有価証券報告書-第100期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 13:15
【資料】
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【項目】
165項目
重要課題④ 人的資本経営
a)2030年のありたい姿
多様な人材が集い、成長し活躍できる企業
b)人的資本に関する考え方
人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出し、中長期的な企業価値の向上を目指す人的資本経営が求められています。組織全体の生産性向上や付加価値の創造につながるよう人的資本の価値を最大化することが重要です。当社グループは、自由闊達な風土のもと安全で安心な職場環境を提供します。また従業員の自律的な成長を促すことで一人ひとりが活き活きとその能力を発揮して活躍する企業の実現に向け取り組みます。
c)ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、企業価値向上戦略会議の中に全社人材部会を設置し、四半期に1回以上の頻度で継続的に開催しています。運営体制としては、人事部所管執行役員が部会長、人事部長が副部会長となり、ポストに人材を配置する適材適所を推進するとともに、次世代経営層や次期管理者を計画的に育成するなど、人材の育成と活用に関わる全社横断的な人材戦略に係る議論をしています。
d)戦略
重要課題に対する「2030年のありたい姿」を実現するため、絶えず変化し続ける市場環境に適応し、持続可能な成長を遂げる企業へと進化していく必要があると考えています。その重要な鍵となるのが、継続的に「挑戦」「変革」「成長」ができる企業風土の実現です。この実現のためには、従業員一人ひとりの職務と職責に見合った報酬を実現し、一人ひとりの可能性を最大限に引き出していくことが重要であると考えています。
この戦略を具現化するための一歩として、2023年7月に総合職人事制度(職務等級制度)を導入しました。また、この制度の目的達成のため、キャリアチャレンジ制度(社内公募制度)を2023年12月に導入しました。本制度は従業員が自律的にキャリアプランを考え、その実現のための機会を提供するもので、従業員の自律的な成長と挑戦を通じた育成を意図しており、2024年度は4件の実績がありました。
(i) 人材育成の考え方
従業員一人ひとりの自律的な成長が、当社グループの持続的な成長につながると考えています。事業環境の変化に対応し新たなビジネスモデルを構築するため、従業員一人ひとりに能力向上の機会を提供し、成長戦略を確実に実行できる人材を育成しています。
従業員の成長の基本は、育成を意識した適切な配置とともに、日常業務を通じて計画的・継続的に行われる実践的教育OJT(On-the-Job Training)と従業員一人ひとりの自己啓発(OFF-JT)にあると考えています。OJTでは、仕事の知識やスキルを身に着けるだけでなく、業務を通じた自律的な成長も促しています。OFF-JTでは、通信教育、外国語講座、MBA関連講座、オンライン学習ツール、e-learning、語学検定試験などの自己啓発の機会を提供し、資格取得の際には祝金を支給するなど従業員の自律的な学びを促進しています。今般の「2030年のありたい姿」の改正では、各種自己啓発講座等の延べ受講率(自己啓発制度活用率)をKPIとして設定し、2030年の目標を60%としました。
目標管理制度では、従業員一人ひとりがキャリアについて自律的に考え、やりがいを持って仕事に取り組めるよう、中長期的な取り組みやチャレンジングな姿勢を評価するとともに、自己申告制度を含めたキャリア形成支援を積極的に行っています。また、上司と部下の関係性の質を上げ、一人ひとりの能力を引き出すために、1on1ミーティングを定期的に実施しています。
<全社人材育成体系>0102010_007.png(ii) 社内環境整備
当社では、入社、結婚、出産、育児、介護、治療、そして定年といった様々なライフステージの変化に応じた支援制度を設けており、研修等による情報提供と相談の機会を通じて「安心・安全なワークとライフの提供」に取り組んでいます。
具体的施策の1つとして、当社事業の立地特性を踏まえ、従業員の生活環境を支援するために、社有の社宅・寮もしくは借上げ社宅・寮を提供しています。また、社宅や寮を選択せず、持ち家や借家住まいを選択する社員については、住宅関連手当を支給し、住環境整備の支援を行っています。また、特定地域への転任に対する費用補助や、持ち家取得の際の引っ越し雑費支給や融資制度など、従業員が安心して働けるよう各種施策を実施しています。
・エンゲージメント
当社グループでは、年に一度の従業員意識調査を継続していましたが、2024年度からはエンゲージメントサーベイを導入し、エンゲージメントスコア(会社と従業員の相互理解・相思相愛度合いを数値化し偏差値で表したもの)を測定しています。エンゲージメントが高い状態を「会社・組織と従業員の間において、相互の理解ができており、会社・組織は従業員を大切にし、従業員は会社・組織の発展と活性化に力を注ぐ状態になっていること」と定義しています。2024年度のエンゲージメントスコアは、47.7となりました。
この結果を踏まえ、グループ全体のスコアを持続的に向上させていくために、それぞれの職場が自律的にアクションプランを策定・実践し、スコアの底上げを図る取り組みと、1on1による上司と部下の関係性の質の向上や自律的なキャリア開発の支援などのスコア絶対値の向上を意図した全社的な取り組みを行っています。
