有価証券報告書-第120期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 11:23
【資料】
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【項目】
182項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「自らの意思と成長をもって、人々の生活を足元から支える」を企業理念に掲げ、社会資本の整備にかかわる事業を展開しています。この理念のもと、コンプライアンスの実践や透明性の高い経営を行い、更には、時代の変化に適合した技術開発を推し進め、新しい価値を提供していくことにより、社会との良好な関係を築き健全で効率的な経営と企業価値の向上を目指しております。
(2)経営環境
当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。
(建設事業)
建設業界においては、防災・減災、国土強靭化やインフラ老朽化対策等を背景に公共投資は底堅く推移しているものの、民間投資の伸び悩みもみられ、資材価格および労務費の高騰を背景に企業間の受注競争は一層激化しており、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続くものと認識しております。また、為替変動や地政学リスク等によるエネルギー・原材料価格、調達コストの動向を注視するとともに、人材確保・育成や省力化・効率化等への対応も引き続き重要であると考えております。
(製造販売・環境事業等)
製品事業部門においては、環境負荷の低減に寄与する製品の開発・提供等、カーボンニュートラルへの対応を引き続き重要課題と捉えています。また、原材料価格やエネルギーコストの上昇が収益を圧迫する状況は続いており、これらのコスト上昇分を適切に販売価格へ転嫁していくことが重要な課題であります。加えて、地政学的な問題等が主材料の価格に影響を及ぼし得ることから、その動向を注視しつつ、柔軟な販売戦略を行う必要があると認識しております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループは創立100周年を迎える2030年をゴールとした長期ビジョン「TOA STYLEをさらに磨き、社会から選ばれ続けるオンリーワン企業へ」の実現に向け、2024年5月に策定した中期経営計画「TOA ROAD Sustainable Plan 2026」を引き続き推進しております。当該中期経営計画は、「CSR経営への転換(転換/シフト)」と「持続可能な成長基盤の構築(確立)」を二つの柱とし、外部環境の変化を踏まえつつ、各施策の実行力と実効性の向上に取り組んでおります。
基本方針 「挑戦・発想・実行で社会から選ばれ続ける企業に」
CSR経営へのシフト企業に対する社会からの要請が変化する中、我々は挑戦・発想・実行により、経営方針の軸を「CSR経営」に大きくシフトすることで、すべてのステークホルダーにコミットし支持されることを目指します。
持続可能な成長基盤の確立環境問題への対応が喫緊の課題として顕在化している中、不確実性の時代に対応できるレジリエントな企業体質を構築し、将来に向け積極的な投資を行い「持続可能な成長基盤」の確立を目指します。


経営戦略の概要
持続可能な成長基盤の確立建設事業戦略2024年問題・担い手の確保
・オペレーションフローの再構築により、高齢者や女性などが継続して能力を発揮できる働き方の多様化
・出来高生産性や工事種別ごとの収益性などの管理指標をリアルタイムに生成し”見える化”の推進
・マシーン・コントロールなどのDX技術の積極的な導入による生産性向上
・工事担当者のエンゲージメント向上による生産性向上
不確実性(国内外の社会情勢、気候)の時代
・独自技術を駆使したソリューション営業による民需へのシフト、事業活動領域の拡大
・官民連携(PPP)事業、海外事業、鉄道事業の強化及び戦略的なM&Aの推進
・景観・スポーツ事業の強化
膨大にストックされた社会資本のマネージメント
・当社独自の様々な維持修繕技術、長寿命化技術を活用したソリューション営業と社会インフラ系のPPP推進の調査検討
・FWDやMWDを駆使し、費用対効果、ライフサイクル・コストを考慮した道路舗装マネージメントとAIカメラ機能が付いたモバイル機器による道路点検技術の活用と推進
地球環境問題
・保有している脱炭素技術の整理と積極的アピール
製品事業戦略不確実性(国内外の社会情勢、気候)の時代
・積極的な設備投資により、主要工場にアスファルトのバッファ機能、被災時のバックアップ・システム(電源等)を構築
・事業領域拡大のため、他業種用の新素材(土木・工業用材料)の積極的な展開
地球環境問題
・加熱アスファルトプラントへの機械式中温化装置の配備
・独自技術の中温化添加剤や中温化バインダーの積極的な展開
膨大にストックされた社会資本のマネージメント
・舗装の長寿命化に資する製品の積極的な展開
・顧客ニーズに応じた補修用材料(大規模用、小規模用)の積極的な展開

