有価証券報告書-第77期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 15:00
【資料】
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【項目】
126項目

対処すべき課題

(1) 会社の経営の基本方針
当社は「開拓無涯」「忍は修養の基也」「和以為貴」を社訓として創業以来80年を超えて事業を継続しており、現在は、「お客さまにとって最も信頼されるプライムパートナー」を目指して、情報通信システム及び電子デバイスを通じてお客さまの業務や事業を支え、もって社会に貢献すべく経営に努めております。社会は、情報通信技術の進歩とデジタル化の進展により大きく変貌し、当社を取り巻く情報通信産業のみならず、お客さまを取り巻く様々な業界においても大きな変化や革新が余儀なくされていると認識しております。このような状況の中、当社は従業員ならびに取引先とともに上記の方針に専念していくことが、当社の中長期的な価値向上につながり、ひいては株主の皆様の期待にお応えするものと考えております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題について
近年、国内においては、少子高齢化による労働力人口の減少が加速し、大きな社会課題になっております。このような状況のもと、各企業とも労働力確保や生産性向上を目的とした働き方改革、健康経営への取り組みが活発化しております。
このような環境において、当社グループは長年培ってきた技術力と多くのお客さまとの関係性を基にIoT、ビッグデータ、AI、Robotics等の次世代ICT技術にチャレンジし、社会課題の解決に資する事業領域に対して中長期的に取り組んでまいります。
①コアビジネスの収益性向上
ⅰ)サービスビジネス
クラウド、セキュリティ、運用等の「サービス提供型」ビジネスを収益の柱にするため、人材育成、商品開発、研究開発に経営リソースを集中し、規模の成長から収益力の強化への事業構造の転換を図ってまいります。
ⅱ)電子デバイス事業
半導体メーカは再編、統廃合を進め、お客さまは生産拠点のグローバル化を推し進めております。このような環境において、培ってきた技術力による差別化や競争力の高いグローバル商品の提供によって安定的に成長する収益基盤を確保してまいります。
ⅲ)不採算案件の発生防止
過去のプロジェクトのリスク評価分析による受注時の案件審査の厳格化、プロジェクトマネジメント教育の強化及びアシュアランス部門によるプロジェクト上流工程の品質向上をとおして、不採算案件の発生防止を徹底してまいります。
② 成長新分野新領域への挑戦
ⅰ)成長分野へのビジネス拡大
医療、福祉、介護の成長分野へのビジネス拡大を図るため、資本業務提携の推進や産官学のオープンイノベーション等の手法を活用し、少子高齢化などの社会課題解決に貢献してまいります。
ⅱ)IoTビジネス
情報ネットワークソリューションサービス事業と電子デバイス事業において長年培ってきたクラウド基盤、無線ネットワーク構築、センサーネットワーク技術を融合し、自動車、電機、FA向けIoTビジネスをさらに強化してまいります。
ⅲ)AI、Robotics技術
AI、Robotics等の次世代ICT技術を活用した新たなビジネスモデルを創造するため、ビッグデータ分析などAIのベースとなる技術の習得や、データサイエンティスト※の育成に対して投資を行ってまいります。
※ データサイエンティスト
オープンデータやお客さまの業務データを活用した業務改善提案や新規ビジネスを提案できる人材
③ 健康経営の実践
ⅰ)健康増進施策
従業員と家族の健康保持、増進の取り組みが将来的に収益性などを高める投資であるとの考えのもと、健康管理を経営的視点から捉え、健康経営を戦略的に実践してまいります。
ⅱ)働き方改革
多様な働き方を通じて、働きがい、やりがいを高めるため、「働き方改革」を推進してまいります。従業員の生産性、創造力の向上を目指し、労働環境と諸制度を改善してまいります。
当社グループは、これらの課題に鋭意取り組むほか、資本業務提携等も視野に入れ、さらに企業価値と株主共同の利益の向上のための施策を実施し、収益構造の転換を図ることで、平成32年3月期までに売上高1,060億円、営業利益28億円、ROE8%以上を目指します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。