有価証券報告書-第92期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/24 13:41
【資料】
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【項目】
155項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、活き活きとしたコミュニケーションが行われる豊かな社会の実現と企業価値の持続的な向上のためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。そのために、当社は経営環境の変化に対応して迅速な意思決定を行うことができる経営体制を整備するとともに、迅速かつ適切な開示を行うことで経営の透明性および健全性の確保に努めております。
当社は、重要な業務執行の意思決定における社外取締役の助言および独立した立場の監査役による客観的な監査が当社の健全な経営に有効であることから、監査役会設置会社形態を採用しており、その概要は図<当社のコーポレート・ガバナンス体制>のとおりであります。
<当社のコーポレート・ガバナンス体制>0104010_001.png
① 会社機関の内容
a. 取締役会
会社内の最高意思決定機関として取締役会付議基準に基づき重要な意思決定を行うほか、中期経営計画等の企
業戦略の大きな方向性について議論を深める機関として、取締役会を設置しております。
取締役会は、取締役9名(男性6名、女性3名)、内3名は社外取締役で構成されており、取締役の氏名(社外取
締役に該当する者はその旨の記載を含む)は「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
本書の提出日現在における取締役会の議長は、代表取締役執行役員会長である牛島祐之氏であります。
取締役会では取締役の員数の適正化を図り、また、執行役員制度を導入し執行役員に大幅な権限委譲を行うことで迅速な意思決定を行っております。また、取締役の任期を1年とすることで取締役の経営責任を明確にし、経営体質の強化を図っております。
(取締役会の活動状況)
取締役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催しており、当事業年度においては、12回開催しました。
当事業年度における個々の取締役の取締役会およびその諮問委員会への出席状況については、以下のとおりであります。
氏 名委員会の兼務状況当事業年度
取締役会
出席状況(出席率)
当事業年度
指名・報酬委員会
出席状況(出席率)
当事業年度
特別委員会
出席状況(出席率)
指名・報酬委員会特別
委員会
牛島 祐之12/12回(100%)5/5回(100%)-
関澤 裕之12/12回(100%)--
菊池 惣10/10回(100%)--
大野 道生10/10回(100%)--
川久保 透12/12回(100%)--
菅原 弘人10/10回(100%)--
芦澤 美智子12/12回(100%)5/5回(100%)3/3回(100%)
吉田 守12/12回(100%)5/5回(100%)3/3回(100%)
森本 美紀子9/10回(90%)4/4回(100%)2/2回(100%)

(注)1 「◎」は指名・報酬委員会または特別委員会の委員長、「○」は指名・報酬委員会または特別委
員会の委員を示しております。
2 関澤裕之および川久保透の各氏は2024年6月24日開催の第92期定時株主総会終結の時をもって退任
しました。
3 菊池惣、大野道生および菅原弘人の各氏は2023年6月23日の取締役就任後に開催された取締役会へ
の出席状況を、また、森本美紀子氏は2023年6月23日の取締役就任後に開催された取締役会、指
名・報酬委員会および特別委員会への出席状況を記載しております。
また、当事業年度における取締役会の具体的な検討内容は以下のとおりであります。
主な議題
・全社投資状況報告の件(報告事項)
・事業ポートフォリオ分析について(報告事項)
・業務執行状況報告の件(中期経営計画の進捗報告を含む)(報告事項)
・サステナビリティ推進に関する取り組み状況について(報告事項)
・カーボンニュートラルへの取り組みの件(報告事項)
・TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示案について(報告事項)
・取締役会の実効性評価の件(討議事項)
・内部統制システムの運用状況報告の件(報告事項)
・親会社との取引等の状況について(報告事項)
・政策保有株式状況報告の件(報告事項)
・「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」提出の件(報告事項)
・指名・報酬委員会の実施報告の件(報告事項)

なお、当社は取締役会の諮問機関として以下の2つの委員会を設置しております。
(イ)指名・報酬委員会
取締役等の指名・報酬等に関し、透明性、妥当性および客観性の確保の観点から審議・検討を行う機関
として、指名・報酬委員会を設置しております。指名・報酬委員会は、取締役5名で構成されており、そ
の過半数を独立社外取締役としております。指名・報酬委員会の委員は、独立社外取締役である芦澤美智
子、吉田守および森本美紀子ならびに代表取締役執行役員会長である牛島祐之および代表取締役執行役員
社長である大野道生の各氏が選任されており、委員長は芦澤美智子氏であります。
(指名・報酬委員会の活動状況)
指名・報酬委員会の審議事項は以下のとおりであり、当事業年度においては5回開催しました。
ⅰ.取締役および代表取締役の人事に関する事項
ⅱ.取締役および代表取締役の報酬および賞与に関する事項
ⅲ.監査役の人事に関する事項
ⅳ.取締役等の後継者計画に関する事項
ⅴ.その他人事・報酬に関する重要事項
(ロ)特別委員会
支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為について審議・検討を行う機関として、特別
