有価証券報告書-第94期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において当社が判断したものであります。
1.品質管理を含むグループガバナンス体制強化のための施策について
2017年11月から2018年6月にかけて公表いたしました、当社グループにおいて過去に製造販売した製品の一部について、検査記録データの書き換えや検査の一部不実施等の不適切な行為により顧客の規格値または社内仕様値を逸脱した製品等を出荷した事案並びに当社直島製錬所において銅スラグ骨材のJIS認証の取り消し処分を受けた事案につきましては、お客様、株主様をはじめ、関係各位に多大なるご迷惑をおかけしたことを改めて深くお詫び申し上げます。
これらの事案に関連して、当社連結子会社である三菱電線工業㈱、㈱ダイヤメット及び三菱アルミニウム㈱は、2019年2月に不正競争防止法違反により東京簡易裁判所から有罪判決を受けました。
他方では、これらの事案に関しては、これまで、お客様のご協力を得て安全性の確認を進めてきましたが、すべてのお客様について、安全性に関する主要な事項について問題ないことを確認しております。
当社及び当社グループとしては、今後このような事態を再び繰り返すことがないよう、以下の「当社グループの品質管理に係るガバナンス体制の再構築策」及び「当社グループのガバナンス体制の強化策」を引き続き遂行、深化させてまいります。
(1) 当社グループの品質管理に係るガバナンス体制の再構築策
①受注時のフロントローディングシステムの浸透
②品質管理部門の体制・権限の強化
③品質教育の拡充
④検査設備自動化の推進
⑤品質監査の強化
⑥外部コンサルタントの活用
(2) 当社グループのガバナンス体制の強化策
①ガバナンス関係事項に係る審議・報告・フォローアップ体制の強化
②管理部門における機能の強化及び事業部門との連携の強化
③人材育成の強化と人材交流の活性化
④監査の強化
⑤事業最適化の観点からの検討
2.全社課題
今後の世界経済につきましては、米国の経済成長の堅調な推移が期待されるものの、足許で米国の一部指標で減速傾向がみられるほか、通商問題の拡大や中国経済の減速の影響等が懸念され、世界経済の先行きが不透明な状況にあります。
今後のわが国経済につきましては、雇用・所得環境の改善が続き、内需を中心に緩やかな回復が継続することが期待されるものの、海外経済の減速を背景とした輸出の減少が懸念されるほか、海外の政治や経済の動向がわが国の景気の下振れリスクとなる可能性があります。
今後の当社グループを取り巻く事業環境につきましては、国内経済の先行きの不透明さに加えて、エネルギーコストの上昇や、人手不足の深刻化等が懸念されます。
こうしたなかで、当社グループは、次のとおり、10年後を見据えた「長期経営方針」と2017年度から2019年度までを対象とした「中期経営戦略」に基づき、「成長への変革」をテーマに企業価値の向上に向けて、諸施策を実施してまいります。
(1) 長期経営方針
当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」をビジョンとしております。
このビジョンの実現に向けて、長期経営方針として、中長期の目標(目指す姿)及び全社方針を以下のとおり定めております。
<中長期の目標(目指す姿)>・国内外の主要マーケットにおけるリーディングカンパニー
・高い収益性・効率性の実現
・市場成長率を上回る成長の実現
<全社方針>・事業ポートフォリオの最適化
・事業競争力の徹底追求
・新製品・新事業の創出
(2) 中期経営戦略(2017年度から2019年度)における経営方針
中期経営戦略では、長期経営方針に定める全社方針を以下のとおり推進いたします。なお、当社の前中期経営計画の課題である「外部環境変化への対応」及び「戦略重視の体制づくり」を推進するため、従来の財務計画主体の「中期経営計画」から、成長戦略の立案・実行に重点を置いた「中期経営戦略」に変更いたしました。
①事業ポートフォリオの最適化
当社グループの事業を「安定成長事業」、「成長促進事業」及び「収益改善事業」の3つのカテゴリーに分け、各事業の特性に適した方向性を定め、課題を明確化した上で、事業の選択と集中を推進し資本効率の改善を図ります。安定成長事業は、セメント事業、金属(製錬)事業、リサイクル事業及び再生可能エネルギー事業で、コスト競争力の維持・向上等により、事業基盤の強化を図ります。成長促進事業は、金属(銅加工)事業及び加工事業で、周辺分野の事業展開やグローバル事業展開を図り、市場成長率を上回る成長を目指します。収益改善事業は、電子材料事業及びアルミ事業で、課題の解決に向け迅速に取り組み、今後の成長の方向性を定めます。
②事業競争力の徹底追求
コーポレート部門による支援体制の拡充により技術経営資源を最適活用し、事業部門の「ものづくり」の改善・革新等を行います。これにより、事業環境の変化を先取りし、他社よりも一歩抜きんでた存在になるための「別格化」や新製品・新製造技術の開発等の「新展開」を図り、事業競争力を徹底追求してまいります。
③新製品・新事業の創出
将来の収益基盤となる新しいビジネスの創出のため、当社グループが捉えるべき重要な社会ニーズを「次世代自動車」、「IoT・AI」及び「持続可能な豊かな社会の構築」とし、持続的成長の核となる新製品・新事業を創出・育成してまいります。
また、以下を重点戦略とし、具体的施策を推進いたします。
・イノベーションによる成長の実現
・循環型社会の構築を通じた価値の創造
・成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大
・継続的な改善を通じた効率化の追求
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、売上高、営業利益、ネットD/Eレシオを経営上の指標とし、各事業においては、高機能製品及び加工事業はEBITDA成長率を、金属事業、セメント事業及びその他の事業は総資産利益率(ROA)を重視しております。
3.事業別課題
●高機能製品
銅加工品は、自動車向け製品等の需要が引き続き安定して推移すると見込まれます。このような状況のもと、昨年度より連結化したMMCカッパープロダクツ社との事業シナジーを創出するとともに、引き続き技術力と開発力を活かした高付加価値製品の開発を迅速に進めて販売競争力を高め、収益力を強化してまいります。
電子材料は、家電及び車載向け製品の需要の増加が見込まれるほか、2019年度後半からは、半導体装置関連製品の需要回復も期待されます。このような状況のもと、各市場において顧客のニーズを先取りして、コアとなる技術力の活用並びに販売競争力及び顧客への提案力を高め、収益力を強化してまいります。また、多結晶シリコンについては、厳しい事業環境が続くことが見込まれますが、安全・安定操業を最優先に事業基盤の確立に向けて、品質向上、コスト削減に努めてまいります。
