拡販及び新規形状缶の開発・投入を進め、競争力の維持・向上に努めてまいります。また、海外における事業展開について検討を進めるほか、原材料の有利調達、品質の安定化及びコスト削減を更に推進してまいります。
アルミ圧延・加工品は、自動車向け熱交板材及び電子材料向け製品の販売が引き続き堅調に推移することが予想されます。このような状況のもと、品質管理の強化、高付加価値製品の開発及び顧客満足度の向上に努めてまいります。また、海外においても需要増加が見込まれる自動車向け製品の生産拠点新設について検討を進め、拡販に繋げてまいります。
以上の諸施策の実施により、当社グループの総力を結集し、複合事業体の価値創造を推進してまいる所存であります。
4.会社の支配に関する基本方針
(1)会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社の支配権は、原則として当社株式の市場での自由な取引により決定されるべきものであり、株式の大規模買付等(下記(3)②(イ)において定義されます。以下同じとします。)の提案に応じるか否かのご判断についても、原則として、個々の株主の皆様の自由なご意思が尊重されるべきであると考えております。
しかしながら、株式の大規模買付等の中には、企業価値・株主共同の利益、ひいては中長期的な株主価値(以下、単に「中長期的な株主価値」といいます。)を著しく損なう可能性のあるものや株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるものなど、当社の中長期的な株主価値に資さないものも想定されます。また、当社は、当社株式の大規模買付等を行う者が、当社を取り巻く経営環境を正しく認識し、当社の企業価値の源泉を理解した上で、これを中長期的に確保し、向上させなければ、当社の中長期的な株主価値は毀損される可能性があると考えております。
更に、株主の皆様の投資行動の自由をできる限り尊重すべきであることは言うまでもありませんが、当社としては、現在のわが国の公開買付制度は、株主の皆様が一定の大規模買付等に応じるか否かをご判断されるために必要な情報を取得し、検討するための時間と手続が必ずしも十分ではなく、中長期的な株主価値が害される可能性もあると考えております。
以上のことから、当社は、上記のような当社の中長期的な株主価値を毀損する可能性のある大規模買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないものと考えております。このため、当社は、当社の中長期的な株主価値に反する大規模買付等を抑止するため、当社株式の大規模買付等が行われる場合に、不適切な大規模買付等でないかを株主の皆様がご判断するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉等を行ったりするための枠組みが必要であると考えております。
(2)基本方針の実現に資する特別な取り組みの内容の概要
当社は、当社の淵源である金属・石炭の鉱山事業で培った技術等をもとに様々な分野において事業を展開してきました。その結果、現在では、セメント、金属、加工、電子材料及びアルミ等の事業を行う複合事業集団となっております。また、当社は、様々な事業活動を通して社会に貢献することを企業理念の基本とし、これまで、総合素材メーカーとして、人々が生活する上で欠くことのできない基礎素材を世の中に供給してきました。更に、環境負荷の低減や循環型社会システム構築への貢献を目指し、豊かな社会をつくるために不断の努力を行ってまいりました。当社は、事業活動の発展はもとより、社会との共生も図りながら、株主、従業員、顧客、地域社会、サプライヤーその他多数の関係先を含むステークホルダーの皆様から更なる信頼を得ることにより、中長期的な株主価値の確保・向上に努めてまいりたいと考えております。
このようななかにあって、当社グループは、10年後を見据えた長期経営方針において、中長期の目標(目指す姿)を「国内外の主要マーケットにおけるリーディングカンパニー」、「高い収益性・効率性の実現」及び「市場成長率を上回る成長の実現」とし、その達成に向けた全社方針を「事業ポートフォリオの最適化」、「事業競争力の徹底追求」及び「新製品・新事業の創出」としております。今後は、2017年度から2019年度までを対象とした「中期経営戦略」に基づき、企業価値の向上に向けて、全社方針を推進するとともに、「イノベーションによる成長の実現」、「循環型社会の構築を通じた価値の創造」、「成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大」及び「継続的な改善を通じた効率化の追求」を重点戦略とし、具体的諸施策を実施してまいります。
(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要
当社は、上記(2)記載の企業理念と諸施策のもと、今後も当社の中長期的な株主価値の最大化を追求してまいりますが、その一方で、上記(1)記載のような当社の中長期的な株主価値を毀損する可能性がある大規模買付等が行われる可能性も否定できないと考えております。そこで、当社は、2016年5月12日開催の当社取締役会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を従前のものから一部改定した上で更新すること(改定後の対応策を以下「新対応策」といいます。)を決議し、同年6月29日開催の当社第91回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
