有価証券報告書-第98期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/30 10:56
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)中期経営計画について
VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と言われるように、当社グループを取り巻く経営環境は変化が激しく、先行きにも不透明感が急速に増しております。特に、現下の新型コロナウイルス感染拡大の影響は、業績面はもとより、中長期的観点からはビジネスモデルにおけるパラダイムシフトとなることが予測されています。また、気候変動や資源不足、人口構造の変化等に伴う社会的課題の解決に向けて積極的に取り組むなど、社会価値(ESG・SDGs)と経済価値を重視した経営が求められております。
加えて、2024年竣工予定の(仮称)新TODAビル(本社ビル)の施工など、新たな収益基盤構築のための「変革フェーズ」となります。
このような認識のもと当社グループは「中期経営計画2024」を策定し、常なる改革を行い、自ら変わり続けていくこと(Transform)によって持続的成長を実現してまいります。
①目指す方向性
・「高付加価値競争」を通じた事業活動の継続進化と企業価値の向上 -Resilient-
ア.グローバリゼーション
:世界に通用するマネジメントと人財・業務・組織体制の確立
イ.ブランディング
:ステークホルダーへの情報発信と評価による自己変革
ウ.イノベーション
:無形資産等の形成・活用による差別化価値の創造
※ 無形資産等:情報や技術・ノウハウ、人財育成、ESG・SDGs経営における取組成果等、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産
②2024年度 グループ業績目標
ア.連結売上高・営業利益等
2020年度実績2024年度目標
連結売上高5,071億円6,000億円 程度
営業利益276億円420億円 以上
営業利益率5.5%7.0% 以上
自己資本利益率(ROE)6.8%8.0% 以上
労働生産性(個別)1,528万円1,750万円 以上

※労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)
イ.事業別売上高・利益
2020年度実績2024年度目標
連結売上高5,071億円6,000億円
建築事業3,280億円3,800億円
土木事業1,363億円1,400億円
戦略投資開発・新領域150億円450億円
事業グループ会社558億円485億円
連結消去△280億円△135億円
営業利益276億円[5.5]420億円[7.0]
建築事業91億円[2.8]220億円[5.8]
土木事業141億円[10.3]130億円[9.3]
戦略投資開発・新領域31億円[21.2]40億円[8.9]
事業グループ会社22億円[4.1]30億円[6.2]
連結消去△10億円[-]-[-]

※ 新領域は、エネルギー関連事業及びその他新規事業
※ [ ]は利益率
ウ.株主還元
・自己資本配当率(DOE)及び配当性向を総合的に勘案の上、継続的・安定的な株主還元を実施する。
2020年度実績2024年度目標
自己資本配当率(DOE)2.1%2.0% 程度
配当性向31.1%30.0% 程度

※ 自己資本配当率(DOE) = 配当総額÷自己資本
エ.投資計画
投資方針2020年度実績計画期間累計
投資開発スマート化を通じた新たな収益の創出125億円1,300億円
新領域グローバルな社会的課題の解決と事業領域の拡大172億円250億円
技術・ICT高付加価値化と安全性・生産性革命の推進21億円50億円
合 計319億円1,600億円

③事業方針
ア.安全性・生産性No.1
・設計段階・計画段階においてフロントローディングによる事前検証を徹底する。
・機械化施工、新技術・ICT利活用、行動分析・可視化等に基づく施策を実行する。
・潜在意識まで届く安全教育(危険予知(KY)、脳科学、行動心理学等)を実施する。
イ.高付加価値の提供
a.建設事業(建築事業・土木事業)
・注力分野における差別化価値を獲得する。
建築事業病院・学校、高付加価値オフィス、再開発、物流施設
土木事業トンネル・シールド、再生可能エネルギー、区画開発、大型インフラ

・デジタルトランスフォーメーション(BIM/CIM、i-Construction等)による、新たなビジネスモデルを創出
する。
・海外工事拡大に向けた体制の整備を通じて、全社的な施工能力・収益力の向上を図る。
b.戦略事業
・「投資開発」「新領域」「グループ会社」への重点投資を実行し、収益基盤のグローバル化・多角化・多
様化を推進する。
・(仮称)新TODAビル(施工中、2024年竣工予定)においてスマートオフィス化を志向し、これを通じて新
たな価値提供(BaaS:Building as a Service)を実現する。
事業主な取り組み
投資開発・開発用不動産の取得、保有資産の有効活用
・ポートフォリオマネジメントによる賃貸事業の強化
・新TODAビルにおけるスマートオフィス化の推進
新領域・北米・東南アジア等における開発事業への参画
・浮体式洋上風力発電・ウィンドファームの事業化
・再生可能エネルギー事業、農業6次産業化事業への投資
・データ活用(販売・使用)による新たな収益源の確立
グループ会社・建設ライフサイクルにおけるグループ総合力の発揮
・M&A等による特殊技術の獲得

ウ.企業価値の向上に向けたESG・SDGs経営の実践
・脱炭素化・資源循環・環境保全・地域活性化に向けた課題解決型企業活動を実践する。
・TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)最終報告書における推奨開示項目に従い、複数シナリオにより気候変動に伴うリスクと機会を分析する。
・多様・多彩な人財を育成・確保するとともに、労働環境整備及び働き方改革を推進し、組織能力の強化を図る。
・リスクマネジメント(環境、自然災害、投資、コンプライアンス等)を強化し、これらの知見を活かした技術開発、製品・サービス化を推進する。
定量評価指標2020年度実績2024年度目標
環境(E)CO2排出量削減率(2019年度比)2.4%△10% 以上
社会(S)全度数率3.601.00 以下
作業所:4週8閉所実施率38.8%100%
建設キャリアアップ登録率58.2%100%
社員 :平均総実労働時間2,115時間1,900時間 以内
ガバナンス(G)社外役員構成比率47.1%50% 以上
外国人社員比率(個別)0.6%1.5% 以上
リスク評価実施率100%100%
重大な法令違反0件0件