アルミ製品は、圧延・加工品である自動車向け熱交板材及びリチウムイオン電池箔の需要増加が見込まれることから、生産能力増強と生産性向上に努めるとともに、北米をはじめとしたグローバル供給体制の確立、高付加価値製品の開発を進めてまいります。また、飲料用ボトル缶については、大型化や多形状化等多様な製品の開発と拡販を進め、競争力の維持・向上に努めてまいります。
●加工事業
超硬製品の市場環境は、中国経済の減速による影響が懸念されるものの、全体としては堅調に推移することが見込まれます。このような状況のもと、引き続き成長性の高い産業や地域に狙いを絞り、効果的な営業活動を展開してまいります。特に、成長段階に位置する航空宇宙産業については、経営資源を優先的に投入し、製造・開発・販売面の機能強化を図ってまいります。切削工具に関しては、DIAEDGE(三菱マテリアル㈱)及びMOLDINO(三菱日立ツール㈱)の2つのブランドのもと、顧客の真のパートナーとして信頼を得られるよう、顧客視点に立ったソリューション提供に取り組んでまいります。特に、技術拠点については、世界の主要地域において新設及び機能・能力の増強を進めており、今後もこれを継続してまいります。また、主原料であるタングステン及びコバルトの調達については、調達リスク及び調達コストの低減を図るべく、タングステンリサイクル量の増加や、原料調達ソースの多様化に努めてまいります。
焼結製品等については、引き続き、自動検査機の導入による省力化や歩留改善施策を進めることにより、品質及び生産性の向上を図り、収益の改善に努めてまいります。なお、焼結部品を製造・販売する㈱ダイヤメットは、継続的な営業損失及び固定資産の減損損失の計上により債務超過になっていることから、当社は、同社に対して融資枠を設定の上、融資を行っております。
●金属事業
銅精鉱は、中国・インド等における新規製錬所立ち上げや既存製錬所拡張に伴う需要増加に対して、鉱山側の供給能力が不足し、短期的には買鉱条件の悪化が見込まれます。
銅地金は、電線分野では東京五輪や首都圏再開発関連、伸銅分野では、多少頭打ち感はあるものの、車載品向けを中心に堅調な需要環境が見込まれますが、先行き不透明な米中通商問題、英国のEU離脱、中国経済の減速が需要や相場の下振れ要因となり得ることから、今後の動向を注視してまいります。
このような状況のもと、鉱山部門では、既存案件の改善や新規案件の開拓に取り組み、不純物の少ないクリーンな銅精鉱を製錬所へ安定的に供給することで、製錬所操業の基礎を支えます。なお、新規案件のサフラナルプロジェクト(ペルー)は、2019年内にフィージビリティスタディを完了し、環境許認可の取得作業に移る計画です。
製錬部門では、金銀滓(E-Scrap)の処理能力拡大を図るべく、設備改善や集荷体制の強化を推進した結果、当社グループの金銀滓処理能力は年間16万トンに達する見込みとなりました。今後は、世界トップクラスの集荷量・処理量を最大限に活用して収益力の強化を図ってまいります。
一方で、金銀滓処理量の増加に伴い、製錬工程に投入される不純物の量や種類が多くなり、有価金属の回収効率の低下が生じていることから、これに対応した設備増強等による操業の改善を行い、一定の効果を上げております。また、受入れ品の置場管理の適正化、棚卸資産の管理強化等も併せて実施しております。今後も、継続的に更なる改善に取り組み、金銀滓処理技術の高度化を推進してまいります。また、多様な原料処理で複雑化しつつあるマテリアルバランスの最適化を図るべく、各生産拠点の連携強化を推進し、より効率的な有価金属の回収体制の構築に取り組んでまいります。
●セメント事業
国内では、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づく公共工事の増加や、首都圏再開発工事、新幹線建設工事等に関連する需要が見込まれるものの、人手や輸送能力の不足による工期の遅れも懸念されることから、2019年度のセメント国内需要は、2018年度並みの4,250万トン程度を想定しております。このような状況のもと、当社としては、大型プロジェクト需要を確実に取り込み、販売数量の確保に努めてまいります。
米国では、政府のインフラ投資政策等を背景に公共工事が増加基調にあることから、セメント・生コンの需要が堅調に推移すると見込んでおります。人件費や燃油・エネルギーコストの増加要因もありますが、顧客への適切な価格転嫁を実施するとともに、セメントにおいては工場の設備改善によるコスト削減を、生コンにおいては新規生コン工場の稼働による拡販等をそれぞれ実現し、更なる増収増益を目指します。
以上の諸施策の実施により、当社グループの総力を結集し、複合事業体の価値創造を推進してまいる所存であります。
4.会社の支配に関する基本方針
(1)会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社の支配権は、原則として当社株式の市場での自由な取引により決定されるべきものであり、株式の大規模買付等(下記(3)②(イ)において定義されます。以下同じとします。)の提案に応じるか否かのご判断についても、原則として、個々の株主の皆様の自由なご意思が尊重されるべきであると考えております。
しかしながら、株式の大規模買付等の中には、企業価値・株主共同の利益、ひいては中長期的な株主価値(以下、単に「中長期的な株主価値」といいます。)を著しく損なう可能性のあるものや株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるものなど、当社の中長期的な株主価値に資さないものも想定されます。また、当社は、当社株式の大規模買付等を行う者が、当社を取り巻く経営環境を正しく認識し、当社の企業価値の源泉を理解した上で、これを中長期的に確保し、向上させなければ、当社の中長期的な株主価値は毀損される可能性があると考えております。
更に、株主の皆様の投資行動の自由をできる限り尊重すべきであることは言うまでもありませんが、当社としては、現在のわが国の公開買付制度は、株主の皆様が一定の大規模買付等に応じるか否かをご判断されるために必要な情報を取得し、検討するための時間と手続が必ずしも十分ではなく、中長期的な株主価値が害される可能性もあると考えております。
以上のことから、当社は、上記のような当社の中長期的な株主価値を毀損する可能性のある大規模買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないものと考えております。このため、当社は、当社の中長期的な株主価値に反する大規模買付等を抑止するため、当社株式の大規模買付等が行われる場合に、不適切な大規模買付等でないかを株主の皆様がご判断するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉等を行ったりするための枠組みが必要であると考えております。
(2)基本方針の実現に資する特別な取り組みの内容の概要
