有価証券報告書-第69期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財務状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、企業収益の持続や雇用・所得環境の改善がみられるなど景気は緩やかな回復基調で推移したものの、消費税増税後の消費マインドの影響からくる景気の下振れや米中貿易摩擦の長期化をはじめとした不安定な海外情勢、さらには新型コロナウイルス感染症拡大の影響による大幅な下押しにより、大変厳しい状況となりました。
当業界におきましては、消費者の低価格・節約志向が根強く残るなか、一部供給原料の値上がりに伴う製造コスト等の上昇や人手不足等による労働コスト・物流費の上昇など、依然として厳しい環境で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、「お客様第一にあふれる味覚をお届けします」をモットーに「安心・安全・美味しさ」を追求し、創業100周年を迎え経営理念のさらなる浸透を図るとともに、コンプライアンスを重視した社員教育を実施いたしました。また、製造コスト等の上昇が当社の経営を強く圧迫する要因となっている状況のなか、作業効率の改善や仕入の見直しを重視し、コスト削減努力を継続してまいりました。そして、5月には、高生産性で品質管理を徹底させた新たな拠点として、岡山昴工場(岡山県浅口市)が本格的に稼働いたしました。
販売に関しましては、「花ソーセージ」「JAS特級あらびきポークウインナー」のCM放映に加え、4月より毎月100名様に商品詰め合わせセットが当たる「おかげ様で100周年キャンペーン」を実施し、販売強化を図ってまいりました。また、商標登録ブランド「ロマンティック街道」シリーズに加え、オリジナル商品「花ソーセージ」や昨年発売を開始いたしました次の100年に向けたブランド「昴ブランド」などの重点商品の販売・販路拡大に努めてまいりました。また、新商品といたしまして、あらびき感にこだわったノンスモークタイプのポークウインナー「あらびきKING」を発売し、製品ラインアップの拡充を図り、新規顧客拡大に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、255億97百万円(前期比0.5%減)となりました。利益につきましては、営業損失は5億36百万円(前期は営業損失1億49百万円)、経常損失は4億90百万円(前期は経常損失1億9百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は14億4百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億19百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
加工食品事業
加工食品事業につきましては、消費者の節約志向が続くなか、新商品「あらびきKING」をはじめとして「JAS特級あらびきポークウインナー」や「肉厚ハンバーグ」シリーズ、さらには「ローストビーフ」、「ローストポーク」が堅調に推移しましたが、企業間競争の激化等により売上高は減少いたしました。利益面におきましては、原材料価格の上昇や製造コストの上昇により前年同期を下回りました。
その結果、売上高は112億58百万円(前期比0.1%減)、セグメント利益(営業利益)は2億7百万円(前期比53.7%減)となりました
食肉事業
食肉事業につきましては、国産牛肉は、市場ニーズに合った販売が堅調に推移し、販売量は減少したものの売上高は増加いたしました。国産豚肉は、販売量、売上高とも増加いたしました。輸入牛肉は、豪州産、ニュージーランド産牛肉が堅調に推移し、販売量、売上高とも増加いたしました。輸入豚肉は、仕入価格の高騰、競争激化により販売量、売上高とも減少いたしました。利益面におきましては、輸入豚肉の販売量、売上高の減少や国産豚肉の販売単価下落の影響等により前年同期を下回りました。
その結果、売上高は143億38百万円(前期比0.9%減)、セグメント損失(営業損失)は1億80百万円(前期はセグメント損失(営業損失)75百万円)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響としては加工食品事業、食肉事業ともに、ライフスタイルの変化により需要変動があったものの軽微であったと考えております。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2億60百万円(前連結会計年度は2百万円の資金獲得)となりました。主な要因は、減価償却費5億74百万円と税金等調整前当期純損失8億20百万円、減損損失4億26百万円、固定資産売却益1億27百万円及び仕入債務の減少額2億24百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3億52百万円(前連結会計年度は14億47百万円の資金使用)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出6億51百万円及び有形固定資産の売却による収入3億21百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2億54百万円(前連結会計年度は10億66百万円の資金獲得)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入3億円と長期借入の返済による支出3億97百万円、リース債務の返済による支出96百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 加工食品事業 | 6,956 | 98.6 |
| 食肉事業 | 5,875 | 102.9 |
| 合計 | 12,831 | 100.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産ではなく見込生産を行っております。
c.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 商品仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| 加工食品事業 | 971 | 100.8 |
| 食肉事業 | 7,642 | 101.8 |
| 合計 | 8,614 | 101.7 |
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