※ CO2排出削減目標は、パリ協定の2℃目標に整合する科学の根拠に基づく削減目標(SBT)を設定し、2017年に「SBT(Science-based Targets)イニシアチブ」の認定を受けている。
※ 全度数率=全労働災害÷延労働時間(100万時間)
※ リスク評価実施率:投資委員会による投資案件(経営会議決裁案件)の定量・定性評価と出口戦略の
実施・遂行状況
(ブランド価値資産向上への取組み)
当社グループでは、社会的に有用かつ当社グループのブランド力強化に不可欠となる資産をブランド価値資産と定義し、更に無形資産とESG価値に分類した上で、それらの構築に向けた投資を行いました。2020年度のブランド価値資産に対する投資額は、ソフトウェアやデータベース等の情報化資産や、気候変動や生物多様性等の環境分野を中心に、合わせて8,353百万円となりました。今後も積極的な取り組みを通じて、ブランド価値資産の構築に努めてまいります。
分類投資額対象
ブランド
価値資産
(83.5億円)
無形資産
(58.5億円)
情報化資産22.7億円ソフトウェア開発、データベースの構築等に関する投資を行いました。
革新的資産15.3億円特許、新技術の開発等に関する投資を行いました。
経済的競争力20.4億円人財育成や広告宣伝、新規事業等に関する投資を行いました。
ESG価値
(24.9億円)
E(環境)21.1億円気候変動対策、生物多様性の保全等に関する投資を行いました。
S(社会)3.4億円健康管理や地域社会への貢献等に関する投資を行いました。
G(統治)0.4億円リスクマネジメント、コーポレート・ガバナンスの運用等に関する投資を行いました。

※ 投資額は各項目における一般管理費と投資(資産計上額)の合計値
(人財育成と人財開発)
当社グループは「人財の価値創造」に向けて、重要な業務の担い手になり得る経営人財を継続的に輩出するべく、自己発働型人財の育成に注力しております。自己発働型人財表彰や自己発働フォーラムによりモチベーションを高め、さらにはポテンシャル人財を選出してキャリアコーチによる伴走型コーチングを実施して、次世代経営人財の育成に取り組んでおります。
また、ESG関連施策の企業価値向上効果を明らかにするために、ESG関連の各種KPIとPBRとの関係を分析し、企業価値向上に資する人財開発の目標設定に活かします。
※自己発働型人財:自社の目指す姿を理解し、達成意欲を持って主体的に行動できる人財
(ダイバーシティ&インクルージョン)
当社グループは、グローバルで持続的成長を図るための経営戦略の一つとして、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。
2014年にダイバーシティ推進室を発足後、「女性活躍」を中心に、「キャリア形成」「管理職の意識・行動」「就業環境」のカテゴリーに分け、取り組みを強化してまいりました。
「就業環境」においては、2018年度より全社でフレックスタイム制を一斉に導入しております。また、本社ビルの建替えに合わせ、本社機能を分散、サテライト化し、ノウハウを全社に展開しております。環境から働き方を変えることで、多様な人財の能力が発揮できる仕組みをつくっております。
・男性育児休業取得率100%(2020年度)
・PRIDE指標2020ブロンズ(LGBTQに関する取組指標)
・えるぼし認定2(女性活躍推進法)
(グローバリゼーション活動)
当社グループは、多角的に事業展開し、国内・海外の区別なく仕事ができる「グローバル企業」を目指しております。グローバルな事業展開を更に進めるため、従来の取組み方にとらわれず、業務の対象・内容・やり方の見直しを進めております。語学力・コミュニケーション力に優れ、文化的・歴史的背景による価値観や特性の違いを乗り越えて、先見性を持って複数の国にまたがるビジネスを推進できる「グローバル人財」を育成・採用しております。
「主な活動」
・海外職員の日本研修制度
・英語の第二公用語化及び社内文書の英語化に向けた活動
・日本人社員への英語研修、語学研修生制度
(健康経営の推進)
当社グループの最大の財産は「人」であります。社員が心身ともに健康でなければ、新しい価値の創出や会社の持続的成長はありません。
当社グループは、「健康経営の推進」を重要施策として掲げ、経営トップによる「健康経営宣言」を制定しております。また、健康課題達成に向けた重要指標(KPI)として「総実労働時間の削減」「有所見者割合の改善」「喫煙者比率の改善」などを設定し、健康経営推進ワーキングを中心に各種取組みを実施しております。 この活動に対し、日本健康会議より、地域の健康課題に即した取組みや日本健康会議が進める健康増進の取組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している企業として、2019年2月より「健康経営優良法人ホワイト500」に3年連続で認定されております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢については、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。建設業界においては、インフラ整備を中心とした公共事業投資が期待されるものの、民間設備投資については先行きの不透明感による縮小が想定されます。また、雇用環境の変化による労務逼迫に加え、サプライチェーンの機能低下に伴う資材供給停滞、感染防止対策の実施等により、進捗度及び収益性への影響が懸念されます。
当社グループをとりまく環境として、今後、建設投資の大きな増加は見込めない中、気候変動、資源不足、人口構造の変化など経営環境の変化は激しさを増しています。そのような状況において技術力をもって建設業を極めること、また、新たな領域に挑戦し中長期的な事業基盤を構築することが持続的成長には不可欠であるという認識のもと、上記の「中期経営計画2024」を推進し、企業戦力と価値の向上、事業活動の活性化を図ってまいります。

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