当社は、当社の淵源である金属・石炭の鉱山事業で培った技術等をもとに様々な分野において事業を展開してきました。その結果、現在では、高機能製品、加工、金属、セメント等の事業を行う複合事業集団となっております。また、当社は、様々な事業活動を通して社会に貢献することを企業理念の基本とし、これまで、総合素材メーカーとして、人々が生活する上で欠くことのできない基礎素材を世の中に供給してきました。更に、環境負荷の低減や循環型社会システム構築への貢献を目指し、豊かな社会をつくるために不断の努力を行ってまいりました。当社は、事業活動の発展はもとより、社会との共生も図りながら、株主、従業員、顧客、地域社会、サプライヤーその他多数の関係先を含むステークホルダーの皆様から更なる信頼を得ることにより、中長期的な株主価値の確保・向上に努めてまいりたいと考えております。
このようななかにあって、当社グループは、10年後を見据えた長期経営方針において、中長期の目標(目指す姿)を「国内外の主要マーケットにおけるリーディングカンパニー」、「高い収益性・効率性の実現」及び「市場成長率を上回る成長の実現」とし、その達成に向けた全社方針を「事業ポートフォリオの最適化」、「事業競争力の徹底追求」及び「新製品・新事業の創出」としております。今後は、2017年度から2019年度までを対象とした「中期経営戦略」に基づき、企業価値の向上に向けて、全社方針を推進するとともに、「イノベーションによる成長の実現」、「循環型社会の構築を通じた価値の創造」、「成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大」及び「継続的な改善を通じた効率化の追求」を重点戦略とし、具体的諸施策を実施してまいります。
(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要
当社は、上記(2)記載の企業理念と諸施策のもと、今後も当社の中長期的な株主価値の最大化を追求してまいりますが、その一方で、上記(1)記載のような当社の中長期的な株主価値を毀損する可能性がある大規模買付等が行われる可能性も否定できないと考えております。そこで、当社は、2016年5月12日開催の当社取締役会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を従前のものから一部改定した上で更新すること(改定後の対応策を以下「新対応策」といいます。)を決議し、同年6月29日開催の当社第91回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
新対応策の概要は、次のとおりであります。なお、新対応策の詳細につきましては、2016年5月12日付のプレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」において公表しておりますので、以下の当社ホームページをご参照下さい。
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2016/16-0512b.pdf
①新対応策の基本方針
当社は、中長期的な株主価値の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付等を行い、または行おうとする者に対し、遵守すべき手続を設定し、これらの者が遵守すべき手続があること、及び、これらの者に対して一定の場合には当社が対抗措置を発動することがあり得ることを事前に警告すること、並びに、一定の場合には当社が対抗措置を実際に発動することをもって当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)といたします。
②新対応策の内容
(イ)対象となる大規模買付等
新対応策は、以下のa.またはb.に該当する当社株券等の買付けまたはこれに類似する行為(以下「大規模買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象といたします。大規模買付等を行い、または行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)は、予め新対応策に定められる手続に従わなければならないものといたします。
a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け
b.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
(ロ)意向表明書の当社への事前提出
買付者等には、大規模買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、新対応策に定める手続を遵守する旨の誓約文言等を日本語で記載した書面(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただきます。
(ハ)情報の提供
意向表明書をご提出いただいた場合には、当社は、買付者等に対して、当初提出していただくべき情報を記載した「情報リスト」を発送いたします。買付者等には、かかる「情報リスト」に従って十分な情報を当社に提出していただきます。
また、上記の「情報リスト」の発送後60日間を、当社取締役会が買付者等に対して情報の提供を要請し、買付者等が情報の提供を行う期間(以下「情報提供要請期間」といいます。)として設定し、情報提供要請期間が満了した場合には、直ちに取締役会評価期間(下記(ホ)において定義されます。以下同じとします。)を開始するものといたします。ただし、買付者等から合理的な理由に基づく延長要請があった場合には、情報提供要請期間を必要に応じて最長30日間延長することができるものといたします。他方、当社取締役会は、買付者等から提供された情報が十分であると判断する場合には、情報提供要請期間満了前であっても、直ちに買付者等に情報提供完了通知(下記(ニ)において定義されます。以下同じとします。)を行い、取締役会評価期間を開始するものといたします。
(ニ)情報の開示
当社は、買付者等から大規模買付等の提案がなされた事実とその概要を開示いたします。また、株主の皆様のご判断に必要であると認められる情報がある場合には、適切と判断する時点で開示いたします。
また、当社は、買付者等による情報の提供が十分になされたと当社取締役会が認めた場合には、速やかにその旨を買付者等に通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)するとともに、その旨を開示いたします。
(ホ)取締役会評価期間の設定
当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後または情報提供要請期間が満了した後、大規模買付等の評価・検討を開始いたします。当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)は、大規模買付等の態様に応じて最長60日間または最長90日間といたします。