新対応策の概要は、次のとおりであります。なお、新対応策の詳細につきましては、2016年5月12日付のプレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」において公表しておりますので、以下の当社ホームページをご参照下さい。
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2016/16-0512b.pdf
①新対応策の基本方針
当社は、中長期的な株主価値の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付等を行い、または行おうとする者に対し、遵守すべき手続を設定し、これらの者が遵守すべき手続があること、及び、これらの者に対して一定の場合には当社が対抗措置を発動することがあり得ることを事前に警告すること、並びに、一定の場合には当社が対抗措置を実際に発動することをもって当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)といたします。
②新対応策の内容
(イ)対象となる大規模買付等
新対応策は、以下のa.またはb.に該当する当社株券等の買付けまたはこれに類似する行為(以下「大規模買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象といたします。大規模買付等を行い、または行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)は、予め新対応策に定められる手続に従わなければならないものといたします。
a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け
b.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
(ロ)意向表明書の当社への事前提出
買付者等には、大規模買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、新対応策に定める手続を遵守する旨の誓約文言等を日本語で記載した書面(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただきます。
(ハ)情報の提供
意向表明書をご提出いただいた場合には、当社は、買付者等に対して、当初提出していただくべき情報を記載した「情報リスト」を発送いたします。買付者等には、かかる「情報リスト」に従って十分な情報を当社に提出していただきます。
また、上記の「情報リスト」の発送後60日間を、当社取締役会が買付者等に対して情報の提供を要請し、買付者等が情報の提供を行う期間(以下「情報提供要請期間」といいます。)として設定し、情報提供要請期間が満了した場合には、直ちに取締役会評価期間(下記(ホ)において定義されます。以下同じとします。)を開始するものといたします。ただし、買付者等から合理的な理由に基づく延長要請があった場合には、情報提供要請期間を必要に応じて最長30日間延長することができるものといたします。他方、当社取締役会は、買付者等から提供された情報が十分であると判断する場合には、情報提供要請期間満了前であっても、直ちに買付者等に情報提供完了通知(下記(ニ)において定義されます。以下同じとします。)を行い、取締役会評価期間を開始するものといたします。
(ニ)情報の開示
当社は、買付者等から大規模買付等の提案がなされた事実とその概要を開示いたします。また、株主の皆様のご判断に必要であると認められる情報がある場合には、適切と判断する時点で開示いたします。
また、当社は、買付者等による情報の提供が十分になされたと当社取締役会が認めた場合には、速やかにその旨を買付者等に通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)するとともに、その旨を開示いたします。
(ホ)取締役会評価期間の設定
当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後または情報提供要請期間が満了した後、大規模買付等の評価・検討を開始いたします。当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)は、大規模買付等の態様に応じて最長60日間または最長90日間といたします。
ただし、取締役会評価期間は当社取締役会が必要と認める場合または独立委員会の勧告を受けた場合には最長30日間延長できるものといたします。
(へ)独立委員会に対する諮問
新対応策においては、対抗措置の発動等に当たって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会を設置しております。
当社取締役会は、買付者等が新対応策に定める手続を遵守しなかった場合、または買付者等による大規模買付等が当社の中長期的な株主価値を著しく損なうものであると認められる場合であって、対抗措置を発動することが相当であると判断する場合には、対抗措置の発動の是非について、独立委員会に対して諮問するものといたします。
(ト)対抗措置の発動に関する独立委員会の勧告
独立委員会は、当社取締役会から対抗措置の発動の是非に関する諮問があった場合には、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものといたします。
(チ)取締役会の決議
当社取締役会は、上記(ト)の独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動に関する決議を行うものといたします。
(リ)株主意思確認総会の開催
当社取締役会は、以下の場合には、株主総会の開催が著しく困難な場合を除き、株主総会を開催し、対抗措置の発動に関する議案を付議するものといたします(かかる株主総会を以下「株主意思確認総会」といいます。)。
