有価証券報告書-第19期(2024/01/01-2024/12/31)
31.金融商品
(1)財務上のリスク管理
当社グループは、石油・天然ガス・再生可能エネルギー等のプロジェクト取得/開発資金及び天然ガス供給インフラ施設等建設資金を、手許資金、銀行借入及び社債発行により調達することを基本方針としております。現在、石油・天然ガスプロジェクトの開発資金については株式会社国際協力銀行及び市中銀行等から融資を受けており、これら融資に関しては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の保証制度を適宜利用しております。また、国内の天然ガス供給インフラ施設等建設資金については、株式会社日本政策投資銀行及び市中銀行等からの融資を受けているほか、再生可能エネルギープロジェクトの取得/開発資金については、プロジェクトファイナンスやグリーンファイナンスでの調達も実施しております。銀行借入は変動金利、社債は固定金利を基本としておりますが、個別プロジェクトの状況や市場動向等に合わせて、適切に判断のうえ対応し固定金利の借入も行っております。
当社グループは、資金運用については、安全性・流動性に十分配慮しております。デリバティブについては、予定取引や保有資産のリスクをヘッジ又は管理するために限定的に利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金並びに未収入金は、主に原油・天然ガスの販売によるもので、主な取引先は、国営石油会社や大手石油会社等となっております。信用リスクに晒されている取引先については、営業管理細則及び与信管理細則に従い、取引先の状況を適時に把握し、取引相手の財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度の集中はありません。
連結財務諸表に表示されている金融資産の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。債務保証については、注記「38.偶発債務」に記載している債務保証等の残高が、当社グループの信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
当社グループでは、営業債権と営業債権以外の債権に区分して貸倒引当金を算定しております。
いずれの債権についても、その全部または一部について回収ができず、または回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。
また、支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には信用減損が発生しているものと判定しております。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増大していない場合は、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております(原則的なアプローチ)。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しておりますが(単純化されたアプローチ)、過去の実績率等を勘案し、貸倒引当金を計上しておりません。
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
12か月の予想信用損失と等しい金額で計上された貸倒引当金はありません。前連結会計年度において直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続しているものはありません。
金融資産の予想信用損失は、過去の信用損失の実績及び将来の経済状況等の予測を加味した上で個別に評価しております。貸倒引当金の設定対象となっている金融資産の帳簿価額は以下のとおりであり、同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
② 流動性リスク
当社グループでは、各事業本部が月次で作成した資金繰り計画を基に財務・経理本部が資金繰り管理を行うとともに、流動性リスクに備えて厚めの手許流動性を確保しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
③ 市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループ各社の事業の多くは海外で行われており、各社の機能通貨は、各社が営業活動を行う主たる経済環境における通貨に基づいて判定しております。このため、当社グループにおける為替リスクは、各社の機能通貨とは異なる通貨建の取引から生じます。当社グループは、各社の機能通貨とは異なる通貨建の資産及び負債の残高を考慮の上、当社グループ全体でのバランスを取ることで、為替リスクの低減化に努めております。また、各社の機能通貨とは異なる通貨建の債権債務や将来発生が見込まれる予定取引等について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮の上、先物為替予約等のデリバティブ取引を利用して為替リスクをヘッジしております。
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、連結会計年度末における為替レートが、米ドルに対して1%円安になった場合に、連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は以下のとおりであります。なお、機能通貨建の金融商品及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含めておりません。また、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(ⅱ)金利リスク
当社グループは、主として石油・天然ガス・再生可能エネルギー等の事業に係る変動金利の貸付及び借入から生じる金利リスクを有しており、金利水準の上昇が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的に金利変動による影響を分析の上、金利スワップ等のデリバティブ取引等をはじめとした金利リスクを減じる手段を講じております。但し、かかる手段は当社グループの金利リスクを全てカバーするものではなく、金利の変動が与える影響を完全に取り除くものではありません。
当社グループが各連結会計年度末において保有する金利変動の影響を受ける金融商品について、金利が1%上昇した場合に連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は以下のとおりであります。なお、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。なお、注記「3.重要性のある会計方針 (4)金融商品 ③デリバティブ及びヘッジ会計」、注記「3.重要性のある会計方針 (15)引当金」及び注記「28.金融収益及び金融費用」に記載している資産除去債務の変動によって生じる連結損益計算書への影響低減を目的とした金利スワップ等の値を含んでおります。割引率の変更等に起因して連結会計年度末に発生した資産除去債務の増減額は、対応する資産の帳簿価額がゼロの場合には当該増減額は即時に純損益へと認識された上で、連結損益計算書において売上原価として表示されております。また、対応する資産の帳簿価額が存在することから当該資産の調整として処理されている場合であっても、関連する繰延税金資産の回収可能性がないと判断されている場合には、当該増減額に関連して将来加算一時差異に関する法人所得税費用が即時に計上されております。一方で当該デリバティブによる損益が金融収益及び金融費用に計上されることで、親会社の所有者に帰属する当期利益の変動を低減しているものです。