ただし、取締役会評価期間は当社取締役会が必要と認める場合または独立委員会の勧告を受けた場合には最長30日間延長できるものといたします。
(へ)独立委員会に対する諮問
新対応策においては、対抗措置の発動等に当たって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会を設置しております。
当社取締役会は、買付者等が新対応策に定める手続を遵守しなかった場合、または買付者等による大規模買付等が当社の中長期的な株主価値を著しく損なうものであると認められる場合であって、対抗措置を発動することが相当であると判断する場合には、対抗措置の発動の是非について、独立委員会に対して諮問するものといたします。
(ト)対抗措置の発動に関する独立委員会の勧告
独立委員会は、当社取締役会から対抗措置の発動の是非に関する諮問があった場合には、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものといたします。
(チ)取締役会の決議
当社取締役会は、上記(ト)の独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動に関する決議を行うものといたします。
(リ)株主意思確認総会の開催
当社取締役会は、以下の場合には、株主総会の開催が著しく困難な場合を除き、株主総会を開催し、対抗措置の発動に関する議案を付議するものといたします(かかる株主総会を以下「株主意思確認総会」といいます。)。
a.独立委員会が対抗措置の発動についての勧告を行うに際して、対抗措置の発動に関し株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合
b.当社取締役会が、株主の皆様のご意思を確認することが相当であると判断した場合
当社取締役会は、株主意思確認総会の決議に従って、対抗措置の発動に関する決議を行うものといたします。
(ヌ)大規模買付等の開始時期
買付者等は、当社取締役会が株主意思確認総会を招集することを決定した場合には、当社取締役会が株主意思確認総会の決議に基づく対抗措置不発動の決議を行うまでは、大規模買付等を開始することはできないものといたします。また、株主意思確認総会が招集されない場合においては、取締役会評価期間の経過後にのみ大規模買付等を開始することができるものといたします。
(ル)対抗措置の中止または撤回
当社取締役会は、対抗措置の発動を決議した場合であっても、以下の場合には、当該対抗措置の中止または撤回について、独立委員会に諮問するものといたします。
a.買付者等が大規模買付等を中止もしくは撤回した場合
b.当該対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の中長期的な株主価値の確保・向上という観点から、当該対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合
当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当該対抗措置を維持することが相当でないと判断するに至った場合には、当該対抗措置の中止または撤回を決議いたします。
(ヲ)新対応策における対抗措置の具体的内容
新対応策に基づいて発動する対抗措置は、原則として新株予約権の無償割当てといたします。
当該新株予約権は、割当て期日における当社の株主に対し、その所有する当社普通株式1株につき1個の割合で割り当てられます。また、当該新株予約権には、買付者等別途定める要件に該当する非適格者は行使することができないという行使条件のほか、当社が非適格者以外の者が所有する新株予約権を取得し、これと引き替えに新株予約権1個につき1株の当社普通株式を交付することができる旨の取得条件等が付されることが予定されております。
(ワ)新対応策の有効期間、廃止及び変更
新対応策の有効期間は、2019年6月開催予定の当社第94回定時株主総会終結の時までといたします。
なお、かかる有効期間の満了前であっても、以下の場合には、新対応策はその時点で廃止されるものといたします。
a.当社の株主総会において新対応策を廃止する旨の議案が承認された場合
b.当社の取締役会において新対応策を廃止する旨の決議が行われた場合
また、当社は、法令等の改正に伴うもの等の形式的な事項について、基本方針に反しない範囲で、新対応策を変更する場合があります。
(4)上記(2)の取り組みが、上記(1)の基本方針に沿い、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断及びその理由
上記(2)の取り組みを通じて、当社の中長期的な株主価値を確保・向上させ、それを当社株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の中長期的な株主価値に反する大規模買付等は困難になるものと考えられ、上記(2)の取り組みは、上記(1)の基本方針に沿うものであると考えております。
従って、上記(2)の取り組みは、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5)上記(3)の取り組みが、上記(1)の基本方針に沿い、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断及びその理由
上記(3)の取り組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない買付者等、及び当社の中長期的な株主価値を著しく損なう大規模買付等を行おうとする買付者等に対して対抗措置を発動できることとすることで、これらの買付者等による大規模買付等を防止するものであり、上記(1)の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みであります。また、上記(3)の取り組みは、当社の中長期的な株主価値を確保・向上させることを目的として、買付者等に対して、当該買付者等が実施しようとする大規模買付等に関する必要な情報の事前の提供、及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために実施されるものです。更に、上記(3)の取り組みにおいては、株主の皆様のご意思を確認する手続の導入、独立性の高い委員により構成される独立委員会の設置及びその勧告の最大限の尊重、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定、株主意思確認総会の決議に基づく対抗措置の発動等の、当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記(3)の取り組みの合理性及び公正性を確保するための様々な制度及び手続が確保されているものであります。
従って、上記(3)の取り組みは上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ご参考)