委員会を設置し、支配株主からの独立性の確保および株主共同利益の保護に努めております。特別委員会
は、独立社外取締役である芦澤美智子、吉田守および森本美紀子の各氏で構成されており、委員長は吉田
守氏であります。
(特別委員会の活動状況)
特別委員会の審議事項は以下のとおりであり、当事業年度においては3回開催しました。
ⅰ.日本電気株式会社との主要な取引状況
ⅱ.日本電気株式会社およびその子会社との間におけるM&A(事業譲渡・譲受、分割、合併等)に係
る契約の締結
ⅲ.その他日本電気株式会社および当社の少数株主との利益が相反するおそれのある重要事項
b. 常務会
会社経営と業務執行の重要事項の審議を行う機関として、常務会を設置しており、特に重要な案件について
は常務会で予め十分な審議を行ったうえで取締役会に付議することにより、審議の充実と適正な意思決定の確
保を図っております。
常務会は、執行役員常務以上の役付執行役員および常勤監査役等12名で構成されており、執行役員社長が主
宰しております。
c. 事業執行会議
取締役会で定めた予算の進捗等の事業遂行状況に関する報告等を行う機関として、事業執行会議を設置して
おり、経営情報の共有と業務執行の効率化を図っております。
事業執行会議は、執行役員常務以上の役付執行役員、関連執行役員および常勤監査役等45名で構成されてお
り、執行役員社長が統轄しております。
d. 経営品質向上委員会
不正行為の根本的な原因究明および再発防止・予防策の検討、リスク管理に関する活動方針、重点対策リス
クの選定・対応方針の審議を行う機関として、経営品質向上委員会を設置しており、経営品質向上委員会にお
いて審議した事項のうち、重要なものについては、常務会や取締役会に報告しております。
経営品質向上委員会は、執行役員常務以上の役付執行役員9名で構成されており、委員長は執行役員社長で
あります。
e. 監査役会
監査役会は、監査役4名、内2名は社外監査役で構成されており、監査役の氏名(社外監査役に該当する者はその旨の記載を含む)は、「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
監査役会においては、監査の方針等を決定し、各監査役の監査の状況等の報告を行うとともに、監査役は取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類の閲覧、取締役、執行役員および使用人からの業務執行に関する報告の聴取等を行っており、取締役の職務執行を十分に監査できる体制となっております。
② 責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役を除く。)および監査役との間で、会社法第423条第1項に規定する損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、120万円と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額となります。
③ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社の親会社である日本電気株式会社は会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の被保険者は、同社および当社を含む子会社の取締役、監査役、執行役員等であり、当社における被保険者の保険料は当社が全額負担しております。当該保険契約は、被保険者が、その業務執行に関連して損害賠償請求を受けた場合において法律上負担すべき損害賠償金および防御費用の支払いを塡補するものであります。
④ 取締役の員数および選任決議要件
当社の取締役は10名以内とする旨を定款で定めております。また、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および選任決議は累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑤ 剰余金の配当等の決定機関
機動的な資本政策および配当政策を図るため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会決議により定める旨を定款に定めております。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、株主総会の円滑な運営を目的として、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
⑦ 内部統制システムの整備状況
当社は、会社法第362条第4項第6号に定める内部統制システムの整備に関する基本方針を以下のとおり定めております。
当社は、本基本方針に基づく内部統制システムの整備状況を絶えず評価し、必要な改善措置を講じるほか、本基本方針についても、経営環境の変化等に対応して不断の見直しを行い、本基本方針および法令、社内規程に従い業務を遂行することにより、業務の適正を確保しております。
a.取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(イ)取締役および執行役員は、当社および当社の子会社(以下「子会社」という。)における企業倫理の確立ならびに法令、定款および社内規程の遵守の確保を目的として制定した「NECネッツエスアイグループ行動規範」(以下「行動規範」という。)を率先垂範するとともに、その遵守の重要性につき教育等を行うことにより、周知徹底を図る。
(ロ)法務コンプライアンス部は、行動規範の周知徹底のための活動を行い、経営監査部は、当社および子会社における法令、定款および社内規程の遵守状況等の監査を実施する。
(ハ)法務コンプライアンス部は、法令違反および行動規範の違反またはそのおそれに関する相談窓口である「内部通報相談窓口(企業倫理ホットライン)」の利用を促進し、当該事実の早期発見に努める。