d,販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 加工食品事業 | 11,258 | 99.9 |
| 食肉事業 | 14,338 | 99.1 |
| 合計 | 25,597 | 99.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの連結会計年度の経営成績及び財政状態は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、255億97百万円(前期比0.5%減)となりました。
消費者の節約・低価格志向や競合他社との価格競争の激化などにより、売上高は減少いたしました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は、原材料価格の上昇や動力費、減価償却費等の製造コストの上昇等の要因により、前連結会計年度に比べ1億85百万円増加の213億71百万円(前期比0.9%増)となりました。
販管費及び一般管理費は、経費削減に注力してまいりましたが、物流コスト等の上昇により、前連結会計年度に比べ60百万円増加の47億62百万円(前期比1.3%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度において営業外収益は、1億43百万円(前期比5.0%増)となりました。これは、受取配当金40百万円、不動産賃貸料59百万円等によるものであります。
営業外費用は、97百万円(前期比0.3%増)となりました。これは、支払利息69百万円等によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度において特別利益は、1億27百万円となりました。これは、固定資産売却益1億27百万円を計上したものであります。特別損失は、4億57百万円となりました。これは、投資有価証券評価損30百万円と減損損失4億26百万円を計上したものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ10億85百万円減少し14億4百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失3億19百万円)となりました。
財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億68百万円減少の154億62百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ8億15百万円減少の63億69百万円となりました。主な要因は、現金及び預金3億46百万円と受取手形及び売掛金4億89百万円の減少によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ15億52百万円減少の90億93百万円となりました。主な要因は、土地6億 21百万円、投資有価証券4億98百万円及び繰延税金資産3億1百万円の減少によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億78百万円減少の113億40百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ5億97百万円減少の76億5百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金2億31百万円、短期借入金54百万円及び未払金2億89百万円の減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ18百万円増加の37億34百万円となりました。主な要因は、繰延税金負債1億39百万円の増加と長期借入金53百万円、退職給付に係る負債54百万円の減少によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億90百万円減少の41億22百万円となりました。主な要因は、利益剰余金14億54百万円、その他有価証券評価差額金3億33百万円の減少によるものであります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
加工食品事業
当連結会計年度におけるセグメント資産は、連結子会社であった松戸福留㈱の土地の売却や売上高の減少等により、前連結会計年度に比べ5億89百万円減少の68億58百万円(前期比7.9%減)となりました。
食肉事業
当連結会計年度におけるセグメント資産は、連結子会社である㈱福留の土地を減損損失したことや売上高の減少等により、前連結会計年度に比べ5億87百万円減少の30億82百万円(前期比16.0%減)となりました。
主要な経営指標は、次のとおりであります。
| 主な経営指標 | 当連結会計年度(%) | 前期比(%) |
| 売上高経常利益率 | △1.9 | △1.5 |
| 自己資本比率 | 26.7 | △6.5 |
(売上高経常利益率)
当連結会計年度における売上高経常利益率は、5%を経営目標としておりましたが、営業利益の減少により、売上高経常利益率は前期を下回りました。
(自己資本比率)
当連結会計年度における自己資本比率は、経営目標を50%としておりますが、その他有価証券評価差額金、利益剰余金等の純資産の減少により、自己資本比率は前期に比べ6.5%減少いたしました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保し、収益構造を確立し、安定経営の基盤を強固にすることを基本方針としております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
また、当社グループの主要な事業である加工食品事業及び食肉事業におきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により翌連結会計年度は需要変動のリスクがあるものと想定しております。当社グループでは、「翌連結会計年度末に向けて感染拡大が収束したのち需要が徐々に正常化する」との仮定のもと、固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(減損損失における将来キャッシュ・フロー)
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する販売単価及び数量、また経費見込金額等の仮定を用いております。また、損益の見積りのほか、将来キャッシュ・フローの期間、当該期間のおける再投資の見積り等、見積要素が複数存在します。
当該見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。