四半期報告書-第135期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)

【提出】
2014/08/08 15:15
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【項目】
32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動がみられたものの、企業収益が改善するなか設備投資は増加傾向をたどるなど、国内景気は緩やかな回復基調を続けました。
当社およびグループ各社は、平成26年4月から開始した中期経営計画に基づき、総力を挙げて採算性重視の受注活動ならびにコストダウンに取り組んでまいりました結果、当第1四半期連結累計期間の業績は次のとおりとなりました。
受注高は、59,569百万円(前年同四半期比+10.7%)となり、売上高は44,160百万円(前年同四半期比+8.7%)となりました。
営業損失は867百万円(前年同四半期は営業損失2,311百万円)、経常損失は418百万円(前年同四半期は経常損失1,854百万円)、四半期純損失は763百万円(前年同四半期は四半期純損失1,190百万円)となりました。
なお、当社グループの主力事業であります設備工事事業(空調設備工事)は、通常の営業形態として工事の完成引渡しが第4四半期連結会計期間に集中する一方、販売費及び一般管理費などの固定費はほぼ恒常的に発生するため、利益は第4四半期連結会計期間に偏るなど業績に季節的変動があります。このため、第1四半期連結累計期間から第3四半期連結累計期間までは営業損失、経常損失および四半期純損失となる傾向にあります。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(設備工事事業)
売上高は42,687百万円(前年同四半期比+8.6%)、セグメント損失(営業損失)は789百万円(前年同四半期はセグメント損失2,259百万円)となりました。
(設備機器の製造・販売事業)
売上高は1,650百万円(前年同四半期比+3.5%)、セグメント損失(営業損失)は87百万円(前年同四半期はセグメント損失62百万円)となりました。
(その他)
売上高は71百万円(前年同四半期比△1.8%)、セグメント利益(営業利益)は34百万円(前年同四半期比+25.2%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末に比べて1,327百万円減少し、42,971百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、371百万円の支出(前年同四半期は2,075百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の減少や法人税等の支払額などの支出が、売上債権の減少や未成工事受入金の増加などの収入を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、466百万円の支出(前年同四半期比△436百万円)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、388百万円の支出(前年同四半期比△293百万円)となりました。これは主に配当金の支払いによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 当面の対処すべき課題の内容等
前事業年度に係る有価証券報告書提出日以降、当第1四半期連結累計期間において、重要な変更または新たに発生した事項等はありません。
空調業界におきましては、公共投資、民間設備投資ともに改善傾向で推移することが予想されるものの、競争激化等により、厳しい経営環境が続くものと思われます。
このような情勢のもと、当社は、平成26年2月、10年後の創立100周年に向けた長期経営構想「GReeN PR!DE 100」を策定し、「顧客の期待に応え、信頼・信用され続ける企業グループ」、「グローバル市場で存在感を認められる環境企業」、「地球環境に貢献する環境ソリューションプロフェッショナル」を当社グループの目指す姿といたしました。また、その実現に向けた変革の基礎づくりとして、平成26年4月から、新たな3か年中期経営計画「iNnovate on 2016」を開始いたしました。中期経営計画においては、「現場力の強化」「人財育成至上主義」「安定的な収益確保」を重点取組課題としております。「現場力の強化」では、計画性の高い現場づくりや現場への優先的資源配分を行うとともに、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)を強化し、顧客の潜在ニーズに働きかけるセールスエンジニアリングを展開しております。「人財育成至上主義」では、当社グループを支える人財の育成に取り組んでおります。「安定的な収益確保」では、戦略的な人員シフトと採算性を重視した受注活動を徹底しております。加えて、当社グループのバリューチェーンの構築を通じて、重複事業の集約や事業シナジー強化に向けた再編・統合、新規事業の展開を推進するとともに、グローバル展開につきましては新規拠点の開設や収益源の多様化、ナショナルスタッフの幹部登用を含む積極活用を行っております。
また、上記の取組みのひとつとして、すでに公表しております平成26年10月1日を効力発生日とする株式会社丸誠の完全子会社化、および同社と高砂エンジニアリングサービス株式会社との合併が、当社グループの企業価値・株主共同の利益に資するよう取り組んでおります。
なお、当社は、平成25年9月、北陸新幹線の設備工事の入札に関して、独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会の立入検査を受け、当社および当社関係者が、平成26年3月、同法違反の容疑により、東京地方検察庁から起訴され、現在、係属中であります。
株主の皆様、お取引先をはじめ関係各位に多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを心からお詫び申しあげます。
