有価証券報告書-第87期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 17:06
【資料】
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【項目】
108項目

研究開発活動

当社は、長年培ってきた空気・水・熱に関する技術をベースに、一般空調から様々な産業空調に渡る最適環境を目指して研究開発を行っています。また、固有の技術をベースに、先端産業分野向けの超精密温湿度調整装置の開発も行っています。
当連結会計期間における研究開発費は、178百万円です。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
当連結会計期間における主な成果は、下記の通りです。
(設備工事事業)
技術研究所では、一般空調と産業空調を対象として、各種の建築や環境設備に対応した要素技術の研究開発やシステム開発、性能評価検証等の幅広い技術の創造を積極的に推進しております。
(1) ZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)のための自然エネルギー利用空調システムの開発
業務用ビルのZEB化に向けて、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発事業で開発した「液冷空調システム」の性能をさらに向上させるために、デシカント空調機に適用する自然エネルギー技術の研究を実施しました。
(2) 機能性野菜栽培及び苗生産が可能な完全人工光型栽培装置の開発
農林水産省の「農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業」を利用して、機能性野菜や苗生産のための完全人工光型栽培装置を開発するコンソーシアムに参加しました。当社は、空調を中心とした環境制御やICTの活用技術等の開発を担当しています。
(3) アイソレータ用自動リーク検査装置「SR-i」の開発
医薬品製造ラインにおいて、無菌操作や封じ込めのために使われるアイソレータに常設する自動リーク検査装置SR-iの改良開発を行いました。SR-iはアイソレータの給気用HEPAフィルタからのリークの有無を、自動で高精度に検査することができます。
(4) 生ごみ臭制御システムの開発
省エネルギーと臭気対策を同時に図ることが可能な生ごみ臭最適制御システムの開発を実施しました。大型商業施設の生ごみ置き場に試験導入して、フィールドデータを取得しました。
(5) 産業空調におけるオイルミスト対策技術の改良開発
機械加工工場で発生するオイルミストを対策するために、天吊り型、工作機械直結型、ダクト接続型の3タイプのオイルミストコレクタを開発しています。機械加工工場の広範囲なニーズに対応するために、採用される工場に応じた改良開発を継続して行いました。
(6) 有用物質生産のための完全制御型植物工場の開発
既に開発済みの有用物質生産のための閉鎖型植物生産システムを応用して、感染症ワクチン米に関する産学共同研究や高付加価値物質を生産する植物の栽培方法の研究を継続して実施しました。
(機器製造販売事業)
半導体や液晶ディスプレイなどの先端産業分野向けの超精密制御機器や装置の大型化と高精度化に対応するための製品開発を、技術研究所での基礎研究をもとに行いました。