新対応策は、2019年4月25日開催の当社取締役会において、2019年6月21日開催の当社第94回定時株主総会終結の時をもってこれを更新せずに廃止することを決議し、本定時株主総会終結の時をもって有効期間が満了いたしました。
1.品質管理を含むグループガバナンス体制強化のための施策について
2017年11月から2018年6月にかけて公表いたしました、当社グループにおいて過去に製造販売した製品の一部について、検査記録データの書き換えや検査の一部不実施等の不適切な行為により顧客の規格値または社内仕様値を逸脱した製品等を出荷した事案並びに当社直島製錬所において銅スラグ骨材のJIS認証の取り消し処分を受けた事案につきましては、お客様、株主様をはじめ、関係各位に多大なるご迷惑をおかけしたことを改めて深くお詫び申し上げます。
これらの事案に関連して、当社連結子会社である三菱電線工業㈱、㈱ダイヤメット及び三菱アルミニウム㈱は、2019年2月に不正競争防止法違反により東京簡易裁判所から有罪判決を受けました。
他方では、これらの事案に関しては、これまで、お客様のご協力を得て安全性の確認を進めてきましたが、すべてのお客様について、安全性に関する主要な事項について問題ないことを確認しております。
当社及び当社グループとしては、今後このような事態を再び繰り返すことがないよう、以下の「当社グループの品質管理に係るガバナンス体制の再構築策」及び「当社グループのガバナンス体制の強化策」を引き続き遂行、深化させてまいります。
(1) 当社グループの品質管理に係るガバナンス体制の再構築策
①受注時のフロントローディングシステムの浸透
②品質管理部門の体制・権限の強化
③品質教育の拡充
④検査設備自動化の推進
⑤品質監査の強化
⑥外部コンサルタントの活用
(2) 当社グループのガバナンス体制の強化策
①ガバナンス関係事項に係る審議・報告・フォローアップ体制の強化
②管理部門における機能の強化及び事業部門との連携の強化
③人材育成の強化と人材交流の活性化
④監査の強化
⑤事業最適化の観点からの検討
2.全社課題
今後の世界経済につきましては、米国の経済成長の堅調な推移が期待されるものの、足許で米国の一部指標で減速傾向がみられるほか、通商問題の拡大や中国経済の減速の影響等が懸念され、世界経済の先行きが不透明な状況にあります。
今後のわが国経済につきましては、雇用・所得環境の改善が続き、内需を中心に緩やかな回復が継続することが期待されるものの、海外経済の減速を背景とした輸出の減少が懸念されるほか、海外の政治や経済の動向がわが国の景気の下振れリスクとなる可能性があります。
今後の当社グループを取り巻く事業環境につきましては、国内経済の先行きの不透明さに加えて、エネルギーコストの上昇や、人手不足の深刻化等が懸念されます。
こうしたなかで、当社グループは、次のとおり、10年後を見据えた「長期経営方針」と2017年度から2019年度までを対象とした「中期経営戦略」に基づき、「成長への変革」をテーマに企業価値の向上に向けて、諸施策を実施してまいります。
(1) 長期経営方針
当社グループは、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」をビジョンとしております。
このビジョンの実現に向けて、長期経営方針として、中長期の目標(目指す姿)及び全社方針を以下のとおり定めております。
<中長期の目標(目指す姿)>・国内外の主要マーケットにおけるリーディングカンパニー
・高い収益性・効率性の実現
・市場成長率を上回る成長の実現
<全社方針>・事業ポートフォリオの最適化
・事業競争力の徹底追求
・新製品・新事業の創出
(2) 中期経営戦略(2017年度から2019年度)における経営方針
中期経営戦略では、長期経営方針に定める全社方針を以下のとおり推進いたします。なお、当社の前中期経営計画の課題である「外部環境変化への対応」及び「戦略重視の体制づくり」を推進するため、従来の財務計画主体の「中期経営計画」から、成長戦略の立案・実行に重点を置いた「中期経営戦略」に変更いたしました。
①事業ポートフォリオの最適化
当社グループの事業を「安定成長事業」、「成長促進事業」及び「収益改善事業」の3つのカテゴリーに分け、各事業の特性に適した方向性を定め、課題を明確化した上で、事業の選択と集中を推進し資本効率の改善を図ります。安定成長事業は、セメント事業、金属(製錬)事業、リサイクル事業及び再生可能エネルギー事業で、コスト競争力の維持・向上等により、事業基盤の強化を図ります。成長促進事業は、金属(銅加工)事業及び加工事業で、周辺分野の事業展開やグローバル事業展開を図り、市場成長率を上回る成長を目指します。収益改善事業は、電子材料事業及びアルミ事業で、課題の解決に向け迅速に取り組み、今後の成長の方向性を定めます。
②事業競争力の徹底追求
コーポレート部門による支援体制の拡充により技術経営資源を最適活用し、事業部門の「ものづくり」の改善・革新等を行います。これにより、事業環境の変化を先取りし、他社よりも一歩抜きんでた存在になるための「別格化」や新製品・新製造技術の開発等の「新展開」を図り、事業競争力を徹底追求してまいります。
③新製品・新事業の創出
将来の収益基盤となる新しいビジネスの創出のため、当社グループが捉えるべき重要な社会ニーズを「次世代自動車」、「IoT・AI」及び「持続可能な豊かな社会の構築」とし、持続的成長の核となる新製品・新事業を創出・育成してまいります。
また、以下を重点戦略とし、具体的施策を推進いたします。
・イノベーションによる成長の実現
・循環型社会の構築を通じた価値の創造
・成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大
・継続的な改善を通じた効率化の追求
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、売上高、営業利益、ネットD/Eレシオを経営上の指標とし、各事業においては、高機能製品及び加工事業はEBITDA成長率を、金属事業、セメント事業及びその他の事業は総資産利益率(ROA)を重視しております。
3.事業別課題
●高機能製品
銅加工品は、自動車向け製品等の需要が引き続き安定して推移すると見込まれます。このような状況のもと、昨年度より連結化したMMCカッパープロダクツ社との事業シナジーを創出するとともに、引き続き技術力と開発力を活かした高付加価値製品の開発を迅速に進めて販売競争力を高め、収益力を強化してまいります。
電子材料は、家電及び車載向け製品の需要の増加が見込まれるほか、2019年度後半からは、半導体装置関連製品の需要回復も期待されます。このような状況のもと、各市場において顧客のニーズを先取りして、コアとなる技術力の活用並びに販売競争力及び顧客への提案力を高め、収益力を強化してまいります。また、多結晶シリコンについては、厳しい事業環境が続くことが見込まれますが、安全・安定操業を最優先に事業基盤の確立に向けて、品質向上、コスト削減に努めてまいります。