(ニ)取締役は、法令違反および社内規程に関する重大な違反等の事実を発見した場合には、直ちに監査役に報告するとともに、遅滞なく取締役会において報告し、是正措置をとる。
(ホ)経営品質向上委員会は、NECネッツエスアイグループにおける不正行為の原因究明ならびに再発防止の具体的施策の策定および実施活動を推進する。
(ヘ)市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは決して関わりを持たず、また、不当な要求に対しては毅然とした対応をとる。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
取締役および使用人は、職務の遂行に係る各種文書等の作成、保存および管理については、法令および「文書整理規程」等の社内規程に従い、適切に行う。また、情報の保存および管理については、「情報セキュリティ基本規程」、「企業秘密管理規程」、「個人情報保護管理規程」等の社内規程に基づき、適切に行う。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(イ)損失の危険(以下「リスク」という。)の管理については、「リスク管理基本規程」に基づき、効果的かつ総合的に管理するとともに、内容に応じて弁護士、公認会計士等の外部の専門家の助言を受け、適切に管理する。
(ロ)経営品質向上委員会は、リスク管理に関する重要な事項を審議するとともに、当社および子会社にまたがるリスク管理の具体的施策の実施活動を推進する。
(ハ)経営上の重大なリスクへの対応方針その他リスク管理の観点から重要な事項については、常務会において十分な審議を行うほか、特に重要なものについては取締役会において付議する。
(ニ)当社および子会社のリスク管理体制およびリスク管理の実施状況については、経営監査部が監査を行う。
d.取締役の職務執行の効率性の確保に関する体制
(イ)取締役会は、月に1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、機動的な意思決定を行う。
(ロ)取締役および執行役員の職務執行状況については、適宜、取締役会に対して報告を行う。
(ハ)取締役会は、執行役員に大幅な権限委譲を行うことにより、事業運営に関する迅速な意思決定を行う。執行役員は、取締役会で定める業務担当事項に基づき、機動的かつ効率的な職務執行を行う。
(ニ)執行役員常務以上および監査役を中心メンバーとした会社経営と業務執行の重要事項を審議する「常務会」、業務遂行状況のフォローと重要事項の報告を行う「事業執行会議」により、経営機能の強化に努める。
(ホ)執行役員その他の使用人の職務権限の行使については、「職務権限規程」等の社内規程に基づき適正かつ効率的に行う。
e.企業集団における業務の適正を確保するための体制
(イ)当社は、必要に応じて親会社である日本電気株式会社(以下「NEC」という。)と企業倫理の確立、法令、定款および社内規程の遵守体制、その他業務の適正を確保するための体制の整備等について連携を行う。
(ロ)ⅰ.当社は、行動規範に基づく企業倫理の確立、法令、定款および社内規程の遵守体制、その他業務の適正を確保するための体制に関する指導および支援を子会社に対して行う。
ⅱ.当社は、子会社管理部門を設置し各スタッフ部門と連携を図り、子会社における業務の適正の確保を図るための実施活動を推進および管理する。
(ハ)当社は、子会社に対して、取締役または監査役を派遣するとともに、当該子会社の経営・事業運営全般を管理する部門を定め、当該管理部門は子会社の業務執行状況について報告を受けるものとする。また、「関係会社管理規程」に基づき子会社の重要な事業運営に関する事項については、当社において常務会での審議、取締役会への付議等を行うとともに、必要に応じてNECと連携を行う。なお、当該管理部門はその子会社の業務の効率的な遂行を阻害するリスクを洗い出し、適切に職務の遂行が行えるよう指導および支援する。
(ニ)当社および子会社の取締役は、法令および社内規程に従い、財務諸表等の作成を行うとともに、会計監査人の監査業務遂行に協力する。また、財務報告に係る内部統制についても法令等に基づき、評価、維持、改善等を行う。
(ホ)経営監査部は、業務の適正性に関し、子会社の監査を行う。
(ヘ)監査役は、業務監査を通じて当社および子会社における業務の適正の確保を図る。
f.監査役の職務を補助すべき使用人および当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
当社は、「監査役室」を設置し、監査役の職務遂行を補助するスタッフを配置する。
なお、監査役は当該スタッフの人事異動等について、意見を述べることができる。
g.取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
(イ)当社および子会社の取締役および使用人ならびに子会社の監査役は、監査役の求めに応じて、随時その職務の執行状況その他に関する報告を行う。
(ロ)経営監査部等は、その職務の内容に応じて、定期的に監査役に対する報告を行う。
(ハ)法務コンプライアンス部は、「内部通報相談窓口(企業倫理ホットライン)」の運用状況について、定期的に監査役に対する報告を行う。
(ニ)当社は、監査役へ報告を行った当社もしくは子会社の取締役もしくは使用人または子会社の監査役に対し、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを行わない。
(ホ)重要な決裁書類は、監査役の閲覧に供する。
h.監査役の監査が実効的に行われることを確保する体制
(イ)監査役は、取締役会に出席するほか、必要と認める重要な会議に出席する。
(ロ)監査役は、監査役会において、監査実施状況等について情報の交換・協議を行う。また、会計監査人の監査業務遂行に協力し、定期的に会計監査に関する報告を受け、意見交換を行うとともに、内部監査部門である経営監査部との連携を図ることで、効果的な監査業務を行う。
(ハ)監査役が職務の執行のために合理的な費用の支払いを求めたときは、これに応じる。