a.独立委員会が対抗措置の発動についての勧告を行うに際して、対抗措置の発動に関し株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合
b.当社取締役会が、株主の皆様のご意思を確認することが相当であると判断した場合
当社取締役会は、株主意思確認総会の決議に従って、対抗措置の発動に関する決議を行うものといたします。
(ヌ)大規模買付等の開始時期
買付者等は、当社取締役会が株主意思確認総会を招集することを決定した場合には、当社取締役会が株主意思確認総会の決議に基づく対抗措置不発動の決議を行うまでは、大規模買付等を開始することはできないものといたします。また、株主意思確認総会が招集されない場合においては、取締役会評価期間の経過後にのみ大規模買付等を開始することができるものといたします。
(ル)対抗措置の中止または撤回
当社取締役会は、対抗措置の発動を決議した場合であっても、以下の場合には、当該対抗措置の中止または撤回について、独立委員会に諮問するものといたします。
a.買付者等が大規模買付等を中止もしくは撤回した場合
b.当該対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の中長期的な株主価値の確保・向上という観点から、当該対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合
当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当該対抗措置を維持することが相当でないと判断するに至った場合には、当該対抗措置の中止または撤回を決議いたします。
(ヲ)新対応策における対抗措置の具体的内容
新対応策に基づいて発動する対抗措置は、原則として新株予約権の無償割当てといたします。
当該新株予約権は、割当て期日における当社の株主に対し、その所有する当社普通株式1株につき1個の割合で割り当てられます。また、当該新株予約権には、買付者等別途定める要件に該当する非適格者は行使することができないという行使条件のほか、当社が非適格者以外の者が所有する新株予約権を取得し、これと引き替えに新株予約権1個につき1株の当社普通株式を交付することができる旨の取得条件等が付されることが予定されております。
(ワ)新対応策の有効期間、廃止及び変更
新対応策の有効期間は、2019年6月開催予定の当社第94回定時株主総会終結の時までといたします。
なお、かかる有効期間の満了前であっても、以下の場合には、新対応策はその時点で廃止されるものといたします。
a.当社の株主総会において新対応策を廃止する旨の議案が承認された場合
b.当社の取締役会において新対応策を廃止する旨の決議が行われた場合
また、当社は、法令等の改正に伴うもの等の形式的な事項について、基本方針に反しない範囲で、新対応策を変更する場合があります。
(4)上記(2)の取り組みが、上記(1)の基本方針に沿い、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断及びその理由
上記(2)の取り組みを通じて、当社の中長期的な株主価値を確保・向上させ、それを当社株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の中長期的な株主価値に反する大規模買付等は困難になるものと考えられ、上記(2)の取り組みは、上記(1)の基本方針に沿うものであると考えております。
従って、上記(2)の取り組みは、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5)上記(3)の取り組みが、上記(1)の基本方針に沿い、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断及びその理由
上記(3)の取り組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない買付者等、及び当社の中長期的な株主価値を著しく損なう大規模買付等を行おうとする買付者等に対して対抗措置を発動できることとすることで、これらの買付者等による大規模買付等を防止するものであり、上記(1)の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みであります。また、上記(3)の取り組みは、当社の中長期的な株主価値を確保・向上させることを目的として、買付者等に対して、当該買付者等が実施しようとする大規模買付等に関する必要な情報の事前の提供、及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために実施されるものです。更に、上記(3)の取り組みにおいては、株主の皆様のご意思を確認する手続の導入、独立性の高い委員により構成される独立委員会の設置及びその勧告の最大限の尊重、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定、株主意思確認総会の決議に基づく対抗措置の発動等の、当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記(3)の取り組みの合理性及び公正性を確保するための様々な制度及び手続が確保されているものであります。
従って、上記(3)の取り組みは上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

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