有価証券報告書-第86期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 13:27
【資料】
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【項目】
166項目

有報資料

文中の将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは価値とあり方を言語化したパーパス「人と知と技術で、可能性に満ちた“余白”を、ともに。」と大切にすべき価値観・行動指針を定めたバリューズで構成する経営理念を制定しております。
当社グループはこの経営理念のもと、お客さまやその先の社会に向け当社グループらしい「事業的価値」「社会的価値」を提供することで、更なる成長と豊かな世界の実現を目指してまいります。
2023年に発表した長期ビジョンでは、2033年3月期の創業100周年に向け、当社グループのありたい姿を「Growth Navigator(成長をナビゲートし、ともに創りあげる集団)」と定めました。そして、「Value Creation」~新たな価値を創造する~、「Expand Customer Reach」~多様なお客さまとの繋がりを生み出す~、「Lead the Growth」~成長を先導し続ける」の3つの活動軸で取り組みを進め、お客様の「そばにいる存在」から、「成長を先導するパートナー」へのポジションシフトと提供価値の向上に努めております。

(2) 経営環境、経営戦略と対処すべき課題について
① 経営環境
当社グループはこれまで、国内の幅広い業種のお客さまに対し、SI・NIの両領域において、真の顧客理解に基づいた最適なソリューションを提供することで成長してまいりました。
我が国においては、労働人口の減少に伴う人手不足の進行や、サイバーセキュリティリスクの高まり、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展を背景に、企業のIT投資需要は中長期的に拡大傾向にあります。特に大企業においては、業務効率化・競争力強化に向けたIT投資の高度化が進展する一方、中堅・中小企業においては人材・資金制約等を背景にIT投資の進展に差が見られる状況にあります。
また、生成AIの普及や内製化志向の高まりを背景に、単純な開発・構築の価値は相対的に低下する一方、全体設計、実装・運用まで含めた総合的なサービスへのニーズが高まるなど、情報通信産業の構造変化も進行しております。
このような環境下において、当社グループにおいては、ソフトウエア開発からネットワーク構築・運用までを一貫して提供できる体制及び顧客理解・業界知見に基づくエンジニアリングサービス提供力を強みとして、高付加価値領域における提供機会の拡大が見込まれます。
この機会を的確に捉え、成長を加速させるべく、人的資本への積極的な投資とパートナー戦略の進化によりエンジニアリングリソースの拡大に取り組み、エンジニアリングサービスを中心とした売上高の拡大とそれに伴う利益成長を図ってまいります。
② 中期経営計画「Trust & Challenge 2029」
中期経営計画「Trust & Challenge 2029」(対象期間:2027年3月期~2029年3月期)は長期ビジョン達成に向けた2ndステージとなります。
1stステージとして位置づけた「Transformation 2026」(対象期間:2024年3月期-2026年3月期)では、成長領域へのリソースシフトやプライシングマネジメントへの取り組みが奏功し収益性を大きく改善させることができました。一方で、成長投資に対しては十分な取り組みができませんでした。
「Trust & Challenge 2029」では、お客様・パートナー様に選ばれてきた信頼の輪をさらに広げながら、「プロフェッショナルサービスカンパニーへの変革」、「成長と還元の好循環による企業価値向上」、「価値創出を加速する人材ポートフォリオへの転換」の3つを軸に、企業価値向上への挑戦を加速させることで売上高の拡大に伴う利益成長フェーズへと歩みを進めてまいります。

ⅰ)プロフェッショナルサービスカンパニーへの変革
AI技術の高度化と社会への浸透により、業界や当社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。こうした環境は、SI・NI両領域における高い技術力と顧客理解並びに業界知見を有し総合的なサービスを提供してきた当社グループにとって成長の機会であり、プロフェッショナルサービスを提供する企業へと変革していく好機であると捉えております。
当社グループは、AIを前提とした価値創出モデルへの転換(AI Nativeへの移行)を推し進め、業務プロセス・ビジネスモデル・組織文化など全ての領域において変革を図るとともに、新たなニーズの獲得及びソリューションの付加価値向上を通じて、お客さまへの提供価値の創出及びその高度化につなげてまいります。
また、プロダクト偏重からエンジニアリングサービスを軸としたサービス中心の収益モデルへの進化を推し進め、プロダクトとテクノロジーを最適に組み上げることでエンジニアリングによる価値創出力を高めてまいります。この取り組みを促進するために、当社が優位性を持ち、エンジニアリングサービスを起点に価値提供の高度化・拡張と収益拡大が可能な成長中核領域を「エンジニアリング・コア4領域」と位置づけ、当該領域を中心にリソースを拡大することで、売上拡大と収益性の向上を図ってまいります。
エンジニアリングの強化においてはパートナー様との連携が不可欠であるため、当社グループは価値創造を拡張すべくエコシステムをさらに強化し、オファリングサービスの進化や新たな領域の開拓に取り組んでまいります。
強化したエンジニアリングサービスを軸に、主力顧客におけるホワイトスペースの深耕と、中堅・中小企業向け市場におけるオファリング型ビジネスの展開を通じて売上高の拡大を図ってまいります。
ⅱ)成長と還元の好循環による企業価値向上
既存事業への成長投資による収益力向上、戦略投資によるインオーガニック成長、株主還元の強化を通じて企業価値の向上とTSR(株主総利回り)の拡大を実現してまいります。
成長投資では、70億円規模の投資を計画しております。エンジニアリングサービスの強化に向けた戦略的な投資配分のもと、キャリアを軸とした採用強化をはじめとする人的資本への投資に注力するとともに、テクノロジー、社内IT/AIへの取り組みを通じて、業務変化に合わせた社内システムの高度化などを図ってまいります。
戦略投資では、400億円規模の投資の実行を目指します。成長フェーズや目的に応じて、M&Aや資本業務提携、ベンチャーキャピタルの活用など多層的な投資手法を活用し、成長機会を積極的に取り込んでまいります。M&Aの実行に際しては、資本効率の向上を意識し、キャッシュの活用と借入による調達を組み合わせることで資本構成の最適化を図ってまいります。
株主還元の強化については、2027年3月期より配当方針を変更し、連結配当性向60%を目安としております。詳細については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
ROEについては、14.5%以上を目標に掲げております。前中期経営計画「Transformation 2026」(対象期間:2024年3月期~2026年3月期)では、事業売却や子会社再編、持ち合い株式の解消、非営業資産の売却などバランスシートの最適化に取り組んだこともROEを押し上げる要因となりました。そのため、特別利益・特別損失等を除いた「実質ROE」を比較の対象の一つとして用いることで、実質的な収益性のさらなる改善を推し進めてまいります。なお、2026年3月期の実質ROEは12.3%となりました。
ⅲ)価値創出を加速する人材ポートフォリオへの転換
エンジニアリングサービスを軸としたサービス中心の収益モデルへの進化に向けて、専門性と創造性を備えた人材を中心とした人材ポートフォリオへと転換を図ってまいります。その実現のため、採用、配置や異動、育成、制度、風土の各方面で取り組みを進化させ、人材力・組織力の両面を大きく引き上げてまいります。採用については、新卒・キャリア双方で拡大し、エンジニアリングサービスの拡大に必要な専門性を有する人材の確保を図ってまいります。

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