当社は、このたびの事態を厳粛かつ真摯に受け止め、原因の究明など再発防止に必要な社内調査の実施と具体的な再発防止策の策定を進めるとともに、本件に関する事実の確認および原因の究明ならびに再発防止策の妥当性に関する客観的な評価および提言を得ることを目的に、当社から独立した社外の有識者・専門家から構成される「社外調査委員会」を設置しております。役職員一同、法令遵守の一層の徹底に取り組み、早期の信頼回復に最善を尽くしてまいります。
② 株式会社の支配に関する基本方針
前事業年度に係る有価証券報告書提出日以降、当第1四半期連結累計期間において、重要な変更または新たに発生した事項等はありません。
(イ) 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、創業以来、「最高の品質創り、特色ある技術開発、人材育成」という経営理念に基づき、一般空調、工場空調、地域冷暖房施設、原子力関連の空調設備、除湿設備など 「熱と空気に関するエンジニアリング」を中心とした建築設備工事業を営んでおり、これらについて、独自の技術によって安全かつ高品質なサービスを提供し続けることにより、企業価値・株主共同の利益の確保・向上に努めてまいりました。
そして、当社の企業価値の源泉は、(Ⅰ)高い技術力・開発力を持つ個々の社員と個々の社員の能力に基づく最先端かつ独創的な技術力・開発力、(Ⅱ)空調・熱源設備の施工業者として蓄積してきたノウハウや実績、(Ⅲ)長年にわたり培ってきた事業会社などの顧客や高い施工能力を有する協力会社との信頼関係、および(Ⅳ)顧客重視・現場重視の企業文化および健全な財務体質を継続的に維持することによる優良な顧客の開拓・維持などにあります。
当社は、株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株式の大量買付の中には、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。そして、当社株式の大量買付を行う者が上記の当社の企業価値の源泉を理解し、中長期的に確保し、向上させられる者でない場合には、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(ロ) 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社取締役会は、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを実現するために、平成23年4月に中期経営計画として、建築設備の企画から新築、アフターサービスを経てリニューアルまでのライフサイクルにわたり、ハードだけでなく各種サービスを提供するワンストップサービスと、空調だけでなく衛生、電気等の周辺設備工事も併せて提供するワンストップサービス、この「二つのワンストップサービス」を通じて差異化を図り、顧客設備の省エネルギー・CO2削減に貢献する環境ソリューション事業を展開することを基本方針として定め、諸施策を実施してまいりました。また、平成26年2月には、長期経営構想を策定し、その第1ステップと位置付けた平成26年4月からの新たな中期経営計画におきましても、引き続き、「顧客最優先」「現場第一主義」の考えに基づき、採算性重視の受注活動を推進するとともに重点分野への経営資源集中により、収益の拡大と持続的な成長を実現するべく事業構造改革を進めております。
平成27年3月期においては、省エネルギー・環境対策に注力した技術開発を行っております。当第1四半期連結累計期間においては、平成26年3月期に開発を完了した、配管設備の試運転前の洗浄作業に際し、排水せず、廃棄物の大幅な削減が可能な「排水レス配管フラッシングシステム」を用いたサービスを、平成26年4月から株式会社丸誠が展開しております。
コーポレート・ガバナンスにつきましては、取締役の人数適正化・任期短縮を行うとともに、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確にし、迅速かつ機動的な経営を行うため、執行役員制度を導入しております。当社は、業務執行部門である取締役および執行役員が機動的な業務執行を行うこと、また、監査役、会計監査人および内部監査室が相互に連携をとり、実効性のある監査を行うことにより経営の透明性を高めております。平成25年6月27日開催の第133回定時株主総会において、取締役会の監督機能を強化すべく、社外取締役1名を選任いたしました。
なお、平成26年6月27日開催の第134回定時株主総会において、上記の社外取締役1名を再任するとともに、新たに社外取締役1名を選任し、社外取締役を2名としております。また、同定時株主総会において、監査機能を強化すべく、社外監査役1名を増員し、社外監査役を3名としております。
(ハ) 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記②に記載した企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針の実現に資するものです。従って、これらの施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は173百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 受注の実績
当第1四半期連結累計期間における受注の状況は次のとおりであります。
セグメントの名称前第1四半期連結累計期間
(自 平成25年4月1日
至 平成25年6月30日)
(百万円)
当第1四半期連結累計期間
(自 平成26年4月1日
至 平成26年6月30日)
(百万円)
前年同四半期比
(%)
設備工事事業52,29657,57110.1
設備機器の製造・販売事業1,4391,92934.0
その他6968△2.6
合 計53,80659,56910.7
(うち海外)(14,204)(3,746)(△73.6)