エンゲージメントサーベイを通じて、データから従業員の意識や意欲、満足度に関する課題を把握し、エンゲージメント向上の取り組みを通じて職場環境を改善することで、当社は持続可能な成長を達成し、社会に貢献していく企業を目指します。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループの持続的な成長には、従業員一人ひとりが持つ視点や考え方は様々であり、多様なメンバーがお互いを認め、信じ、自身の強みを活かしながら、公平な機会のもとで協働する企業風土を築くこと(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I))が必要だと考えています。性別・国籍・年齢といった属性の多様化に加えて、従業員の能力や経験の多様化を進めることで、新しいアイデアを生み出し、柔軟性と競争力を備えた組織を実現し、持続的な成長を目指します。
当社グループは2024年12月にDE&I宣言を行い、DE&Iの目的・意義を経営のトップメッセージとして公表しました。また、2025年4月より、全ての従業員がDE&Iに取り組み、全社で協創することを目的として、DE&I協創室を設置いたしました。今後もより一層、DE&Iを推進し、ジェンダーバランス、障がい者、外国人、性的マイノリティ(LGBTQ+)など、誰もが働きやすい職場環境構築に努めてまいります。
特に女性活躍推進については、管理職社員への登用、国内拠点のみならず海外拠点への派遣など、女性の活躍の場を拡大することに取り組んでいます。また、「2030年のありたい姿」では、女性管理職比率・人数をKPIとし、当社単体で女性管理職社員比率を7%、女性管理職社員数を50名以上とすること、当社グループ連結での女性管理職社員比率を18%以上とすることを目標として定めています。これに加え、2030年までに女性役員を4名登用することも目標に設定しました。これらの達成に向けて、定期・キャリア採用における女性採用比率の目標値設定、次世代リーダー育成を目的とした女性社員外部研修への派出、役員と女性管理職社員との懇談会の開催などを実施しています。
・健康経営
当社グループでは、労働安全衛生の観点から、以前より役員・従業員の安全と健康の確保に優先的に取り組んできました。当社グループで働くすべての人がより健康で活き活きと働けるよう、2022年8月に「住友金属鉱山グループ健康経営方針」を制定し、同年10月に中長期的な取り組みと目標を定めた「従業員の健康づくり推進ロードマップ」と単年度ベースでの「健康経営推進計画」を策定しました。これらの計画を踏まえ、住友金属鉱山健康保険組合とも協力し、効果的な心身の健康維持・増進施策を展開しています。
従業員に対しては、生活習慣病発生リスクと肥満リスク、女性の健康などをテーマとした健康セミナや、メンタルヘルス研修(セルフケア・ラインケア)を定期的に開催し、健康管理支援システム(スマートフォンアプリ)を活用したウォーキングイベントも実施しています。各種検診・人間ドック・脳ドックについては、費用の全額や一部を補助しており、人間ドック受診時は健康管理休暇(1年につき最大2日)を取得することもできます。また、禁煙施策として、喫煙所の削減や希望者にオンライン禁煙プログラムを提供しています。
今回の「2030年のありたい姿」の改正として、2024年度からは健康経営度調査による偏差値をKPIとし、定量的に状況を把握し取り組んでいます。2025年度は、専任組織として健康経営推進室を設置し、健康経営トップメッセージの発信、健康経営戦略マップの策定等、各種施策に取り組んでいます。
e)KPI・目標
改正前と改正後のKPI・目標は以下のとおりです。改正にあたっては、幅広い項目にわたっていたKPI・目標を集約し、人材を資本として捉え、多様な人材が集い、成長し活躍できる企業という「2030年のありたい姿」の実現のために必要な取り組みを明確にしました。
<改正前><改正後>
KPI目標(2030年度)KPI目標(2030年度)
労働災害の発生防止・重篤災害:ゼロ
(国内外、協力会社含む)
・全災害:対前年減少、最終的にゼロを目指す
エンゲージメントスコア(当社+調査対象国内関係会社)スコア:55
業務上疾病の発生防止・健康リスクの高い作業場数:対前年削減
・業務上疾病の発生:ゼロ
重篤災害件数(協力会社を含めた安全統計対象事業場))0件
働き方改革の推進とデジタルテクノロジー等を活用した、多様な人材が活躍できる職場づくり・従業員意識調査の「経営者・上司のマネジメント」「仕事の魅力」「職場環境」に関する各スコアの向上
・女性管理職社員数50人
(当社)
・女性従業員比率20%以上
(当社)
・総合職外国人従業員の拡充
・障害者雇用率3%以上
(当社)
・従業員のライフステージに対応した配置と支援
0102010_008.png健康リスクのある作業場数(国内の安全統計対象事業場)0作業場
健康経営度調査(単体)偏差値62
自己啓発制度活用率(単体)60%
女性管理職比率・人数(連結・単体)連結18%、単体7%(50人)
男性育児休業取得率(単体)100%
従業員の心身の健康づくりの支援・長期休業者の減少
・健康診断結果の「有所見者率」50%以下
従業員ニーズ・業務ニーズを考慮した能力向上、機会の多様化・上司と部下との定期的な対話を通じて、従業員一人ひとりのやる気や可能性を引き出し、部下の成長をさらに促進する「1on1ミーティング」の活用
・役割に応じた人材育成体系の再構築によって、より良い従業員への能力向上機会の提供
・個々人のライフプランや従業員ニーズに合わせた自己啓発機会の提供
従業員への当社グループブランドの浸透従業員意識調査の改善(会社で働くことに誇りを感じる従業員割合の向上)

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