(ⅲ)商品価格変動リスク
石油・天然ガスの販売価格等は、商品価格変動リスクに晒されております。当社グループは、必要に応じて実需の範囲内で商品スワップや商品オプション等のデリバティブ取引を行うことにより、商品価格変動リスクをヘッジしております。
商品スワップや商品オプション等のデリバティブ取引は、商品価格の変動によるリスクを有していますが、対象となる現物に係る商品価格の変動によるリスクと相殺されるため、連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は僅少であります。
(ⅳ)有価証券にかかる市場価格の変動リスク
当社グループが保有する有価証券・投資有価証券で、市場価格の変動リスクに晒されているものについては、株価等が定期的に経営会議にて報告されております。なお、株式については、主に当社が中長期的に安定した業務を遂行することを目的に、より緊密かつ円滑な関係を築くために保有している取引先等の株式となっておりますが、一部銘柄については投資目的として保有しております。また、債券については、中長期の資金支出見込みや市場価格変動リスクを考慮し、償還期間の短い債券を中心に保有しております。
当社グループにおける市場価格の変動リスクのエクスポージャー(帳簿価額)は以下のとおりであります。
当社グループが各連結会計年度末に保有する資本性金融商品の市場価格が10%下落した場合に、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に与える影響は以下のとおりであります。なお、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(2)デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク、金利リスク及び商品価格変動リスクをヘッジする目的で、金利通貨スワップ取引、為替予約取引、商品スワップ取引及び商品オプション取引を利用しております。
上記のデリバティブ取引の執行管理については、社内規則に従って行っており、市場価格変動リスクに晒されているデリバティブについては、時価を含む月次の取引状況が定期的に経営会議に報告されております。デリバティブの利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、原則格付の高い金融機関との取引に限っております。また、デリバティブ取引の限度額を実需の範囲とする方針であり、投機目的によるデリバティブ取引は行わないこととしております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債はそれぞれ、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に計上しております。
① 通貨関連
為替リスクや金利リスクを回避する目的で実施している為替予約取引及び金利通貨スワップ取引について、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジ非有効部分について発生しておりません。
② 商品関連
商品価格変動リスクを回避する目的で実施している商品スワップ取引について、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。なお、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の条件が完全に一致しているわけではないことから、その条件の相違により、ヘッジ非有効部分が生じます。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジ非有効部分については重要性はありません。
ヘッジ手段の詳細は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額は以下のとおりであります。ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額はありません。
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書への影響(税引前)は以下のとおりであります。
通貨関連の組替調整額は、連結損益計算書の「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」に含まれております。商品関連の組替調整額は、連結損益計算書の「売上収益」及び「売上原価」に含まれております。
ヘッジの中止による組替調整額はありません。
(3)金融商品の公正価値
公正価値で測定する金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりであります。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらは短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
(貸付金)
短期貸付金については短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
長期貸付金については元利金の合計額を新規に同様の貸付を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により公正価値を算定しております。当該評価技法において割引率を重要な観察不能なインプットとして使用しており、レベル3に分類しております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
上場株式、国債及び上場投資信託については連結会計年度末の市場価格により公正価値を算定しており、レベル1に分類しております。
社債については金融機関等から提示された価格により公正価値を算定しており、活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2に分類しております。
非上場株式については類似企業比較法により公正価値を算定しております。当該評価技法において非流動性ディスカウントを重要な観察不能なインプットとして使用しており、レベル3に分類しております。
デリバティブのうち、通貨関連取引及び金利関連取引については取引先金融機関から提示された価格により公正価値を算定し、商品関連取引については先物相場により公正価値を算定しております。いずれも活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2に分類しております。
(社債及び借入金)
短期借入金及びコマーシャル・ペーパーについては短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
社債については日本証券業協会が発表している公社債店頭売買参考統計値により公正価値を算定しております。長期借入金については元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により公正価値を算定しております。いずれも観察可能な市場データを利用して公正価値を算出しているため、レベル2に分類しております。
当社グループは、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期連結会計期間末に認識することとしております。