持続可能な成長基盤の確立製品事業戦略2024年問題・担い手の確保
・サプライチェーン(輸送コスト含)の再構築
・工場設備のDX化による省力化と品質・安全性の向上
持続可能な資材の調達
・再生技術用製品、植物由来製品の積極的な展開
コンサルティング事業戦略膨大にストックされた社会資本のマネージメント
・膨大にストックされた既設舗装の健全性を高速に調査するソリューション(MWD Plus)
・ライフサイクル・コストを最小化する維持修繕計画業務のソリューション
・コスト・パフォーマンスに優れた(橋面)舗装維持修繕設計業務のソリューション
・舗装構造物の維持管理業務を支援するシステム・ソリューション
地球環境問題
・環境配慮型技術による舗装維持修繕設計業務のソリューション
・温室効果ガスの発生を最小化する舗装維持修繕設計業務のソリューション
持続可能な資材の調達
・持続可能な資材を活用する舗装修繕設計業務のソリューション
・貴重な天然資源の消費を抑制するため、長寿命舗装技術の活用や、FWDを用いた合理的な維持修繕設計業務のソリューション
バックオフィス戦略2024年度問題・担い手不足
・DX導入による営業支援、製品販売、経費精算システムの高度化によるバックオフィス業務の効率化、省力化
・生成AIを利用した技術情報、管理業務のナレッジデータベースによるバックオフィス業務の効率化、省力化
不確実性(国内外の社会情勢、気候)の時代
・システム障害や災害等の緊急事態におけるBCP対策の更なる強化、高度化

(4)経営計画の数値目標
当社グループは、目標とする経営指標として以下の数値を掲げています。これらの数値目標達成と、企業価値の向上に努めてまいります。
連結業績2026年度(2027年3月期)
売上高130,000百万円
営業利益6,000百万円
親会社株主に帰属する当期純利益4,200百万円


(5)対処すべき課題
今後の経済環境については、米国政権による高関税政策等により国際的な通商環境の不確実性が高まる中、世界経済の減速が懸念されております。民需においては企業の設備投資が慎重となることが見込まれるほか、為替変動や地政学リスクの長期化が、エネルギー価格・原材料価格・調達コスト全般に与える影響について、引き続き注視が必要な状況にあります。このような状況下、建設業界では公共投資が底堅く推移する一方、資材価格および労務費の高騰を背景に企業間の受注競争は熾烈さを増しており、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しいものと予想されます。
こうした外部環境を踏まえ、当社グループは、創立100周年を迎える2030年をゴールとした長期ビジョンの実現に向け、2024年5月に策定した中期経営計画「TOA ROAD Sustainable Plan 2026」を推進しております。2025年度は当該中期経営計画の2年目として、外部環境の変化を踏まえつつ、進捗管理の強化や重点施策の見直しを行い、各施策の実行力と実効性の向上に取り組んでまいりました。
当社グループの主要な課題認識および取り組みの方向性は、概ね以下のとおりです。
(建設事業部門)
建設事業部門においては、時間外労働の上限規制(いわゆる「2024年問題」)への対応が運用段階に移行・定着しつつある中で、労働時間の適正管理の徹底、人材確保および教育・育成、労働環境の改善、従業員エンゲージメントの向上に継続して取り組んでおります。また、DXの導入推進による業務効率化や省人化を進め、生産性向上と働き方改革の両立を図っております。加えて、PPP事業、海外事業、スポーツファシリティ事業など、成長が見込まれる分野への取り組みを強化し、事業領域の拡大を通じた持続可能な成長基盤の構築を進めてまいりました。一方で、資材価格や労務費の高止まりは収益性に影響を及ぼしており、適正な価格転嫁と原価管理の高度化が重要な課題となっております。
(製品事業部門)
製品事業部門においては、積極的な設備投資を実施・推進し、生産・供給体制の安定化を図っております。また、他業種向け新素材の展開等による販路拡大に取り組むとともに、地球環境への配慮を踏まえた製造装置への更新、サプライチェーンを含む工場設備のDX化を推進し、省力化、品質および安全性の向上を進めております。もっとも、原材料価格やエネルギーコストの上昇が続く中、コスト上昇分の適切かつ迅速な価格転嫁が引き続き重要な経営課題であります。
(技術開発(R&D戦略))
技術開発(R&D戦略)に関しては、低炭素社会の実現やインフラ老朽化、少子高齢化社会への対応を見据え、舗装の長寿命化技術や予防保全型維持工法の開発を継続するとともに、道路資産の最適な運用を目的として、調査手法にデジタル技術を活用したマネジメントシステムの開発を進めております。さらに、当社が手掛ける路面太陽光発電技術と共同研究として推進する走行中給電技術が実証事業に採択されるなど、社会実装を見据えた先進的な取り組みが進展しており、舗装会社として今後も「未来の舗装」の新たな可能性を追求し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当社グループは、中期経営計画の折り返しを迎え、外部環境の変化を的確に捉えつつ、計画に掲げた諸施策の実行力を一層高める必要があります。今後も「CSR経営への転換(転換/シフト)」と「持続可能な成長基盤の構築(確立)」を軸に、収益力の強化と社会的価値の創出を両立させることで、ステークホルダーの皆様から信頼され、社会から選ばれ続ける企業であり続けるとともに、創立100周年に向けた長期ビジョンの達成を目指してまいります。

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