アルミ製品は、圧延・加工品である自動車向け熱交板材及びリチウムイオン電池箔の需要増加が見込まれることから、生産能力増強と生産性向上に努めるとともに、北米をはじめとしたグローバル供給体制の確立、高付加価値製品の開発を進めてまいります。また、飲料用ボトル缶については、大型化や多形状化等多様な製品の開発と拡販を進め、競争力の維持・向上に努めてまいります。
●加工事業
超硬製品の市場環境は、中国経済の減速による影響が懸念されるものの、全体としては堅調に推移することが見込まれます。このような状況のもと、引き続き成長性の高い産業や地域に狙いを絞り、効果的な営業活動を展開してまいります。特に、成長段階に位置する航空宇宙産業については、経営資源を優先的に投入し、製造・開発・販売面の機能強化を図ってまいります。切削工具に関しては、DIAEDGE(三菱マテリアル㈱)及びMOLDINO(三菱日立ツール㈱)の2つのブランドのもと、顧客の真のパートナーとして信頼を得られるよう、顧客視点に立ったソリューション提供に取り組んでまいります。特に、技術拠点については、世界の主要地域において新設及び機能・能力の増強を進めており、今後もこれを継続してまいります。また、主原料であるタングステン及びコバルトの調達については、調達リスク及び調達コストの低減を図るべく、タングステンリサイクル量の増加や、原料調達ソースの多様化に努めてまいります。
焼結製品等については、引き続き、自動検査機の導入による省力化や歩留改善施策を進めることにより、品質及び生産性の向上を図り、収益の改善に努めてまいります。なお、焼結部品を製造・販売する㈱ダイヤメットは、継続的な営業損失及び固定資産の減損損失の計上により債務超過になっていることから、当社は、同社に対して融資枠を設定の上、融資を行っております。
●金属事業
銅精鉱は、中国・インド等における新規製錬所立ち上げや既存製錬所拡張に伴う需要増加に対して、鉱山側の供給能力が不足し、短期的には買鉱条件の悪化が見込まれます。
銅地金は、電線分野では東京五輪や首都圏再開発関連、伸銅分野では、多少頭打ち感はあるものの、車載品向けを中心に堅調な需要環境が見込まれますが、先行き不透明な米中通商問題、英国のEU離脱、中国経済の減速が需要や相場の下振れ要因となり得ることから、今後の動向を注視してまいります。
このような状況のもと、鉱山部門では、既存案件の改善や新規案件の開拓に取り組み、不純物の少ないクリーンな銅精鉱を製錬所へ安定的に供給することで、製錬所操業の基礎を支えます。なお、新規案件のサフラナルプロジェクト(ペルー)は、2019年内にフィージビリティスタディを完了し、環境許認可の取得作業に移る計画です。
製錬部門では、金銀滓(E-Scrap)の処理能力拡大を図るべく、設備改善や集荷体制の強化を推進した結果、当社グループの金銀滓処理能力は年間16万トンに達する見込みとなりました。今後は、世界トップクラスの集荷量・処理量を最大限に活用して収益力の強化を図ってまいります。
一方で、金銀滓処理量の増加に伴い、製錬工程に投入される不純物の量や種類が多くなり、有価金属の回収効率の低下が生じていることから、これに対応した設備増強等による操業の改善を行い、一定の効果を上げております。また、受入れ品の置場管理の適正化、棚卸資産の管理強化等も併せて実施しております。今後も、継続的に更なる改善に取り組み、金銀滓処理技術の高度化を推進してまいります。また、多様な原料処理で複雑化しつつあるマテリアルバランスの最適化を図るべく、各生産拠点の連携強化を推進し、より効率的な有価金属の回収体制の構築に取り組んでまいります。
●セメント事業
国内では、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づく公共工事の増加や、首都圏再開発工事、新幹線建設工事等に関連する需要が見込まれるものの、人手や輸送能力の不足による工期の遅れも懸念されることから、2019年度のセメント国内需要は、2018年度並みの4,250万トン程度を想定しております。このような状況のもと、当社としては、大型プロジェクト需要を確実に取り込み、販売数量の確保に努めてまいります。
米国では、政府のインフラ投資政策等を背景に公共工事が増加基調にあることから、セメント・生コンの需要が堅調に推移すると見込んでおります。人件費や燃油・エネルギーコストの増加要因もありますが、顧客への適切な価格転嫁を実施するとともに、セメントにおいては工場の設備改善によるコスト削減を、生コンにおいては新規生コン工場の稼働による拡販等をそれぞれ実現し、更なる増収増益を目指します。
以上の諸施策の実施により、当社グループの総力を結集し、複合事業体の価値創造を推進してまいる所存であります。
4.会社の支配に関する基本方針
(1)会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社の支配権は、原則として当社株式の市場での自由な取引により決定されるべきものであり、株式の大規模買付等(下記(3)②(イ)において定義されます。以下同じとします。)の提案に応じるか否かのご判断についても、原則として、個々の株主の皆様の自由なご意思が尊重されるべきであると考えております。
しかしながら、株式の大規模買付等の中には、企業価値・株主共同の利益、ひいては中長期的な株主価値(以下、単に「中長期的な株主価値」といいます。)を著しく損なう可能性のあるものや株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるものなど、当社の中長期的な株主価値に資さないものも想定されます。また、当社は、当社株式の大規模買付等を行う者が、当社を取り巻く経営環境を正しく認識し、当社の企業価値の源泉を理解した上で、これを中長期的に確保し、向上させなければ、当社の中長期的な株主価値は毀損される可能性があると考えております。
更に、株主の皆様の投資行動の自由をできる限り尊重すべきであることは言うまでもありませんが、当社としては、現在のわが国の公開買付制度は、株主の皆様が一定の大規模買付等に応じるか否かをご判断されるために必要な情報を取得し、検討するための時間と手続が必ずしも十分ではなく、中長期的な株主価値が害される可能性もあると考えております。
以上のことから、当社は、上記のような当社の中長期的な株主価値を毀損する可能性のある大規模買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないものと考えております。このため、当社は、当社の中長期的な株主価値に反する大規模買付等を抑止するため、当社株式の大規模買付等が行われる場合に、不適切な大規模買付等でないかを株主の皆様がご判断するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉等を行ったりするための枠組みが必要であると考えております。
(2)基本方針の実現に資する特別な取り組みの内容の概要