② 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。満期又は決済までの期間が短期であること等により、帳簿価額と公正価値が近似又は一致するものは含んでおりません。
(注) 貸付金には、共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金が含まれており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ1,333,010百万円及び1,467,403百万円であります。このうち、長期貸付金の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ1,293,985百万円及び1,422,845百万円であります。なお、当社グループは注記「6.企業結合」に記載のとおり、当連結会計年度において東京ガス株式会社が豪州プロジェクト子会社を通じて保有するイクシスLNGプロジェクトの参加権益等(1.575%)を取得しており、上記金額には当該取引に伴うイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金の引受分が含まれております。
③ 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値レベル1とレベル2の間の重要な振替は行われておりません。
④ 評価プロセス
レベル3に分類された金融商品については、経営管理部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が評価及び評価結果の分析を実施しております。評価結果は経営管理部門責任者によりレビューされ、承認されております。
⑤ レベル3に分類された金融商品に関する定量的情報
レベル3に分類された金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)の定量的情報は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当連結会計年度(2024年12月31日)
非流動性ディスカウントの下落(上昇)により、公正価値は増加(減少)します。なお、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
⑥ レベル3に分類された金融商品の増減表
レベル3に分類された金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)の期首から期末までの変動は以下のとおりであります。
その他の包括利益に認識された利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に計上されております。
(4)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、主に良好な取引関係の維持、事業の円滑な推進及び事業機会の創出を図る目的で保有している株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の市場性のある主な銘柄及び公正価値は以下のとおりであります。
活発な市場における公表価格がないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、主に石油・天然ガス関連分野への投資であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ21,220百万円及び20,673百万円であります。
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的としたその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部売却等により、認識を中止しております。
各連結会計年度において、認識を中止した時点の公正価値、累積利得又は損失及び受取配当金は以下のとおりであります。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、認識を中止した場合に、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。利益剰余金に振替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税効果考慮後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△5,594百万円及び118百万円であります。
(5)金融商品の譲渡
当社グループは、保有している債券の一部について無担保債券貸借取引を行っております。無担保債券貸借取引では、債券から生じる利息相当を受け取る権利は当社グループにあり、債券の価格変動リスク及びカウンターパーティーリスクは当社グループが負っております。これらのような債券について、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、当該資産の認識の中止を行っておりません。このような債券を、当連結会計年度末において、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に46,430百万円計上しております。
(1)財務上のリスク管理
当社グループは、石油・天然ガス・再生可能エネルギー等のプロジェクト取得/開発資金及び天然ガス供給インフラ施設等建設資金を、手許資金、銀行借入及び社債発行により調達することを基本方針としております。現在、石油・天然ガスプロジェクトの開発資金については株式会社国際協力銀行及び市中銀行等から融資を受けており、これら融資に関しては、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の保証制度を適宜利用しております。また、国内の天然ガス供給インフラ施設等建設資金については、株式会社日本政策投資銀行及び市中銀行等からの融資を受けているほか、再生可能エネルギープロジェクトの取得/開発資金については、プロジェクトファイナンスやグリーンファイナンスでの調達も実施しております。銀行借入は変動金利、社債は固定金利を基本としておりますが、個別プロジェクトの状況や市場動向等に合わせて、適切に判断のうえ対応し固定金利の借入も行っております。
当社グループは、資金運用については、安全性・流動性に十分配慮しております。デリバティブについては、予定取引や保有資産のリスクをヘッジ又は管理するために限定的に利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
① 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金並びに未収入金は、主に原油・天然ガスの販売によるもので、主な取引先は、国営石油会社や大手石油会社等となっております。信用リスクに晒されている取引先については、営業管理細則及び与信管理細則に従い、取引先の状況を適時に把握し、取引相手の財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度の集中はありません。
連結財務諸表に表示されている金融資産の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。債務保証については、注記「38.偶発債務」に記載している債務保証等の残高が、当社グループの信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
当社グループでは、営業債権と営業債権以外の債権に区分して貸倒引当金を算定しております。
いずれの債権についても、その全部または一部について回収ができず、または回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしております。
また、支払遅延の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり、債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には信用減損が発生しているものと判定しております。
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増大していない場合は、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております(原則的なアプローチ)。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しておりますが(単純化されたアプローチ)、過去の実績率等を勘案し、貸倒引当金を計上しておりません。
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||
12ヶ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定されるもの | 全期間の予想信用損失に等しい 金額で測定されるもの | 合計 | |||
信用減損金融 資産ではない 金融資産 | 信用減損 金融資産 | 営業債権 | |||
2023年1月1日残高 | - | - | 13,645 | - | 13,645 |
繰入額 | - | - | 954 | - | 954 |
期中減少額(目的使用) | - | - | - | - | - |
期中減少額(戻入) | - | - | - | - | - |
2023年12月31日残高 | - | - | 14,600 | - | 14,600 |
繰入額 | - | - | 1,619 | - | 1,619 |
期中減少額(目的使用) | - | - | - | - | - |
期中減少額(戻入) | - | - | - | - | - |
2024年12月31日残高 | - | - | 16,220 | - | 16,220 |
12か月の予想信用損失と等しい金額で計上された貸倒引当金はありません。前連結会計年度において直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続しているものはありません。
金融資産の予想信用損失は、過去の信用損失の実績及び将来の経済状況等の予測を加味した上で個別に評価しております。貸倒引当金の設定対象となっている金融資産の帳簿価額は以下のとおりであり、同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一であります。
(単位:百万円) | |||||
12ヶ月の予想 信用損失に 等しい金額で 測定されるもの | 全期間の予想信用損失に等しい 金額で測定されるもの | 合計 | |||
信用減損金融 資産ではない 金融資産 | 信用減損 金融資産 | 営業債権 | |||
2023年12月31日残高 | 1,618,618 | - | 14,600 | 232,017 | 1,865,237 |
2024年12月31日残高 | 1,716,282 | - | 16,220 | 267,476 | 1,999,979 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
② 流動性リスク
当社グループでは、各事業本部が月次で作成した資金繰り計画を基に財務・経理本部が資金繰り管理を行うとともに、流動性リスクに備えて厚めの手許流動性を確保しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円) | ||||||
帳簿価額 | 契約上の 金額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||
社債及び借入金 | 1,056,982 | 1,253,019 | 212,147 | 621,049 | 292,759 | 127,063 |
リース負債 | 88,465 | 111,413 | 24,460 | 38,123 | 16,338 | 32,490 |
その他 | 225,368 | 225,368 | 225,257 | 21 | - | 90 |
デリバティブ金融負債 | ||||||
通貨関連デリバティブ | 846 | 846 | 830 | 15 | - | - |
商品関連デリバティブ | 66 | 66 | 66 | - | - | - |
合計 | 1,371,730 | 1,590,714 | 462,762 | 659,210 | 309,097 | 159,644 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円) | ||||||
帳簿価額 | 契約上の 金額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 10年以内 | 10年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||
社債及び借入金 | 1,063,912 | 1,246,739 | 237,239 | 688,844 | 219,877 | 100,778 |
リース負債 | 73,568 | 95,415 | 20,344 | 28,902 | 14,319 | 31,849 |
その他 | 206,639 | 206,639 | 205,882 | 666 | - | 90 |
デリバティブ金融負債 | ||||||
通貨関連デリバティブ | 9,476 | 9,476 | 9,476 | - | - | - |
金利関連デリバティブ | 20,794 | 20,794 | 13,084 | 7,709 | - | - |
合計 | 1,374,390 | 1,579,065 | 486,026 | 726,123 | 234,197 | 132,718 |
③ 市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループ各社の事業の多くは海外で行われており、各社の機能通貨は、各社が営業活動を行う主たる経済環境における通貨に基づいて判定しております。このため、当社グループにおける為替リスクは、各社の機能通貨とは異なる通貨建の取引から生じます。当社グループは、各社の機能通貨とは異なる通貨建の資産及び負債の残高を考慮の上、当社グループ全体でのバランスを取ることで、為替リスクの低減化に努めております。また、各社の機能通貨とは異なる通貨建の債権債務や将来発生が見込まれる予定取引等について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮の上、先物為替予約等のデリバティブ取引を利用して為替リスクをヘッジしております。
当社グループが各連結会計年度末において保有する金融商品について、連結会計年度末における為替レートが、米ドルに対して1%円安になった場合に、連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は以下のとおりであります。なお、機能通貨建の金融商品及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含めておりません。また、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | |
税引前利益 | 473 | △423 |
(ⅱ)金利リスク
当社グループは、主として石油・天然ガス・再生可能エネルギー等の事業に係る変動金利の貸付及び借入から生じる金利リスクを有しており、金利水準の上昇が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的に金利変動による影響を分析の上、金利スワップ等のデリバティブ取引等をはじめとした金利リスクを減じる手段を講じております。但し、かかる手段は当社グループの金利リスクを全てカバーするものではなく、金利の変動が与える影響を完全に取り除くものではありません。
当社グループが各連結会計年度末において保有する金利変動の影響を受ける金融商品について、金利が1%上昇した場合に連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は以下のとおりであります。なお、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。なお、注記「3.重要性のある会計方針 (4)金融商品 ③デリバティブ及びヘッジ会計」、注記「3.重要性のある会計方針 (15)引当金」及び注記「28.金融収益及び金融費用」に記載している資産除去債務の変動によって生じる連結損益計算書への影響低減を目的とした金利スワップ等の値を含んでおります。割引率の変更等に起因して連結会計年度末に発生した資産除去債務の増減額は、対応する資産の帳簿価額がゼロの場合には当該増減額は即時に純損益へと認識された上で、連結損益計算書において売上原価として表示されております。また、対応する資産の帳簿価額が存在することから当該資産の調整として処理されている場合であっても、関連する繰延税金資産の回収可能性がないと判断されている場合には、当該増減額に関連して将来加算一時差異に関する法人所得税費用が即時に計上されております。一方で当該デリバティブによる損益が金融収益及び金融費用に計上されることで、親会社の所有者に帰属する当期利益の変動を低減しているものです。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | |
税引前利益 | 5,182 | △15,773 |
(ⅲ)商品価格変動リスク
石油・天然ガスの販売価格等は、商品価格変動リスクに晒されております。当社グループは、必要に応じて実需の範囲内で商品スワップや商品オプション等のデリバティブ取引を行うことにより、商品価格変動リスクをヘッジしております。
商品スワップや商品オプション等のデリバティブ取引は、商品価格の変動によるリスクを有していますが、対象となる現物に係る商品価格の変動によるリスクと相殺されるため、連結損益計算書の「税引前利益」に与える影響は僅少であります。
(ⅳ)有価証券にかかる市場価格の変動リスク
当社グループが保有する有価証券・投資有価証券で、市場価格の変動リスクに晒されているものについては、株価等が定期的に経営会議にて報告されております。なお、株式については、主に当社が中長期的に安定した業務を遂行することを目的に、より緊密かつ円滑な関係を築くために保有している取引先等の株式となっておりますが、一部銘柄については投資目的として保有しております。また、債券については、中長期の資金支出見込みや市場価格変動リスクを考慮し、償還期間の短い債券を中心に保有しております。
当社グループにおける市場価格の変動リスクのエクスポージャー(帳簿価額)は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | |
市場価格のある資本性金融商品 | 23,836 | 24,969 |
当社グループが各連結会計年度末に保有する資本性金融商品の市場価格が10%下落した場合に、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に与える影響は以下のとおりであります。なお、本分析において、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
その他の包括利益(税効果考慮前) | △2,383 | △2,496 |
(2)デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク、金利リスク及び商品価格変動リスクをヘッジする目的で、金利通貨スワップ取引、為替予約取引、商品スワップ取引及び商品オプション取引を利用しております。
上記のデリバティブ取引の執行管理については、社内規則に従って行っており、市場価格変動リスクに晒されているデリバティブについては、時価を含む月次の取引状況が定期的に経営会議に報告されております。デリバティブの利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、原則格付の高い金融機関との取引に限っております。また、デリバティブ取引の限度額を実需の範囲とする方針であり、投機目的によるデリバティブ取引は行わないこととしております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債はそれぞれ、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に計上しております。
① 通貨関連
為替リスクや金利リスクを回避する目的で実施している為替予約取引及び金利通貨スワップ取引について、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジ非有効部分について発生しておりません。
② 商品関連
商品価格変動リスクを回避する目的で実施している商品スワップ取引について、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。なお、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の条件が完全に一致しているわけではないことから、その条件の相違により、ヘッジ非有効部分が生じます。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジ非有効部分については重要性はありません。
ヘッジ手段の詳細は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円) | |||||
契約額 | うち1年超 | 公正価値 | 平均価格又は 平均レート | ||
資産 | 負債 | ||||
通貨関連 | |||||
為替予約 | |||||
売建 | |||||
米ドル (オーストラリアドル買) | 32,684 | - | - | 265 | 0.69 |
米ドル/ オーストラリアドル |
当連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円) | |||||
契約額 | うち1年超 | 公正価値 | 平均価格又は 平均レート | ||
資産 | 負債 | ||||
通貨関連 | |||||
為替予約 | |||||
売建 | |||||
米ドル (オーストラリアドル買) | 104,570 | 43,401 | 183 | 4,113 | 0.65 |
米ドル/ オーストラリアドル | |||||
商品関連 | |||||
商品スワップ | |||||
変動売・固定買 | 5,668 | - | 270 | - | 14.31 |
米ドル/MMBtu |