当社は、当社の淵源である金属・石炭の鉱山事業で培った技術等をもとに様々な分野において事業を展開してきました。その結果、現在では、高機能製品、加工、金属、セメント等の事業を行う複合事業集団となっております。また、当社は、様々な事業活動を通して社会に貢献することを企業理念の基本とし、これまで、総合素材メーカーとして、人々が生活する上で欠くことのできない基礎素材を世の中に供給してきました。更に、環境負荷の低減や循環型社会システム構築への貢献を目指し、豊かな社会をつくるために不断の努力を行ってまいりました。当社は、事業活動の発展はもとより、社会との共生も図りながら、株主、従業員、顧客、地域社会、サプライヤーその他多数の関係先を含むステークホルダーの皆様から更なる信頼を得ることにより、中長期的な株主価値の確保・向上に努めてまいりたいと考えております。
このようななかにあって、当社グループは、10年後を見据えた長期経営方針において、中長期の目標(目指す姿)を「国内外の主要マーケットにおけるリーディングカンパニー」、「高い収益性・効率性の実現」及び「市場成長率を上回る成長の実現」とし、その達成に向けた全社方針を「事業ポートフォリオの最適化」、「事業競争力の徹底追求」及び「新製品・新事業の創出」としております。今後は、2017年度から2019年度までを対象とした「中期経営戦略」に基づき、企業価値の向上に向けて、全社方針を推進するとともに、「イノベーションによる成長の実現」、「循環型社会の構築を通じた価値の創造」、「成長投資を通じた市場プレゼンスの拡大」及び「継続的な改善を通じた効率化の追求」を重点戦略とし、具体的諸施策を実施してまいります。
(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要
当社は、上記(2)記載の企業理念と諸施策のもと、今後も当社の中長期的な株主価値の最大化を追求してまいりますが、その一方で、上記(1)記載のような当社の中長期的な株主価値を毀損する可能性がある大規模買付等が行われる可能性も否定できないと考えております。そこで、当社は、2016年5月12日開催の当社取締役会において、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を従前のものから一部改定した上で更新すること(改定後の対応策を以下「新対応策」といいます。)を決議し、同年6月29日開催の当社第91回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただきました。
新対応策の概要は、次のとおりであります。なお、新対応策の詳細につきましては、2016年5月12日付のプレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」において公表しておりますので、以下の当社ホームページをご参照下さい。
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2016/16-0512b.pdf
①新対応策の基本方針
当社は、中長期的な株主価値の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付等を行い、または行おうとする者に対し、遵守すべき手続を設定し、これらの者が遵守すべき手続があること、及び、これらの者に対して一定の場合には当社が対抗措置を発動することがあり得ることを事前に警告すること、並びに、一定の場合には当社が対抗措置を実際に発動することをもって当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)といたします。
②新対応策の内容
(イ)対象となる大規模買付等
新対応策は、以下のa.またはb.に該当する当社株券等の買付けまたはこれに類似する行為(以下「大規模買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象といたします。大規模買付等を行い、または行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)は、予め新対応策に定められる手続に従わなければならないものといたします。
a.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け
b.当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
(ロ)意向表明書の当社への事前提出
買付者等には、大規模買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、新対応策に定める手続を遵守する旨の誓約文言等を日本語で記載した書面(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただきます。
(ハ)情報の提供
意向表明書をご提出いただいた場合には、当社は、買付者等に対して、当初提出していただくべき情報を記載した「情報リスト」を発送いたします。買付者等には、かかる「情報リスト」に従って十分な情報を当社に提出していただきます。
また、上記の「情報リスト」の発送後60日間を、当社取締役会が買付者等に対して情報の提供を要請し、買付者等が情報の提供を行う期間(以下「情報提供要請期間」といいます。)として設定し、情報提供要請期間が満了した場合には、直ちに取締役会評価期間(下記(ホ)において定義されます。以下同じとします。)を開始するものといたします。ただし、買付者等から合理的な理由に基づく延長要請があった場合には、情報提供要請期間を必要に応じて最長30日間延長することができるものといたします。他方、当社取締役会は、買付者等から提供された情報が十分であると判断する場合には、情報提供要請期間満了前であっても、直ちに買付者等に情報提供完了通知(下記(ニ)において定義されます。以下同じとします。)を行い、取締役会評価期間を開始するものといたします。
(ニ)情報の開示
当社は、買付者等から大規模買付等の提案がなされた事実とその概要を開示いたします。また、株主の皆様のご判断に必要であると認められる情報がある場合には、適切と判断する時点で開示いたします。
また、当社は、買付者等による情報の提供が十分になされたと当社取締役会が認めた場合には、速やかにその旨を買付者等に通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)するとともに、その旨を開示いたします。
(ホ)取締役会評価期間の設定
当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後または情報提供要請期間が満了した後、大規模買付等の評価・検討を開始いたします。当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)は、大規模買付等の態様に応じて最長60日間または最長90日間といたします。