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額は以下のとおりであります。ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益累計額はありません。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | |
通貨関連 | ||
為替予約 | △185 | △2,750 |
金利関連 | ||
金利スワップ | 31,358 | 22,263 |
商品関連 | ||
商品スワップ | △947 | △2,449 |
合計 | 30,224 | 17,062 |
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書への影響(税引前)は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |||
その他の包括利益に 認識されたヘッジ 手段の価値変動 | キャッシュ・フロー ・ヘッジに係る その他の包括利益 累計額から純損益に 振替えた金額 | その他の包括利益に 認識されたヘッジ 手段の価値変動 | キャッシュ・フロー ・ヘッジに係る その他の包括利益 累計額から純損益に 振替えた金額 | |
通貨関連 | ||||
為替予約 | △967 | 850 | △3,828 | 1,263 |
金利通貨スワップ | △15 | 267 | - | - |
商品関連 | ||||
商品スワップ | △5,247 | 5,492 | △178 | 366 |
合計 | △6,229 | 6,610 | △4,007 | 1,630 |
通貨関連の組替調整額は、連結損益計算書の「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」に含まれております。商品関連の組替調整額は、連結損益計算書の「売上収益」及び「売上原価」に含まれております。
ヘッジの中止による組替調整額はありません。
(3)金融商品の公正価値
公正価値で測定する金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりであります。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらは短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
(貸付金)
短期貸付金については短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
長期貸付金については元利金の合計額を新規に同様の貸付を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により公正価値を算定しております。当該評価技法において割引率を重要な観察不能なインプットとして使用しており、レベル3に分類しております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
上場株式、国債及び上場投資信託については連結会計年度末の市場価格により公正価値を算定しており、レベル1に分類しております。
社債については金融機関等から提示された価格により公正価値を算定しており、活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2に分類しております。
非上場株式については類似企業比較法により公正価値を算定しております。当該評価技法において非流動性ディスカウントを重要な観察不能なインプットとして使用しており、レベル3に分類しております。
デリバティブのうち、通貨関連取引及び金利関連取引については取引先金融機関から提示された価格により公正価値を算定し、商品関連取引については先物相場により公正価値を算定しております。いずれも活発な市場における相場価格とは認められないため、レベル2に分類しております。
(社債及び借入金)
短期借入金及びコマーシャル・ペーパーについては短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
社債については日本証券業協会が発表している公社債店頭売買参考統計値により公正価値を算定しております。長期借入金については元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により公正価値を算定しております。いずれも観察可能な市場データを利用して公正価値を算出しているため、レベル2に分類しております。
当社グループは、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期連結会計期間末に認識することとしております。
② 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。満期又は決済までの期間が短期であること等により、帳簿価額と公正価値が近似又は一致するものは含んでおりません。
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) | |||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
償却原価で測定する金融資産 | ||||
貸付金(注) | ||||
長期貸付金 | 1,306,529 | 1,306,529 | 1,432,799 | 1,432,799 |
合計 | 1,306,529 | 1,306,529 | 1,432,799 | 1,432,799 |
償却原価で測定する金融負債 | ||||
社債及び長期借入金 | ||||
社債 | 30,000 | 29,239 | 30,000 | 28,837 |
長期借入金 | 999,623 | 986,830 | 947,700 | 931,745 |
合計 | 1,029,623 | 1,016,069 | 977,700 | 960,582 |
(注) 貸付金には、共同支配企業であるイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金が含まれており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ1,333,010百万円及び1,467,403百万円であります。このうち、長期貸付金の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ1,293,985百万円及び1,422,845百万円であります。なお、当社グループは注記「6.企業結合」に記載のとおり、当連結会計年度において東京ガス株式会社が豪州プロジェクト子会社を通じて保有するイクシスLNGプロジェクトの参加権益等(1.575%)を取得しており、上記金額には当該取引に伴うイクシス下流事業会社(Ichthys LNG Pty Ltd)に対する貸付金の引受分が含まれております。
③ 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
その他の金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | - | 8,162 | - | 8,162 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
その他の金融資産 | ||||
株式 | 13,054 | - | 21,220 | 34,274 |
債券 | 120,871 | 20,251 | - | 141,122 |
その他 | 10,782 | - | - | 10,782 |
合計 | 144,707 | 28,413 | 21,220 | 194,342 |
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||||
その他の金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 913 | - | 913 |
合計 | - | 913 | - | 913 |
当連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
その他の金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | - | 6,988 | - | 6,988 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
その他の金融資産 | ||||
株式 | 14,804 | - | 20,673 | 35,478 |
債券 | 135,104 | 34,813 | - | 169,918 |
その他 | 10,164 | - | - | 10,164 |
合計 | 160,074 | 41,802 | 20,673 | 222,550 |
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||||
その他の金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 30,270 | - | 30,270 |
合計 | - | 30,270 | - | 30,270 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値レベル1とレベル2の間の重要な振替は行われておりません。
④ 評価プロセス
レベル3に分類された金融商品については、経営管理部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が評価及び評価結果の分析を実施しております。評価結果は経営管理部門責任者によりレビューされ、承認されております。
⑤ レベル3に分類された金融商品に関する定量的情報
レベル3に分類された金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)の定量的情報は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
区分 | 評価技法 | 観察不能なインプット | 範囲 |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | 類似企業比較法 | 非流動性ディスカウント | 30% |
当連結会計年度(2024年12月31日)
区分 | 評価技法 | 観察不能なインプット | 範囲 |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | 類似企業比較法 | 非流動性ディスカウント | 30% |
非流動性ディスカウントの下落(上昇)により、公正価値は増加(減少)します。なお、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
⑥ レベル3に分類された金融商品の増減表
レベル3に分類された金融商品(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)の期首から期末までの変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | |
期首残高 | 17,204 | 21,220 |
その他の包括利益に認識された利得及び損失 | 3,326 | △287 |
購入 | 801 | 500 |
売却 | △112 | △499 |
その他 | - | △259 |
期末残高 | 21,220 | 20,673 |
その他の包括利益に認識された利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に計上されております。
(4)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、主に良好な取引関係の維持、事業の円滑な推進及び事業機会の創出を図る目的で保有している株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の市場性のある主な銘柄及び公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
銘柄 | 前連結会計年度 (2023年12月31日) | 当連結会計年度 (2024年12月31日) |
石油資源開発㈱ | 7,472 | 8,093 |
東京瓦斯㈱ | 3,687 | 4,977 |
日揮ホールディングス㈱ | 1,125 | 909 |
活発な市場における公表価格がないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、主に石油・天然ガス関連分野への投資であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ21,220百万円及び20,673百万円であります。
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的としたその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部売却等により、認識を中止しております。
各連結会計年度において、認識を中止した時点の公正価値、累積利得又は損失及び受取配当金は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||
前連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | ||||
公正価値 | 累積利得又は損失 | 受取配当金 | 公正価値 | 累積利得又は損失 | 受取配当金 |
8,383 | △3,590 | 360 | 759 | 143 | - |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、認識を中止した場合に、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えております。利益剰余金に振替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税効果考慮後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△5,594百万円及び118百万円であります。
(5)金融商品の譲渡
当社グループは、保有している債券の一部について無担保債券貸借取引を行っております。無担保債券貸借取引では、債券から生じる利息相当を受け取る権利は当社グループにあり、債券の価格変動リスク及びカウンターパーティーリスクは当社グループが負っております。これらのような債券について、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、当該資産の認識の中止を行っておりません。このような債券を、当連結会計年度末において、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に46,430百万円計上しております。