ただし、取締役会評価期間は当社取締役会が必要と認める場合または独立委員会の勧告を受けた場合には最長30日間延長できるものといたします。
(へ)独立委員会に対する諮問
新対応策においては、対抗措置の発動等に当たって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会を設置しております。
当社取締役会は、買付者等が新対応策に定める手続を遵守しなかった場合、または買付者等による大規模買付等が当社の中長期的な株主価値を著しく損なうものであると認められる場合であって、対抗措置を発動することが相当であると判断する場合には、対抗措置の発動の是非について、独立委員会に対して諮問するものといたします。
(ト)対抗措置の発動に関する独立委員会の勧告
独立委員会は、当社取締役会から対抗措置の発動の是非に関する諮問があった場合には、当社取締役会に対して、対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものといたします。
(チ)取締役会の決議
当社取締役会は、上記(ト)の独立委員会の勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動に関する決議を行うものといたします。
(リ)株主意思確認総会の開催
当社取締役会は、以下の場合には、株主総会の開催が著しく困難な場合を除き、株主総会を開催し、対抗措置の発動に関する議案を付議するものといたします(かかる株主総会を以下「株主意思確認総会」といいます。)。
a.独立委員会が対抗措置の発動についての勧告を行うに際して、対抗措置の発動に関し株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合
b.当社取締役会が、株主の皆様のご意思を確認することが相当であると判断した場合
当社取締役会は、株主意思確認総会の決議に従って、対抗措置の発動に関する決議を行うものといたします。
(ヌ)大規模買付等の開始時期
買付者等は、当社取締役会が株主意思確認総会を招集することを決定した場合には、当社取締役会が株主意思確認総会の決議に基づく対抗措置不発動の決議を行うまでは、大規模買付等を開始することはできないものといたします。また、株主意思確認総会が招集されない場合においては、取締役会評価期間の経過後にのみ大規模買付等を開始することができるものといたします。
(ル)対抗措置の中止または撤回
当社取締役会は、対抗措置の発動を決議した場合であっても、以下の場合には、当該対抗措置の中止または撤回について、独立委員会に諮問するものといたします。
a.買付者等が大規模買付等を中止もしくは撤回した場合
b.当該対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の中長期的な株主価値の確保・向上という観点から、当該対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合
当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当該対抗措置を維持することが相当でないと判断するに至った場合には、当該対抗措置の中止または撤回を決議いたします。
(ヲ)新対応策における対抗措置の具体的内容
新対応策に基づいて発動する対抗措置は、原則として新株予約権の無償割当てといたします。
当該新株予約権は、割当て期日における当社の株主に対し、その所有する当社普通株式1株につき1個の割合で割り当てられます。また、当該新株予約権には、買付者等別途定める要件に該当する非適格者は行使することができないという行使条件のほか、当社が非適格者以外の者が所有する新株予約権を取得し、これと引き替えに新株予約権1個につき1株の当社普通株式を交付することができる旨の取得条件等が付されることが予定されております。
(ワ)新対応策の有効期間、廃止及び変更
新対応策の有効期間は、2019年6月開催予定の当社第94回定時株主総会終結の時までといたします。
なお、かかる有効期間の満了前であっても、以下の場合には、新対応策はその時点で廃止されるものといたします。
a.当社の株主総会において新対応策を廃止する旨の議案が承認された場合
b.当社の取締役会において新対応策を廃止する旨の決議が行われた場合
また、当社は、法令等の改正に伴うもの等の形式的な事項について、基本方針に反しない範囲で、新対応策を変更する場合があります。
(4)上記(2)の取り組みが、上記(1)の基本方針に沿い、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断及びその理由
上記(2)の取り組みを通じて、当社の中長期的な株主価値を確保・向上させ、それを当社株式の価値に適正に反映させていくことにより、当社の中長期的な株主価値に反する大規模買付等は困難になるものと考えられ、上記(2)の取り組みは、上記(1)の基本方針に沿うものであると考えております。
従って、上記(2)の取り組みは、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5)上記(3)の取り組みが、上記(1)の基本方針に沿い、株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断及びその理由
上記(3)の取り組みは、十分な情報の提供と十分な検討等の期間の確保の要請に応じない買付者等、及び当社の中長期的な株主価値を著しく損なう大規模買付等を行おうとする買付者等に対して対抗措置を発動できることとすることで、これらの買付者等による大規模買付等を防止するものであり、上記(1)の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みであります。また、上記(3)の取り組みは、当社の中長期的な株主価値を確保・向上させることを目的として、買付者等に対して、当該買付者等が実施しようとする大規模買付等に関する必要な情報の事前の提供、及びその内容の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるために実施されるものです。更に、上記(3)の取り組みにおいては、株主の皆様のご意思を確認する手続の導入、独立性の高い委員により構成される独立委員会の設置及びその勧告の最大限の尊重、合理的かつ客観的な対抗措置発動要件の設定、株主意思確認総会の決議に基づく対抗措置の発動等の、当社取締役会の恣意的な判断を排し、上記(3)の取り組みの合理性及び公正性を確保するための様々な制度及び手続が確保されているものであります。
従って、上記(3)の取り組みは上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ご参考)
新対応策は、2019年4月25日開催の当社取締役会において、2019年6月21日開催の当社第94回定時株主総会終結の時をもってこれを更新せずに廃止することを決議し、本定時株主総会終結の時をもって有効期間が満了いたしました。